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  2. 老人ホームの選び方

老人ホーム入居で保証人は絶対に必要?|いない場合の対処法も解説

老人ホームの費用が支払えなくなる原因は、資金が底をついたり家族の援助が受けられなくなったりとさまざまです。

2022年2月8日2022年8月16日老人ホームの選び方

老人ホームの入居には、保証人や身元引受人が必要な場合もあります。保証人や身元引受人はどのような役割があり、いない場合にはどのように対処したら良いのかを解説します。

この記事を監修する専門家

入居相談室室長 北野 優

2009年に入居相談員のキャリアをスタートしてから、延べ1万人以上の相談を受ける。入居相談員としてのスキル・知見は群を抜いており、「人生100年時代 失敗しない介護施設選びと介護費用の目安」「相談事例から学ぶ!失敗しない有料老人ホーム探しのポイント」など老人ホーム選びに関する数々のセミナーにも登壇。7000施設以上の紹介数を誇る、いい介護入居相談室の室長。

目次
  • 1. なぜ身元保証人・身元引受人が必要なのか
  • 2. 身元保証人・身元引受人の人数は施設による
  • 3. 身元保証人・身元引受人の条件は?
  • 4. 身元保証人・身元引受人の違い
  • 5. 身元保証人・身元引受人の役割
  • 6. 身元保証人・身元引受人がいないときの対処法
  • 7. 成年後見人は身元保証人になれない
  • 8. 特別養護老人ホームでも身元引受人は必要?
  • 9. 将来に備え身元保証人・身元引受人を検討する
  • 10. 老人ホームの入居に必要な身元保証人・身元引受人に関するよくある質問

なぜ身元保証人・身元引受人が必要なのか

老人ホーム入居時になぜ身元保証人・身元引受人が必要なのかと言うと、老人ホーム側では責任を負えないリスクを回避するためです。老人ホームでは対応しきれないことが起こった場合に、入居者に代わって対応するのが身元保証人・身元引受人です。

  • 緊急連絡先
  • 入居中の治療方針の判断や入院手続き
  • 費用の支払いが滞ったときの支払い対応
  • 入居者が亡くなったときの身柄の引き取り

保証人には上記のような役割があり、きちんと責任の所在を明らかにしておくことで老人ホーム側はリスク回避をしているのです。

身元保証人・身元引受人の人数は施設による

1名で身元保証人と身元引受人を担うことができる老人ホームなども多いですが、老人ホームの中には身元保証人と身元引受人を別々に立てなくてはならない施設もあります。

連帯保証人という経済的な債務を負う役割と、身元引受人や身元保証人として身元保証と身元引受をわけて1名ずつ立てる場合もあります。施設によって異なるので、見学や入居を希望する場合はしっかり確認しましょう。

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入居途中に変更もできる

入居時に決めた身元保証人や身元引受人は、後から変更することができます。身元保証人や身元引受人が病気になってしまったり、先に亡くなってしまう場合もあります。

身元保証人や身元引受人の役割を果たせなくなってしまった場合には、すぐに施設へ連絡し新しい身元保証人や身元引受人を立てる必要があります。その際は新しい身元保証人や身元引受人に関する書類を提出し、改めて契約を結びます。

身元保証人・身元引受人の条件は?

身元保証人や身元引受人は基本的に、親族が請け負うが条件を満たせば、友人・知人でも可能

身元保証人や身元引受人の条件は、その役割に対して責任を担うことができる人物でなければなりません。

身元保証人や身元引受人は配偶者や子ども、親族がなることが多いですが、施設によっては条件を満たせば友人や知人が引き受けることもできる施設もあります。

身元保証人や身元引受人には、年齢や年収、資産状況など具体的な条件が決められているわけではありませんが、契約するときには収入を証明する書類の提出が必要です。

施設によっては身元保証人になる人には年齢や収入状況、資産状況などの条件がある施設もあるので、見学時に確認しましょう。

身元保証人・身元引受人の違い

老人ホームによっては、身元保証人と身元引受人とをはっきりと区別しておらず、一人でその両方の役割を担う施設もあります。

身元保証人と身元引受人を区別している老人ホームでは、身元保証人の役割は主に債務の保証です。

身元引受人は、入居者が亡くなった際の手続きや老人ホームでの生活に困難が起こった場合や病気の治療面などにおいて、本人の意思を尊重した対応や決断をする役割を担うことが多いです。

身元保証人・身元引受人の役割

それでは身元保証人と身元引受人の具体的な役割について説明しましょう。

  1. 緊急時の連絡先
  2. 生活上の各種手続き
  3. 本人に代わる意思決定
  4. 金銭の連帯保証
  5. 身柄の引き取り

1.緊急時の連絡先

老人ホーム内での怪我や事故が起きてしまった場合や、体調の急変で救急搬送されたときなどの緊急時に身元保証人と身元引受人に連絡が来ます。

遠方に住んでいてすぐに来ることができない場合には、老人ホームなど施設のスタッフが付き添ってくれることが多いですが、なるべく早く駆けつけ対応することが求められます。

2.生活上の各種手続き

身元引受人と身元保証人は、本人に変わり各種手続きを代行する

身元保証人と身元引受人は、入院・退院時の手続きや支払いのための銀行の手続き、年金や保険に関する行政手続きなどを入居者本人に代わっておこなうことになります。

3.本人に代わる意思決定

本来なら本人が決めるべき重大なこと、例えば病院で治療を受けた際の治療方針や老人ホームでのケアプランの決定などを、入居者が認知症だったり判断能力が衰えたりしている場合に本人に代わって意思決定をします。

4.金銭の連帯保証

老人ホームの月額使用料など、支払いが滞った場合には身元保証人が債務を負うことになります。

5.身柄の引き取り

老人ホームを退去するときや、亡くなったときには身柄を引き取る必要があります。退去に必要な手続きや私物などの引き取り、未払いの費用があればそれを清算しなくてはなりません。

身元保証人・身元引受人がいないときの対処法

身元保証人や身元引受人がいないときには、いったいどのように対処すればいいのでしょうか。

保証会社を利用する

身元保証人、身元引受人がいないときは連帯保証会社の利用を検討する

身元保証人や身元引受人の役割を代行してくれる保証会社は、民間企業やNPO法人によって運営されています。弁護士や司法書士、行政書士といった法律の専門家と連携し、身元保証や連帯保証を引き受けてくれます。

保証会社によっては、役所関係の手続きや老人ホームとの打ち合わせなど生活面でのサポートをしてくれたり、財産管理や入居者の意思に沿った葬儀の手配や喪主代行まで請け負ってくれる会社もあります。

保証会社によってサービス内容や月々の費用も大きく異なります。信頼度や実績を考慮し、自分の希望に合う保証会社を慎重に選ぶ必要があります。

身元保証人・身元引受人

身元保証人や身元引受人として、老人ホーム入居時の手続きや入院や転院の手続き、

老人ホームの月額費用、入院費の連帯保証、退去時や死亡時の身柄引き受けをおこなってくれます。

生活サポート

入居者の役所関係の手続きや老人ホームなど介護事業所との打ち合わせ、ケアプランの同意など生活サポートをお願いできる保証会社もあります。

財産・金銭の管理

入居者の年金口座や生活費口座の管理、家賃などの不動産収入の回収など、その他必要な財産管理もお願いできます。

葬儀・納骨、死後の整理

保証会社には入居者の生前の意思に従った葬儀・納骨の手配だけでなく、喪主代行や遺族への連絡を請け負ってくれるところもあります。また、行政への連絡や家財の処分もお願いできる場合もあります。

身元保証会社の費用と選ぶ際の注意点

身元保証会社を選ぶ際にはどのようなことに注意して選べば良いのか説明します。

老人ホームと保証会社の提携が増加している

老人ホームと保証会社が提携していることがあり、入居条件として提携している保証会社を利用しなくてはならない施設もある

身元保証人不要とパンフレットなどに記載し、それをメリットのひとつとしている老人ホームもあります。

そういった老人ホームは身元保証会社と連携していることが多く、保証サービスを利用することが入居条件となっているところもあるようです。

身元保証人がいなくても老人ホームに入居できますが、身元保証サービスの費用も追加で必要になってきます。追加の費用も含めて支払っていける金額なのかをしっかり確認しましょう。

保証会社にかかる費用

身元保証会社を利用するには当然費用が必要となります。身元保証会社によっても、利用するサービス内容によって費用は大きく異なります。当然ながら、サービスを利用するだけ費用がかかります。

預託金としてあらかじめまとまった金額を先払いし、何かあったときには預託金から支払うスタイルや、契約時の初期費用とさらに月額費用も引き落とされる二重払いになっていることもあります。

契約内容によってはかなり高額になることもあるので、事前に費用を確認しましょう。

保証会社の選び方

保証会社を利用する際は、1社だけでなく、2~3社問い合わせ、慎重に話を進める

普段は利用する機会の少ない身元保証会社ですから、どこを選んで良いのかを見極めるのは難しいものです。

身元保証会社の仕組みや保証内容、契約条項など複雑な部分も多いので、信頼できる第三者に同行してもらい納得した上で契約するのがベストです。

サービスに見合った費用か

身元保証会社のサービスはこれまで説明してきたとおり、幅広いサービス内容を展開している会社も多いです。

さらに身元保証会社によって預託金、月額費用、初期費用などかかる費用の種類も異なります。1社だけの話を聞いて契約するのではなく、2〜3社の説明を聞いて比較してみるとそれぞれの違いがわかり、費用に見合ったサービスかどうかも見えてくるでしょう。

保証会社が破綻した場合を確認する

近年では身元保証会社が破綻し、身元保証や預託金の返還でトラブルが増えています。

身元保証がなくなることで入居している老人ホームにいられなくなってしまうかもしれないという不安や、入金した預託金が全額返還されるかどうかもわかりません。

万が一のことも考え、身元保証会社が破綻したらどうなるのかを契約前に確認し、納得できない場合には契約を考え直すなど慎重に進めましょう。

成年後見人は身元保証人になれない

成年後見人は身元保証人にはなれません。成年後見人は入居者の財産を管理するので、その法定代理人が入居者の債務を連帯保証するということはできません。

自分で管理している財産を、自分で連帯保証をするといった状態になってしまうからです。そのため、成年後見人が身元保証人になるのは職務権限外となります。

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成年後見人と身元保証会社の違い

成年後見人と身元保証会社との大きな違いは、万が一資産がなくなり支払いができなくなっても、生活保護などの行政手続きを成年後後見人がおこなうことができるため、支払いが滞らない点です。

生活保護者の受け入れが不可の老人ホームの場合だと施設を変えることになりますが、その手続きも成年後見人が務めることができます。その点では、老人ホームにとっては成年後見人と身元保証会社のどちらでも良いといえるのかもしれません。

特別養護老人ホームでも身元引受人は必要?

特養では身元保証人、身元引受人がいなくても入居できるケースもある。
ただ入居条件は要介護3からなので要介護度が重い人に限られる

特別養護老人ホームの中には、身元保証人や身元引受人がいない人でも入居できる可能性があります。

そのため身元引受人を用意できない場合や、生活保護を受給しているため身元保証会社を利用できない場合は、特別養護老人ホームへの入居を検討してみましょう。

ですが、全ての特別養護老人ホームが身元保証人や身元引受人がいなくても入居できるわけではありません。特別養護老人ホームの入居は、原則65歳以上で要介護3以上の介護認定が出ていることが条件です。

利用希望者が多いため入居までに長期間かかることもあります。ただし、緊急性を要する場合には優先的に入居できる場合もあります。

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​​身元保証人・身元引受人が不要な施設を探す

2014年に公共社団法人がおこなった実態調査では、老人ホームなどの施設の91.3%が身元保証人を必要としているとの結果が出ています。

出典:「病院・施設等における身元保証等に関する実態調報告書 」((公社)成年後見センター・リーガルサポート)

とはいえ、施設によっては身元保証人や身元引受人不要と謳っている施設もあるので、身元保証人や身元引受人がいなくても諦める必要はありません。しかし施設によっては、身元保証会社の利用が条件だったりする場合もあるので注意が必要です。

将来に備え身元保証人・身元引受人を検討する

老人ホームに入居する場合には、身元保証人や身元引受人を立てる必要がある施設が多いです。

「まだ元気」「まだ若い」と先延ばしにするのではなく、いざ必要に迫られた際に慌てないで済むように、「身元保証人・身元引受人を誰に頼むのか」「身元保証会社を利用するのか」「後見人へと依頼するのか」など、余裕を持って検討しておくことが重要です。

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老人ホームの入居に必要な身元保証人・身元引受人に関するよくある質問

老人ホームに身元保証人・身元引受人は必要ですか?

老人ホームの入居には、基本的に身元保証人や身元引受人が必要です。理由として、老人ホーム側では責任を負えないリスクを回避するためということが挙げられます。

老人ホームの中には保証人と身元引受人を別々に立てなくてはならない施設もあるので、入居を検討する際は注意しましょう。

身元保証人・身元引受人がいない場合はどうすれば良いですか?

身元保証人・身元引受人がいない場合は保証会社を利用しましょう。保証会社は、弁護士や司法書士、行政書士といった法律の専門家と連携し、身元保証や連帯保証を引き受けてくれます。

ただし保証会社によってサービス内容が異なり、サービスが多くなれば自ずと費用もかかります。事前にパンフレットや電話などで詳細について確認し、信頼できる保証会社を選択しましょう。

友人が身元保証人・身元引受人になることは可能ですか?

一般的に身元保証人や身元引受人は配偶者や子ども、親族がなることが多いです。ただし、施設によっては条件を満たせば友人や知人が引き受けることもできる施設もあるので、見学時に確認しましょう。

この記事の執筆者

いい介護 編集部

「いい介護」の記事を編集・執筆する専門チームです。介護コンテンツのベテラン編集者や介護施設職員の経験者など、専門知識をもったスタッフが、皆さまの介護生活に役立つ情報をお届けします!

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対象となる方判断能力が不十分な方申立てできる方本人、配偶者、四親等以内の親族、検察官、市町村長など後見人等に与えられる権限-申立てにより与えられる権限借金、相続の承認、家の新築や増改築など特定の事項(※2)の一部についての同意権、取消権(※1)・特定の法律行為についての代理権制度を受ける本人が失う資格、地位- ※1、日用品の購入など日常生活に関する行為は除く※2、民法13条1項にあげられる行為 任意後見制度 任意後見とは、将来、判断能力が低下してしまったときの備えとして、あらかじめ公正証書で任意後見契約を結んでおくことです。判断能力が不十分になった時にその契約をもとに任意後見人が本人を支援する制度です。 後見、保佐、補助の対象になる人は? 法定後見には3つの区分があるとお伝えしましたが、具体的にどういった人が対象になるのでしょうか。以下で詳しく説明していきます。 後見の対象となる人 後見の対象となる方は日常生活を自力で送ることが困難な状態、つまり判断能力が欠けている状態にある人を指します。 後見人には被後見人に代わって財産管理や法律行為をおこなう代理権と、被後見人がおこなった法律行為の取り消しをおこなう権利である取消権の権限が与えられます。 保佐の対象となる人 保佐の対象となる人は、日常の買い物はひとりでおこなうことができるなど、生活面での自立性はあるものの、借金や相続などの重要な財産行為をおこなう際には誰かの支援を受けなければ理解し、判断することができない人です。 なお保佐人には、重要な財産に関する行為について同意権と取消権の権限が与えられます。 重要な財産行為とは借金や相続などの他にも訴訟行為や新築、増改築等を指し、被保佐人がこれらの行為をおこなう場合には保佐人の同意が必要になり、被保佐人がこれらの財産行為を保佐人の同意なくおこなった場合には取り消すことが可能です。 また、このような保佐人の同意を必要とする法律行為は、財産に関すること以外でも家庭裁判所の審判により追加することができます。 加えて必要であれば特定の代理権を権限として追加することも可能です。 補助の対象となる人とは? 補助の対象となる人は保佐の対象となる人と同様に、日常の買い物などはひとりででき、自立性はあるものの、重要な財産行為については独力でおこなうことが不可能ではないが、適切におこなえない可能性があり、第三者の援助を受けた方が良いとされる人になります。 なお補助人には、家庭裁判所に申し立てることにより、民法13条1項記載の相続の承認や放棄、訴訟といった行為のうち、一部の行為について同意権と取消権が与えられます。 また保佐人同様に、補助人も家庭裁判所の審判により特定の法律行為をおこなう代理権を追加することが可能です。 成年後見制度を利用する原因と動機 続いて、成年後見制度を利用する方の動機やその原因についてご紹介していきます。 原因は認知症が約6割 成年後見制度の利用を申し立てる原因として一番多いとされているのは認知症で、全体の約61.4%を占めています。 また認知症の次に多い理由としては知的障害が約9.9%を占め、次いで統合失調症が約9.0%を占めています。 動機は預貯金の管理・解約が最も多い 成年後見制度を申し立てた主な動機は以下になります。 申し立ての理由として最も多いのは預貯金の管理や解約で、つぎに身上保護となっています。認知症などが原因で判断能力が低下してしまうと財産管理だけではなく日常生活にも支障をきたす場合が多いため成年後見制度が果たしている役割は大きいと言えます。 成年後見人の役割 では、後見人は実際にどのような役割を果たしているのでしょうか。順を追って見ていきましょう。 療養看護 療養看護と聞くと、後見人が看護をするのかと思うかもしれませんが、すでに説明した通り後見人には介護や看護などの事実行為をおこなう権利や義務はありません。 そのため、事実行為としての介入ではなく施設の契約や介護サービスの契約といった療養看護に関する法律行為をおこないます。 財産管理 財産管理には財布や通帳を預かるといった事実行為としての財産管理と、被後見人に代わって財産に関連する契約を結ぶなどの対外的な代理行為としての財産管理があります。 また、老人ホームなどの介護施設への入居を検討している被後見人のうち、持ち家を売却したい場合には家庭裁判所の許可が必要となり、場合によっては売却が認められないもありますので注意してください。 遺産分割協議などの相続にまつわる協議がおこなわれる場合には、後見人自身が相続人として含まれていると「利益が相反する関係にある場合」に該当するため、後見監督人が後見人の代わりに、成年被後見人を代理するか、特別代理人の選任を申し立てる必要があります。 後見等事務報告 後見人として選定されると、毎年1回は家庭裁判所に対して、被後見人の為におこなった事務内容について後見等事務報告としてまとめ、提出する必要があります。 成年後見制度自体が自力で生活をしたり、何かを判断したりすることが難しい方のために援助をおこなう制度なので、後見人がおこなった内容はとても厳格に管理されています。 報告書のフォーマットはあらかじめ決められており、裁判所のホームページからダウンロードすることが可能です。 成年後見人になれない人は 成年後見人になるために必要な資格などはありませんが、なるにあたっていくつか条件があります。 以下の欠格事由(成年後見人になることができない要件)に該当していない人であれば誰でも成年後見人になることができます。 未成年者破産者行方不明者被後見人に訴訟を起こした人とその配偶者過去に後見人を含む法定代理人を解任されたことがある人その他不正な行為をおこなうなど後見人に適さない経歴がある人 とはいえ、後見人を選定するのは家庭裁判所なので、希望していた人が選任されるとは限りません。また、希望した人が選任さなかったからといって申立を取り下げることはできないので注意するようにしましょう。 後見人等ではできないこと 先ほど後見人に選ばれた場合にできることをご紹介しましたが、後見人にできないことは一体何があるのでしょうか。以下で説明していきます。 身体に対する強制、一身専属的な事項 入院や施設入所、リハビリといった被後見人の身体に関することを強制する行為や、臓器移植の同意のような一身専属的な事項に関する行為が挙げられます。 あくまでも、後見人ができるのは法律行為にまつわることである、という点を覚えておきましょう。 身分行為 身分行為とは、婚姻の成立や離婚、養子縁組といった身分に関する法律の法律効果を発生させ、変更あるいは消滅をさせる法律行為のことを指します。 身分行為は財産行為のような高度な判断能力を必要としないことに加え、本人の意思が何よりも大切とされる行為のため、後見人などの代理人が身分行為をおこなうことは許されていません。 申立手続きの流れ ここからは実際に成年後見制度を利用するにあたって必要な手続きの流れをご説明していきます。 また、申立にかかる費用は1万円程度とされていますが、診断費用や鑑定費用を含めると2万弱〜18万円程度とかなり幅があります。 1.申立先、申立人の確認 成年後見制度の利用を検討している場合には、まず家庭裁判所で成年後見人を選任してもらうために申立をおこないます。 申立をする家庭裁判所については被後見人の住所地を管轄する家庭裁判所です。裁判所のホームページなどで管轄の裁判所を確認しておきましょう。 また、申立をおこなうことができる人としては被後見人本人または配偶者、4親等内の親族、市区町村長等に限定されていますので注意してください。 2.医師の診断書を取得 申立をおこなう際には、被後見人の介護状況や判断能力を見た上で後見・保佐・補助のどれに該当しているのかを判断する必要があるため、医師の診断書が必要になります。 診断書は必ずしも心療内科医や精神科医で作成してもらう必要はなく、かかりつけ医や内科医でも問題はありません。ただし、家庭裁判所が用意しているフォーマットの通りに作成しなければいけないので注意しましょう。 3.必要書類の収集 次に診断書以外の必要書類を用意しましょう。 具体的に必要な書類は以下の通りです。 申立書類一式 申立に必要とは具体的に以下のような書類を指します。 後見開始申立書申立事情説明書親族関係図財産目録収支状況報告書後見人等候補者事情説明書親族の同意書 なお、これらの書類は申立先の家庭裁判所によって書式に違いがあります。申立先の家庭裁判所の窓口、または申立先の家庭裁判所のホームページかで取得してください。 戸籍謄本 戸籍謄本は本籍地や家族関係について書かれており、その人の身分を証明する書類です。 本籍地のある各市区町村の担当窓口で受け取ることが可能で、被後見人と後見人候補者が同じ戸籍の場合には両者が記載されている戸籍謄本を1通取得すれば問題ありません。 住民票 住民票は住所地や同一世帯の家族について書かれており、住所や世帯を証明する書類です。 住所のある各市区町村の担当窓口で受け取ることが可能で、戸籍謄本の時と同様に被後見人と後見人が同一世帯の場合は両者が記載されている住民票を1通取得すれば問題ありません。 登記されていないことの証明書 登記されていないことの証明書とは、現在法定後見制度および任意後見制度を利用していないことを証明する書類です。 この証明書については法務局本局で取得できるので、詳しくはホームページでご確認ください。なお、支局や出張所では取得ができないので、そちらも注意しておきましょう。 4.書類の作成と準備する物 申立書類の主な作成手順は以下の通りです。 申立書類一式の作成本人に関する資料の準備収入印紙や郵便切手の準備 なお書類の名称や形式は各家庭裁判所によって異なるため、詳しくはホームページをご覧ください。 本人に関する資料とは 本人に関する書類とは主に精神障害者・療養・介護保険認定証などの健康状態がわかる資料、年金額決定通知書、確定申告書などの収入についてわかる資料、各種税金の納税通知書、国民健康保険料や介護保険料の決定通知書などの支出についてわかる資料の3つを指します。 状況に応じ必要な書類も 上記の健康状態に関する資料と収入および支出に関する資料はすべての人が用意しなくてはいけませんが、なかには状況に応じて用意しなくてはいけない資料もあります。 具体的には以下のようなものが挙げられます。 不動産についての資料預貯金についての資料生命保険についての資料負債についての資料遺産についての資料 5.面接日の予約 成年後見制度を利用するにあたり、申立人や後見人候補者の話を聞くために家庭裁判所で面接がおこなわれます。 面接は時期によってはスムーズに予約が取れない場合があるため、資料集めなどのスケジュールがある程度決まった段階であらかじめ予約をとっておくことをおすすめします。 なお、予約した面接日の1週間前には申立書類一式を家庭裁判所に提出する必要がありますので時間に余裕を持って予約を取りましょう。 6.家庭裁判所へ申立 面接日が決定したあとは家庭裁判所へ申立書類一式を提出します。裁判所へ直接提出することも可能ですし、郵送することも可能。どちらかの方法で書類を提出してください。 なお、申立書類一式が提出された時点で申立があったとみなされ、この申請を取り下げることはできなくなります。 そのため、望んでいた後見人が選任されなかったなどの理由でも取り下げることはできず、裁判所が指定した弁護士や司法書士が後見人になる可能性があることも理解しておきましょう。 7.審理開始 申立がおこなわれると、家庭裁判所で審理がはじまります。 ここでいう審理とは、申立書類の不備はないかといった確認に加え、「本人の心身状況や事情をみて成年後見制度が必要であるのか」「成年後見人にふさわしい人は誰か」といったことを判断することです。 必要に応じて、本人または親族との面談や医師による鑑定などもおこなわれます。また、時期によってはこれらの申立から審理を経て結果がでるまでに1〜3ヵ月程度かかります。 8.審判 審判とは裁判官が申立書類の内容や調査結果をもとに成年後見制度が必要であるかどうかを判断し決定することを指します。 必要であるとされた場合には後見開始の審判と、その人に最も適した人を後見人として選任がおこなわれます。 また、内容に不服がある場合には後見人のもとに審判書が届いてから2週間以内に不服申立てをしましょう。不服申立てがなければそのまま後見開始が確定します。 9.後見の登記 審判が確定し、後見人として選任されたあとは裁判所から東京法務局に登記の依頼がなされ、後見人の氏名や権限などが記載された後見登記がおこなわれます。 後見登記とは自分自身が後見人であることを証明するもので、裁判所の依頼から2週間程度で完了し、後見人に登記番号が通知されます。その登記番号をもとに法務局で登記事項証明書を取得しましょう。 登記事項証明書は、預貯金口座の解約といった後見人の業務をおこなう上で必要になります。 後見人を解任したい時は? 一度選任された後見人は特別な理由がない限り解任することはできませんが、以下のような場合には申立権者の請求、または職権により後見人等を解任することができます。 不正な行為 著しい不行跡 その他後見の任務に適しない事由 なお、後見人は解任できますが、成年後見制度を途中で終了させることはできず、後見人が解任されても新たな後見人が選任されます。 親族が後見人になる場合の注意点 以下では親しい間柄にある人が後見人になる場合の注意点をご紹介していきます。 本人のためにする業務であることを意識する たとえば息子が父親の後見人に選ばれた場合に、家族であるからといって父親の財産を自分自身のために使用すれば業務上横領となってしまいますので、あくまでも本人のためにする業務であることを念頭に置いておきましょう。 財産の贈与・貸与をしない 親しい人が後見人になると財産の贈与などを被後見人自身が進めてくる場合もありますが、後見人にそのような権限は認められていません。 本人が贈与や貸与を強く望んでいる場合には事前に家庭裁判所に相談しましょう。 後見人等就任前に、しっかり話し合う 後見人はあくまでも本人の利益を守るために財産管理などをおこなう立場です。後見人になったからといって財産を自由に使えるわけではありませんので、きちんと後見人の立場や業務内容などを確認し、話し合って立候補するようにしましょう。 第三者が後見人となる際の注意点 ここからは、第三者が後見人となる場合の注意点を紹介していきます。 本人の利益のために動く 後見人はあくまでも本人の利益のために動く存在です。将来の相続に備えて贈与をおこなうといった本人の財産を減らすような行為はできないので注意しましょう。 記録を見せてもらえないこともある 後見人には被後見人の財産目録や後見等に関する記録を親族に見せる義務はありません。そのため親族が閲覧を希望していても見せてもらえない可能性もあります。 なお、そのような場合には家庭裁判所で記録の閲覧・謄写を申請することで確認することができます。 後見人とコミュニケーションをとる 親族以外の第三者が後見人に選任された場合は、お互いに安心感を得るためにも、権限の不正防止をはかる意味でも積極的にコミュニケーションを取り、後見人と良好な関係を築いておきましょう。 成年後見制度のメリットとデメリット 最後に、成年後見制度のメリットとデメリットについて紹介していきます。 メリット 認知症を患っている人は悪徳業者からの不当な契約や詐欺に合いやすいだけではなく、家族が財産を使い込んでしまうというケースもあります。 また、介護施設や介護サービスなどの法的契約も判断能力が低下している被後見人が一人でおこなうのは難しいと言えます。 このような場合に成年後見制度を利用することで、後見人が被後見人の財産を守り、その都度必要になる一人でおこなうことが難しい法的な契約も代理でおこなってくれるため、安心して生活を送ることができます。 ▼介護施設への入居後の空き家問題について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。※姉妹サイト「いい相続」の記事にジャンプします。 デメリット 成年後見制度を利用するにあたり必要な書類を集めて裁判所に申立てをおこなう必要があるので、煩雑な手続きに手間がかかる点はデメリットでしょう。 また、後見人は本人の利益のために行動しなくてはいけないため、柔軟な行動が取れなくなる可能性もあります。そのほか後見人には報酬が発生するためにある程度費用がかかる点などがデメリットとして挙げられます。 成年後見制度に関するよくある質問 成年後見制度とは何ですか? 成年後見制度とは認知症をはじめ知的障害や精神障害などの理由で物事を判断することが難しく、法律行為をおこなえない状態にある人の代わりに必要な契約を結んだり、財産を管理したりして本人の保護を図る制度です。 成年後見人には誰がなりますか? 成年後見人になる人は一般的に親族が望ましいとされており、配偶者や親、子が選任されます。 また、成年後見人になれない人については、未成年者、破産者、行方不明者などが挙げられます。家庭裁判所の決定で希望した人が選任されなくても申立を取り下げることはできないので注意しましょう。 成年後見制度を利用する原因は何ですか? 成年後見制度の利用を申し立てる原因として一番多いとされているのは、認知症で全体の約6割を占めています。 また動機として挙げられるのは、預貯金の管理や解約が最も多く、認知症により判断能力が落ちてしまうと財産管理が難しいので、成年後見制度でそのサポートをします。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "成年後見制度とは何ですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": 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任意後見制度とは?手続きの流れや費用、成年後見制度との違い

任意後見制度とは?手続きの流れや費用、成年後見制度との違い

認知症など認知障害により判断能力が不十分になる前に、将来の備えや介護施設に入居するための準備として、任意後見制度の利用を検討する方が増えています。 そこでこの記事では、任意後見制度とはどのような制度なのか?その特徴と必要な手続きの流れを解説していきます。 任意後見制度とは? 任意後見制度とは、本人に充分な判断能力があるうちに、将来、認知症などで判断能力が低下したときに、本人に代わって事務手続きなどおこなう人を定めておく制度のことをいいます。 本人が判断能力を有するうちに、将来の財産管理、介護サービス締結や療養看護に関する手続きなどを、信頼できる方にあらかじめお願いし、引き受けてもらう契約を結びます。 この契約は任意後見契約を呼ばれ、公正証書によって締結されます。任意後見契約においては、依頼人(本人)は委任者、引き受ける方は任意後見受任者(後に、任意後見人)と呼ばれています。 成年後見制度との違い 任意後見制度では、本人に判断能力があるうちであれば、あらかじめ本人が自分で選んだ後見人と本人の意思に基づき契約を結ぶことができます。自分の後見人となって欲しい方を選べるのはもちろんのこと、その方に自分が認知症になった際にどのような生活を送りたいかを、あらかじめ伝えておくことができます。一方、耳にする機会の多い「成年後見制度」とは、本人の判断能力が不十分になった後に、周囲の方などが家庭裁判所に後見人の選任を申し立てをおこない、選任された後見人が支援をおこなう法定後見制度のこと。本人が自分で後見人を選ぶことはできません。これらの任意後見制度と法定後見制度をまとめて、「成年後見制度」と呼ぶこともあります。成年後見制度について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。 手続きの流れ 4つのステップ 任意後見制度を利用する際の手続きの流れを見ていきましょう。 任意後見人受任者を決める内容を決め契約を結ぶ申し立てをする任意後見人が選任される 1.任意後見受任者を決める まず、後に任意後見人となってもらう任意後見受任者を決定します。 任意後見人になるためには、特別な資格は必要ありません。家族や親族はもちろん、信頼できる友人、または弁護士や司法書士などの第三者や法人と契約を結ぶこともできます。 また、業務を確かに遂行するために、任意後見人を複数定めることもできます。ただし、以下の項目に該当する人は任意後見人にはなれないので注意してください。 未成年者破産者行方不明者被後見人に訴訟を起こした人とその配偶者過去に後見人を含む法定代理人を解任されたことがある人その他不正な行為をおこなうなど任意後見人に適さない経歴がある人 2.内容を決め契約を結ぶ 任意後見受任者が決定し、支援してもらう契約内容も定まったら、本人と任意後見受任者の間で任意後見契約を結びます。 必ず本人と任意後見人がともに公証役場に訪れ、公正証書を作成し、契約を締結しなければなりません。この公正証書によって締結されていない契約内容はすべて無効になるため、証書作成の際は最善の注意が必要です。 また、公証役場は予約が必要となり、突然、訪問しても任意後見契約を締結することができません。任意後見契約の内容も公証役場に事前に伝えておく必要があります。契約内容の策定や公証役場とのやりとりについては、司法書士や行政書士のサポートを受けながらおこなうことも良いでしょう。 契約にあたり必要になるもの 任意後見契約をおこなう際に必要となるものには下記のものがあります。必ずすべての書類を揃え、確認してから公証役場に向かいましょう。 本人の必要書類 印鑑証明 戸籍謄本 住民票 任意後見受任者の必要書類 印鑑証明書 住民票 ※いずれも発行から3カ月以内のもの 3.申し立てをする 任意後見契約を結んだ後、本人の判断能力が低下し始めたタイミングで、本人の住所地を管轄する家庭裁判所に「任意後見監督人の選任」の申立てをおこないます。 任意後見監督人の選任がなければこの契約は開始できないため、ただちに申立てをおこなう必要があります。申立てができる人は、本人、または任意後見受任者、本人の配偶者と四親等内の親族ですが、本人以外が申立てをおこなう場合は、原則として本人の同意が必要となります。 ただし、本人が意思表示できる場合は同意は不要です。 申し立てに必要なもの 申立てには、下記の書類が必要となります。すべての書類を揃えてから、家庭裁判所に申立てをおこないましょう。 家庭裁判所によって必要書類や書式が異なることもあるので、詳しい内容は、申立てをおこなう家庭裁判所のWEBサイトなどで確認することをおすすめします。 申立書申し立て事情説明書本人の財産目録及び資料本人の収支状況報告書及びその資料任意後見受任者事情説明書親族関係図戸籍謄本住民票後見登記事項証明書任意後見契約公正証書の写し成年後見用の診断書 4.任意後見監督人が選任される 任意後見監督人の選任の申立てにより、家庭裁判所が、本人の状態と任意後見受任者の事情を考慮した上で審理をおこない任意後見監督人を選定します。 結果は、家庭裁判所から任意後見人に郵送で通知され、その後に法務局が、家庭裁判所の依頼に基づき、任意後見監督人に関する情報と任意後見が開始した事実を登記します。 任意後見監督人が選定された時点で、任意後見受任者は任意後見人となり、契約内容に記載された支援をスタートすることができます。 任意後見制度の利用にかかる費用は? 任意後見制度を利用するには、準備段階として下記にかかる費用を事前に用意しておかなければなりません。 公正証書を作成する手数料任意後見監督人選任の申し立て費用任意後見人への報酬 ここでは、具体的にはそれぞれどのくらいの費用がかかるのかを詳しくみていきます。 公正証書を作成する手数料 公正証書の作成手数料とは、公証人に任意後見契約書を作成してもらうために必要な費用のことをいいます。 実際にかかる費用として「基本手数料」に1万1,000円、「登記嘱託手数料」に1,400円、登記所に納付することになる「印紙代」として2,600円などが必要となります。 任意後見監督人選任の申し立て費用 家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立てをする際にも、費用がかかります。 具体的には「申し立て手数料としての収入印紙代」に800円、「登記手数料としての収入印紙代」として1,400円、連絡用の「切手代」に3,000~5,000円程度がかかります。また、成年被後見人の精神鑑定が必要な場合には、さらに5~10万円程度が必要になることがあります。 任意後見人への報酬 任意後見契約が実行され、任意後見人の業務と任意後見監督人による監視と事務がスタートしたら、必要に応じてそれぞれに対して報酬を支払うことになります。 任意後見人の場合、家族や親族がそれを担う時など、契約時に報酬についての取り決めがなければ、法律上は無報酬になるということも多くあります。ただし、一般的に第三者の弁護士、司法書士などの専門家に任意後見人をお願いする場合は、報酬を支払う必要があります。 その金額や支払い方法、支払い時期などについては、事前に本人と後見受任者の間で自由に取り決めることができます。本人が持つ財産が多ければ、管理業務や負担も増えるため、支払う報酬金額も上がることが多くなるようです。 報酬の目安 任意後見人が第三者であった場合、本人の財産状況にもよりますが、月々1~3万円の報酬が支払われることが多いようです。 また、任意後見監督人に対しては、報酬を支払う決まりとなっており、家庭裁判所によって、本人の財産の中から相当な報酬金額が決められます。その額は月々1~3万円程度のようです。 任意後見の契約は3種類ある 任意後見の契約は、開始時期によって以下の3つの種類に区別されます。 即効型 将来型 移行型 それでは、それぞれの内容を詳しくみていきましょう。 即効型 任意後見契約のうち、契約の締結後すぐに任意後見の支援を開始する契約を「即効型」といいます。 「即効型」は、本人の判断能力がすでに低下してきているが、本人自身で契約締結の判断ができる場合のみ利用できます。契約後は、速やかに任意後見を開始するために、直ちに家庭裁判所に対して任意後見監督人の申し立てをおこないます。 「即効型」の任意後見契約を締結する場合は焦っていることも多く、契約内容の理解や確認が本人だけでは不十分になってしまい、後になって後悔…というケースも見受けられます。契約を締結するときは、本人だけでなく、ご家族や親族の方に確認してもらえるようお願いすると良いでしょう。 将来型 任意後見契約の「将来型」とは、本人の判断能力がある時点で、事前に締結しておく任意後見契約のことをいいます。本人の判断能力が低下したタイミングで家庭裁判所に対して任意後見監督人の申し立てをおこなうことで、任意後見契約が開始されます。 一般的に契約締結から任意後見までの期間が長く空いてしまうことが多く、いつ任意後見を開始させたら良いのかの判断が難しくなり、場合によっては開始せずに本人が亡くなってしまうケースもあります。 また、長い期間が空いてしまうことによって、任意後見受任者が契約忘れてしまう恐れもあるので「見守り契約」も併せて締結しておくことをおすすめします。 移行型 「移行型」の任意後見契約では、例えば、任意後見契約と同時に財産管理、見守りなどの委任契約を結び、その支援の一部を任意後見よりも先に開始します。のちに、本人の判断能力が低下してきた段階で、本格的に任意後見に移行します。 「移行型」の契約は、「将来型」のように線が途切れる心配がないこともあり、最も多くの方に利用されているようです。 「移行型」の委任契約で扱われる契約として下記のものが挙げられます。 本⼈の健康状態を把握するための⾒守りを⾏う「⾒守り契約」財産管理や身上監護における委任契約である「財産管理等委任契約」死亡後の葬儀やお墓に関する委任契約である「死後事務委任契約」 任意後見制度ではカバーされない死後についても、事前に「死後事務委任契約」を締結しておくことで本人が死亡し任意後見が終了しても、支援の継続が約束されるので、本人の大きな安心につながるでしょう。 任意後見人の基本的な役割は? 任意後見人にはどのような役割があるのでしょうか?その内容を見ていきましょう。 財産の管理 任意後見人の大きな仕事のひとつに「財産の管理」があります。本人に代わり、預貯金や年金を管理して出し入れや振込みをおこない、自宅など不動産の管理、税金や公共料金の支払いなどもおこないます。 介護や生活面の手配 「介護や生活面の手配」も任意後見人の大切な仕事となります。 具体的には、必要に応じて要介護認定の申請をおこなったり、介護サービスの利用や介護施設に入居するための手配や申込みと支払い、医療機関を利用する際や入院の際の手続きと支払いをおこないます。 また、生活費を届けたり送金したりするなどもおこない、生活全般の手配や療養看護などの事務手続きを代行します。 任意後見制度のメリット 任意後見制度を利用することで、どのようなメリットがあるのでしょうか?具体的には以下のようなメリットがあります。 希望を具体的に反映できる任意後見人を自分で選ぶことができる任意後見人の仕事ぶりを確認してもらえる介護施設への入居の備えにできる 希望を具体的に反映できる 任意後見制度では、契約内容に現時点の本人の意思や要望を具体的に反映できることが、最大のメリットだといえます。 その内容は多岐に渡り、将来的に利用する介護施設や病院の選定や治療・介護サービスの内容、財産管理や保護に関すること、後継人への報酬などご自身の希望に沿った内容で契約することができます。 一方、法定後見制度は、本人の判断能力が失われた後に裁判所によって後見人が選任され、支援を開始する制度のため、財産管理の方法や利用する病院、介護サービスなどの選定についてのほとんどを後見人が決定することが多く、それは本人やご家族の意思とは異なることもあるかもしれません。 任意後見人を自分で選ぶことができる 任意後見制度では、本人が前もって、信頼できる人を後見人として選んでおけることもメリットのひとつであるといえます。 後見人として選ばれる人には特別な資格もいらないので、親族はもちろん信頼できる第三者に、自分の将来を託すことができます。 しかし、法定後見制度での後見人の選任は、家庭裁判所によっておこなわれます。そのため、後見人として望ましい人が親族にいたとしても、その人が家庭裁判所によって選ばれるとは限らないのです。 任意後見人の仕事ぶりを確認してもらえる 任意後見制度では、家庭裁判所によって任意後見監督人が選出され、第三者の面から後見人の仕事ぶりを監視、確認してもらうことができます。 介護施設への入居の備えにできる 介護施設への入居の備えとして、身寄りのない方や親族に身元引受人等を頼めない方が任意後見制度を活用することも可能です。 民間の介護施設では、入居契約の際、身元引受人・保証人を立てる必要があり、これらを立てられない場合は身元保証会社と契約するか、任意後見人を定めることが条件になることが多くあるためです。 任意後見人制度のデメリット 一方、任意後見人制度を利用するにあたってのデメリットには、以下のようなものが挙げられます。 判断能力の有無で決まる死後の処理は委任できない法定後見制度とは違い取消権がない 判断能力の有無で決まる 任意後見制度のデメリットとしては、本人の判断能力が下がってしまってからでは、制度を利用することができないという点が挙げられます。 任意後見契約は、本人の明確な意思のもとに締結されるものであって、本人に認知症などの認知障害がみられる場合には、この制度を利用することはできません。 死後の処理は委任できない 任意後見人の権限は、委任者(本人)の死亡によって終了してしまいます。 葬儀やお墓の管理、自宅の片づけや相続手続きなど、ご自身の死後はどうなるのかについて不安を感じることがある場合でも、死後の事務処理や財産管理を、任意後見人に依頼することはできません。そのため、任意後見契約とは別に「死後事務委任契約」を結ばなければなりません。 また本人の死後は、自分が信頼して選任した任意後見人であっても裏切られることもあり、本人の意思通りにことが進められる確実な保証はなくなるケースもあるようです。 法定後見制度とは違い取消権がない 認知症の方の周りでは、詐欺行為や悪徳な業者による不当な契約を迫られる事態が多く見受けられます。 法定後見制度では、不利益な契約であると判明した場合には、あとからでも契約を解消できる取消権が認められています。 しかし、任意後見制度では取消権は認められていないため、判断能力が低下した本人が契約した内容によっては、不利益が発生してしまうことがあります。 任意後見契約が終了するのはいつ? 任意後見契約では、終了事由があった場合や委任者である本人が亡くなった時に、契約が終了します。 終了事由として、本人の破産、任意後見人が認知症などになり判断不十分になった場合が挙げられます。 また、任意後見人による不正行為や著しい不正行跡が発見されたとき、その他の後見人として任務に適さない事由があるときも、家庭裁判所によって任意後見人を解任することができます。その解任請求ができるのは、本人または親族、任意後見監督人や検察官となります。 任意後見は将来に備えた準備 任意後見制度は、元気なうちに、認知症などによって判断能力が低下してしまうことを見据えた将来の備えとして利用され始めています。 ご本人自身で、残りの人生をどう生きるのかを考慮して契約内容を決められることは、大きな安心に繋がります。その安心のためにも、任意後見人には、ご本人のために最善を尽くしてくれる、信頼できる方を選ぶことが重要になります。 任意後見人には、ご本人の意思を尊重し、心身の状態や生活状況を配慮しながら業務を遂行する義務があるからです。また、介護施設の入居にも、任意後見制度が利用できることは、将来の不安を和らげてくれる大きなポイントになります。 以上の点を踏まえたうえで、任意後見制度の利用を選択肢のひとつとして、検討することをおすすめします。 任意後見制度に関するよくある質問 任意後見制度とは何ですか? 任意後見制度は、本人に充分な判断能力があるうちに、将来、認知症などで判断能力が低下したときに、本人に代わって事務手続きなどおこなう人を定めておく制度のことを言います。 本人に充分な判断能力があるので、希望を具体的に反映できたり、任意後見人を自分で選ぶことも可能なのが任意後見制度のメリットと言えます。 任意後見人は誰でもなれますか? 任意後見人になるためには、特別な資格は必要なく、家族や親族はもちろん、信頼できる友人に依頼することも可能です。ただし、未成年者、破産者、行方不明者などの任意後見人の任務に適しない事由のある人は任意後見人にはなれないので注意が必要です。 任意後見人の役割は何ですか? 任意後見人の大きな仕事のひとつとして財産の管理が挙げられます。主に預貯金や年金を管理して出し入れや振込み、自宅など不動産の管理、税金や公共料金の支払いもおこないます。 また、介護や生活面の手配も仕事のひとつとして挙げられます。具体的に介護サービスの利用や介護施設に入居するための手配や申込みや支払い、医療機関を利用する際や入院の手続きと支払いなどもおこないます。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "任意後見制度とは何ですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "任意後見制度は、本人に充分な判断能力があるうちに、将来、認知症などで判断能力が低下したときに、本人に代わって事務手続きなどおこなう人を定めておく制度のことを言います。本人に充分な判断能力があるので、希望を具体的に反映できたり、任意後見人を自分で選べることも可能なのが任意後見制度のメリットと言えます。" } },{ "@type": "Question", "name": "任意後見人は誰でもなれますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "任意後見人になるためには、特別な資格は必要なく、家族や親族はもちろん、信頼できる友人に依頼することも可能です。ただし、未成年者、破産者、行方不明者などの任意後見人の任務に適しない事由のある人は任意後見人にはなれないので注意が必要です。" } },{ "@type": "Question", "name": "任意後見人の役割は何ですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "任意後見人の大きな仕事のひとつとして財産の管理が挙げられます。主に預貯金や年金を管理して出し入れや振込み、自宅など不動産の管理、税金や公共料金の支払いもおこないます。また、介護や生活面の手配も仕事のひとつとして挙げられます。具体的に介護サービスの利用や介護施設に入居するための手配や申込みや支払い、医療機関を利用する際や入院の手続きと支払いなどもおこないます。" } }] }

特別養護老人ホームとは|入居条件や費用、受けられるサービスを解説

特別養護老人ホームとは|入居条件や費用、受けられるサービスを解説

比較的費用負担を抑えて利用でき、終の棲家として選ばれることも多い特別養護老人ホーム。この記事ではその種類や入所条件・費用・施設の設備・サービス内容など、幅広く解説します。 また、メリット・デメリットをまとめて比較するとともに、早く入所するためのポイントもご紹介します。特養への入居を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください! https://youtu.be/rhM6injnk2I 特別養護老人ホームってどんな施設? 特別養護老人ホームは、在宅での生活が困難な高齢者に対し介護を提供する施設で、略して「特養」とも呼ばれます。公的な介護施設で、次の3つの特徴があります。 老人ホームの中では比較的安価に入所できる看取りの対応が可能な施設も多く、終身で利用できる入所待機者が多く、地域によっては入所までに数年かかることもある 特別養護老人ホームでは、入浴や排泄・食事といった介護のほか、日常生活の介助・機能訓練・健康管理・療養上のお世話などが受けられます。終身での利用ができるため、「終の棲家(ついのすみか)」として選ぶ方の多い施設です。 特別養護老人ホーム3つの種類 特別介護老人ホームは入所者の数やサービス内容から、「広域型特別養護老人ホーム」「地域密着型特養」「地域サポート型特別養護老人ホーム」の3つに分けられます。 それぞれの違いを見ていきましょう。 広域型特別養護老人ホーム 「広域型特別養護老人ホーム(広域型特養)」は、定員が30人以上の特別養護老人ホームです。所在地の市区町村に限らず、どこに住んでいる方でも入所の申し込みが可能です。 地域密着型特別養護老人ホーム 「地域密着型特別養護老人ホーム(地域密着型特養)」は定員29名以下の小規模な特養で、「地域密着型介護老人福祉施設」とも呼ばれます。原則として、施設のある市区町村に住んでいる方のみ申し込めます。 地域密着型特養は、さらに「サテライト型」と「単独型」に分けられます。 サテライト型 広域型特養などを本体施設とし、その周辺で連携して運営をおこなう地域密着型特養を「サテライト型」といいます。本体施設から通常の交通手段で20分以内に設置され、通常の特養に比べて設備や人員配置の基準が緩和されています。 単独型 「単独型」は広域型特養と同等の設備やサービスを単独で提供する地域密着型特養です。少人数で本体施設もない分、アットホームな雰囲気の中で介護が受けられます。 また、ショートステイの実施や、小規模多機能介護・デイサービスの併設など、複数の介護サービスを提供している施設が多いのも特徴です。 地域サポート型特別養護老人ホーム 「地域サポート型特別養護老人ホーム」は、在宅で介護を受けている高齢者に対し24時間体制で見守りなどのサービスを提供する施設です。 特別養護老人ホームの費用目安は? 特別養護老人ホームは、民間の有料老人ホームとは異なり入居一時金などの初期費用は不要です。月々の費用には居住費や食費などがあり、金額は要介護度や居室のタイプにより異なります。 従来型個室 多床室 ユニット型個室 ユニット型準個室 ※特養の入所条件は要介護3以上ですが、特例で要介護1、2の方の入所も認められているため要介護1から記載しています。 賃料 「賃料」は通常の賃貸物件の家賃にあたり、施設に入所するために毎月必要な費用です。 特別養護老人ホームの賃料は厚生労働省の定める「基準費用額」に基づいて設定されており、ユニット型個室や従来型個室など、居室のタイプにより金額が異なります。 食費 「食費」も賃料と同じく基準費用額に基づいて決められています。1日3食分で計算されるため、外出などで1食抜いたとしても1日分で請求されます。 ただし、入院や外泊で数日不在になる場合は食事を停止することができ、その間の食費は請求されません。 施設介護サービス費 「施設介護サービス費」は、介護サービスを受けるために必要な費用です。 要介護度が上がるほど高額になるほか、居室のタイプによっても異なります。介護付き有料老人ホームなどとは異なり、おむつ代も施設介護サービス費に含まれます。 日常生活費 「日常生活費」は、理美容代や日用品代・お菓子など、日常生活で発生するさまざまな費用です。また、施設内のレクリエーションで利用する材料費なども日常生活費に含まれます。 介護サービス加算 「介護サービス加算」は、手厚い人員体制や入所者の状態に応じたサービスの提供など対し、施設介護サービス費に上乗せして支払う費用です。 ここでは、主な加算を一部紹介します。 夜間職員配置加算 「夜間職員配置加算」は、夜間に基準よりも多くの介護・看護スタッフを配置することに対して加算されます。この加算の対象施設は夜間の見守り体制が手厚いだけでなく、24時間褥瘡(床ずれ)のケアなどにも対応してもらえます。 経口維持加算 「経口維持加算」は、嚥下機能や認知機能の低下などにより普通の食事が困難になった入所者への、口から食べる楽しみを得るための支援に対して加算されます。 具体的には、口から食べるための「経口維持計画書」を入所者ごとに作成し、医師または歯科医師の指示のもと、管理栄養士または栄養士が栄養管理をおこなうなどの要件があります。 個別機能訓練加算 「個別機能訓練加算」は、看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などを常勤の機能訓練指導員として配置し、個別機能訓練計画書の作成と計画に基づく機能訓練が受けられる施設で加算されます。 専門的なスタッフがリハビリをサポートしてくれるため、日常生活に必要な機能維持に役立ちます。 夜間看護体制加算 「夜間看護体制加算」は、常勤看護師を1人以上配置し、看護師または病院・看護ステーションなどと連携して24時間連絡体制を確保している施設で加算されます。また、適用される施設では、重度化したときの対応について入居時に本人や家族に説明し、同意を得る必要があります。 医療サポートが充実したケアハウスを希望する方は、夜間看護体制加算のある施設を選ぶと良いでしょう。 費用負担の軽減~特定入居者介護サービス~ 前述の月額利用料は、所得に応じて支払い額が決まる仕組みになっています。簡単に言うと、所得が少ない人ほど支払いの負担が軽くなる、ということです。 この分類は5段階に分かれているので、以下で入居者本人がどれに当てはまるのか確認しておきましょう。 第1段階:生活保護受給者、老齢福祉年金受給者で本人及び世帯全体が市民税非課税第2段階:世帯全員が住民税非課税かつ本人の合計所得金額+課税年金収入額+非課税年金収入額が80万円以下第3段階(1):世帯全員が住民税非課税かつ本人の合計所得金額+課税年金収入額+非課税年金収入額が80万円より大きく120万円以下第3段階(2):世帯全員が住民税非課税で、本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が年額120万円を超える人第4段階:上記以外の方 出典:「特定入所者介護サービス費」(厚生労働省) 段階ごとの負担限度額 第1段階 生活保護受給者、老齢福祉年金受給者で本人及び世帯全体が市民税非課税 居住費の負担限度額食費の負担限度額多床室0円9000円従来型個室9600円ユニット型個室的多床室1万4700円ユニット型個室2万4600円 出典:「特定入所者介護サービス費」(厚生労働省) 第2段階 本人及び世帯全体が市民税非課税で合計所得金額+課税年金収入額が80万円以下の方 居住費の負担限度額食費の負担限度額多床室1万1100円1万1700円従来型個室1万2600円ユニット型個室的多床室1万4700円ユニット型個室2万4600円 出典:「特定入所者介護サービス費」(厚生労働省) 第3段階(1) 世帯全員が住民税非課税で、本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が年額80万円を超え120万円以下の人 居住費の負担限度額食費の負担限度額多床室1万1100円1万9500円従来型個室2万4600円ユニット型個室的多床室3万9300円ユニット型個室3万9300円 出典:「特定入所者介護サービス費」(厚生労働省) 第3段階(2) 世帯全員が住民税非課税で、本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が年額120万円を超える人 居住費の負担限度額食費の負担限度額多床室1万1100円4万800円従来型個室2万4600円ユニット型個室的多床室3万9300円ユニット型個室3万9300円 出典:「特定入所者介護サービス費」(厚生労働省) 第4段階 上記以外の人 居住費の負担限度額食費の負担限度額多床室2万5200円4万3350円従来型個室3万4500円ユニット型個室的多床室4万9200円ユニット型個室5万9100円 出典:「特定入所者介護サービス費」(厚生労働省) 特別養護老人ホームの入所条件は「要介護3以上」 特別養護老人ホームは、常時介護が必要で在宅での介護が困難な高齢者を対象とした高齢者介護施設です。もともと要介護1~5の方が入所対象でしたが、2015年からは要介護3以上の認定が入所の条件となりました。 基本的には65歳以上の高齢者が対象ですが、特定疾病に罹患している場合は40~64歳までの希望者にも入所が認められます。 特例として要介護1、要介護2でも入所できるケースも 基本的には要介護3以上が特別養護老人ホームへの入所の条件です。しかし、次の条件に当てはまる要介護1や2の方も入所できる場合があります。 認知症である者であって、日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さ等が頻繁に見られること知的障害・精神障害等を伴い、日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さ等が頻繁に見られること家族等による深刻な虐待が疑われる等により、心身の安全・安心の確保が困難であること単身世帯である、同居家族が高齢又は病弱である等により、家族等による支援が期待できず、かつ、地域での介護サービスや生活支援の供給が不十分であること 入所は申込み順ではなく、要介護度や家庭の状況などを総合的に判断して緊急性を点数化し、点数の高い順に入所が決定する仕組みになっています。 以前に比べると待機人数は少なくなったものの、短くて1~2ヵ月、長い場合は数年の待機期間が発生することもあります。特養への入所を考える際には、まず近隣施設の入所待機者を把握することから始めてみましょう。 特別養護老人ホームではどのようなサービスが受けられるの? 介護施設は、費用だけでなく受けられるサービスも重視して選びたいですね。 ここからは、特別養護老人ホームで受けられるサービスを解説していきます。 栄養を考えた食事 特別養護老人ホームでは、栄養士が作成した献立をもとに食事が作られます。栄養バランスが整っているだけでなく、入所者の持病やそのときどきの健康状態、好みなどにも配慮されます。 また、咀嚼・嚥下能力に応じて、硬い食材をミキサーにかけたり汁物にとろみをつけるなどの対応も可能です。 さらに、毎日同じ時間に食事をすることで、生活のリズムが整うというメリットもあります。 施設職員・委託業者による定期的な清掃・洗濯 特別養護老人ホームでは、共有スペースはもちろん居室内の掃除も、施設の職員や委託業者によりおこなわれます。洗濯物も、外部のクリーニングに出す必要のあるものを除き施設内で洗濯してもらえます。 日常生活のための能力や身体機能の維持のため、スタッフの援助を受けながら自分で掃除や洗濯ができる場合もあります。このような「自立支援」を希望する場合は施設担当者に相談してみましょう。 入浴は最低でも週2回以上 多くの特別養護老人ホームでは週2回の入浴機会が設けられ、スタッフの介助により安全に入浴できます。健康上の利用等で入浴できない場合は、清拭などで体を清潔に保ちます。 施設によっては寝たままの姿勢で入浴できる「機械浴槽」が設置され、寝たきりの入所者でも定期的な入浴が可能です。 介護スタッフによる排泄介助 一人で排泄するのが難しい入所者は、介護スタッフによる排泄介助が受けられます。排泄を介助することで、清潔を保つとともに感染症の予防にもなります。 尿意や便意を感じにくくなっている場合は排泄の間隔を考慮してトイレに誘導したり、寝たきりなどトイレでの排泄が困難な方には尿器やおむつで対応するなど、入所者ごとの状態に合わせた介助がおこなわれます。 豊富なレクリエーション 特別養護老人ホームでは、入所者に楽しんでもらうためだけでなく身体機能や認知機能低下防止も目的として、手芸やゲーム・カラオケなどのさまざまなレクリエーションがおこなわれます。 また、誕生日会のほかクリスマスやお花見・七夕といった季節のイベントが毎月のように開催されたり、美術館やショッピングなどで外出することも。 さらに、外部から演奏者を招いて音楽会を開いたり、近隣の幼稚園や小学校と提携して子どもと触れ合うイベントをおこなっている施設もあります。 筋力維持のリハビリテーション 特別養護老人ホームでは、食事や排泄などの日常的な動作が自分自身でできるよう「自立支援」を目的とした「生活リハビリ」を中心にリハビリメニューが組まれます。 集団での体操のほか、ゲームや運動などがレクリエーションの一環として提供されます。 医療ケア 特別養護老人ホームには最低でも1人以上の看護師が配置され、日々の健康管理や服薬管理がおこなわれます。看護師は、介護スタッフとともに入所者の体調の変化をチェックし、医療機関での診察が必要な場合には受診のサポートもしてくれます。 施設によっては、胃ろうなどの経管栄養法や、人工肛門・インスリン療法・人工透析・疼痛管理などの医療ケアが受けられることも。対応できる施設は限定されるため、これらのケアが必要な場合は施設の担当者に確認しましょう。 看取り体制を整えた施設も多い 従来特別養護老人ホームでは、入所者の急変時は救急車を呼んで搬送するという対応が主流でした。しかし現在では、看取りに対応できる施設も多くなっています。 看取り介護加算の算定が認められている施設では、医師や看護・介護スタッフが連携して終末期に適したケアが施されます。 ただし設備面での条件もあるなど、すべての施設が看取りに対応しているわけではありません。施設での看取りを希望する場合は、看取りの実施状況について事前に確認しましょう。 特別養護老人ホームの設備 特別養護老人ホームでは、必要な設備やそれぞれの基準が決められています。ここでは、代表的な施設についてご紹介します。 居室 1人あたりの床面積は10.65㎡以上 浴室 介護を必要とするものが入浴するのに適したものとすること トイレ 居室のある階ごとに分けること。ブザーまたはそれにかわる設備を設けること。 廊下 1.8m以上の幅とすること 廊下および階段 手すりを設けること 特別養護老人ホームの居室タイプ特徴 特別養護老人ホームの居室は4種類のタイプに分けられ、このタイプにより賃料や施設介護サービス費も変わります。 それぞれの居室タイプについて特徴を見ていきましょう。 ユニット型個室 基本は1室1ベッドの個室。「ユニット」は、10人以下でロビー・ダイニング・簡易キッチン・浴室・トイレを共有して共同生活を送る小さなグループを指します。 1ユニットごとに専任の施設スタッフが担当することになっています。 ユニット型準個室 ユニット型個室と異なる点は、多床室を改装・分割して作られた個室という点。施設によっては完全な個室になっていない場合もあるため、入居前にしっかりと確認しておく必要があります。 従来型個室 1室を1人で利用するタイプの居室。以前は単に「個室」と称していましたが、ユニット型個室が登場したことによって「従来型個室」と称することに。 多床室 1室に対して複数のベッドが配置されているタイプで、現在の多床室は4人部屋となっているケースが多いようです。プライバシーなどの観点から、ユニット型個室に切り替える施設が増えてきています。 特別養護老人ホームのメリット、デメリット 特別養護老人ホームのメリットは、費用の安さだけではありません。一方、入所基準が厳しいなどのデメリットもあるため、施設を探す前にしっかり把握しておきましょう。 メリット 最大の魅力は費用の安さ終身的に利用できる安心の24時間介護体制 最大の魅力は費用の安さ 特別養護老人ホームは公共の介護施設のため、比較的費用負担が軽いのが魅力です。入所時の一時金は不要で、月額利用料も10万円前後と民間の介護付き有料老人ホームなどに比べて安い傾向にあります。 また、介護付き有料老人ホームでは介護サービス費・食費・居住費は医療費控除の対象外ですが、特別養護老人ホームでは2分の1に相当する額が対象となります。このため、確定申告により所得税や住民税が安くなるメリットもあります。 終身的に利用できる 同じ公的介護施設でも、介護老人保健施設の入所は原則3ヵ月までと決められています。 一方特別養護老人ホームでは、入所期間に限度はなく終身での利用も可能です。費用負担も比較的軽いため、長期でも安心して利用できます。 安心の24時間介護体制 特別養護老人ホームでは、入所者3人に対し介護(看護)スタッフ1人以上の配置が義務づけられており、手厚い介護が受けられます。 日中に比べると少ないものの、夜間も最低1人以上が常駐するため24時間安心して過ごせます。 デメリット 入所条件が厳しい医療ケアが整っていない場合も 入所条件が厳しい 民間施設では要介護度を問わず入居できる施設も多いのに対し、特別養護老人ホームでは要介護3以上が入所の条件です。要介護1~2の方も特例として入所できるケースもありますが、基本的には要介護度が高い方が優先されます。 また、要介護度だけでなく家族環境などを総合的に判断し、緊急性が高い方から入所が決まります。このため、自宅での介護が可能な場合はなかなか入居できないことも。 さらに費用の安さゆえに人気が高く、地域によっては入居まで数年待ちが必要な場合もあります。 医療ケアが整っていない場合も 特別養護老人ホームでは、看護師の夜間の配置は義務づけられていません。このため多くの施設では、看護師による医療ケアは日中のみに限られます。 設備についても充実している施設は限られており、施設内で対応できない場合は退所を求められることもあります。 特別養護老人ホームへ早く入所するには? 入所基準が要介護3以上になったことで以前と比べる待機期間は減少傾向ですが、それでも入所まで1年以上かかることもあります。 少しでも早期の入所を希望する場合は、次の方法を試してみてはいかがでしょうか。 同時に2ヵ所以上申し込む 入所を申し込める施設の数に制限はありません。申込み費用もかからないので第1希望だけでなく第2・第3希望の施設にも申し込んでおきましょう。複数申し込んでおけば、先に空きが出た施設に入所することができます。 人気の低い居室タイプに申し込む 特別養護老人ホームは居室のタイプで費用が変わるため、ほかより月額利用料が数万円高くなるユニット型個室とユニット型個室的多床室は比較的人気がありません。 このため費用が許容範囲であれば、ユニットタイプに絞って複数の施設に申し込むことで、早期に入所できる確率が高まります。 探す地域を拡げてみる 一般的に人気の高い特別養護老人ホームですが、入所待ちの人数は地域によって差があります。数年待ちが必要な激戦区もあれば、定員割れしていることも。 広域型特養ならどこにお住まいの方でも申し込めるため、探す地域を広げるのも一案です。近隣地域まで範囲を広げることで、比較的早期に入れる施設が見つかるかもしれません。 特別養護老人ホームに関するよくある質問 特別養護老人ホームに入居する人はどんな人でしょうか? 特別養護老人ホームは誰もが入居できるわけではなく、要介護3以上で65歳以上の高齢者を対象としています。ただし特例として、要介護1、要介護2の人が入居できるケースもあるので気になる施設がある場合、一度問い合わせてみましょう。 特別養護老人ホームと有料老人ホームの違いは何ですか? 両施設を比較すると「入居条件の違い」「費用の違い」「サービス内容の違い」「設備の違い」が挙げられます。 入居条件について、有料老人ホームが比較的自立の人から入居できるのに対し、特別養護老人ホームは要介護3以上からが入居条件になります。 また、費用感も入居一時金が基本的に必要になってくる有料老人ホームに対し、特別養護老人ホームは入居一時金は不要で月額利用料のみです。 サービス内容においては、レクリエーションなどが豊富な有料老人ホームに対し、特別養護老人ホームでは基本的に介護サービスが中心で、それに伴い有料老人ホームと比較すると居室面積も最低限に作られている施設が多いです。 特別養護老人ホームは何故安いのでしょうか? 特別養護老人ホームは、国からの助成金や税金面で優遇されているため安価で運営できています。 入居者にとって初期費用がかからないことはメリットで、介護度が上がっても終身的に生活できるのは魅力的です。その反面、安価ということもありどの施設も満室の傾向が強いというのが現状です。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "特別養護老人ホームに入居する人はどんな人でしょうか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "特別養護老人ホームは誰もが入居できるわけではなく、基本的に要介護3以上で65歳以上の高齢者を対象としています。ただし特例として、要介護1、要介護2の人が入居できるケースもあるので気になる施設がある場合、一度問い合わせてみましょう。" } },{ "@type": "Question", "name": "特別養護老人ホームと有料老人ホームの違いは何ですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "両施設を比較すると「入居条件の違い」「費用の違い」「サービス内容の違い」「設備の違い」が挙げられます。入居条件について、有料老人ホームが比較的自立の人から入居できるのに対し、特別養護老人ホームは要介護3以上からが入居条件になります。また、費用感も入居一時金が基本的に必要になってくる有料老人ホームに対し、特別養護老人ホームは入居一時金は不要で月額費用のみになります。サービス内容においては、レクリエーションなどが豊富な有料老人ホームに対し、特別養護老人ホームでは基本的に介護サービスが中心となっていて、それに伴い有料老人ホームと比較すると居室面積も最低限に作られている施設が多いです。" } },{ "@type": "Question", "name": "特別養護老人ホームは何故安いのでしょうか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "特別養護老人ホームは、国からの助成金や税金面で優遇されているため安価で運営できています。入居者にとって初期費用がかからないことはメリットで、介護度が上がっても終身的に生活できるのは魅力的です。その反面、安価ということもありどの施設も満室の傾向が強いというのが現状です。" } }] }

【かんたん解説】生活保護でも入居できる老人ホーム3種類と費用負担

【かんたん解説】生活保護でも入居できる老人ホーム3種類と費用負担

「生活保護受給者でも老人ホームに入れるの?」「生活保護受給者が入れる老人ホームの費用、注意点を知りたい」といったお悩みの方も多いのではないでしょうか。 そこでここでは、生活保護受給者が入れる老人ホームをご紹介していきます。 生活保護受給者でも入居できる老人ホームは、あります。記事を参照して、ぜひ前向きに施設入居を検討してみてください。 https://youtu.be/heeCSuRrJPA 生活保護受給者が入居できる老人ホームとは? 生活保護受給者でも入居できる老人ホームはあります。しかし、入居可能な介護施設は限られると言って良いでしょう。 候補の介護施設は主に以下の3種類です。 特別養護老人ホーム有料老人ホームグループホーム グループホームについては若干、仕組みが異なるため、この記事では2つの施設に関して説明していきましょう。 入居できる老人ホーム候補① 特別養護老人ホーム 特別養護老人ホーム(特養)とは、地方自治体の助成を受けている公的な介護保険施設のこと。所得に応じた負担軽減もあるため生活保護受給者も安心して入所でき、最近では個室タイプの特養も入所可能になりました。 特養の入所条件は65歳以上、要介護度3以上。寝たきりの方も多く、手厚い介護サービスが良心的な金額で終身で受けられます。 そのため人気が高く、ベッドに空きがない施設がほとんど。要介護度が高めの生活保護受給者が入所希望を出しても、待機時間が長く数ヵ月から何年も待つこともあります。 生活保護受給者の入居を希望する場合は、担当のケースワーカーに相談しましょう。 入居できる老人ホーム候補② 有料老人ホーム 有料老人ホームとは民間が運営する介護施設のことです。入居の際、要介護度の条件がない施設が多いため、日常生活を自立して送れる高齢者も暮らしています。 施設の設備や雰囲気も多種多様で、費用体系もさまざまです。民間運営の介護施設ではありますが、中にはリーズナブルな金額設定をしている有料老人ホームもあるため、生活保護受給者でも入居できる可能性はあります。 とはいえ、すべての有料老人ホームが生活保護受給者の受け入れをしているわけではなく、人数を絞っているケースもあります。 生活保護受給者でも入居可能か、費用はどのくらいかなどケースワーカーや入居希望の施設にまず確認すると良いでしょう。 [staff_banner] 費用負担はどうなる? 生活保護受給者は、最低限の生活費や医療費、介護費用など国から補助を受けており、その制度を「扶助」と呼びます。 扶助は計8種類あり、それぞれの基準で補助額が決定したあと基準額の範囲内で支給されます。 通常、介護保険の第1号・第2号被保険者は1割負担ですが、生活保護受給者は0円になることがほとんどです。 介護に関する扶助は「介護扶助」です。管轄の福祉事務所に申請し、生活保護受給者の要介護度に応じた分の介護保険サービスを利用した範囲で適用されます。 原則、現物給付(サービスの提供)され、在宅介護や有料老人ホームの費用も該当します。 限度額を超えると全額自己負担になる 介護扶助には限度額があることを忘れてはいけません。限度額を越えた介護サービスや介護保険適用外のサービスを利用した場合は、全額自己負担になるのでご注意ください。 .point { position: relative; border: 3px solid #f08d18; margin-top: 40px !important; } .point::before { background: #f08d18; content: "POINT"; color: #fff; font-weight: bold; display: block; padding: 5px 10px; line-height: 1; border-radius: 5px 5px 0 0; box-sizing: border-box; position: absolute; left: -3px } .point .point-title { display: block; padding: 10px; color: #f08d18; font-size: 1.2em; position: relative; left: -14px; font-weight: bold } .point .point-title::before { content: "『"; font-weight: normal } .point .point-title::after { content: "』"; font-weight: normal } @media screen and (min-width: 768px) { .point { margin:66px 40px 20px 0; padding: 8px 15px } .point::before { font-size: 14px; top: -26px } } @media screen and (max-width: 767px) { .point { margin:56px 40px 20px 0; padding: 8px } .point::before { font-size: 12px; top: -24px } } .point p { margin: 0; padding: 0 } 年金収入があっても生活保護は受給できる 年金収入がある場合でも基準を満たせば生活保護を受けられます。ただし、その場合は年金収入が差し引かれた受給額になるため、満額ではないことを理解しておく必要があります。 生活保護で受けられる8つの扶助とは? 「扶助」とは日常生活を最低限送る上で必要な費用を補助する制度のことです。一律の金額ではなく受給者のそれぞれの地域や世帯の状況によって支給額が決まります。 生活保護で受けられる扶助は以下の8種類です。 扶助の種類費用に置き換えた場合支給内容介護扶助介護サービス費(自己負担分)直接、介護事業所へ支払い(本人負担なし)医療扶助医療費(自己負担分)直接、医療機関へ支払い(本人負担なし)住宅扶助家賃定められた範囲内で実費を支給生活扶助生活費(食費・被服費・光熱費など)食費や光熱費などを支給。母子家庭などの特定世帯には加算あり教育扶助教育費(義務教育に必要な学用品・給食費)定められた基準額を支給生業扶助就労費(高校や専門学校などの学費・技能や資格の修得費など)定められた範囲内で実費を支給出産扶助出産費定められた範囲内で実費を支給葬祭扶助葬祭費定められた範囲内で実費を支給 出典:「生活保護制度」(厚生労働省) それでは、介護に関わる代表的な扶助を見ていきましょう。 介護扶助・医療扶助 介護扶助は、生活保護受給者が自己負担なく介護サービス(現物支給)の提供が受けられる制度のこと。居宅介護(居宅介護支援計画の範囲内)や施設介護、福祉用具の貸与、バリアフリー目的の住宅改修費用、移送などが含まれます。 医療扶助は、生活保護受給者に対して医療サービスが受けられる制度のこと。病院での診察や通院、入院、移送などが現物支給されますが、福祉事務所が指定した医療機関で受診する必要があります。 また、医師から「整骨院や整体院に通う必要がある」と診断された場合のみ、医療扶助が適用されます(緩和の場合は原則的に適用されません)。 住宅扶助 住宅扶助は、 アパートの家賃や地代が支給される制度のこと。定める額の範囲内の実費になります。 世帯員の状況や人数、住宅事情や転居などやむを得ない場合は、特別基準額が支給されることがあり、生活保護受給者が居住する建具や水道設備などの修理も住宅維持費が給付されたりすることもあります。 生活扶助 生活扶助は、食費や光熱費、被服費といった生活保護受給者の日常生活に必要な費用が支給される制度のこと。 介護施設入所者加算といった加算が付くこともあります。入院が1ヵ月以上経過すると、生活扶助の一部が入院患者日用品費に切り替わります。 入居できる老人ホームを探す時の注意点 施設によって生活保護受給者の受け入れ体制はさまざま。また、受給者の地域や世帯の状況によって生活受給額や上限額も異なるため、介護施設を探す時は注意が必要です。 注意点は主に以下の4つです。 生活保護を受け入れていない施設も多くある人数制限がある場合がある生活保護受給内で施設を探さなければならない転居をする際は移管の手続きをしなければならない それでは、詳しく見ていきましょう。 生活保護を受け入れていない施設も多くある 生活保護受給額内で入居可能な介護施設があってもスムーズに入居できるとは限りません。 生活保護受給者を受け入れていない介護施設も多くあるため、担当のケースワーカーや入居希望の介護施設に直接確認しましょう。 また、自治体に「生活保護法指定介護機関一覧」があれば入居希望の施設があるか確認しましょう。 自治体によってルールも異なるため、自分の地域外の介護施設に入居希望の場合は積極的に情報収集してください。 人数制限がある場合がある 介護施設により生活保護受給者の受け入れを人数制限している場合があります。また、高齢者の増加や新型コロナウィルスなの状況などにより、さらに人数制限している場合があります。担当のケースワーカーや入居希望の施設に確認しましょう。 生活保護受給内で施設を探さなければならない 生活保護受給者が介護サービスにかける費用は、生活保護の受給額の範囲内におさめる必要があります。 特別養護老人ホームは公営ということもあり、生活保護の受給額の範囲内で入所可能な介護施設が多く見られます。一方、民間が運営する有料老人ホームは生活保護受給者が費用都合により入居できない場合も。 担当のケースワーカーに費用面で入居可能な介護施設が近隣にどれだけあるのか確認したり、ご自分の地域外の介護施設へ入居するしかない場合は手続きがスムーズに進むようお願いしましょう。  自分の地域外への転居となると生活保護の受給額の上限額が変更になる場合があります。受給額内におさまる介護施設なのか、もう一度確認しましょう。 転居をする際は移管の手続きをしなければならない 「入居希望の介護施設が他市のため転居が必要」「親戚や子どもがいる他県の介護施設に入居したい」「自分の故郷にある介護施設に入居したい」といった事情で、生活保護受給者が介護施設に入居するためにご自分の地域外へ転居するケースがあります。 転居先で生活保護の受給を継続して受けるためには「移管」という申請が必要。ただし、自治体同士の話し合いが長引いたり、前の自治体で保護を継続するケースもあるため、担当のケースワーカーにまず相談しましょう。 移管とは 移管とは、現在住んでいる管轄から他の管轄地域へ生活保護の管轄を移すこと。生活保護受給者が入居できる介護施設が他の市区町村にしかない場合、生活保護受給者は施設がある地域に住民票を移す必要があります。その際、管轄同士で情報共有することにより、生活保護を継続して受給できるような手続きをおこないます。 .point { position: relative; border: 3px solid #f08d18; margin-top: 40px !important; } .point::before { background: #f08d18; content: "POINT"; color: #fff; font-weight: bold; display: block; padding: 5px 10px; line-height: 1; border-radius: 5px 5px 0 0; box-sizing: border-box; position: absolute; left: -3px } .point .point-title { display: block; padding: 10px; color: #f08d18; font-size: 1.2em; position: relative; left: -14px; font-weight: bold } .point .point-title::before { content: "『"; font-weight: normal } .point .point-title::after { content: "』"; font-weight: normal } @media screen and (min-width: 768px) { .point { margin:66px 40px 20px 0; padding: 8px 15px } .point::before { font-size: 14px; top: -26px } } @media screen and (max-width: 767px) { .point { margin:56px 40px 20px 0; padding: 8px } .point::before { font-size: 12px; top: -24px } } .point p { margin: 0; padding: 0 } 入居に関する相談窓口はどこ? 入居に関する相談窓口は以下の通りです。 市区町村の生活支援担当窓口ケースワーカーケアマネジャー 生活保護受給者が老人ホームに入りたい場合、所管の生活支援担当窓口や生活保護受給担当のケースワーカーにまずは相談しましょう。在宅介護サービスをすでに利用している生活保護受給者はケアマネジャーに確認すると良いでしょう。 ケースワーカーってどんな人? ケースワーカーとは、日常生活を送るのが困難な方の相談やサポートをする職員のこと。ほとんどのケースワーカーが公的機関(福祉事務所や児童相談所など)で働いていますが、家族の医療や介護に関する相談役として病院勤務のケースワーカーもいます。公的機関で働く場合は、地方公務員試験に合格する必要があります。 .point { position: relative; border: 3px solid #f08d18; margin-top: 40px !important; } .point::before { background: #f08d18; content: "POINT"; color: #fff; font-weight: bold; display: block; padding: 5px 10px; line-height: 1; border-radius: 5px 5px 0 0; box-sizing: border-box; position: absolute; left: -3px } .point .point-title { display: block; padding: 10px; color: #f08d18; font-size: 1.2em; position: relative; left: -14px; font-weight: bold } .point .point-title::before { content: "『"; font-weight: normal } .point .point-title::after { content: "』"; font-weight: normal } @media screen and (min-width: 768px) { .point { margin:66px 40px 20px 0; padding: 8px 15px } .point::before { font-size: 14px; top: -26px } } @media screen and (max-width: 767px) { .point { margin:56px 40px 20px 0; padding: 8px } .point::before { font-size: 12px; top: -24px } } .point p { margin: 0; padding: 0 } 生活保護受給者が老人ホームを検討する際によくある質問 生活保護でも入居できる老人ホームはありますか? もちろんあります。主に「特別養護老人ホーム」「有料老人ホーム」「グループホーム」などが候補に挙げられます。 ただし、「特別養護老人ホーム」などの公的施設は、一般の人でも満室のため待機を余儀なくされていることが多いので、生活保護受給者が入居希望を出しても、数カ月から数年待つことも珍しくありません。 入居に関しては、担当のケースワーカーやケアマネジャーに相談しましょう。 即時入居はできますか? 例え空室があったとしても即時入居できないケースもあります。施設によって生活保護受給者の受け入れ人数を設定していたり、要介護度が高い人を優先するなどさまざまです。 気になる施設がある場合、受け入れ条件について早めに施設へ確認しましょう。 費用負担はどうすれば良いですか? 生活保護受給者は、最低限の生活費や医療費、介護費用など国から補助を受けています。 通常、介護保険の第1号・第2号被保険者は1割負担のところ、生活保護受給者は0円になることがほとんどです。 原則、現物給付され、在宅介護サービスや有料老人ホームの費用も該当します。ただし、国からの補助の限度額を超えた介護サービスや護保険適用外のサービスを利用した場合は、全額自己負担になるので注意しましょう。 ▶「いい介護」で生活保護受給者でも入居可能な老人ホームを探してみる { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "生活保護でも入居できる老人ホームはありますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "もちろんあります。主に「特別養護老人ホーム」「有料老人ホーム」「グループホーム」などが候補に挙げられます。ただし、「特別養護老人ホーム」などの公的施設は、一般の人でも満室のため待機を余儀なくされていることが多いので、生活保護受給者が入居希望を出しても、数カ月から数年待つこともあり珍しくありません。入居に関しては、担当のケースワーカーやケアマネジャーに相談しましょう。" } },{ "@type": "Question", "name": "即時入居はできますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "例え空室があったとしても即入居できないケースもあります。施設によって生活保護受給者の受け入れ人数を設定していたり、要介護度が高い人を優先するなどさまざまです。気になる施設がある場合、受け入れ条件について早めに施設へ確認しましょう。" } },{ "@type": "Question", "name": "費用負担はどうすれば良いですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "生活保護受給者は、最低限の生活費や医療費、介護費用など国から補助を受けています。通常、介護保険の第1号・第2号被保険者は1割負担のところ、生活保護受給者は0円になることがほとんどです。原則、現物給付され、在宅介護サービスや有料老人ホームの費用も該当します。ただし、国からの補助の限度額を超えた介護サービスや護保険適用外のサービスを利用した場合は、全額自己負担になるので注意しましょう。" } }] }

認知症の介護|気をつける4つのポイント、続けるための5つの心得

認知症の介護|気をつける4つのポイント、続けるための5つの心得

「家族が認知症かもしれない」「認知症になったとき介護はどうすればいいのだろう」。そんな不安や疑問を抱えている人は多いのではないでしょうか。 そこでこの記事では、認知症の人を介護する際に必要なポイントや心得を紹介します。 認知症の人への介護の原則 認知症の人が見ている世界と現実にギャップが生じないようにすることが大切です。 認知症の人に合わせて会話をすることが負担だったり、不本意に感じることもあるかもしれませんが、気持ちやペースを理解し寄り添った対応を心がけることは、自尊心を守り、安心感を与えることに繋がります。 こういった丁寧な対応は、結果的に介護をスムーズに進め、介護者の負担を少なくします。 介護をする際の3つの「ない」 認知症になると記憶障害だけでなく徘徊や暴言・暴力、不眠、不潔行動などさまざまな症状が現れるため、家族のサポートが必要となります。 しかし家族は、認知症の方が今までできていたことができなくなっていく様子に、気持ちや対応が追いつかない場合がほとんどです。そのためどうしていいのかわからず、認知症の方に対し「ついつい怒ってしまう」「遅いからと急かす」などの行動を取ってしまいます。 適切に対応するためには、以下の3点に注意することが必要です。 驚かせない急がせない自尊心を傷つけない このようなポイントを踏まえて対応することで、認知症の方の気持ちや行動は落ち着いてきます。また、認知症の方が今できることを把握し、その能力を活かせるように支援していくことも大切なことです。 認知症の人に気をつける4つのポイント 気持ちを理解する信頼関係を築くペースを合わせる環境の変化は最小限に抑える 1.気持ちを理解する 認知症はすべてが同時にわからなくなるわけではありません。認知症の進行具合にもよりますが、自分がどこいるか、目の前のものが何なのかがわからなくなっても、わからないことへの恐怖や、今までできていたことができなくなったことの不安は、認知症を発症した本人が最も強く感じています。 そんな感情をもちながら介護を受けると、「家族の手を煩わせるのは申し訳ない」「自分は何の役にも立てない」というさらなる不安や恐怖に繋がり、BPSDを助長させることにもなります。 同じ状況ならどう感じるか、どんな気持ちになるか、認知症を発症した本人の気持ちに寄り添ってコミュニケーションをとってみましょう。 2.信頼関係を築く 普段接する時はもちろん、介護をする・される上で信頼関係を築くことは重要ですが、そう簡単に築けるものではありません。 特に家族の場合だと、失敗した時にそれまでと同じように叱責してしまうこともありますが、認知症を発症しても羞恥心やプライドは残っています。怒られたり無視されることでストレスが溜まり、BPSDが悪化することもあります。 失敗しても否定したり叱ったりせず、不安になるような話し方や行動は極力避けましょう。その上で、本人が心からくつろげる環境を整えたり、喜びや安心につながるコミュニケーションをとるなど、焦らずゆっくり信頼関係を築きましょう。 3.ペースを合わせる 認知症を発症すると、中核障害の影響でさまざまなことが出来なくなったり、動作が遅くなったりします。行動が遅いと「私がやった方が早い」と手を出してしまいがちですが、本人にも自尊心やプライドがあります。 自分でできることは自分でやってもらう、本人のやる気や動作に合わせて行動するなど、なるべく本人のペースに合わせましょう。 また、認知症の症状によっては出来事自体を忘れてしまうことがあります。そんな時は問いつめたり、無理に思いださせる必要はありません。深く追求せずに話を合わせるのも大切です。 4.環境の変化は最小限に抑える 認知症にとって環境の変化は、BPSDを悪化させる大きな要因です。 認知症を発症した方は環境の変化に非常に敏感なので、周囲に何らかの変化があると、それだけで大きなストレスを感じます。そして、ストレスや不安といったマイナスの感情は、BPSDを悪化させる原因のひとつです。 そのため、習慣や日課の変更、部屋の模様替えなどはできるだけ避けましょう。引っ越しや入居などでやむを得ず環境が変わる場合は、使い慣れた小物や家具を使って安心できる環境を整えてあげるのが大切です。 認知症介護を続けるための心得 認知症は完治することなく、長期戦のリスクも高い症状になります。認知症の人を介護することはとても負担が大きく、ストレスをためやすくなります。認知症介護にめぐり、痛ましい事件が起きることもあります。 認知症介護を続けるために、大切な心得について説明します。 自分も大切にする溜め込まない比較しないまわりにも頼る「今」を大切に 自分も大切にする 愛する家族が認知症を発症することは、とてもショックなことです。家族が変わっていく姿を見ることは辛いですし、ストレスを感じてしまいます。 介護をするときに重要なのは、必要以上に頑張りすぎたりせずに、自分自身の健康や時間も大切にすることです。 溜め込まない 認知症の家族を介護する中で、不満や悲しみは生まれてきます。その気持ちをずっと自分だけでしまっておくと、いつか爆発してしまいます。 負の感情は溜め込まないことが一番です。時々は友人に愚痴をいったり、家族につらいと本音をこぼしたり、カラオケで発散させたり。気持ちを切り替えながらやっていきましょう。 比較しない 誰かと比べるというのは、どうしてもマイナスの感情を生み出しやすくなります。特に認知症は、人によって症状の重さや症状のあらわれ方は違います。ほかの認知症の人と比べてどうということは考えても仕方ありません。誰かと比較して、悲しい気分になるのはやめましょう。 まわりにも頼る 介護をしているときは大変すぎて、自分一人に抱えてしまいがちです。しかし、介護を一人でするのは不可能です。周りの人や外部のサービスを上手に利用して、まわりに頼りながらやっていきましょう。 「今」を大切に 介護は大変なので、どうしても介護に手いっぱいでまわりを見たり、今の時間を楽しむ余裕はなくなります。しかし介護は永遠に続くわけではありません。長い目で介護についてとらえて、なるべく「今」を大切に過ごしましょう。 家族介護で限界となる前に 認知症の介護は心身ともに負担がかかるため、介護する家族はストレスを多く抱え込む傾向があります。もし介護者が倒れてしまうと、その後の介護を継続することはできなくなり、他の家族にも混乱が生じます。 限界を感じたときは、介護うつや介護疲れになる前に地域包括支援センターや医療機関、居宅介護支援事業所などで専門家に相談するのが良いでしょう。また、介護者が一時的に介護から離れ休息を取る、「レスパイトケア」という考え方も重要です。 レスパイトケアは地域包括支援センターに相談することで、利用できます。認知症の介護は終りが見えないうえ、「家族のことだから」と頑張り過ぎてしまいます。 介護者自身が、人生を楽しむ時間と健康を維持できるよう、周囲からのサポートや公的なサービスは積極的に利用しましょう。 レスパイトケアとは レスパイトケアは、介護者が介護から一時的に開放され心身ともにリフレッシュさせる、“介護者のため”のケアのこと。同時に、介護される側も外出などをすることで一時的に介護者と離れることでリフレッシュできるなど、双方にとってメリットがあります。レスパイトケアは、介護者の負担を減らし、在宅介護を継続させるために必要なケアと言えるでしょう。 在宅での介護生活が困難な時は 認知症になっても住み慣れた環境で過ごさせてあげたいと家族が考える気持ちは理解できます。ただし、認知症の症状が進んでいくと、家族による在宅介護では対応ができなくなることもあります。その場合は専門の施設への入居も検討するようにしましょう。 認知症の人を受け入れている代表的な施設について説明します。 小規模多機能居宅介護 小規模多機能型居宅介護とは「通所」「訪問「宿泊」の3つの機能を有した介護施設のことです。比較的新しく登場した地域密着型サービスの一つで、どのようなケアも同じ事業所の同じスタッフが対応するので、新しい人が苦手な認知症の人に適しています。 実際に小規模多機能型居宅の利用者は8割程度が認知症の人と言われています。認知症の高齢者の受け皿として期待されていますが、小規模な事業所が多く、入居待ちの人が多いことが残念です。 グループホーム 認知症の高齢者のみを入居対象としているのがグループホームです。認知症の知識と経験があるスタッフが常駐しているのが特徴です。 入居者は少人数で「ユニット」という単位にわけられて、ユニットごとに配置されたスタッフが対応します。これも認知症の人が新しい人に不安を感じるために、なじみのスタッフでサポートできるよう工夫されたシステムです。 入居者にはそれぞれの役割や責任があたえられるので、それを満たすことによって入居者に達成感ややりがいを与えることができます。 グループホームは住民上のある市区町村の中でのみ選択可能です。また介護状況の進行に伴い、介護付き有料老人ホームへの転居を勧められるケースもあります。 介護付き有料老人ホーム 介護付き有料老人ホームは、24時間介護スタッフが常駐して、食事や入浴など身の回りのサポートを受けられる施設です。 民間企業が経営しているものが多く、金額や施設、サービス内容についてもさまざまです。 終身利用を原則としており、認知症や要介護5の人まで幅広く受け入れ可能。看取りのサービスまであるので、他の施設のように途中で転居しなければならないということもありません。 また、住宅型やサービス付き高齢者向け住宅でも最近は認知症の対応が可能としている施設が増えています。気になった施設があれば、問い合わせをして事前に受け入れについて確認しておきましょう。 [staff_banner] 認知症の介護に関するよくある質問 認知症の人を介護するとき気を付けることは何ですか? 認知症の人を介護する際に気を付けることは、「気持ちを理解する」「信頼関係を築く」「ペースを合わせる」「環境の変化は最小限に抑える」などが挙げられます。 家族が認知症になってしまった場合、今までできていたことができなくなっていく様子に、気持ちや対応が追いつかない場合がほとんどです。適切に対応していくためには「驚かせない」「急がせない」「自尊心を傷つけない」といったことも意識すると良いでしょう。 認知症介護を少し休みたい場合はどうすれば良いですか? 介護うつや介護疲れになる前に、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談したり、レスパイトケアを利用しましょう。レスパイトケアは、介護から一時的に開放され心身ともにリフレッシュさせる、介護者のためのケアのことです。 認知症介護を難しくなってきたらどうすれば良いですか? 認知症介護を難しくなってきたら、小規模多機能居宅介護やグループホームへの入居も検討しましょう。 小規模多機能型居宅介護は「通所」「訪問「宿泊」の3つの機能を有した施設のことです。一時的に宿泊などを利用することによって介護者の負担を減らし、在宅介護も継続することができます。 また、グループホームは認知症の人を入居対象とした施設で、認知症の知識と経験があるスタッフが常駐しています。入居者はそれぞれ役割や責任が与えられ共同生活を送ります。 ▶「いい介護」で認知症でも入居相談可能な老人ホームを探してみる { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "認知症の人を介護するとき気を付けることは何ですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "認知症の人を介護する際に気を付けることは、「気持ちを理解する」「信頼関係を築く」「ペースを合わせる」「環境の変化は最小限に抑える」などが挙げられます。家族が認知症になってしまった場合、今までできていたことができなくなっていく様子に、気持ちや対応が追いつかない場合がほとんどです。適切に対応していくためには「驚かせない」「急がせない」「自尊心を傷つけない」といったことも意識すると良いでしょう。" } },{ "@type": "Question", "name": "認知症介護を少し休みたい場合はどうすれば良いですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "介護うつや介護疲れになる前に、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談したり、レスパイトケアを利用しましょう。レスパイトケアは、介護から一時的に開放され心身ともにリフレッシュさせる、介護者のためのケアのことです。" } },{ "@type": "Question", "name": "認知症介護を難しくなってきたらどうすれば良いですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", "text": "認知症介護を難しくなってきたら、小規模多機能居宅介護やグループホームへの入居も検討しましょう。小規模多機能型居宅介護は「通所」「訪問「宿泊」の3つの機能を有した施設のことです。一時的に宿泊などを利用することによって介護者の負担を減らし、在宅介護も継続することができます。また、グループホームは認知症の人を入居対象とした施設で、認知症の知識と経験があるスタッフが常駐しています。入居者はそれぞれ役割や責任が与えられ共同生活を送ります。" } }] }

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