介護老人保健施設(老健)とは|気になる費用や特徴・入居条件について

介護老人保健施設(老健)とは|気になる費用や特徴・入居条件について

更新日 2024/03/19

介護老人保健施設、略して老健は、65歳以上の要介護高齢者(要介護1以上)の中でも特に、医療ケアやリハビリが必要な人のための介護施設。さらに言えば、そうしたリハビリを経て“自宅に戻ることを前提とした施設”です。

ざっくり特徴を書くと介護老人福祉施設(特養)と同じように思う方もいるかもしれませんね。

そこでここでは、介護老人保健施設(老健)の特徴や入居条件、入居にかかる費用について解説するとともに、特養や他の介護施設との違いについても見ていきましょう。

介護老人保健施設(老健)の特徴

介護老人保健施設の特徴は、医療ケアやリハビリを主におこない在宅復帰を目指すことです。

介護老人保健施設の特徴は以下の通り。

  • 公的な介護施設のうちのひとつ
  • 医療ケアやリハビリによって在宅復帰を目指すことが前提
  • 原則として入居期間は3~6ヵ月

3つの介護保険施設のうちのひとつ

「介護老人福祉施設(特養)」介護医療院(旧名:介護療養型医療施設)」「介護老人保健施設(老健)」の3つが、国が定める公的な介護保険施設です。

介護保険施設ですから当然、要介護認定を受けていることが入居条件にはなりますが、特養とは異なり要介護1以上で入居が可能。入居者に対しては食事や排せつなどの基本的な介護サービスが提供されます。

在宅復帰を目指すことが前提の施設

介護老人保健施設(老健)は要介護高齢者の中でも医療ケアやリハビリが必要な方のための介護施設で、前提として「在宅復帰を目指す」という概念があります。そのため、介護の他に看護や医療のケアが充実しており、看護師に加えて理学療法士や作業療法士が常駐しています。

介護老人保健施設(老健)は病院に併設されているか、または運営母体が病院というケースが多いです。施設にはリハビリのための器具・設備が充実しており、日常生活に不安があるという方でも安心して生活できるでしょう。

原則として入居期間は3~6ヵ月

在宅復帰が前提の施設という理由から、入居できる期間には限りがあります。あくまで“原則として”という注釈がつきますが、その期間が3~6ヵ月。意外と短い…と思う方も多いのではないでしょうか。

ただし、現状では「在宅生活ができる状態にまで復帰していない」「家族の受け入れ体制や生活環境が整わない」といった理由から、この原則の期間が守られないケースも多く見受けられます。

入居期間に関しては施設やケアマネも相談に乗ってくれるので、不安な方は気兼ねなく相談してみてください。

老健には5つの区分がある

老健の5つの区分「超強化型」「在宅強化型」「加算型」「基本型」「その他」を表した図

介護老人保健施設は平成30年の介護保険法の改正により以下の5つの区分に分けられています。

  • 超強化型
  • 在宅強化型
  • 加算型
  • 基本型
  • その他

介護老人保健施設の目的は在宅復帰です。そのため、施設の中でも超強化型、強化型、加算型は、在宅復帰・在宅療養支援等指標やリハビリテーション、退所指導の基準も高くなっています。中でも在宅復帰・在宅療養支援等指標はベッド回転率や在宅復帰率など10の項目で採点されます。

介護老人保健施設(老健)の入居条件

老健の入居条件は要介護1から

介護老人保健施設は病院から退院したばかりの方や、怪我などで自宅での日常生活が困難な方向けの公的施設です。3ヵ月の短期入所が基本で、3ヵ月ごとに退所判定をおこないます。

介護老人保健施設の入居条件は、入院治療の必要がない要介護1~5であること、認知症の場合でも軽度の場合のみになります。

医師管理のもと、作業療法士や理学療法士といったリハビリ専門職の指導を受けて、自宅での生活復帰を目指し、自宅環境に合わせた訓練もおこないます。看護師からのケアや栄養管理、日常生活のサポート、そして夜間対応もあるため安心です。

介護老人保健施設(老健)の費用

介護老人保健施設の入所の際には、入居一時金などは不要で、月額費用も比較的安価

公的な介護施設のため、介護老人保健施設(老健)の入居にあたって一時金などの入居時費用は不要です。必要なのは、月額利用料としての賃料と食費、日常の生活費、そして介護保険の自己負担分のみです。

月額利用料をもう少し細かく見ると、「賃料」は介護度と施設のタイプ(従来型・在宅強化型)によって、また個室か多床室かによって決まります。「食費」はメニューのこだわりなどで施設によって違いがありますが、概ね15万円以内で収まると考えて良いです。

特別養護老人ホーム(特養)と比較すると、医師やリハビリ専門のスタッフが常駐している分、介護老人保健施設(老健)の方が月々に支払う金額は高くなるケースが多いのが一般的です。

「介護」を目的として特別養護老人ホームに入居するのか、それとも「医療ケアも含めた介護」を目的とするのか。その違いもあわせて、入居先を検討すると良いでしょう。

介護老人保健施設(老健)で提供されるサービス

介護老人保健施設(老健)で提供されるサービスは以下です。

  • 食事介助
  • 入浴介助
  • 排泄介助
  • 着替えの介助
  • 医師・看護師による医療ケア
  • リハビリ専門職による機能訓練

介護老人保健施設の大きな特徴であり、また特別養護老人ホーム(特養)と大きく異なるのは、理学療法士や作業療法士といったリハビリの専門職による充実した機能訓練が受けられることです。

介護老人保健施設(老健)自体が在宅復帰を目的とした介護施設のため、歩行器や車椅子を使った実用的なリハビリが行われます。

また、入居だけではなくショートステイや通所(デイケア)も可能なので、介護者の負担軽減につながっています。

介護老人保健施設(老健)でのリハビリの内容

老健でのリハビリは1回20~30分でおこなわれることが多い

老健には、入所者1人に対して週2回以上のリハビリを行うという規定があります(そのうち週1回は集団リハビリでも可)。1回のリハビリの時間はだいたい20~30分程度。起き上がりやベッドから車椅子への移乗、歩行訓練など、その方の状況に合わせたリハビリが行われています。

施設によっては、入所後の短期間のうちは集中的にリハビリを行っているところも。週3回以上など多くリハビリを行っている施設もあるので、よくチェックしておきましょう。

介護老人保健施設(老健)での医療ケアの内容

老健では医療的ケアも受けることができる

介護老人保健施設(老健)には医療従事者の配置に明確な基準が設けられており、入所者100人あたり1人以上の医師の常駐が義務付けられています。

医師は、診断や診療をおこなうだけでなく、看護や介護・リハビリのアドバイザーとしての役割も。3カ月に1度の入所判定をおこなうのも医師の役割で、この判定により入所を続けるかどうかが決まります。

介護老人保健施設(老健)のメリット

  • 機能訓練が充実している
  • 初期費用は無料。月額費用も比較的安い
  • 医療・看護ケアが手厚い
  • 要介護1から入所できる

機能訓練が充実している

理学療法士や作業療法士といったリハビリに特化した専門職が常駐しており、入所者それぞれの計画書に基づいた機能訓練が受けられます。

初期費用は無料。月額利用料も比較的安い

公的な介護施設のため入居時費用は不要。月額利用料も15万円前後に収まることが多く、特別養護老人ホームよりは高額になりがちですが、それでも民間の有料老人ホームなどよりは定額で入所することができます。

医療・看護ケアが手厚い

介護老人保健施設での医療・看護ケアの様子

24時間体制で医師・看護師が常駐しており、徹底したケアのもとで安心した生活を送ることができます。たん吸引や経管栄養といった医療的処置にも対応できる他、薬も施設から処方されるなど、一気通貫のケアを受けられます。

要介護1から入所できる

特別養護老人ホーム(特養)が要介護3以上しか入所できないのに対して、介護老人保健施設(老健)は要介護1から入所が可能。入所のハードルはやや低めと考えて良いでしょう。

介護老人保健施設(老健)のデメリット

  • 入居期間が限定される
  • 多床室が多い
  • 生活支援サービスは多くを望めない
  • イベントやレクリエーションは充実していない

入所期間が限定される

在宅復帰を目的とした施設のため、入所期間3~6ヵ月と限定的。医師の判断により長引くこともありますが、それでも、終身にわたっての利用はできないと考えておきましょう。

多床室が多い

個室はほとんどなく、たいていが多床室(4人部屋)。個室や2人部屋もありますが、これらを利用する場合は特別室料が加算されます。

生活支援サービスは多くを望めない

主な介護サービス(食事・入浴・排泄)は受けられますが、例えば掃除や洗濯といった生活支援サービスは充実していません。洗濯物は家族が持ち帰るか、もしくは外部事業者に委託するか。後者の場合はもちろん、別途料金がかかります。

イベントやレクリエーションは充実していない

民間の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などではイベント・レクリエーションが充実していますが、介護老人保健施設(老健)にそれは望めません。

介護老人保健施設(老健)はあくまで「在宅復帰」を目的とした施設ですから、それも当然かもしれませんね。

介護老人保健施設(老健)の設備

介護老人保健施設の居室は3タイプに分かれる

居室について

居室の形態は以下の3タイプです。

  • 多床室
  • 従来型個室
  • ユニット型個室

「多床室」は大きな部屋を2~4人で共同利用するタイプで、「従来型個室」はその名の通り1室を1人で利用するタイプ。「ユニット型個室」は、個室と10人ほどで共有する生活設備がセットになっているタイプのことを指します。

施設ごとに用意されている居室のタイプは異なりますが、現状では多床室がほとんど。ユニット型個室への切り替えが推奨されていますが、あまり進んでいないのが現状です。

多床室

多床室は大部屋に2~4台のベッドが置かれ、それぞれをカーテンで仕切るタイプ。

多床室は大部屋に2~4台のベッドが置かれ、それぞれをカーテンで仕切るタイプ。病院の大部屋のイメージに近いでしょう。介護スタッフが集団でケアすることで、効率的に介護し生活をサポートしてもらえます。

従来型個室

従来型個室は1つの部屋にシングルベッドが1つある、オーソドックスなタイプの個室

従来型個室は1つの部屋にシングルベッドが1つある、オーソドックスなタイプの個室です。面積は10.65㎡以上と決められており、プライバシーも十分に確保されています。

ユニット型個室

10人ほどで「ユニット」を作ってキッチンなどの共有スペースをユニット全員で使用します。居室は個室です

ユニット型個室では居住者は個室に居住しますが、10人ほどで「ユニット」を作ってキッチンなどの共有スペースをユニット全員で使用します。

共用スペースについて

老健には、共用スペースについても規定があり、以下を設置することが義務付けられています。

  • 診療室
  • 機能訓練室
  • リビング
  • 食堂
  • 浴室
  • レクリエーションルーム
  • 洗面所
  • トイレ
  • サービスステーション
  • 調理室
  • 洗濯室(洗濯場)
  • 汚物処理室

介護老人保健施設(老健)の職員体制

  • 医師:常勤1人
  • 看護職員:9人
  • 介護職員:25人
  • リハビリ専門職:1人(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のいずれか資格を持つもの)
    ※入所者100人に対しての人数

上記が、介護老人保健施設の人員配置として法律で定められている基準です。この他にも、栄養士・ケアマネジャー・ソーシャルワーカーも、入所者100人に対して最低1名を配置させる規定があります。

事務や調理スタッフも、人数に関する指定はないものの運営側は必ず配置する必要があります。

逆に言えば、これらの人員が規定を超えている場合は、手厚いケアを受けられると考えられます。施設選びの際には、職員の人数にも注意して見てみると良いかもしれませんね。

介護老人保健施設に関するよくある質問

介護老人保健施設とは何ですか?

介護老人保健施設(老健)とは、要介護1以上で65歳以上の高齢者を対象に、医療的ケアやリハビリが必要な人のための介護施設です。またリハビリを経て自宅へ戻ることを目的とした施設でもあります。

介護老人保健施設の費用はどれぐらいですか?

公的な介護施設のため、入居にあたって入居一時金などの費用は不要です。必要なのは、月額利用料として「賃料」「食費」「日常の生活費」「介護保険の自己負担分」のみです。賃料は居室のタイプによって変動があり、概ね15万円以内が月々支払う金額です。

介護老人保健施設は長期的に入居できますか?

介護老人保健施設は在宅復帰を目的としており、入居期間は原則として3~6カ月と限りがあります。

ただし、「在宅生活ができる状態にまで復帰していない」「家族の受け入れ体制や生活環境が整わない」といった理由から6カ月を超えることも多々あります。入居期間に関しては施設側も相談に乗ってくれるので、一度確認してみましょう。

▶「いい介護」で有料老人ホームを探してみる

地域から老人ホーム・介護施設を探す

北海道・東北

北海道札幌市)|青森県岩手県宮城県仙台市)|秋田県山形県福島県

関東

東京都神奈川県横浜市 / 川崎市 / 相模原市)|埼玉県さいたま市)|千葉県千葉市)|茨城県栃木県群馬県

甲信越・北陸

新潟県新潟市)|富山県石川県福井県長野県山梨県

東海

愛知県名古屋市)|岐阜県三重県静岡県静岡市 / 浜松市

関西

大阪府大阪市 / 堺市)|京都府京都市)|兵庫県神戸市)|滋賀県奈良県和歌山県

中国・四国

岡山県岡山市)|広島県広島市)|鳥取県島根県山口県徳島県香川県愛媛県高知県

九州・沖縄

福岡県福岡市 / 北九州市)|熊本県熊本市)|佐賀県長崎県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

よく読まれている記事

よく読まれている記事

article-image

介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

article-image

グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

article-image

【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

介護の基礎知識

total support

介護の悩みを
トータルサポート

total support

介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。

鎌倉新書グループサイト