「いいね」で最新ニュースが毎日無料で届きます!
  • search施設を探す
  • menu_book介護の基礎知識
  • newspaperNEWS
  • contact_support教えて!北野室長
介護全般について無料電話相談
tel 0120-957-718
受付時間 9:00~17:00(年中無休)
他の記事を読む
  • 老人ホームの種類
  • 老人ホームの費用
  • 老人ホームの選び方
  • 老人ホームでの暮らし
  • 介護保険制度とは
  • 在宅介護サービス
  • 認知症の介護
  • 介護の費用を考える
  • 介護のトラブル集
  • 介護全般について無料電話相談
    tel 0120-957-638
  • 老人ホームの種類
  • 老人ホームの費用
  • 老人ホームの選び方
  • 老人ホームでの暮らし
  • 介護保険制度とは
  • 在宅介護サービス
  • 認知症について
  • 介護の費用を考える
  • 介護のトラブル集
  • 
  1. ホーム>
  2. 認知症について

認知症予防|生活習慣を見直す3つのポイント

認知症予防の方法としてウォーキングなどの有酸素運動が効果的

2021年12月16日2022年10月18日認知症について

「最近もの忘れが多くなってきた気がする」と将来認知症になることを心配している方も多いのではないでしょうか。

認知症は現代の医学では完全に治すことは難しいとされています。しかし認知症予防は生活習慣病と関係していることがわかっており、生活習慣を改善することで予防できるのです。

この記事では、そんな認知症の予防について詳しく解説していきます。「まだ認知症じゃないし、大丈夫」なんて思わずに、認知症予防についての知識を蓄えておいてください!

この記事を監修する専門家

入居相談室室長 北野 優

2009年に入居相談員のキャリアをスタートしてから、延べ1万人以上の相談を受ける。入居相談員としてのスキル・知見は群を抜いており、「人生100年時代 失敗しない介護施設選びと介護費用の目安」「相談事例から学ぶ!失敗しない有料老人ホーム探しのポイント」など老人ホーム選びに関する数々のセミナーにも登壇。7000施設以上の紹介数を誇る、いい介護入居相談室の室長。

目次
  • 1. 認知症は予防できる?
  • 2. 認知症と生活習慣病の関係は?
  • 3. 認知症予防の主な3つのポイント
  • 4. 認知症予防で大事なこと
  • 5. 認知症の予防法に関するよくある質問

認知症は予防できる?

認知症予防に確立された方法はない

認知症は、現時点おいては確立された予防法や治療法はありません。

趣味やボランティアの仲間とコミュニケーションをとることで、心や脳が活性化され認知症予防に繋がると聞いたことがある方もいらっしゃることでしょう。

近年では糖尿病などの生活習慣病と認知症に関する研究が多くなされ、生活習慣病の予防が認知症予防に繋がるということもわかってきました。

生活習慣病とは

厚生労働省において、生活習慣病とは「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」のことを定義します。

例えば、家族性のものを除くインスリン非依存糖尿病、肥満、脂質異常症、アルコール性肝疾患などが挙げられます。

認知症と生活習慣病の関係は?

生活習慣病は認知症の発症を高めると言われています。

主な生活習慣病と言われている高血圧や糖尿病、脂質異常症は、認知症の原因ともなる脳梗塞や動脈硬化、脳出血を引き起こしやすくなります。

家族性や遺伝子異常が原因なこともありますが、血糖値やコレステロールが高いとドロドロした血液になり血流が悪くなって、脳の細い血管を傷つけたり詰まりやすくなることで、脳梗塞などを引き起こすと言われています。

検診で、これらの項目に要注意または再検査が指摘された方は、いきなり自己流の糖質制限などをおこなうのではなく、病院に行き医師の指導を受けましょう。

では、これらの生活習慣病は日常生活の中で予防していけるのでしょうか?次の章で説明していきます。

認知症を知ろう|症状や原因、種類などの全知識をわかりやすく解説

認知症を知ろう|症状や原因、種類などの全知識をわかりやすく解説

認知症は、病気や障がいが原因で脳の認知機能の働きが悪くなり、日常生活に支障をきたす症状を認知症と ...

 https://e-nursingcare.com/guide/dementia/knowledge/

生活習慣病は予防できる

生活習慣病のほとんどは予防できると言われています。なぜなら、日々の生活習慣が主な病気の原因であると言われているからです。

検診を受けて、まずは自分の健康状態を把握しましょう。メタボリックシンドロームやコレステロール過多、血圧が高めの方は、医師の指導を受けながら、普段の食事内容や飲酒、睡眠の質、運動などの見直しをおすすめします。

見直すことにより、生活習慣病の発症や進行を防いでいくことができます。なお、運動を新たに取り入れたり負荷をかける時は、無理をせず自分の体力や身体状況に適した内容にしてください。

認知症予防の主な3つのポイント

認知症予防の主なポイントは以下3点です。

  • 食事
  • 運動
  • コミュニケーション

どれも日常生活に関わることですので、ぜひご参考にしてください。

食事

「塩分・糖質を抑える」「抗酸化成分を含む食品を摂取する」など食事面から認知症を予防できる

塩分・糖質を抑える

塩分や糖質を控えめにすることで認知症予防に繋がると言われています。

高塩分は高血圧や動脈硬化を引き起こす原因になり、脳血管性認知症のリスクを上げると言われています。特に高血圧の方は、血圧計で毎朝チェックすると良いでしょう。

また、糖尿病患者は糖質を抑えることでアルツハイマー型認知症や脳血管性認知症の発症を予防すると言われています。糖質制限や血糖値コントロールは我流でおこなうのではなく、必ず医師の指導を受けてください。

抗酸化成分を含む食品を摂取する

活性酸素は脳細胞の変性や動脈硬化を引き起こすと言われており、アルツハイマー型認知症や脳卒中、血管性認知症脳卒中を引き起こす作用があります。

抗酸化作用とは活性酸素を抑制する働きのことで、抗酸化成分を含む食品を摂取することにより認知症予防や進行を遅らせることが期待できると言われています。

具体的な食品として、不飽和脂肪酸DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)を含む青魚やレシチンを含む大豆製品、ナットウキナーゼを含む納豆、野菜などが挙げられます。どれも身近なスーパーで購入可能な食品ですので、普段の食事に取り入れると良いでしょう。

バランスの良い食事を心がける

一番おすすめなのが肉や魚、野菜、果物など、三食をバランスよく食べること。テレビなどでこの食材が良いといった情報や、ストイックな食事法などにこだわり過ぎないようにしましょう。

また、麺類やパンのみ、食事代わりのお菓子などはなるべく避けましょう。肉や魚、豆類といったたんぱく質やビタミンミネラルが摂取できる野菜など、いろいろな種類を食べると良いでしょう。臨機応変にサプリメントなども活用してください。

運動

有酸素運動やながら運動が認知症予防につながる

有酸素運動

認知症予防に有酸素運動は効果的とも言われており、たくさんの酸素を消費しながら運動することを指します。血流が良くなるだけでなく基礎代謝量を増加させたり、心肺機能も高められるため、動脈硬化や糖尿病、がん予防が期待できると言われています。

ウォーキングは誰でも手軽に取り組め、水泳やサイクリング、エアロビクスなども試してみると良いでしょう。手足を動かしたり、ステップを覚えることにより、脳にも刺激が伝わります。健康に不安がある方は負荷が高い種目を始める前に、必ず医師にご相談ください。

ながら運動

ながら運動は室内で家事やテレビを見ながらストレッチや筋力トレーニングをすることです。スポーツジムにわざわざ行く必要もなく、天気に左右もされません。筋肉を鍛えることで筋肉も増えて基礎代謝も高まり、血行も良くなるためおすすめです。

コミュニケーション

積極的に他者とコミュニケーションを取ることが認知症予防につながる

家族や近所の方、趣味の仲間とコミュニケーションをとることで、脳の活性化が期待できると言われています。

例えば、「町内会の役員をする」「ボランティア活動をする」「一緒にガーデニングや畑仕事をする」といったことがおすすめです。遠く離れた家族とテレビ電話で話したりするのも良いでしょう。

認知症予防はいつから始める? 認知症は、加齢とともに発症の危険性が積み重なっていきます。脳の老化は40代後半から始まり、50代後半あたりから兆しが出てくると言われています。

アルツハイマー型認知症の原因となる物質は、約20年前から蓄積し約20年後に発症を引き起こす要因になるとも言われています。

認知症になったかというボーダーラインもあいまいなもので、軽度認知障害(MCI)という認知症一歩手前になった人も生活を普通に送れていることが多いです。

認知症予防は、年齢が若くても日常生活の中で取り組んでいくことで、将来的に決して無駄にはなりません。若い人でも認知症予防を積極的に意識していくことが大事です。

認知症予防で大事なこと

「認知症になったらどうしよう」と考えすぎてストレスを溜めたり、認知症予防目的で無理な運動やストイックな食事制限をすることで体調不良や怪我をしてしまっては本末転倒です。

認知症予防は、毎日、無理なく楽しみながら、コツコツと継続していくことが大切です。健康を意識しつつ毎日ほがらかに過ごしましょう。

季節感を楽しんだり、遠く離れた家族や旧友とオンラインで話したり、配偶者や友人とサイクリングや登山など挑戦してみるといった、自分が心から「楽しい」と思えることをお試しください。

認知症予防事業に参加できる

お住まいの自治体に認知症予防事業があれば、参加してみましょう。介護保険の要介護認定を検討している方にもおすすめです。65歳以上の年齢制限があるためご注意ください。

認知症予防の講座や脳トレ、体操教室などが開催されることがあるため、お住いの役所やホームページなどでご確認ください。

体操は強度が軽めのものを中心におこなうことが多いため、気軽に参加してみると良いでしょう。認知症の基礎知識や認知症予防に繋がる習慣を学んだり体を動かしたり、講座内の参加者とコミュニケーションを取れて一石二鳥です。

認知症の予防法に関するよくある質問

認知症予防に効果的なことは何ですか?

認知症予防として効果的なのは「食生活を意識」「適度な運動」「良質な睡眠」「ストレスを溜めない」「周囲とコミュニケーションをとる」などといったことが挙げられます。

特に、食生活を意識することは重要で、主に肉や魚、野菜、果物など、三食をバランスよく食べると良いでしょう。

認知症予防のために運動はどのぐらいすれば良いですか?

まずは週2~3回以上、30分以上の運動から始めてみましょう。主にウォーキングをメインにおこない身体に負担がかからないようにしましょう。また、ウォーキングだけでなく、さまざまな運動を組み合わせることで認知症予防に有効です。

認知症のリスクを上げる食べ物は何ですか?

麺類やパンのみ、食事代わりのお菓子、ファーストフードなどが挙げられます。たんぱく質やビタミンミネラルが少なく栄養がほぼ摂取できません。主に肉や魚、野菜、果物などバランス良く栄養を摂取し、臨機応変にサプリメントなども活用しましょう。

▶「いい介護」で認知症でも入居相談可能な老人ホームを探してみる

この記事の執筆者

いい介護 編集部

「いい介護」の記事を編集・執筆する専門チームです。介護コンテンツのベテラン編集者や介護施設職員の経験者など、専門知識をもったスタッフが、皆さまの介護生活に役立つ情報をお届けします!

2021年12月16日2022年10月18日認知症について

関連記事

認知症を知ろう|症状や原因、種類などの全知識をわかりやすく解説

認知症を知ろう|症状や原因、種類などの全知識をわかりやすく解説

家族が認知症かもしれないと思ったとき、介護をする上でどのようなことに気をつければいいのでしょうか。 そこでこの記事では、認知症の種類、診断や検査、症状、予防法をもとに介護を続けるコツについても解説していくので、認知症対策として大切な、早期発見、そして予防に気をつけてください。 認知症の種類~三大認知症とは~ 病気や障がいが原因で脳の認知機能の働きが悪くなり、日常生活に支障をきたす症状を認知症といいます。今までできていたことが急に難しくなるので、日常生活全般に影響がでてしまいます。 認知症には以下の3つの種類があり、それぞれに原因や特徴、症状の出方が異なります。 アルツハイマー型認知症レビー小体型認知症脳血管性認知症 それでは、それぞれの特徴について見ていきましょう。 アルツハイマー型認知症 認知症の中でも約半数はアルツハイマー型認知症といわれています。アルツハイマー型認知症とは、脳神経が変性することによって脳全体が萎縮し、脳機能が停止してしまう症状です。 初期は物事を思い出せなくなる記憶障害がおき、その後は計画が立てられない、気候に合った服が選べないといった実行機能障害、季節、場所などの認識ができない見当識障害などが目立ってきます。症状には個人差があります。 レビー小体型認知症 アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症に次いで多い認知症です。レビー小体というたんぱく質が大脳皮質にたまり、脳神経細胞が破壊されることで認知症症状が現れます。 初期は認知機能は保たれ記憶力や見当識、理解力の低下はほとんど見られません。代わりに便秘や嗅覚異常、レム睡眠行動障害があらわれることが多いといわれています。 中期には手足が震えるといったパーキンソン症状が見られ歩行困難になり、徐々に記憶力、見当識、理解力の障害がおこります。 脳血管性認知症 アルツハイマー型認知症に次いで日本人に多い認知症が脳血管性認知症で、認知症全体の約20%となっています。脳血管性認知症は、くも膜下出血や脳梗塞といった脳の病気にともなって脳細胞が死滅し、発症します。 記憶障害などの典型的な症状もありますが、脳血管性認知症の場合は心身のコントロールができなくなって、コミュニケーションに支障をきたすこともあります。 ダメージを受けた脳の領域によって症状が異なるので、記憶力が健在でも身体的な障がいを実感しやすい場合、抑うつ状態になりやすい傾向があります。 認知症の原因 脳の病気や機能の低下が原因で認知症を発症します。その原因となる疾患は、アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症、脳血管性認知症の3つが約90%を占めています。中でも患者数70%と最も多いと言われているアルツハイマー型認知症は、脳神経の変性で起こります。 レビー小体型認知症は、神経細胞にできたたんぱく質が大脳皮質や脳幹に増えすぎたことが原因と言われています。脳血管性認知症は脳血管障害によって起こります。 またアルツハイマー型認知症と脳血管性認知症を併発していることもあります。このように認知症の原因はさまざまです。 認知症の症状 認知症の症状は中核症状と行動・心理症状(BPSD)の2つに分けられます。それぞれの症状について詳しく見ていきます。 中核症状 中核症状とは、認知症の典型的な症状のことです。あったことそのものを忘れてしまう記憶障害や物事を順序立てて考えられなくなる実行機能障害や、時間や場所がわからなくなる見当識障害などもあります。 これらは、認知症になるとほとんどの人に現れる中核症状です。中核症状は薬により進行を遅らせることはできますが、止めることはできません。 行動・心理症状~BPSD~ 行動・心理症状(※BPSD)は中核症状がおこることにより生じる二次的な行動・心理的症状です。 自尊心の低下、心理的な不安や精神的な混乱が増大し、引き起こされる徘徊や暴言、暴力行為といったものです。症状には個人差はありますが、次第に家族や周囲の人とのコミュニケーションなども難しくなります。※BPSDはBehavioral and Psychological Symptoms of Dementiaの略。 認知症の予防 認知症予防策を早い段階から意識して生活に取り入れていくことで、認知症になった後、その進行を緩やかにすることができます。 アルツハイマー型認知症は、糖尿病や脳血管障害など生活習慣病との関連が強いとも言われています。脳血管障害や動脈硬化のリスクを下げるために低塩分、低糖質の食事を取り入れましょう。多くの食材をバランスよく適切な量を食べることが大切です。 バランスのとれた食生活と併せて運動も必要。健康な体を維持するためには適度な運動をすることで、筋肉量の低下を予防し、関節の可動域を保つことが可能です。運動をして身体を動かすことは脳にも良い刺激をもたらします。 早期発見が重要 認知症は早期発見、早期対応が重要です。認知症のように日常生活が困難になるほどではないけれど、記憶力が低下し、正常か認知症か判断が難しい状態のことを軽度認知障害といいます。 軽度認知障害を患った約半数の方は5年以内に認知症と診断されるといわれています。この期間に早期対応することで症状の進行を遅らせることもできます。 認知症の初期症状である記憶障害を単なるもの忘れとして見過ごさず、異変を感じたタイミングで専門医を受診しましょう。他の病気と同様、放置しておくことは非常にリスクがあります。 早い段階からさまざまな治療をうけておくことで、たとえ認知症でも、症状を抑えて日常生活を送ることも可能です。 認知症の診断 認知症かどうかの診断は「面談」「身体検査」「認知症検査」という3つの検査を経た上で総合的におこなわれます。それぞれの検査内容と流れを見ていきましょう。 問診 本人と家族に対して医師の面談があり、これまでの経過や病歴、現在の状態などについてヒアリングがおこなわれます。正確に伝えるために、あらかじめ内容を整理したメモなどを準備して詳しく伝えましょう。 身体検査 身体検査では、血圧検査、血液検査、レントゲンなど一般的な健康診断に加え、手足の痺れ、震えの有無、歩行状態などについて調べます。認知症だけではなく、他の病気の有無や身体の状態についても確認します。 認知症検査 認知症検査は「脳画像検査」と「神経心理学検査」の2種類があります。脳画像検査はCTやMRIで脳を撮影して、脳梗塞、脳出血の有無や脳委縮の程度を検査します。 脳血流のチェックやレビー小体型認知症診断のための検査をおこなうケースもあります。神経心理検査は脳の働きをチェックする検査です。絵を見て絵の内容を答えるものや、記憶の確認、単純な計算問題などです。 神経心理検査には「長谷川式簡易知能評価スケール」や「ミニメンタルステート検査」、「時計描画テスト」といったものがあります。 認知症の治療法 認知症を完全に治療する方法は現在見つかっていませんが、治療により進行を遅らせることもできます。それぞれの治療法について説明します。 薬物療法 薬を使って認知症の症状を緩和するのが薬物療法です。中核症状の進行を遅らせるための抗認知症薬と、行動・心理症状(BPSD)の軽減のための抗うつ薬や睡眠薬によるものの2つに分けられます。 認知症の症状によって処方される薬もさまざまなので、薬については認知症専門医などに必ず相談しましょう。 非薬物療法 認知症の治療では、薬に頼らない非薬物治療も大切です。認知症には、精神的に安定しストレスなく穏やかな時間を送ることが良いとされています。 昔から好きだった音楽を聴いたり、日常生活の中で料理や掃除といった身の回りのことをすることも大切な治療のひとつです。また、ゲームなどで脳へ刺激を与えたり昔からの趣味に集中することで自分らしく過ごすことが精神の安定につながります。 認知症のリハビリ 認知症の症状のリハビリテーションにはどのようなものがあるのでしょうか。それぞれの内容、目的について説明します。 作業療法 日常生活でずっと継続してきた家事や仕事といった作業を続けることを作業療法といいます。 日常生活は多種多様な作業に満ち溢れています。買い物をしたり、散歩に行くこともそのひとつです。基本的な日常生活を送る能力や、社会の中でその人らしい役割をこなす能力を維持することが目的です。 認知症患者にとって新しい物事はストレスを伴います。新しいリハビリをするのではなく、その人が自然にやってきた作業を通して懐かしい気持ちを取り戻し、安定した精神を取り戻すことにつながります。 運動療法 運動療法は身体の一部または全部を動かすタイプのリハビリテーションです。適度な運動は脳の活性化、血流改善に繋がります。 運動療法はウォーキングや水泳といった有酸素運動から、「立つ」「歩く」「階段をあがる」といった基本動作の練習も含まれます。運動を通して関節機能の改善、筋力の増強、可動域の改善、転倒予防などを目的としています。 身体を無理に動かして身体を痛めたり転倒しては逆効果になってしまいますので、運動療法は理学療法士の指導のもと安全に配慮しておこないます。 音楽療法 音楽をリハビリテーションに取り入れたのが音楽療法です。一人でゆっくりただ音楽を聴くだけでもよいですし、家族や友人と一緒にカラオケで思いきり自分の好きな音楽を歌って楽しめばますます盛り上がった時間になるでしょう。 タンバリンやカスタネットなどの楽器を使ったりすることもさらに効果的です。正しく演奏したり歌うことよりも楽しむことが大切です。 音楽には、脳を刺激を与えたり、ストレスを軽減するといった良い効果があります。その人なりのやり方で音楽を楽しむことが大切です。 回想法 認知症のリハビリテーションのひとつに回想法もあります。一人でも複数でもおこなうことができます。昔の思い出を話し合ったりすることによって、脳を活性化させる方法です。 認知症になると直近の出来事を記憶することは困難になりますが、昔の記憶は保持されています。自分のそれまでの半生を思い返すことによって、満足感や幸福感を感じることもあります。 周囲に大切なのは本人の話を否定せずに受け入れて共感する姿勢です。回想法は認知症にとって、自尊心を取り戻し、不安を和らげる効果的なアプローチ方法と言えるでしょう。 認知症によって起きる行動や言動 認知症の行動・心理症状(BPSD)は認知症の中核症状が元になり行動と言動に現れるもので個人差があります。それぞれの症状について詳しくみていきましょう。 暴力・暴言 認知症の初期の段階から感情をコントロールするのが難しくなっていきます。このため納得できないことがあったり尊厳が傷つけられたと感じると、暴力や暴言となってあらわれることがあります。少し時間を置くなどして落ち着いてから話を聞くようにしましょう。 徘徊 徘徊は事故や事件に巻き込まれる恐れがあるため、介護者にとって特に心配な症状です。場所の見当識障害が進むにつれて現れるようになり、外出先で道に迷うほか、見慣れているはずの自宅や施設などを知らない場所と感じて外に出てしまう場合もあります。 被害妄想 認知症の初期症状からよく見られる症状のひとつです。認知症が進行すると、いつどこに何をしまい込んだかを忘れます。自分が置き忘れた自覚すっぽり抜けているため、「盗まれた」と家族や介護者など身近な人に疑いの目を向けるようになります。 介護拒否 介護拒否の理由はさまざまで、本人には介護を拒否する理由があります。認知症の人が介護を嫌がっている場合は、本人の意思を尊重し、介護を嫌がる理由を探りながら適切に介護できるようにしましょう。 無理強いすることによって、ますます嫌な印象を植え付けたり、症状を悪化させることにもつながります。 認知症の介護を続けるための心得 認知症の介護はストレスもリスクも高い状況が長く続きます。介護者のストレスを軽くするコツを知っておきましょう。 1.自分も大切にする 愛する家族が認知症を発症することは、とてもショックなことです。家族が変わっていく姿を見ることは辛いですし、ストレスを感じてしまいます。介護をするときに重要なのは、必要以上に頑張りすぎないことです。まずは自分自身の健康に配慮するなど自分に優しくすることが大切です。 2.溜め込まない 介護は長期戦です。認知症の家族を介護する中で、不満や悲しみは生まれてきます。その気持ちを溜め込まず、時に家族につらいと本音をこぼしたり、友人に愚痴や弱音を吐いて一緒にカラオケで発散させたり。気持ちを切り替えながらやっていきましょう。介護サービスを上手く活用し負の感情は溜め込まないことが介護をする上で何よりも大切です。 3.比較しない 認知症の症状について誰かと比べてもあまり意味はありません。認知症は、個人差があり、症状の重さや症状のあらわれ方は全く異なります。誰かと比較して、悲しい気分になるのはやめましょう。 4.まわりにも頼る 介護をしているときは大変すぎて、自分一人に抱えて社会からも孤立してしまいがちです。しかし、介護を一人でするのは不可能です。周りの人や外部の介護サービスを上手に利用して、まわりに頼りながらやっていきましょう。 認知症サポーターとは 認知症サポーターとは特別な資格や技術は必要ありません。90分の養成講座を受講するだけで、誰でも認知症サポーターになれるのです。認知症に関する正しい知識と理解を持ち、地域の認知症の人やそのご家族に対して、自分のできる範囲で手助けや支援をしたいと行動するだけです。高齢化の進む日本では、認知症の人は右肩上がりで増え続けているため、これからの社会においては、多くの人や地域による認知症支援が必要不可欠です。現在では約1300万人以上の方が認知症サポーターとして活動に参加しています。 5.「今」を大切に 介護に終わりは見えません。目の前の介護が大変だとどうしても今の時間を楽しむ余裕はなくなります。しかし介護はいつか終わりを迎えます。長い目で介護についてとらえて、なるべく「今」を大切に家族や本人が幸せでいられる時間を過ごしましょう。 在宅での認知症介護のコツ 認知症の本人にも家族にも、在宅介護をできるだけ負担なく気負わずおこなうためのコツがあります。 何事にもゆっくりを心がける 認知症になると脳の判断力が低下するため、全てが慌ただしく感じられます。 今までどおり家族が話しかけて、それを理解しようと認知症の本人が努力をしつづけると心身ともに疲れ切ってしまいます。結果として、なおさら混乱を招き理解が遅くなりお互いにコミュニケーションが負担となります。介護をする際、声がけも動作も「何事にもゆっくりを心がける」ことが大切です。 具体的な声かけをする 認知症の本人が機能低下しているのは聴覚や視覚ではなく脳です。判断能力、注意力、集中力が低下しているため、具体的な声掛けを心がけましょう。「はい」「いいえ」で答えられる声かけから始めてみるのもひとつの方法です。 周りが静かな環境で、聞き取りやすくゆっくりと話しかけましょう。言葉遣いはいつも通りで問題ありません。相手が何かを言おうとしたときは言葉を発するまでゆっくり待ちましょう。 外部との関わりを持つ 認知症の症状が進んでくるとコミュニケーションが難しくなってきます。地域との交流でおこなわれる挨拶や世間話や顔なじみと会話するなど、日常の風景を体感することも認知症の本人にとっては貴重な時間です。 自宅でリラックスする時間も大切ですが、外出して自宅とは違う時間を過ごすことも本人と介護者が社会から孤立しないための大切な機会です。 認知症の介護に関するよくある質問 認知症とは何ですか? 認知症とは、病気や障がいが原因で脳の認知機能の働きが悪くなり、日常生活に支障をきたす症状を指します。 具体的な症状として、あったことそのものを忘れてしまう記憶障害や物事を順序立てて考えられなくなる実行機能障害や、時間や場所がわからなくなる見当識障害などが挙げられます。また、徘徊や被害妄想、暴言、暴力行為といったものも症状として現れることがあります。 認知症にはどんな種類がありますか? 認知症には「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」「脳血管性認知症」の3つの種類があります。 患者数70%と最も多いと言われているアルツハイマー型認知症は、脳神経の変性で起こります。またレビー小体型認知症は、神経細胞にできたたんぱく質が大脳皮質や脳幹に増えすぎたことが原因と言われています。脳血管性認知症は脳血管障害によって起こります。 認知症は治りますか? 認知症を完全に治療する方法は現在見つかっていません。ただし、「薬物療法」「非薬物療法」により進行を遅らせることはできます。 薬物療法はその名の通り、抗認知症薬などの薬を使用する療法です。また徘徊や被害妄想、暴言、暴力行為といった行動・心理症状(BPSD)の軽減のために抗うつ薬や睡眠薬を使用することもあります。 一方、非薬物療法は、薬に頼らず安定した生活を送ってもらうことを目的としている療法です。例えば、昔から好きだった音楽を聴いたり、ゲームなどで脳への刺激を与えたりと手段はさまざまです。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "認知症とは何ですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "認知症とは、病気や障がいが原因で脳の認知機能の働きが悪くなり、日常生活に支障をきたす症状を指します。具体的な症状として、あったことそのものを忘れてしまう記憶障害や物事を順序立てて考えられなくなる実行機能障害や、時間や場所がわからなくなる見当識障害などが挙げられます。また、徘徊や被害妄想、暴言、暴力行為といったものも症状として現れることがあります。" } },{ "@type": "Question", "name": "認知症にはどんな種類がありますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "認知症には「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」「脳血管性認知症」の3つの種類があります。患者数70%と最も多いと言われているアルツハイマー型認知症は、脳神経の変性で起こります。またレビー小体型認知症は、神経細胞にできたたんぱく質が大脳皮質や脳幹に増えすぎたことが原因と言われています。脳血管性認知症は脳血管障害によって起こります。" } },{ "@type": "Question", "name": "認知症は治りますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "認知症を完全に治療する方法は現在見つかっていません。ただし、「薬物療法」「非薬物療法」により進行を遅らせることはできます。薬物療法はその名の通り、抗認知症薬などの薬を使用する療法です。また徘徊や被害妄想、暴言、暴力行為といった行動・心理症状(BPSD)の軽減のために抗うつ薬や睡眠薬を使用することもあります。一方、非薬物療法は、薬に頼らず安定した生活を送ってもらうことを目的としている療法です。例えば、昔から好きだった音楽を聴いたり、ゲームなどで脳への刺激を与えたりと手段はさまざまです。" } }] }

認知症の種類|3大認知症の特徴と症状を解説

認知症の種類|3大認知症の特徴と症状を解説

高齢者の病気の中でも認知症は症状や種類も多く、家族や周囲の対応が難しい病気です。認知症になると、生活する上でさまざまな面で支障が出てしまいます。 そこでこの記事では、認知症の種類や症状についての解説を中心に、認知症の方を介護するときの心得について解説します。在宅介護でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。 認知症とは 認知症は病名ではない 認知症というと病名のように捉えられることもありますが、病名ではありません。記憶障害など特有の症状を示す「状態」を総称する言葉です。 病気や怪我といった何らかの原因で脳の細胞に損傷がおき、記憶障害や言語障害といった症状が発生。日常生活に支障がおきている状態のことです。 もの忘れと認知症の違いは? 年をとると誰でも記憶力が低下します。加齢によるもの忘れと認知症は混同されやすいのですが、まったく別のものです。 もの忘れの場合は、自分がなにかを忘れてしまったという自覚はありますが、認知症の場合は自覚そのものがありません。自分がしたこと自体を忘れてしまうのが認知症です。 もの忘れと認知症の具体的な違いは下記の通りです。 加齢によるもの忘れ認知症によるもの忘れ体験した記憶一部を忘れるすべてを忘れている学習能力維持されている新しいことを覚えられないもの忘れの自覚あるなくなる時間や場所見当がつく見当がつかない探し物に対して(自分で)努力して見つけられるいつも探し物をしている誰かが盗ったなどと他人のせいにすることがある症状の進行極めて徐々に進行進行する 3大認知症とは 認知症には「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」という3つの種類があります。それぞれの症状について見ていきましょう。 アルツハイマー型認知症 認知症のなかでよく知られているのがアルツハイマー型認知症です。認知症の症中でも全体の約半数はアルツハイマー型認知症といわれています。 アルツハイマー型認知症とは、脳の神経が変性することによって脳全体が萎縮し、脳機能が停止してしまう症状です。 アルツハイマー型認知症になると初期は物事を思い出せなくなる記憶障害がおき、その後は、ものごとの計画が立てられない、気候に合った服が選べないといった実行機能障害が目立ってきます。ただし個人差が大きく、全員に同じような症状がでるわけではありません。 脳血管性認知症 アルツハイマー型認知症に次いで日本人に多いのが脳血管性認知症です。脳血管性認知症は、くも膜下出血や脳梗塞といった脳の病気によって、脳細胞が死滅して引き起こされる認知症です。 記憶障害などの典型的な症状もありますが、脳血管性認知症の場合は心身のコントロールができなくなって、コミュニケーションに支障をきたすこともあります。 レビー小体型認知症 脳血管性認知症に次いで多いとされているのがレビー小体型認知症です。レビー小体というたんぱく質が脳神経細胞を破壊することで発症するのがレビー小体型認知症です。 レビー小体型認知症の場合もアルツハイマー型認知症や脳血管性認知症と同じで、記憶障害や実行機能障害がおこります。 症状には個人差があるので一概には言えませんが、レビー小体型認知症の場合は、手足が震えるといったパーキンソン病に似た症状が表れるようです。 若年性認知症とは 18歳から39歳までに発症した若年期認知症と40歳から64歳に発症した初老期認知症をあわせて若年性認知症と言います。東京都長寿健康医療センターの調査によると、2018年時点で若年性認知症有病率は人口10万人あたり50.9人。男性よりも女性が発症することが多くなっているのが特徴です。ただし若年認知症の診断は非常に高度な診断技術が必要なので、診断を受けることがなく、日常生活や就労面で問題を抱えているケースも多くなっています。 .point { position: relative; border: 3px solid #f08d18; margin-top: 40px !important; } .point::before { background: #f08d18; content: "POINT"; color: #fff; font-weight: bold; display: block; padding: 5px 10px; line-height: 1; border-radius: 5px 5px 0 0; box-sizing: border-box; position: absolute; left: -3px } .point .point-title { display: block; padding: 10px; color: #f08d18; font-size: 1.2em; position: relative; left: -14px; font-weight: bold } .point .point-title::before { content: "『"; font-weight: normal } .point .point-title::after { content: "』"; font-weight: normal } @media screen and (min-width: 768px) { .point { margin:66px 40px 20px 0; padding: 8px 15px } .point::before { font-size: 14px; top: -26px } } @media screen and (max-width: 767px) { .point { margin:56px 40px 20px 0; padding: 8px } .point::before { font-size: 12px; top: -24px } } .point p { margin: 0; padding: 0 } 高齢者の5人に1人が認知症に 日本は今、65歳以上の高齢者の割合が20%を超えた超高齢社会に突入しています。そのなかで認知症の高齢者は2020年現在で約600万人、2025年には700万人にもなると推定されています。 認知症になると本人も家族も負担が多く、不安を感じてしまいます。しかし、高齢者の約5人に1人が認知症になるといわれるほど、認知症は発症率が高く、誰でもかかりえる症状です。 認知症をおそれるのではなく、認知症に対する正しい理解を深めることが必要です。私たちはこれから、認知症になっても困らない共生社会をつくっていくことが重要です。 認知症の症状は? 認知症の症状は「中核症状」と「行動・心理症状(BPSD)」の2つにわけられます。それぞれの症状について詳しく見ていきましょう。 中核症状 中核症状とは、認知症の典型的な症状のことです。 あったことそのものを忘れてしまう記憶障害や物事を順序立てて考えられなくなる実行機能障害。また、時間や場所がわからなくなる見当識障害などもあります。これらは認知症になるとほとんどの人に現れる中核症状です。 行動・心理症状(BPSD) 行動・心理症状(BPSD)は中核症状がおこることによって、引き起こされる二次的な行動・心理的な症状のことです。 今まで出来ていたことができなくなったり、わからなくなることによって、心理的な不安や混乱が増大。それにともなって、引き起こされる徘徊や暴言、暴力行為といったものです。 人によって症状のあらわれかたは違いますが、行動・心理症状(BPSD)がひどくなることで、家族や周囲の人とのコミュニケーションなども難しくなります。 認知症は予防と早期発見が大切 認知症の予防 認知症の平均発症年齢は51歳と言われています。そのため大切になるのが、認知症にならないように早い段階から意識しておくこと。認知症予防を生活に取り入れていることで、認知症になったとしても、その進行を緩やかにすることもできます。 認知症の予防として大切なのが食生活です。バランスの取れた食生活を意識することは、あらゆる病気のリスクを軽減します。認知症も同様で、多くの食材をバランスよく食べることが大切です。 また、アルツハイマー型認知症は糖尿病や脳血管障害など生活習慣病との関連が強いとも言われているので、低塩分、低糖質の食事を心がけましょう。 あわせて、適度な運動も大切です。適度な運動をすることで、筋肉量の低下を予防し、いつまでも元気な足腰を維持することができます。また運動は、身体だけではなく脳にも良い刺激をもたらします。 認知症の早期発見 認知症には早期発見、早期治療が重要です。認知症の初期症状である記憶障害は単なるもの忘れとして見逃されることも多いのですが、早く対処すれば進行を遅らせることもできます。 他の病気と同様に、放置しておくことは非常にリスクがあります。早い段階からさまざまな治療をうけておくことで、たとえ認知症でも、症状を抑えて生活することも可能です。 認知症の検査 認知症の検査は「面談」「身体検査」「認知症検査」という3つの工程を経た上でおこなわれ、認知症かどうかを診断されることになります。 それでは、それぞれの工程を詳しく見ていきましょう。 面談(問診) まずは本人と家族に対して医師の面談があり、過去の病歴や現在の状態についてヒアリングがおこなわれます。正確に伝えるために、あらかじめ内容をまとめたメモなどを準備しておくと良いでしょう。 身体検査 身体検査では、一般的な健康診断や人間ドックのような内容(レントゲン、血液検査、尿検査、血液検査など)をおこないます。 認知症だけではなく、他の病気の有無や身体の状態について確認します。 認知症検査 認知症検査は「脳画像検査」と「神経心理学検査」の2種類があります。 脳画像検査はCTやMRIで脳を撮影して、脳の状態を検査するものです。神経心理検査は脳の働きをチェックする検査。絵を見て絵の内容を答えるものや、記憶の確認、単純な計算問題などです。 神経心理検査には「長谷川式簡易知能評価スケール」や「ミニメンタルステート検査」、「時計描画テスト」といったものがあります。 検査にあたっての心づもり 認知症の検査をするというと、ショックを受けたり、診断されたくないと検査を拒否する人もいるでしょう。 しかし、認知症には早期発見、早期治療に越したことはありません。本人にしっかりと理解してもらい、協力をとりつけることが大切です。認知症状が進んでいて本人の理解が難しい場合は、認知症検査ということは言わずに、普通の健康診断として受診することも良いかもしれません。 また、認知症検査の結果については、本人だけではなく家族も一緒に確認するようにして、今後の対応についても話し合えるようにしておきましょう。 認知症の治療法 現代の医療では、認知症を完全に治療することはまだ困難と言えるでしょう。ただし、原因によっては、薬やリハビリ療法などで症状の軽減が目指せることもあります。 ここからは、それぞれの治療法の目的と内容について説明します。 薬物療法 薬を使って認知症の症状を緩和するのが薬物療法です。 認知症を治す薬はいまだ発明に至っていませんが、アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症については、症状を抑える薬を使った薬物療法が行われています。 認知症の薬物療法で代表なのが、体内のアセチルコリンの低下を防ぐ薬です。 アセチルコリンは脳内の記憶力や集中力に関係する物質で、アセチルコリンの分泌量が減ることで認知症の症状が出るといわれています。そのため薬物療法では、アセチルコリンの減少を防ぎ、認知症の症状を抑えることを目的としています。 ただし、認知症の症状によって処方される薬もさまざまなので、薬については認知症専門医などに必ず相談しましょう。 非薬物療法 認知症の治療では、薬に頼らない非薬物治療も大切です。認知症には、精神的に安定して、ストレスなく落ち着いた日々を送ることが良いと言われています。 日常生活の中で、掃除、洗濯、料理といった身の回りのことをすることも大切な治療のひとつです。また、脳トレやゲームなどの脳への刺激や好きだった趣味のことを続けるのも、昔の自分を取り戻したり、精神の安定につながります。 認知症のリハビリ 認知症の症状の緩和や進行遅延を目的とするリハビリテーションにはどのようなものがあるのでしょうか。それぞれの種類と内容、目的について説明します。 作業療法 本人が日常生活でずっと継続してきた家事や仕事といった作業を続けることを作業療法といいます。基本的な日常生活を送る能力や、社会の中でその人らしい役割をこなす能力を維持することが目的です。 簡単なところだと服や靴の着脱といったものや、買い物をしたり、散歩に行くこともそのひとつです。 わざわざ新しいリハビリをするのではなく、その人が自然にやってきたことをやるだけなので、本人にとっても始めやすく、安定した精神を取り戻すことにつながります。 運動療法 運動療法はその名の通り、身体を動かすタイプのリハビリテーションです。しかし急に身体を動かして、無理な運動をしたり転倒するようなことがあっては、逆効果になってしまいます。運動療法は理学療法士の指導のもとでおこなわなければいけません。 運動療法はウォーキングや水泳といった有酸素運動から、「立つ」「歩く」「階段をあがる」といった基本動作の練習も含まれます。 音楽療法 音楽には、脳を刺激を与えたり、ストレスを軽減するといった良い効果があります。音楽はただ聴くだけでもいいですし、自分が歌ったり、楽器を使うといったこともさらに効果的です。 音楽をリハビリテーションに取り入れたのが音楽療法です。カラオケで思いきり自分の好きな音楽を歌ったり、タンバリンやカスタネットなどの楽器を使ったりすることもストレス発散になります。 もちろん、一人で好きな音楽を静かな環境で聴くだけでも十分。その人なりのやり方で音楽を楽しむことが大切です。 回想法 認知症のリハビリテーションのひとつに「回想法」という方法もあります。回想法は、昔の思い出を話し合ったりすることによって、脳を活性化させる方法です。 認知症になると直近の出来事を記憶することは困難になりますが、昔の記憶は保持されています。懐かしいアルバムを見ながら昔の思い出を語り合ったりすることで、精神的な安定を得られることができます。 また、自分のそれまでの半生を思い返すことによって、満足感や幸福感を感じることも。回想法は認知症に対して、効果的なアプローチ方法と言えるでしょう。 介護拒否があったら 施設や在宅関わらず、認知症の人が自分の介護を拒否することを介護拒否といいます。 介護拒否の理由はさまざまで、本人には介護を拒否するなんらかの理由があります。無理強いすることによって、ますます態度を硬化させてしまったり、症状を悪化させることにもつながります。 認知症の人が介護を嫌がっている場合は、本人の意思を尊重しながら、介護されることのなにがいやなのかをしっかりと聞くことが大切です。本人の不安や心配を取り除きながら、適切に介護できるようにしましょう。 介護拒否の6パターン 介護拒否のパターンはおもに下記の6つのパターンがあります。 食事の拒否服薬の拒否入浴の拒否着替えの拒否排泄の拒否外出の拒否 それぞれについての内容と、その対処法について見ていきましょう。 食事の拒否 食べることは生命を維持するうえで非常に大切ですが、食事を拒否することもあります。体調が悪くて食べられなかったり、食べる気にならないといった精神的な原因もあります。 一方で口内炎などで口の中が痛かったり、うまく飲み込めないといった身体的な原因の場合もあります。 また、認知症の症状によっては、箸の使い方がわからなくなっていたり、それがどう食べるものか理解できない状況もありますので、注意しましょう。 服薬の拒否 認知症の薬を拒否するケースもあります。この場合は単に薬を飲むこと自体を忘れているだけのこともあります。しかし、わかっていて服用していない場合は、薬があわなかったり、飲みにくいという原因が考えられます。 医師に相談して、飲みやすい薬に変えてもらったりして原因を早めに取り除くようにしましょう。 入浴の拒否 入浴を拒否することも介護拒否でよく見られます。入浴の介護拒否の原因の一つは衛生観念が薄まり、入浴の必要性を感じなくなることです。 また、介護者に裸を見られるのが恥ずかしいという羞恥心による場合もありますので、同性の介護者だけにするなどの配慮が必要です。 着替えの拒否 着替えについては入浴と同様に羞恥心が要因の場合も多いです。しかし同時に着替える段取りを整えることができない実行機能障害がおきていて、困っているケースもあります。 着替えを拒否している場合は、どちらにあてはまるか見極めることが大切です。 排泄の拒否 認知症が進んでくると、便意や尿意についての意識が鈍ってくる傾向にあります。また、トイレの場所がわからなくなっていたり、トイレ自体の方法が曖昧になることも考えられます。 トイレを失敗すると本人にも家族にも大きなストレスにつながります。トイレを拒否している原因を正しく理解して、対策をとりましょう。 外出の拒否 そもそも年をとると外出自体が億劫になる傾向にあります。それにくわえて認知症の人の場合は、外出の意味が理解できずに余計なストレスや不安感を感じてしまうこともあります。 わかっていると思い込まないで、なぜ外出するのか、どこにいくのか、なにをするのかをしっかりと伝えたうえで外出するようにしましょう。 認知症介護を続けるための心得 認知症は完治することなく、長期戦のリスクも高い症状になります。認知症の人を介護することはとても負担が大きく、ストレスをためやすくなります。認知症介護にめぐり、痛ましい事件が起きることもあります。 認知症介護を続けるために、大切な心得について説明します。 自分も大切にする溜め込まない比較しないまわりにも頼る「今」を大切に 自分も大切にする 愛する家族が認知症を発症することは、とてもショックなことです。家族が変わっていく姿を見ることは辛いですし、ストレスを感じてしまいます。 介護をするときに重要なのは、必要以上に頑張りすぎたりせずに、自分自身の健康や時間も大切にすることです。 溜め込まない 認知症の家族を介護する中で、不満や悲しみは生まれてきます。その気持ちをずっと自分だけでしまっておくと、いつか爆発してしまいます。 負の感情は溜め込まないことが一番です。時々は友人に愚痴をいったり、家族につらいと本音をこぼしたり、カラオケで発散させたり。気持ちを切り替えながらやっていきましょう。 比較しない 誰かと比べるというのは、どうしてもマイナスの感情を生み出しやすくなります。特に認知症は、人によって症状の重さや症状のあらわれ方は違います。ほかの認知症の人と比べてどうということは考えても仕方ありません。誰かと比較して、悲しい気分になるのはやめましょう。 まわりにも頼る 介護をしているときは大変すぎて、自分一人に抱えてしまいがちです。しかし、介護を一人でするのは不可能です。周りの人や外部のサービスを上手に利用して、まわりに頼りながらやっていきましょう。 「今」を大切に 介護は大変なので、どうしても介護に手いっぱいでまわりを見たり、今の時間を楽しむ余裕はなくなります。しかし介護は永遠に続くわけではありません。長い目で介護についてとらえて、なるべく「今」を大切に過ごしましょう。 在宅生活が困難な時は 認知症になっても住み慣れた環境で過ごさせてあげたいと家族が考える気持ちは理解できます。ただし、認知症の症状が進んでいくと、家族による在宅介護では対応ができなくなることもあります。その場合は専門の施設への入居も検討するようにしましょう。 認知症の人を受け入れている代表的な施設について説明します。 小規模多機能居宅介護 小規模多機能型居宅介護とは「通所」「訪問「宿泊」の3つの機能を有した介護施設のことです。比較的新しく登場した地域密着型サービスの一つで、どのようなケアも同じ事業所の同じスタッフが対応するので、新しい人が苦手な認知症の人に適しています。 実際に小規模多機能型居宅の利用者は8割程度が認知症の人と言われています。認知症の高齢者の受け皿として期待されていますが、小規模な事業所が多く、入居待ちの人が多いことが残念です。 グループホーム 認知症の高齢者のみを入居対象としているのがグループホームです。認知症の知識と経験をがあるスタッフが常駐しているのが特徴です。 入居者は少人数で「ユニット」という単位にわけられて、ユニットごとに配置されたスタッフが対応します。これも認知症の人が新しい人に不安を感じるために、なじみのスタッフでサポートできるよう工夫されたシステムです。 入居者にはそれぞれの役割や責任があたえられるので、それを満たすことによって入居者に達成感ややりがいを与えることができます。 グループホームは住民上のある市区町村の中でのみ選択可能です。また介護状況の進行に伴い、介護付き有料老人ホームへの転居を勧められるケースもあります。 介護付き有料老人ホーム 介護付き有料老人ホームは、24時間介護スタッフが常駐して、食事や入浴など身の回りのサポートを受けられる施設です。 民間企業が経営しているものが多く、金額や施設、サービス内容についてもさまざまです。 終身利用を原則としており、認知症や要介護5の人まで幅広く受け入れ可能。看取りのサービスまであるので、他の施設のように途中で転居しなければならないということもありません。 また、住宅型やサービス付き高齢者向け住宅でも最近は認知症の対応が可能としている施設が増えています。気になった施設があれば、問い合わせをして事前に受け入れについて確認しておきましょう。 [staff_banner] 認知症に関するよくある質問 認知症の進行スピードはどのぐらいですか? 認知症の進行スピードは人それぞれです。症状は比較的緩やかに8年~10年程かけて徐々に進行していきます。 初期症状として、あったことそのものを忘れてしまう記憶障害などが見られ始め、症状が悪化すると物事を順序立てて考えられなくなる実行機能障害や、時間や場所がわからなくなる見当識障害などの症状も表れます。 認知症は誰でもなりますか? 認知症は、誰でもかかる可能性があります。認知症の高齢者は2020年時点で約600万人、2025年には700万人にもなると推定されています。認知症は発症率が高く、高齢者の約5人に1人が認知症になる可能性があると言われています。 認知症にならないようにするためにはどうしたら良いですか? 認知症の予防として大切なのは「食生活を意識」「適度な運動」「良質な睡眠」「ストレスを溜めない」などといったことが挙げられます。 また少しでも、身体に違和感を感じたら病院を受診しましょう。認知症は他の病気と同様に、放置しておくことは非常にリスクがあります。単なる高齢に伴うもの忘れと判断せず適切な治療を受けましょう。 ▶「いい介護」で認知症でも入居相談可能な老人ホームを探してみる { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "認知症の進行スピードはどのぐらいですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "認知症の進行スピードは人それぞれです。症状は比較的緩やかに8年~10年程かけて徐々に進行していきます。初期症状として、あったことそのものを忘れてしまう記憶障害などが見られ始め、症状が悪化すると物事を順序立てて考えられなくなる実行機能障害や、時間や場所がわからなくなる見当識障害などの症状も表れます。" } },{ "@type": "Question", "name": "認知症は誰でもなりますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "認知症は、誰でもかかる可能性があります。認知症の高齢者は2020年時点で約600万人、2025年には700万人にもなると推定されています。認知症は発症率が高く、高齢者の約5人に1人が認知症になる可能性があると言われています。" } },{ "@type": "Question", "name": "認知症にならないようにするためにはどうしたら良いですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "認知症の予防として大切なのは「食生活を意識」「適度な運動」「良質な睡眠」「ストレスを溜めない」などといったことが挙げられます。また少しでも、身体に違和感を感じたら病院を受診しましょう。認知症は他の病気と同様に、放置しておくことは非常にリスクがあります。単なる高齢に伴うもの忘れと判断せず適切な治療を受けましょう。" } }] }

認知症の原因は?知っておきたい!タイプ別の認知症

認知症の原因は?知っておきたい!タイプ別の認知症

認知症とは、さまざまな病気や障がいが原因で脳の働きが低下し、記憶力・判断力に支障が出て日常生活が困難になる症状を指します。一般的には高齢者が発症することが多いですが、30代の若い世代で発症することもあります。 この記事では認知症の原因と種類について説明します。 また認知症に対する予防なども紹介しているので参考にしてみてください。 認知症の主な原因 認知症は、脳の病気や機能の低下が原因で起こる病気です。 中でも患者数が多いと言われているアルツハイマー型認知症は脳神経の変性で起こり、脳血管性認知症は脳血管障害によって起こります。このように認知症の原因はさまざまです。 アルツハイマー型認知症の原因 認知症患者の約67%がアルツハイマー型認知症で最も多いと言われています。 アルツハイマー型認知症の原因は、脳にアミロイドβやタウタンパク質が蓄積され、脳細胞が損傷したり神経伝達物質が減少すること。アミロイドβは、加齢に伴い増えるので高齢者が発症することが多く、脳の一部の変性によりゆっくり病状が進行します。 一方、若年性アルツハイマーは30代から50代で発症することもあり、遺伝が関係していると言われています。 脳血管性認知症の原因 脳血管性認知症の原因は主に、脳出血や脳梗塞などの脳の血管障害。認知症の約19%が脳血管認知症で男性に多いと言われています。 脳出血は、脳の血管の損傷によって出血した血液が溜まり、脳細胞を圧迫して症状が出ます。 脳梗塞は、脳の血管が詰まり血が巡らなくなったことで、その部分の脳の働きが消えてしまう病気です。 レビー小体型認知症の原因 レビー小体型認知症の原因は、神経細胞にできたレビー小体が大脳皮質や脳幹に過剰に作られること。認知症のうち約4%を占めているのが、このレビー小体型認知症と言われています。 他の認知症に比べ進行が早く、高齢の男性に多いという特徴がありますが30代でも発症することもあります。 前頭側頭型認知症(ピック病)の原因 前頭側頭型認知症の原因は、思考や判断機能を司る前頭葉と、記憶や聴覚機能を司る側頭葉が萎縮すること。タウタンパク質などの性質が変異して蓄積することで血流が悪くなり、その部分の機能が低下します。 現在、前頭側頭型認知症がなぜ発生するのかはまだ解明されていません。 認知症につながりやすい主な疾病 脳腫瘍 脳腫瘍には、原発性脳腫瘍と転移性脳腫瘍があります。 どちらも軽い頭痛が初期症状として現れ、次第に頭痛の時間と痛みが増し治療をしないと激痛を伴うようになります。 意欲低下・物忘れ・聴力・判断能力の低下・耳鳴り・性格の変化などの認知症に似た症状が特徴で、遺伝子の変化が発症原因のひとつであると考えられます。 正常圧水頭症 正常圧水頭症は、脳内に過剰に脳脊髄液が溜まり脳を圧迫することで発症する病気です。 くも膜下出血や髄膜炎などに伴って起こる続発性と、原因がわかりにくい特発性にわけられますが、特発性正常圧水頭症が多くみられる傾向にあります。 認知症と症状は似ていますが、早期発見による治療で改善が期待できます。 通常は高齢者に多く、知人の名前が出てこなくなったり、判断能力、意欲の低下、歩行障害を伴います。特に歩行障害は、小幅で足を引きずる、がに股歩きなど、特徴的な歩行が見られます。 比較的異変に気づきやすい点から認知症と異なり、正常圧水頭症の診断をされることが多いです。 甲状腺機能低下症 甲状腺とは、喉仏のすぐ下にある小さな臓器です。 その中に甲状腺ホルモンという身体の発育を促進し、新陳代謝を高めるホルモンを作り血液中に分泌するためのホルモンがあります。この甲状腺ホルモンは多くても少なくても身体に重大な影響を与えます。 症状には、意欲の低下、体重増加、身体のむくみなどが挙げられ、高齢者になると記憶力の低下などが見られます。甲状腺が腫れている場合には、甲状腺機能低下症を疑ってください。 また、正常な甲状腺は柔らかく外から触ってもわかりませんが、腫れてくると触ったり首を見ただけでわかることもあります。 高齢者の5人に1人が認知症に 現代の日本は65歳以上の高齢者の割合が20%を超えた超高齢社会に突入しています。そのなかで認知症の高齢者は、2020年現在で約600万人、2025年には700万人になると推定されています。 認知症になると本人も家族も負担が多く、不安を感じてしまいます。しかし、高齢者の約5人に1人が認知症になると言われるほど、発症率が高く、誰でもかかり得る症状です。 だからこそ認知症をむやみに恐れるのではなく、認知症に対する正しい理解を深めることが必要。わたしたちはこれから認知症になっても困らない共生社会をつくっていくことが重要です。 認知症は予防と早期発見が大切 認知症の予防 大事なのは、認知症にならないように早い段階から意識しておくこと。認知症予防を生活に取り入れていることで、認知症になったとしても、その進行を緩やかにすることもできます。 認知症の予防として大切なのが食生活です。バランスの取れた食生活を意識することは、あらゆる病気のリスクを軽減します。認知症も同様で、多くの食材をバランスよく食べることが大切です。 また、アルツハイマー型認知症は糖尿病や脳血管障害など生活習慣病との関連が強いとも言われているので、低塩分、低糖質の食事を心がけましょう。 あわせて適度な運動も大切です。適度な運動をすることで筋肉量の低下を予防し、いつまでも元気な足腰を維持することができます。また、運動は身体だけではなく、脳にも良い刺激をもたらします。 認知症の早期発見 認知症には早期発見、早期治療が重要です。認知症の初期症状である記憶障害は単なるもの忘れとして見逃されることも多いのですが、早く対処すれば進行を遅らせることもできます。 他の病気と同様に、放置しておくことは非常にリスクがあります。早い段階からさまざまな治療を受けておくことで、たとえ認知症でも、症状を抑えて生活することも可能です。 認知症介護を続けるための5つのポイント 認知症は完治することがなく、長期戦のリスクも高い病気です。認知症の人を介護することはとても負担が大きく、ストレスをためやすくなります。認知症介護にめぐり、痛ましい事件が起きることもあります。 認知症介護を続けるために、大切な心得を5つご紹介します。 1.自分も大切にする 愛する家族が認知症を発症することは、とてもショックなことです。家族が変わっていく姿を見ることは辛いですし、ストレスを感じてしまいます。 介護をするときに大切なのは、必要以上に頑張りすぎたりせずに、自分自身の健康や時間も大切にすることです。 2.溜め込まない 認知症の家族を介護する中で、不満や悲しみは生まれてきます。その気持ちをずっと自分だけでしまっておくと、いつか爆発してしまいます。 負の感情は溜め込まないことが一番です。ときどきは友人に愚痴をこぼしたり、家族につらいと本音を漏らしたり、カラオケで発散させたり。気持ちを切り替えながらやっていきましょう。 3.比較しない 誰かと比べるというのは、どうしてもマイナスの感情を生み出しやすくなります。特に認知症は、人によって症状の重さや症状のあらわれ方は違います。 ほかの認知症の人と比べてどうということは考えても仕方ありません。誰かと比較して、悲しい気分になるのはやめましょう。 4.まわりにも頼る 介護をしているときは大変すぎて、自分一人で抱えてしまいがちです。しかし、一人で介護するのは不可能です。周りの人や外部のサービスを上手に利用して、頼りながらやっていきましょう。 5.「今」を大切に 介護は大変なので、どうしても介護に手いっぱいで周りを見たり、今の時間を楽しむ余裕はなくなります。しかし、介護は永遠に続くわけではありません。長い目で介護についてとらえて、なるべく「今」を大切に過ごしましょう。 認知症の原因に関するよくある質問 認知症は誰でもなりますか? 認知症は、誰でもかかる可能性があります。認知症の高齢者は2020年時点で約600万人、2025年には700万人にもなると推定されています。認知症は発症率が高く、高齢者の約5人に1人が認知症になる可能性があると言われています。 認知症につながりやすい病気はありますか? 「脳腫瘍」「正常圧水頭症」「甲状腺機能低下症」が主な疾病として挙げられます。 主に脳内の疾病は認知症に直結しやすく、脳腫瘍は、意欲低下・物忘れ・聴力・判断能力の低下・耳鳴り・性格の変化などが特徴で、遺伝子の変化が発症原因のひとつであると考えられます。 また正常圧水頭症は、脳内に過剰に脳脊髄液が溜まり脳を圧迫することで発症する病気です。知人の名前が出てこなくなったり、判断能力、意欲の低下、歩行障害を伴います。ただし正常圧水頭症の場合、早期発見による治療で改善が期待できます。 認知症にならないための予防策はありますか? 認知症の予防として大切なのは「食生活を意識」「適度な運動」「良質な睡眠」「ストレスを溜めない」などといったことが挙げられます。また、アルツハイマー型認知症に予防として、低塩分、低糖質の食事は必須です。 ▶「いい介護」で認知症でも入居相談可能な老人ホームを探してみる { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "認知症は誰でもなりますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "認知症は、誰でもかかる可能性があります。認知症の高齢者は2020年時点で約600万人、2025年には700万人にもなると推定されています。認知症は発症率が高く、高齢者の約5人に1人が認知症になる可能性があると言われています。" } },{ "@type": "Question", "name": "認知症につながりやすい病気はありますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "「脳腫瘍」「正常圧水頭症」「甲状腺機能低下症」が主な疾病として挙げられます。主に脳内の疾病は認知症に直結しやすく、脳腫瘍は、意欲低下・物忘れ・聴力・判断能力の低下・耳鳴り・性格の変化などが特徴で、遺伝子の変化が発症原因のひとつであると考えられます。また正常圧水頭症は、脳内に過剰に脳脊髄液が溜まり脳を圧迫することで発症する病気です。知人の名前が出てこなくなったり、判断能力、意欲の低下、歩行障害を伴います。ただし正常圧水頭症の場合、早期発見による治療で改善が期待できます。" } },{ "@type": "Question", "name": "認知症にならないための予防策はありますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "認知症の予防として大切なのは「食生活を意識」「適度な運動」「良質な睡眠」「ストレスを溜めない」などといったことが挙げられます。また、アルツハイマー型認知症に予防として、低塩分、低糖質の食事は必須です。" } }] }

認知症の症状とは?中核症状と周辺症状を解説

認知症の症状とは?中核症状と周辺症状を解説

認知症を早期に発見するためには、どのような症状が現れるか知っておくことが大切です。 この記事では、認知症の中核症状と周辺症状について解説するとともに、認知症のサインとなる症状を紹介。予防や早期発見についても説明します。 「症状も出てないし、まだ大丈夫」なんて思っていたら手遅れになることもあるくらいです。きちんと理解して、予防と早期発見に気をつけてくださいね! 認知症の症状は2種類 認知症の症状を大きく分けると、脳の障害により直接引き起こされる「中核症状」と、中核症状に環境や人間関係、性格などが関係して発生する「周辺症状」があります。 中核症状は「記憶障害」「見当識障害」「実行機能障害」など、認知機能に障害が現れます。一方、周辺症状は行動や心理症状に関わる症状で、抑うつや徘徊、暴力、介護拒否などの多様な症状が見られます。 まずは、中核症状ではどのような症状が現れるか解説します。 中核症状 中核症状とは認知症になると明確に症状としてあらわれるもので、以下のような障害が出ます。 記憶障害見当識障害実行機能障害失行失語失認理解・判断力の低下 症状としてはっきりしているので、中核症状の内容を知っていれば「認知症かも?」と早めに気づいて、早めに治療することができます。 記憶障害 記憶障害はその名の通り、「ものを覚える」ことができなくなる障害のことです。「もの忘れ」とも似ていますが、食べた料理を忘れることがもの忘れなら、食べたこと自体を覚えていないのが記憶障害の状態です。 見当識障害 見当識障害は、おもに時間と場所がわからなくなる状態のことです。 今が何月何年なのか、ここはどこなのかということがわからなくなります。季節感もなくなるので、冬なのに薄着をしたり、夏なのにコートを着ようとするといった症状が見られます。 実行機能障害 実行機能障害になると、食材を買い物して、料理を作るという物事の段取りがたてられなくなったり、なにかを計画することが難しくなります。いくつかの工程を経る動作に加えて、複数の動作を同時にこなすこともできません。 失行 それまで当たり前にできていたことができなくなることを、失行と呼びます。 テレビをつける、お風呂を沸かすといった日常の動作も理解できなくなります。自分で身体を動かすことはできますが、誰かの指示どおりに行動したり、お箸などの道具を使うことは難しいようです。 失認 失認は、脳の部位の中で頭頂葉、側頭葉、または後頭葉に損傷が起きたときに見られる症状です。 頭頂葉に障害がある場合は、例えばハサミをさわっても何か理解できなくなる一方で、目で見るとハサミだと理解できます。 後頭葉はその逆で、ハサミを見ても、ハサミだと認識することができません。側頭葉は音が聞こえているのに、その音が何の音か判断することができない状況です。 失語 失語とは、その名の通り言葉を失ってしまう障害です。言葉を司る脳の部位に損傷が起きることによって、文字を読んだり書いたり、言葉を話したり、理解することが困難になります。 同じ失語でも、脳のどの部位に損傷がでたかで、症状はさまざまです。また、原因が進行性の病気なのか、脳卒中などの一時的なものかによって、進行性にも違いがあります。 理解・判断力の低下 理解するまでに時間がかかったり、適切な判断が難しくなります。いつもとは違う出来事に対応できず、混乱することもあります。 また、落ち着いていれば適切な判断ができる方でも、急かされると理解・判断力が低下する傾向にあります。このため、乗り物の運転や道路の横断など、瞬時の理解や判断を求められる場面から対応が難しくなっていきます。 行動・心理症状(BPSD) 認知症の周辺症状である「行動・心理症状」は、「Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia」を略して「BPSD」という略語で呼ばれることもあります。 中核症状に生活環境や人間関係、本人の性格などが関係して現れることから症状は個人により大きな差があります。 行動・心理症状には、暴力や暴言、徘徊など介護者の心的・身体的疲労につながりやすい症状も多いため、原因や対処方法を知っておくことも大切です。具体的な障害は以下の通りです。 暴力・暴言介護拒否・服薬拒否徘徊妄想無気力・抑うつ・不安幻覚 それでは、主な行動・心理症状を見ていきましょう。 暴力・暴言 感情をコントロールする脳の前頭葉が萎縮したり脳が疲れやすくなることにより、認知症の初期の段階から感情を抑えるのは難しくなっていきます。このため納得できないことがあったり尊厳が傷つけられたと感じると、暴言を吐いたり暴力を振るってしまうことも。 このような状況で介護者も感情的になると状況は悪化してしまいます。少し時間を置くなどして落ち着いてから話を聞くようにしましょう。 介護拒否・服薬拒否 環境の変化に対する不安や意欲の低下のほか、薬を飲むことを理解できなくなったり、妄想などによっても介護や服薬を拒否することがあります。 無理に介護したり薬を飲ませたりすると嫌な印象を植え付けてしまい、より一層拒否する場合もあります。不安による拒否ならその原因を解消するなど、嫌がる理由を探りながら本人に合わせて介護するようにしましょう。 徘徊 徘徊は事故や事件に巻き込まれる恐れがあるため、介護者にとって特に心配な症状です。 場所の見当識障害が進むにつれて現れるようになり、外出先で道に迷うほか、見慣れているはずの自宅や施設などを知らない場所と感じて外に出てしまう場合もあります。 また、引っ越しなどによる環境変化のストレスや、今いる場所に安心感を抱けないなども徘徊の原因になります。このため、落ち着ける環境づくりも徘徊の予防には大切です。 妄想 妄想とは、現実にはあり得ないようなことをほかの人が訂正できないほどに思い込む症状で、認知症初期からしばしばみられます。これらの妄想は、認知症による不安や焦りが要因となるようです。 代表的な症状に、周囲の人にものやお金を盗まれたと主張する「もの盗られ妄想」や、いじめられたなどの「被害妄想」、配偶者が浮気しているといった「嫉妬妄想」などがあります。 無気力・抑うつ・不安 認知機能障害では、日常生活でできないことが徐々に増えていきます。これに不安を感じ、気分が落ち込んで抑うつ状態になることも珍しくありません。 通常の抑うつでは悲観的な気持ちになることが多いですが、認知症ではあらゆることに無関心になることが多いです。 ストレスが大きな原因となるため、ストレスの元を見つけて軽減するのが重要です。また、ゆったり落ち着ける、居心地の良い環境作りも大切です。 幻覚 幻覚は、実在しないものが見えたり聞こえたりする症状です。レビー小体型認知症で多くみられますが、そのほかの認知症でも薬物や水分不足、睡眠不足などにより引き起こされることがあります。 「床に落ちたゴミが虫に見える」のようなほかのものとの見違えから、「自分の部屋に知らない人がいる」など実際にはありえないものがはっきりと見える「幻視」まで、症状は人により異なります。 認知症のサイン 認知症の初期症状は、認知症の種類によっても異なりますが、「もの忘れ」がきっかけとなり気づくことが多いようです。 また、時間や場所がわからなくなる見当識障害や理解力・判断力の低下も、比較的初期からはじまります。これにより、これまでできていたことができなくなくなったり、精神的に混乱するなどのさまざまな兆候が現れます。 ここからは、認知症のサインとなる症状を紹介します。 もの忘れ 少し前の出来事をすぐに忘れてしまう同じことを何度も聞いたり話したりする置き忘れやしまい忘れが増え、いつも何かを探している約束をすっぽかしたり、約束をしたこと自体を忘れてしまう人やものの名前が出てこなくなり、「あれ」や「それ」で指すことが増える同じものを何度も買ってきてしまう 時間や場所がわからない 今日の日付が言えなくなったり、今の季節がわからなくなる普段から通っている道でも迷ってしまう過去の出来事がどれくらい前のことなのかわからなくなる 理解力・判断力の低下 役所の手続きやATMでのお金の出し入れができなくなるテレビドラマの筋が途中でわからなくなる運転ミスが増えたり、事故を起こす 仕事や趣味、身の回りのことができない 仕事や趣味の段取りが悪くなったり、時間がかかるようになる料理の手順がわからなくなったり、味付けを間違える季節に合わせた服装を選べなくなる家電の使い方がわからなくなる入浴の仕方や服を着る順番がわからなくなるトイレが間に合わないことが多くなる 精神的混乱や落ち込み 一人になるのを不安がったり、怖がったりする趣味などの好きなことにも興味が持てなくなり、ふさぎこんだり、何をするにもおっくうがるイライラしたり怒りっぽくなる存在しない人やものを見えると言う自分のものを盗まれたと疑う目的があって出かけても、途中で目的がわからなくなり混乱する もの忘れと認知症の違い 年をとると誰でも記憶力が低下します。加齢によるもの忘れと認知症は混同されやすいのですが、まったく別のものです。 もの忘れの場合は、自分がなにかを忘れてしまったという自覚はありますが、認知症の場合は自覚そのものがありません。自分がしたこと自体を忘れてしまうのが認知症です。 もの忘れと認知症の具体的な違いは下記の通りです。 加齢によるもの忘れ認知症によるもの忘れ体験した記憶一部を忘れるすべてを忘れている学習能力維持されている新しいことを覚えられないもの忘れの自覚あるなくなる時間や場所見当がつく見当がつかない探し物に対して(自分で)努力して見つけられるいつも探し物をしている誰かが盗ったなどと他人のせいにすることがある症状の進行極めて徐々に進行進行する 認知症は予防と早期発見が大切 認知症の平均発症年齢は51歳と言われています。そのため大切になるのが、認知症にならないように早い段階から意識しておくこと。認知症予防を生活に取り入れていることで、認知症になったとしても、その進行を緩やかにすることもできます。 認知症の予防として大切なのが食生活です。バランスの取れた食生活を意識することは、あらゆる病気のリスクを軽減します。認知症も同様で、多くの食材をバランスよく食べることが大切です。 また、アルツハイマー型認知症は糖尿病や脳血管障害など生活習慣病との関連が強いとも言われているので、低塩分、低糖質の食事を心がけましょう。 あわせて、適度な運動も大切です。適度な運動をすることで、筋肉量の低下を予防し、いつまでも元気な足腰を維持することができます。また運動は、身体だけではなく脳にも良い刺激をもたらします。 認知症の早期発見 認知症には早期発見、早期治療が重要です。認知症の初期症状である記憶障害は単なるもの忘れとして見逃されることも多いのですが、早く対処すれば進行を遅らせることもできます。 他の病気と同様に、放置しておくことは非常にリスクがあります。早い段階からさまざまな治療をうけておくことで、たとえ認知症でも、症状を抑えて生活することも可能です。 認知症の症状に関するよくある質問 認知症の症状にはどんなものがありますか? 認知症の症状は、脳の障害により直接引き起こされる「中核症状」と中核症状に環境や人間関係、性格などが関係して発生する「周辺症状」があります。 中核症状は主に「記憶障害」「見当識障害」「実行機能障害」「失行」「失語」「失認」「理解・判断力の低下」などが挙げられます。 また周辺症状は主に「暴力・暴言」「介護拒否・服薬拒否」「徘徊」「妄想」「無気力・抑うつ・不安」「幻覚」などが挙げられます。中核症状、周辺症状に該当する行動があった場合は、早めに病院を受診しましょう。 認知症ともの忘れの違いは何ですか? もの忘れの場合は、自分が何かを忘れてしまったという自覚はあります。 しかし、認知症の場合は自覚そのものがなく、自分がしたこと自体を忘れてしまいます。症状が進行すると物事の計画が立てられなくなったり、時間や場所などもわからなくなるといった症状が出ます。不安な場合は早めに病院を受診しましょう。 認知症の進行スピードはどのぐらいですか? 認知症の進行スピードは人それぞれです。症状は比較的緩やかに8年~10年程かけて徐々に進行していきます。 初期症状として、あったことそのものを忘れてしまう記憶障害などが見られ始め、症状が悪化すると物事を順序立てて考えられなくなる実行機能障害や、時間や場所がわからなくなる見当識障害などの症状も現れます。 ▶「いい介護」で認知症でも入居相談可能な老人ホームを探してみる { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "認知症の症状にはどんなものがありますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "認知症の症状は、脳の障害により直接引き起こされる「中核症状」と中核症状に環境や人間関係、性格などが関係して発生する「周辺症状」があります。中核症状は主に「記憶障害」「見当識障害」「実行機能障害」「失行」「失語」「失認」「理解・判断力の低下」などが挙げられます。また周辺症状は主に「暴力・暴言」「介護拒否・服薬拒否」「徘徊」「妄想」「無気力・抑うつ・不安」「幻覚」などが挙げられます。中核症状、周辺症状に該当する行動があった場合は、早めに病院を受診しましょう。" } },{ "@type": "Question", "name": "認知症ともの忘れの違いは何ですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "もの忘れの場合は、自分が何かを忘れてしまったという自覚はあります。しかし、認知症の場合は自覚そのものがなく、自分がしたこと自体を忘れてしまいます。症状が進行すると物事の計画が立てられなくなったり、時間や場所などもわからなくなるといった症状が出ます。不安な場合は早めに病院を受診しましょう。" } },{ "@type": "Question", "name": "認知症の進行スピードはどのぐらいですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "認知症の進行スピードは人それぞれです。症状は比較的緩やかに8年~10年程かけて徐々に進行していきます。 初期症状として、あったことそのものを忘れてしまう記憶障害などが見られ始め、症状が悪化すると物事を順序立てて考えられなくなる実行機能障害や、時間や場所がわからなくなる見当識障害などの症状も現れます。" } }] }

軽度認知障害(MCI)とは?症状や発症後の対策、認知症との違い

軽度認知障害(MCI)とは?症状や発症後の対策、認知症との違い

認知症とよく似た症状として軽度認知障害(MCI)と呼ばれるものがあります。 軽度認知障害とはどのようなものなのでしょうか。認知症との違いや具体的な症状、診断された場合の取り組みについて解説します。 軽度認知障害(MCI)とは? 軽度認知障害=MCI(Mild Cognitive Impairment)は、認知症になる一歩手前のグレーゾーンの段階のことです。そのまま見落としたままにしてしまうと、認知症へと進行する可能性があります。 ただし、適切な予防と対策をすれば、発症を遅らせたり、健常な状態へ戻ることもできます。 認知症との違い 認知症と軽度認知障害の違いは、自立した生活を送れるかどうかです。認知症になると頻繁な記憶障害や機能障害が起きて、生活全般に支障が生まれます。 それに対して軽度認知障害の場合は、食事をしたり出かけたりといった日常生活をひとりで普通に送ることができます。 もの忘れの頻度はあがりますが、認知症と違って自分が忘れているという認識があるので、メモをとったりして自分自身で対策ができます。 放置すると認知症へ進行 早期発見、早期治療が大切 軽度認知障害には早期発見、早期治療が大切です。何も対策をしないで放置すると、そのまま認知機能が低下して、半数以上が5年以内にアルツハイマー型認知症に進行すると言われています。 アルツハイマー型認知症は、発症すると完治させられない病気です。しかし軽度認知障害の状態であれば、発症を防いだり、早めに治療を開始すれば元の状態にもどることも可能です。 軽度認知障害の疑いがある場合は、放置しないで早期発見、早期治療を心がけましょう。 軽度認知障害(MCI)の特徴 軽度認知障害にはどのような特徴があるのでしょうか。また認知症との違いはどのような点でしょうか。 厚生労働省の「みんなのメンタルヘルス」というサイトでは、軽度認知障害の特徴は下記のように定めています。 同年代の人に比べて、もの忘れが頻繫におきているもの忘れが多いという自覚はある日常生活に大きな支障はでていない 思い当たることがあれば、念のために専門医を受診することがおすすめします。 軽度認知障害(MCI)の原因と症状 軽度認知障害(MCI)の原因 軽度認知障害は、アルツハイマー型認知症の前段階とも言われています。原因についてもアルツハイマー型認知症と同様に、特定のたんぱく質が脳内に蓄積されて、脳の細胞が破壊されることにあるようです。 軽度認知障害の予防や治療法についても、残念ながら現在のところ確立されていません。 軽度認知障害(MCI)の症状 症状についても、記憶障害、実行機能障害というアルツハイマー型認知症と似たものが現れます。初期症状なので、それほど目立ったものではありません。しかし下記のようなことに思い当たる場合は注意が必要です。 何度も同じ話をすることが多くなったお金や予定の管理ができなくなった友人の名前が分からなくなった料理の味付けが変わった運転の仕方が変わった頭がぼんやりして、無気力になった疲れやすくなり、何もしたくなくなった 「健忘型」「非健忘型」の大きく2種類ある 軽度認知障害は、記憶障害があるかないかで2つのタイプに分類されます。記憶障害がある場合を「健忘型」、記憶障害がない場合は「非健忘型」といいます。 記憶障害は、軽度認知障害やアルツハイマー型認知症の典型的な症状です。記憶障害がない場合は物事を順序だてておこなうことが難しくなる実行機能障害が目立ってきたりします。 また、「健忘型」でありながら、実行機能障害や見当識障害などを併発している場合もあります。どのタイプにあてはまるかによって、進行した場合の症状もある程度予測できます。 軽度認知障害(MCI)の診断方法 軽度認知障害の診断方法は今のところ確立されていません。あくまで面談や認知機能検査、脳画像検査などの結果から、医師が総合的に判断します。 医師は軽度認知障害かどうかを判断する根拠として、主に下記のような検査を行います。 認知機能検査(「長谷川式スケール」や「ミニ・メンタルステート試験」)一般検査(血液検査や尿検査など)MRI検査、CT検査(脳の状態を調べるための画像検査)その他検査(アルツハイマー病との関連物質の量を調べる脳脊髄液検査など) 軽度認知障害は、脳内出血、甲状腺機能低下症などと症状が似ています。そのため軽度認知障害と判定するためには、脳の画像などで脳内の出血がないか、甲状腺に異常はないかについても調べる必要があります。 最終的には「認知機能レベルの低下が見られる」「認知領域での障害と思われる症状が1つ以上ある」「生活機能が自立している」「認知症とはいえない」といった判断になります。 軽度認知障害(MCI)と診断されたら 軽度認知障害は放置するとアルツハイマー型認知症に発展する症状ですが、早期に発見して対処することで、症状を緩和したり改善させることが可能です。 もし診断がおりた場合でも、あせらず対処していきましょう。具体的になにをすると良いかまとめました。 食生活の改善 軽度認知障害の対策に食生活の改善は非常に重要です。糖質はなるべく控えて、たんぱく質やビタミンを意識して摂取するようにしましょう。年をとると食事が面倒になったり、ついつい簡単に食べれるものに偏ってしまうことがあります。 健康な身体になるには、ごはんと一緒に肉や魚・野菜・牛乳・乳製品・果物などをバランスよく食べることが大切です。これは認知症だけのことに限りません。 また、新鮮な食材を定期的に届けてくれるサービスを利用して、栄養バランスを考えた献立を考えることも脳に良い影響を与えてくれます。 適度な運動 ヨガや体操といった軽い運動で身体を動かすことは、軽度認知障害だけではなく、生活習慣病の予防にもなります。 突然ハードな運動をしようとせずに、まずは散歩やストレッチといった軽いものから始めてみましょう。無理ない範囲で継続していくことで、自然と運動することに抵抗がなくなります。 身体を動かすことは病気の予防だけではありません。心身を刺激することで、気分もリフレッシュできて毎日を明るく過ごすことができます。 口腔環境の改善 見逃されがちなのが口腔環境の改善です。口腔環境を保つことは、健康に年をとるためにとても重要な役割を果たしています。口の健康は、噛む力を長く維持するだけではありません。きれいな発語はコミュニケーションを楽しくしてくれます。 口の力が弱まることで、誤嚥性肺炎などの危険もあります。美味しいものが食べられなくなると、生きる楽しみも減ってしまいます。 定期的に歯科に通うなどして、口腔環境を良い状態にキープするようにしましょう。 人とのコミュニケーション 人と良い関係を築いて、コミュニケーションをとることは非常に大切です。軽度認知障害と診断がおりることで、人付き合いに消極的になってしまうこともあります。しかしそれでは、症状は悪化してしまいます。 たくさんの人と話をすることは、脳へ良い刺激を与えてくれます。家族や友人と明るい会話をすることをおすすめします。 ときには趣味のサークルや町内会などの活動に参加するのも良いでしょう。ただし、人と話すことがストレスになるという人の場合は、無理をしないで大丈夫です。自分のペースで気持ちの良いコミュニケーションを心がけましょう。 脳の活性化 脳の活性化というとクイズやゲームのような脳トレが思い出されますが、それだけではありません。好きな音楽を聴いたり、楽しい映画をみたりということも脳の活性化のエネルギーになります。 趣味の世界を広げてみたり、好きなものを見たり聞いたりするだけでも十分です。病気の進行におびえて、くよくよして過ごすことは脳にも良くありません。脳に良い刺激を与えながら、前向きに生活することが大切です。 軽度認知障害(MCI)に関するよくある質問 軽度認知障害(MCI)とは何ですか? 軽度認知障害(MCI)は、認知症になる一歩手前の段階を指し、症状を見落とすと認知症へ進行する可能性があります。認知症とは違い、食事をしたり出かけたりといった日常生活をひとりで送ることもできます。 どんな症状が出たら軽度認知障害を疑った方が良いですか? 主に「何度も同じ話をすることが多くなった」「お金や予定の管理ができなくなった」「友人の名前が分からなくなった」「頭がぼんやりして、無気力になった」などが挙げられます。歳をとったからという理由でそのままにせず、異変を感じたら早めに病院を受診しましょう。 何も対策しない場合はどうなりますか? 何も対策をしない場合、そのまま認知機能が低下して、半数以上が5年以内にアルツハイマー型認知症に進行すると言われています。 アルツハイマー型認知症は、発症すると完治することはありません。しかし、軽度認知障害の状態であれば早期の治療で元の状態に戻ることも可能です。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "軽度認知障害(MCI)とは何ですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "軽度認知障害(MCI)は、認知症になる一歩手前の段階を指し、症状を見落とすと認知症へ進行する可能性があります。認知症とは違い、食事をしたり出かけたりといった日常生活をひとりで送ることもできます。" } },{ "@type": "Question", "name": "どんな症状が出たら軽度認知障害を疑った方が良いですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "主に「何度も同じ話をすることが多くなった」「お金や予定の管理ができなくなった」「友人の名前が分からなくなった」「頭がぼんやりして、無気力になった」などが挙げられます。歳をとったからという理由でそのままにせず、異変を感じたら早めに病院を受診しましょう。" } },{ "@type": "Question", "name": "何も対策しない場合はどうなりますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "何も対策をしない場合、そのまま認知機能が低下して、半数以上が5年以内にアルツハイマー型認知症に進行すると言われています。アルツハイマー型認知症は、発症すると完治することはありません。しかし、軽度認知障害の状態であれば早期の治療で元の状態に戻ることも可能です。" } }] }

介護の基礎知識

  • 老人ホームの種類
  • 老人ホームの費用
  • 老人ホームの選び方
  • 老人ホームでの暮らし
  • 介護保険制度とは
  • 在宅介護サービス
  • 認知症について
  • 介護の費用を考える
  • 介護のトラブル集

地域から老人ホームを探す

北海道・東北

  • 北海道(札幌市)
  • 青森
  • 岩手
  • 宮城(仙台市)
  • 秋田
  • 山形
  • 福島

関東

  • 東京
  • 神奈川(横浜市・川崎市・相模原市)
  • 埼玉(さいたま市)
  • 千葉(千葉市)
  • 茨城
  • 栃木
  • 群馬

北陸・甲信越

  • 新潟(新潟市)
  • 富山
  • 石川
  • 福井
  • 山梨
  • 長野

東海

  • 愛知(名古屋市)
  • 岐阜
  • 静岡(静岡市・浜松市)
  • 三重

近畿

  • 大阪(堺市・大阪市)
  • 滋賀
  • 京都(京都市)
  • 兵庫(神戸市)
  • 奈良
  • 和歌山

中国・四国

  • 鳥取
  • 島根
  • 岡山(岡山市)
  • 広島(広島市)
  • 山口
  • 徳島
  • 香川
  • 愛媛
  • 高知

九州・沖縄

  • 福岡(福岡市・北九州市)
  • 佐賀
  • 長崎
  • 熊本(熊本市)
  • 大分
  • 宮崎
  • 鹿児島
  • 沖縄

関連サービス

  • いい葬儀
  • いいお墓
  • いい仏壇
  • いい相続
  • いいお坊さん
  • ストーリー
  • いい不動産
  • いい保険

介護の基礎知識

  • 介護のトラブル集
  • 介護の費用を考える
  • 介護保険制度とは
  • 在宅介護サービス
  • 老人ホームでの暮らし
  • 老人ホームの種類
  • 老人ホームの費用
  • 老人ホームの選び方
  • 認知症について

Copyright © 2023 いい介護 All Rights Reserved.

WordPress Luxeritas Theme is provided by "Thought is free".

 PAGE TOP