【医師監修】認知症治療の回想法とは|目的とリハビリの効果

【医師監修】認知症治療の回想法とは|目的とリハビリの効果

公開日 2021/12/27

「回想法」とは認知症における非薬物療法のこと。脳が活性化することで認知症の進行を緩やかにしたり、認知症の予防法としても効果が期待されています。

回想の方法や注意点などのポイントをおさえておけば、自宅で手軽にはじめることもできますよ。

回想法とは

「回想法」とは認知症における非薬物療法のひとつで、リハビリテーションとして用いられている手法です。

過去の出来事や思い出を他者に話すことで脳が刺激されるので、認知症の進行を緩やかにすることが期待されています。

認知症の治療だけでなく予防法にも

1960年代のアメリカで誕生した回想法は、日本では高齢者のうつ病の治療法として取り入れることになり、現在では認知症の治療や予防として病院や施設で活用されています。

回想法において最も期待されているのが、脳への刺激です。昔の出来事や記憶を思い出すだけでなく、それを他人に話すという行為が脳に刺激を与え、脳の活性化につながります。

また、特別な準備が必要なく始められるのも回想法が広く普及したポイント。認知症を発症した方が持っている写真や使い慣れた小物、本人たちに親しみのある音楽や食べ物など、過去を思い出すきっかけになるものがあれば、すぐにでも始められます。

もちろん、過去の記憶を頼りに話してもらうだけでも一定の効果が期待されています。

回想法の始まり 回想法は1960年代のアメリカで誕生、影響力の高かった老年学者・ロバート・バトラー氏によって提唱されました。

1960年代当時の精神医学では、年齢を重ねた人が同じ話を何度も話題にしたり話したりすることは、ある種の病的状態であるとネガティヴに捉えられていました。ここに目をつけたバトラー氏は考え方を転換します。

バトラー氏は高齢者が回想をおこない、自分の人生を振り返ることで自らの自尊心を得られることや、同じ世代で話し合うことで悩みを共有できること、結果としてストレスの軽減や安心感を得られるなど、さまざまメリットを挙げて、回想法を積極的に推奨しました。

回想法は認知症の特性を活かした治療法

回想法は、記憶時間の短い“短期記憶”ではなく、長期間にわたって記憶されている“長期記憶”を思い出すのが特徴です。回想法は長期記憶である昔の出来事や感情を思い出す行為なので、短期記憶が失われやすい認知症に向いている治療と言えるでしょう。

そもそも認知症はさまざまな要因によって脳の認知機能が低下し、日常生活に障害が起きている状態のこと。損傷部位や人によって症状はさまざまですが、ごはんを食べたことを忘れてしまう短期記憶の喪失や、現在の時間や自分がいる場所が分からなくなる“見当識障害”は、認知症でよく見られる症状です。

自分がどこにいるかわからなくなる、今までできていたことができなくなることは、認知症を発症した本人にとって、非常につらい状況です。

過去の自分を思い出し、そして話をじっくり聞いてくれる人がいることを確認することで、精神的にリラックスできるのも回想法の大きなメリット。精神的な安定は認知症の症状緩和にも大きく役立ちます。

回想法は2種類ある

回想法には個人回想法とグループ回想法の2種類があります。個人回想法は語り手と聞き手がマンツーマンでおこなうのに対し、グループ回想法は6〜8人の語り手でおこないます。前者は在宅で、後者は病院や施設で多用されています。

個人回想法とは

個人回想法とは、語り手(認知症を発症した本人、あるいは認知症予防をしたい人)と聞き手(家族、介護者)の2人で回想する方法です。聞き手が語り手の話にじっくりと耳を傾けることができるので、より丁寧な回想をおこなうことができます。

また、少ない人数で行えるのが個人回想法のメリット。治療だと肩肘張らずに、談話中や在宅介護の合間などに取りいれることができます。

グループ回想法とは

グループ回想法とは、6〜8人の語り手(認知症を発症した本人、あるいは認知症予防をしたい人)に対して、2〜4人の聞き手(家族、介護者)で回想する方法。全体で10名前後のグループになって回想します。

語り手が複数いることで個人の回想が深まり、さらに脳が刺激されます。また、同年代の人と回想することで、当時の環境や悩み、想いを共感できるのもメリット。自分の感情を誰かと共有できることで、精神的な安定につながります。

回想法の効果

回想法にはさまざまなメリットが期待されています。ここでは精神的なメリット3点、脳機能的メリット1点をご紹介します。

自信を取り戻す

認知症はすべてのことが一度にわからなくなるわけではありません。認知症の症状によって出来事や経験を忘れることがあっても、今までできていたことができなくなった不安や、周囲の環境や人が分からなくなる苦しみは、認知症を発症した本人が最も感じています。

回想法で過去の記憶を思い出すことは、自分がどんな人間でどんな人生を歩んできたかを再認識できる場でもあります。自分が成し得たことや楽しい記憶を思い出すこすことで、本人の自信につながっていきます。

不安や孤独感を和らげる

回想法は他者がいなければ成り立ちません。自分の話に耳を傾けてくれる人がいるという安心感や、共通の話題を語り合う楽しさを実感することで、認知症による不安や孤独感が緩和されやすくなります。

脳の活性化

回想法にもっとも期待されているのが、脳の活性化です。

認知症はさまざま要因によって脳機能が低下している状態なので、脳が活性化することで認知症の進行が緩やかになると考えられています。回想法は過去の記憶を思い出し、そして誰かに話すという2つの行為で脳を刺激するのです。

実際に国立長寿医療センターが行った研究によると、回想法を導入したグループは記憶検査で改善がみられたという結果が発表されています。

また、回想法は特別な訓練や準備物は必要ありません。過去を思い出せるきっかけがあればおこなえる治療法なので、認知症が進行した場合にも取り入れることができます。

コミュニケーションを深める

認知症の非薬物治療として活用されている回想法は、認知症を発症した本人と家族や介護者とのコミュニケーションツールとしても使えます。

認知症を発症した方は日々、不安や孤独を少なからず抱えている状態です。精神的に負担がかかると、認知症の周辺症状(BPSD)の悪化にもつながることも。

他者とのコミュニケーションで気持ちがくつろいだり、信頼関係を築くことができれば、精神的な安定につながります。その結果、認知症を前向きに捉えることができるようになるでしょう。

回想法をおこなう準備

回想法に特別な訓練やアイテムは必要ありませんが、事前準備をしっかりとおこなっておくことは大切です。

まずは回想法をおこなう前に、語り手(認知症を発症した本人、あるいは認知症予防をしたい人)がどのような状態かをチェックしましょう。認知症がどの程度進んでいるのか、コミュニケーションをとることができるかを確認します。

回想が可能な状態であれば、語り手の性格や心身の状態によって、個人でおこなうのか、グループでおこなうのかを決めましょう。

準備する物や情報

回想法をおこなう際、特にグループでおこなう時は、事前にテーマや避けるべき話題を決めておくのがポイントです。話す内容をある程度絞っておくことで、聞き手(家族、介護者)が当時の様子や情報を収集したり、思い出の品やアイテムを準備することができます。

下記のテーマを幼い頃から時系列順に語ってもらうのも良いでしょう。

  • 本人の出生地や、家族構成、学歴や職歴、結婚の思い出
  • 本人の頼りにしている人、子ども時代の思い出
  • 病歴や怪我、生活パターン、最近の様子
  • 趣味、特技、好きなこと、嫌いなこと
  • 嬉しかったこと、ショックだったこと、気になっていること

また、回想の際に準備しておくものは、語り手が思い出を語るきっかけになるものであれば何でも構いません。昔の写真やよく聴いていた音楽、よく食べていたお菓子、使い慣れた小物など、五感に訴えるものは記憶を呼び覚ましやすいので、積極的に取りいれてみましょう。

個人でおこなうときのポイント

個人回想法は手軽におこなえるので、在宅介護や談話中の途中でに何気なく始めることができます。自宅で回想法をする際は、会話に集中しやすい環境を整えましょう。

あらかじめ決めたテーマについて語ってもらう面談方式のほかに、語り手が気になったことを自由に語るフリースタイルで回想できるのも、個人回想法のメリット。アルバム写真など過去の出来事を時系列順に確認できるアイテムがあると、語り手が回想しやすくなります。

グループでおこなうときのポイント

グループで回想法をおこなう際は、参加人数と参加者のバランスに配慮します。語り手は6〜8人、聞き手はリーダー1人とサブリーダー1人の最低でも2人。さらに1〜2人のスタッフが付き添えると安心です。

次に回想法の実施回数やテーマを設定します。“認知症の治療”としてしまうと本人が参加しづらくなる場合もあるので、最初は話しやすいテーマを設定してみましょう。

またグループでおこなう際は、回想の場を居心地の良い空間にすることも大切。気軽に語りあえるイベント名にしたり、お茶やお菓子を用意してティータイムのような雰囲気するなど、語り手がリラックスした状態で回想法をおこなえるようにしましょう。

回想法の基本的な注意点

回想法は手軽に始められる治療ですが、だからこそ以下のような注意すべきポイントをしっかりと確認しておくことが大切です。

  • プライバシーを守る
  • 無理強いはしない
  • 訂正や否定をしない
  • 終え方を心地良く

プライバシーを守る

回想法は過去の記憶や思い出を語る場なので、時としてプライベートに深く関わることがあります。本人の秘密や死の話題、性的な話など、プライベートに関わることは他言禁止。秘密保持を徹底しましょう。

無理強いしない

回想を行っていると、過去のつらい経験や嫌な思い出など、本人にとって話したくない話題に触れることがあります。そんなときは無理に聞き出すのは禁物です。

さらに、認知症を発症している方は脳が疲れやすい傾向にあります。辛そうな表情や過度な興奮、疲れたそぶりが見受けられたら、回想法を早めに終わらせましょう。

訂正や否定をしない

回想法は過去の出来事や記憶を正確に思い出すのが目的ではありません。長期記憶は忘れにくいとはいっても、間違って記憶していたり、以前の話と内容が違うこともあります。そんな時は指摘せずに、語り手の話をじっくりと聞いてあげましょう。

回想法は思い出を人に話すことで脳を活性化したり、安心感を得るのが目的なので、話を続けてもらうことが大切です。間違いの指摘や否定は避けて、語り手のペースに任せて話をしてもらいましょう。

終え方を心地良く

回想法に限らず、心理療法では治療の終え方=クロージングが重要です。つらい過去や苦しかった思い出は気持ちまで落ちこみ、そのままクロージングしてしまうと、ネガティヴな感情を日常生活にまで引きずってしまいます。

日常生活に気持ち良く戻れるように、語り手が好きな話題を最後のテーマにしたり、お茶やお菓子で場を和ませるなど、ポジティブな気持ちでクロージングできるよう工夫しましょう。

自宅でおこなう場合の注意点

自宅で回想法をおこなう場合の注意は2つ。

1つは、語り手が話す内容を否定・指摘しないことです。家族や親族だと語り手が話す内容に間違いがあると思わず指摘してしまいそうになりますが、そこは我慢。話を遮らずに耳を傾けましょう。

2つ目は、回想に集中できる環境を整えることです。テレビの音が聞こえたり、小物が多いと、話があちこちに飛んでしまうことがあります。テレビの音は消す、回想法に使うアイテム以外は片付けるなど、回想のための環境を整えましょう。

介護施設でおこなう場合の注意点

病院や介護施設などでグループ回想をおこなう場合の注意は、2つあります。

1つ目は、プライバシーを守ること。グループ回想に限らず、語り手のプライベートに関わることは他言禁止です。グループ回想では特に語り手も聞き手も人数が多いので、個人情報の秘密保持を徹底しましょう。

2つ目は、語り手同士の関係性です。複数の人が集まれば、考え方や解釈の違うが生まれるのは自然なこと。ささいな違いで語り手の関係が悪化することのないよう、聞き手が配慮することが大切です。

回想法に関するよくある質問

回想法とは何ですか?

回想法は、過去の出来事や思い出を他者に話す非薬物療法のひとつです。何かを思い出すといった行動が脳に刺激を与え、認知症の進行を緩やかにすることが期待できます。

回想法にはどんな種類がありますか?

回想法は「個人回想法」「グループ回想法」の2種類があります。

個人回想法は語り手と聞き手がマンツーマンで回想をおこなうことを指し、グループ回想法は6〜8人の語り手、2〜4人の聞き手で回想をおこなうことを指します。

個人回想法は少ない人数で丁寧な回想をおこなえるのがメリットとして挙げられ、グループ回想法は、同年代の人と回想することで想いを共感することもでき、精神的な安定につながることがメリットです。

回想法にはどんな効果がありますか?

「自信を取り戻す」「不安や孤独感を和らげる」「脳の活性化」「コミュニケーションを深める」などが挙げられます。

その中でも最も期待されているのが脳の活性化です。認知症の症状は脳が活性化することで進行が緩やかになると考えられており、回想法は過去の記憶を思い出し、誰かに話すという行為で脳を刺激しています。

回想法をおこなう際に特別な準備などは必要ないので、積極的に取り入れていきたい療法です。

よく読まれている記事

よく読まれている記事

article-image

【動画でわかる】有料老人ホームとは?介護付き・住宅型・健康型の特徴や費用感を解説

https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

article-image

【動画でわかる!】グループホームの費用はいくらかかる?月額利用料の内訳や初期費用を徹底解説!

認知症の方の入居先を探す際、選択肢に挙がるのが認知症の高齢者が共同生活を営む小規模介護施設「グループホーム」です。 この記事では、グループホームの入居一時金や月額利用料を詳しく解説。グループホームで使える助成制度についてもご紹介しています。 https://youtu.be/5Bec4lhyW4M グループホームにかかる費用の相場 グループホームの費用には、入居時に必要な「初期費用」と毎月発生する「月額利用料」があります。民間、社会福祉法人、医療法人、NPO法人とさまざまな団体がグループホームを運営していることから、施設ごとの費用やサービスには差があります。 初期費用は0円の施設から100万円程度の施設まであり、平均すると10~20万円程度。月額利用料は施設の立地やサービス内容によっても異なり、おおむね15~30万円程度です。 一般的な有料老人ホームに比べると、初期費用・月額利用料ともに費用を抑えて入居することが可能です。 項目 ...

2021/11/15

article-image

グループホームに必要な人員基準|注意点と他施設との比較

「グループホームの職員はどれくらい配置されてるの?」「夜間に人が少ないと徘徊などに対応できないのでは?」などとグループホームの人員基準に関して疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。 そこでこの記事では、グループホームの人員基準と注意点、他施設との比較に関して解説しています。 「グループホームの入居を検討しているけど、どんな人からサポートを受けられるの?」などと悩まれている方は、是非、参考にしてみてください。 グループホームは主に4つの人員基準で成り立っている グループホームの人員基準は主に次の4つの職種で設定されています。 介護職員 計画作成担当者 管理者 代表者 それぞれの人員基準について詳しく見ていきましょう。 介護職員の人員基準 介護職員は入居者の生活援助や身体介助などの業務を担っており、入居者3人に対して1人以上配置されます。また、複数の人員が配置されるときは、最低1人は常勤職員であることも人員基準で決められています。 入居者の見守りは深夜も必要なため、介護職員は24時間体制で常駐しています。また、複数のユニットがあるグループホームは、ユニットごとに専任の介護職員が配置されます。 計画作成担当者の人員基準 計画作成担当者は入居者一人ひとりに合わせたケアプランを作成する職員で、ユニットごとに1人以上配置されます。なお、1つの事業所に2ユニットある場合は計画作成担当者も2人必要です。 計画作成担当者になるには次の要件を満たす必要があります。 実務者研修基礎課程または認知症介護実践者研修を修了していること 専らその職務に従事する者であること また、計画作成担当者のうち最低1人は、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格の保有が必要です。 管理者の人員基準 管理者とは経営や人事・労務管理など管理業務を担う職員で、ユニットごとに常勤の管理者が配置されます。自らも介護サービスの実施や他の職員の指導をおこなうため、介護の知識や経験も必要です。 管理者になるには次の要件が求められます。 特別養護老人ホームや介護老人保健施設などで3年以上従事した経験があること 厚生労働省が規定する管理者研修を修了していること 特定の介護施設における3年以上の実務経験に加え、認知症高齢者介護の経験も必要です。さらに厚生労働省の管理者研修を受けて、ようやく管理者になるための基準を満たせます。 なお、管理業務に支障をきたさなければ、ほかの職種との兼任も可能です。 代表者の人員基準 管理者の管理対象がユニット単位なのに対し、代表者はグループホーム全体を管理します。代表者になるには、次の要件を満たす必要があります。 介護施設で認知症高齢者介護に従事した経験を持つこと、もしくは保険・医療・福祉サービスの提供をおこなう事業所の経営に携わった経験があること 厚生労働省が定める認知症対応型サービス事業開設者研修を修了していること グループホームの人員基準の注意点 グループホームの人員基準を職種ごとに説明してきましたが、注意する点もあります。しっかり把握したうえで入居施設を選びましょう。 介護職員が常勤ではない場合がある 介護職員の人員基準は入居者3人に対して1人以上のため、1ユニットあたり最低でも2~3人が配置されます。全員が常勤である必要はなく、1人以上の常勤職員がいればパートやアルバイトなどの臨時職員も起用できます。このため、特に食事や入浴など人手が多く必要な時間帯では、非常勤職員が担当となる場合も多いです。 規定の人数が必ず24時間確保されているわけではない グループホームの人員基準は入居者3人に対して介護職員1人と決められています。しかし、適用されるのは日中のみで、24時間この人数が常駐するわけではありません。 人員基準は時間帯によって異なり、夜間や深夜は1ユニットに対して介護職員が1人以上いれば良いとされています。このように、時間帯によっては介護職員が手薄になる場合もあると把握しておきましょう。 規定の3:1を超えない場合もある 入居者3人に対して介護職員1人という比率は、実際に介護現場で働いている職員数ではなく労働時間をもとに計算します。つまり、人手が多く必要な時間帯を手厚くした分、それ以外の時間帯の職員数を抑えることも可能です。このように実際に働く職員数は人員基準をもとに調節されるため、時間帯によっては既定の「3:1」を超えないこともあります。 グループホームによってサービスの質や人員は大きく変わる グループホームの人員の最低基準は厚生労働省によって決められていますが、実際にどのくらい配置するかは施設の裁量に任せられています。このため、基準をギリギリクリアする施設もあれば、基準を上回る人員を確保している施設もあります。 人員が豊富なグループホームは職員一人ひとりにかかる負担が抑えられるため、サービスの質が向上します。逆に人員が少ないと、時間帯によってはサービスが行き届かなくなることも。人員配置によってサービスの質や量は変わるため、入居前に確認することが大切です。 グループホーム以外の介護施設の人員基準 グループホームだけでなく、ほかの介護施設の人員基準も知っておきましょう。介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅、特別養護老人ホームの人員基準を紹介します。 介護付き有料老人ホームの人員基準 介護付き有料老人ホームは、主に介護を必要とする高齢者が介護や生活支援を受けながら生活する施設です。 介護付き有料老人ホームの人員配置の最低基準は、要支援2以上の入居者3名に対して介護職員または看護職員を1名配置する「3:1」と決められています。施設によっては「2.5:1」「2:1」「1.5:1」などさらに手厚い配置にしている場合もあり、サービスが向上する分上乗せ介護費用が発生することもあります。 その他の主な人員は下記の通りです。 施設長(常勤の管理者) 事務員 生活相談員 看護職員 機能訓練指導員 計画作成担当者 栄養士 調理員 住宅型有料老人ホームの人員基準 住宅型有料老人ホームは、食事や洗濯、清掃といった生活支援サービスを受けられる高齢者施設です。 管理者を1人配置する必要がありますが、そのほかの職種の配置義務はありません。このため、下記の職種の配置は施設ごとに必要に応じて決められます。 介護職員 看護職員 生活相談員 機能訓練指導員 サービス付き高齢者向け住宅の人員基準 サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリー化された高齢者向けの賃貸住宅です。一般型と介護型があり、一般型は介護施設のような人員基準は特にありません。 一方、介護型は「特定施設」の認定を受けているため、入居者3人に対して介護職員1人以上の配置義務があります。 特別養護老人ホームの人員基準 特別養護老人ホームは基本的に要介護3以上の高齢者が入居する施設で、介護だけでなく医療ケアにも対応しています。人員基準は入居者3人に対して介護職員または看護職員1人以上の配置が定められています。 また、入居者100人に対して医師1名、看護師3名以上という基準も設けられています。 グループホームの人員基準に関するよくある質問 グループホームの職員の人員基準は? 入居者3人に対して介護職員を1人以上配置することが定められています。また、複数の人員が配置されるときは、最低1人は常勤職員であることも人員基準で決められています。 グループホームでは24時間規定の人員配置? 入居者3人に対して介護職員1人を配置するのは、日中にのみ適用されます。よって、夜間や深夜は1ユニットに対して介護職員が1人以上いれば良いとされています。 グループホームはどのような人員配置なの? グループホームの人員配置は、介護職員・計画作成担当者・管理者・代表者の4つの職種で成り立っています。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "グループホームの職員の人員基準は?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2023/02/13

特集

介護の基礎知識

total support

介護の悩みを
トータルサポート

total support

介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面など様々な方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。

鎌倉新書グループサイト