老人ホームへの入居|資金計画を立てるときのポイントを解説

老人ホームへの入居|資金計画を立てるときのポイントを解説

公開日 2022/01/27

老人ホームは入居する施設の種類や入居条件によって必要資金が異なります。始めに予算を立てておくと資金計画が立てやすくなります。入居検討を始める人は、資金計画を立てるためのポイントをしっかり押さえましょう。

老人ホームの入居検討に必要な資金計画の3つのポイント

老人ホームの入居を検討するにあたって押さえるべき3つのポイントは「世帯の資産」「収入」「入居期間」です。それぞれ見ていきましょう。

資産の確認をする

はじめに、どれだけの資産を保有しているかをしっかりと把握し、支払うことができる予算を検討しましょう。

資産としては預貯金額、退職金額などの現金や有価証券、土地や建物などの売却可能な不動産などです。売却予定のものは見積りをとって事前に資産価値を確認しましょう。

価値が変動する資産に関しては、低めの金額を想定をしておくと万が一のときにも安心できます。資産として下記の項目を確認しましょう。

  • 預貯金、退職金
  • 土地やマンションなど、売却可能な不動産
  • 株式や債券など、売却可能な有価証券
  • 満期を迎える生命保険など

収入の確認をする

今後見込める定期的な収入を確認しましょう。例えば退職金、企業年金の金額、年金受給額、利息、有価証券の配当、不動産を保有している人は家賃収入などが該当します。配当や家賃収入は変動するので低めの金額で設定すると良いでしょう。

入居期間の想定をする

厚労省資料「令和2年 簡易生命表の概況」によると、平均寿命は男性81.64歳、女性87.74歳と発表されています。

老後の資金計画を立てるには「老人ホームの入居期間」「入居するときに必要になる費用」「入居してから資金がどれだけ必要か」を前もってシュミレーションしておくことが大切です。

80〜84歳の約3割の人が要支援・要介護と認定されており、平均的な介護期間の「5年」を経て亡くなることをベースに考えると想定入居年数を設定することができます。あくまでもこの5年というのは目安です。

健康状態は常に変化するので、想定より多く見積もった方が安心です。

発生する費用のシュミレーション

将来の資金計画を立てるにあたりシュミレーションが重要

将来の資金計画を立てるにあたり、どういった費用項目があり、どれくらいの予算が必要なのかを具体的に把握しておくことが重要です。老人ホームにかかる費用は「初期費用」と「月額費用」の大きく分けて2種類です。

初期費用とは引っ越しにかかる費用や入居一時金を指し、月額費用は月額利用料として毎月の家賃、生活費、介護サービス費、医療費などが含まれます。施設の種類や入居一時金の有無で必要になる費用が大きく異なります。

必要な費用をシュミレーションして余裕を持った資金計画を立て、経済的に行き詰まることのないよう自身の経済状況にあった施設を選びましょう

入居時に必要な3つの費用

入居時に支払う初期費用は事前に質問し、契約書などの書類で受け取るようにして、いつでも確認できるようにしましょう。

入居時費用(入居一時金)

運営母体 施設の種類 入居時費用
民間施設 介護付き
有料老人ホーム
0~数千万円
住宅型
有料老人ホーム
0~数千万円
サービス付き
高齢者向け住宅
0~数十万円
グループホーム 0~数十万円
公的施設 ケアハウス
(軽費老人ホームC型)
0~数十万円
特別養護老人ホーム0円

入居時の費用としては、入居一時金や保証金などがあり、入居する施設によってさまざまです。

特に特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの公的施設には入居時費用はかかりませんが、有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅などの民間の施設に入居する場合は入居時費用が必要で金額の幅も施設により大きく異なります。

家電や家具などの生活用品

自立している高齢者を受け入れている老人ホームに入居する場合、必要な家具や家電などの生活用品は自分で揃える必要があります。

購入品によって金額が大きく異なりますが、仮に全てを新調した場合、その費用は100万円以上かかります。大きな出費につながるのでその点についても検討する必要があります。

使い慣れた家具家電を持ち込むことで費用は抑えられます。何を、どの程度持ち込めるかは事前に施設へ確認しましょう。

引っ越し費用

在宅生活から老人ホームへの生活に切り替える際、自宅で使っていた家具家電を入居後も使い続けたい場合は引っ越し費用が発生します。

引っ越し業者を使った場合、輸送量や輸送方法、内容物によりますが、20万円から50万円程が相場です。寸法などを確認し、老人ホームと相談しましょう。

入居後に必要な3つの費用

入居後に必要となる費用は、基本的に月単位で支払いが発生します。

ここでは入居後にかかる費用の主な3項目、「月額利用料」「介護サービスの自己負担額」「その他の費用」を解説します。各施設によって異なるので、長期的に見て自分の状況に合った施設を選びましょう。

月額利用料

運営母体施設の種類月額利用料
民間施設介護付き
有料老人ホーム
15~30万円
住宅型
有料老人ホーム
11~25万円
サービス付き
高齢者向け住宅
11~25万円
グループホーム10~15万円
公的施設ケアハウス
(軽費老人ホームC型)
6~17万円
特別養護老人ホーム8~14万円

老人ホームの月額利用料の目安となる料金表をパンフレットやホームページ上で公開している施設もあります。主な月額利用料は、家賃、管理費、水道光熱費、食費などがあります。事前にチェックして、気になる項目については施設に問い合わせましょう。

特に、民間運営の施設の中には月額利用料が数十万円と高級志向の老人ホームもあり、施設によって非常に幅があります。気になる施設は事前に確認しましょう。

介護サービスの自己負担額

入居者が要介護認定を受けている場合は、介護自己負担額も月額の費用として必要です。また要介護度に合わせて自己負担額が変わり、例えば、介護付き有料老人ホームは定額、住宅型有料老人ホームサービス付き高齢者向け住宅はサービスを利用した分の支払いという形です。

どの施設に入居しても利用した介護サービス費用には介護保険が適用され、自己負担額は1割から3割です。ケアプランを作成した時点である程度の自己負担額の計算ができるので下記の表を確認してみましょう。

・介護付き有料老人ホームの場合

1割負担額/月2割負担額/月3割負担額/月
要支援15,460円10,920円16,380円
要支援29,330円18,660円27,990円
要介護116,140円32,280円48,420円
要介護218,120円36,260円54,360円
要介護320,220円40,440円60,660円
要介護422,140円44,280円66,420円
要介護524,210円48,240円72,360円

出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省)

・住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅の場合

1割負担額/月2割負担額/月3割負担額/月
要支援15,032円10,064円15,096円
要支援210,531円21,062円31,593円
要介護116,765円33,530円50,295円
要介護219,705円39,410円59,115円
要介護327,048円54,096円81,144円
要介護430,938円61,876円92,814円
要介護536,217円72,434円108,651円

出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省)

その他の費用

老人ホームに入居すると、日用品などの費用も出費として考える必要があります。

例えば、個人的な消耗品であるおむつを日常的に使うことになる場合、毎月のおむつ代は利用者が負担しなければいけません。歯ブラシや石鹸、お菓子や本なども自己負担となります。

また、施設のレクリエーションに使う材料費なども介護保険の対象外なので費用がかかります。

短期は0円プラン、長期は一時金プランがお得に

入居期間を想定し自分に合った料金プランを選択することが重要

近年、複数の料金プランを準備している有料老人ホームが増えてきました。一般的には、有料老人ホームの入居一時金の金額によって、月額利用料が変わるシステムです。

例えば、入居一時金が0円だった場合のプランは月額利用料でカバーするのでその分高くなります。

また、入居一時金を一括で支払っておくと、月額利用料の負担は安く済みます。入居期間が長ければ長くなるほど、入居一時金を支払っておいた方が結果的にお得となり、逆に入居期間が短い場合は入居一時金が0円プランの方がお得となります。

このように入居期間を予め想定しておくと、自分に合った料金プランを選択することができます

入居のための資金計画に活用できる仕組みや制度

入居資金を確保するためさまざまな制度がある

老人ホームに入居する場合、初期費用、月額利用料を考えなくてはなりません。

民間運営の施設に入居する場合はサービスが手厚い分、費用が高くなります。老人ホームに入居するためには、相当額の資金を準備しておくことが大切です。

実際、お金の工面に苦労する人が多く、資産の大半を占めるのは土地や家屋などの不動産のため現金が足りず、入居費用を支払えない人が少なくありません。

こうした高齢者の不安を鑑み、保有する不動産をもとに老人ホーム入居資金を捻出できる制度があります。ここでは制度や仕組みについて紹介します。

リバースモーゲージ

老後資金に関する問題について不安を感じている人が多いのが現状です。そんな中、近年話題に上がっている「リバースモーゲージ」は、自分の家に住み続けながら、その自宅を担保にして老後資金を借りることができる制度です。

メリットとしては、自宅を手放さずに老後資金を借りられること、借入した毎月の支払いは利息のみという点

デメリットは長生きすると融資金額が足りなくなる可能性があること、不動産価値が下がった場合、融資額が見直される、利息が上昇するリスクがあるという点です。

そんなリバースモーゲージには社会福祉協議会がおこなう「公的プラン」と金融機関が行う「民間プラン」の2種類があります。

公的プランの不動産担保型生活資金

公的プランは厚生労働省の「不動産担保型生活資金」が代表的です。この制度は各都道府県の社会福祉協議会が受付窓口となり、高齢低所得者の自立支援を目的としているので老後の生活資金のみにしか利用できません

民間プランの金融商品型リバースモーゲージ(住宅ローン)

民間プランは各金融機関が独自に実施しており、投資、事業用資金目的以外なら原則自由に利用できます。近年は「金融商品型リバースモーゲージ(住宅ローン)」の取り扱いが増えてきています。

利用ができれば老後の暮らしを充実させることができますが、その反面、不動産価値の変動や支払う利息の上昇のリスクもあり「相続人への負担が気になる」という人が多いのも事実です。

マイホーム借上げ制度

マイホーム借り上げ制度とは、国土交通省が支援する一般社団法人「移住・住みかえ支援機構(JTI)」が運営する制度です。50歳以上の人の自宅をJTIを経由して第三者に賃貸住宅として貸し出します。

そして、JTIから終身にわたり賃料が支払われるため生涯にわたって家賃収入が見込めます。対象となる家は1981年6月以降の新耐震基準で新しく建てられた家です。

子どもが実家を離れて夫婦二人で生活するなどライフステージの変化によって住み替えを検討することも考えられます。老人ホームなどに住み替える際は、自宅を賃貸住宅にした家賃収入で入居費用を作ることができます

親の介護費用は誰が負担する?

誰もが預貯金や不動産などの資産を持っているわけではなく、事情があって資産の処分ができないなどの場合もあるでしょう。

年金だけで有料老人ホームの費用を支払える人はごく一部です。親の介護、老人ホームへの入居を考えたとき「誰のお金を充てるのか」を時間に余裕をもって検討しましょう。

親の貯金や年金額を把握しておく

介護、老人ホームの費用を親の貯金や年金などの収入でまかなう場合は、親にどれくらいの資産があるのかを把握しておく必要があります。

切り出すことは難しい話題ですが、老後資金についての相談、印鑑や通帳などの重要書類の保管場所を親が元気なうちに聞いておきましょう。

このような話し合いは普段の親子関係が円満ではないと話しづらいものです。将来の親の生活のために必要になる情報なので、日頃から親子でコミュニケーションをとって信頼関係を築いておきましょう。

ファイナンシャルプランナー(FP)に相談する

老後資金のことについてはファイナンシャルプランナーに相談。

老後資金について不安があれば、お金のプロであるファイナンシャルプランナー(FP)に相談すると将来のマネープランを作成してくれます。FPには専門性があるので、介護・老後家計が強いFPを紹介してもらいましょう。

日本FP協会の調査によると1時間あたりの相談料は約5,000円から10,000円台の範囲が相場です。相談業務なので相性やスタンスなども大事なポイントです。

契約後の相談や見直したいケースも出てくるので、契約する前にFPがおこなっているセミナーや説明会に参加してみることもおすすめします。また各地方自治体や消費生活センターが無料相談を実施しているので活用してみましょう。

老人ホームへ入居する際の資金計画に関するよくある質問

老人ホームへ入居する際、資金面で何を確認すれば良いですか?

まずは「預貯金、退職金」「土地やマンションなど、売却可能な不動産」などの資産を確認し、今後見込める定期的な収入も把握しておきましょう。

また、老人ホームへの入居の際に重要なのが、入居期間を想定することです。入居期間を誤って想定してしまうと資金が尽きてしまう可能性もあります。健康状態は常に変化するので、想定より多く見積もった方が安心です。

入居時に必要な費用は何ですか?

入居時に必要な費用として「入居一時金」「家具・家電などの生活用品」「引っ越し費用」などが挙げられます。特に、入居一時金については0~数千万円と施設により設定がさまざまです。入居する施設に合わせて資金計画を練ることが重要です。

入居後に必要な費用は何ですか?

入居後に必要な費用として「月額利用料」「介護サービスの自己負担額」「その他費用」などが挙げられます。

月額利用料は、家賃、管理費、水道光熱費、食費などがあります。介護サービスの自己負担額については、要介護度によって負担額が異なり、介護付き有料老人ホームでは一定額、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅ではサービスを利用した分の支払いと施設の種類によってさまざまです。

また、その他費用は個人によりさまざまで、例としておむつや歯ブラシ、石鹸などといった日用品が挙げられます。入居者の身体状況により金額の変動があるので注意しましょう。

▶「いい介護」で有料老人ホームを探してみる

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グループホームに必要な人員基準|注意点と他施設との比較

「グループホームの職員はどれくらい配置されてるの?」「夜間に人が少ないと徘徊などに対応できないのでは?」などとグループホームの人員基準に関して疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。 そこでこの記事では、グループホームの人員基準と注意点、他施設との比較に関して解説しています。 「グループホームの入居を検討しているけど、どんな人からサポートを受けられるの?」などと悩まれている方は、是非、参考にしてみてください。 グループホームは主に4つの人員基準で成り立っている グループホームの人員基準は主に次の4つの職種で設定されています。 介護職員 計画作成担当者 管理者 代表者 それぞれの人員基準について詳しく見ていきましょう。 介護職員の人員基準 介護職員は入居者の生活援助や身体介助などの業務を担っており、入居者3人に対して1人以上配置されます。また、複数の人員が配置されるときは、最低1人は常勤職員であることも人員基準で決められています。 入居者の見守りは深夜も必要なため、介護職員は24時間体制で常駐しています。また、複数のユニットがあるグループホームは、ユニットごとに専任の介護職員が配置されます。 計画作成担当者の人員基準 計画作成担当者は入居者一人ひとりに合わせたケアプランを作成する職員で、ユニットごとに1人以上配置されます。なお、1つの事業所に2ユニットある場合は計画作成担当者も2人必要です。 計画作成担当者になるには次の要件を満たす必要があります。 実務者研修基礎課程または認知症介護実践者研修を修了していること 専らその職務に従事する者であること また、計画作成担当者のうち最低1人は、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格の保有が必要です。 管理者の人員基準 管理者とは経営や人事・労務管理など管理業務を担う職員で、ユニットごとに常勤の管理者が配置されます。自らも介護サービスの実施や他の職員の指導をおこなうため、介護の知識や経験も必要です。 管理者になるには次の要件が求められます。 特別養護老人ホームや介護老人保健施設などで3年以上従事した経験があること 厚生労働省が規定する管理者研修を修了していること 特定の介護施設における3年以上の実務経験に加え、認知症高齢者介護の経験も必要です。さらに厚生労働省の管理者研修を受けて、ようやく管理者になるための基準を満たせます。 なお、管理業務に支障をきたさなければ、ほかの職種との兼任も可能です。 代表者の人員基準 管理者の管理対象がユニット単位なのに対し、代表者はグループホーム全体を管理します。代表者になるには、次の要件を満たす必要があります。 介護施設で認知症高齢者介護に従事した経験を持つこと、もしくは保険・医療・福祉サービスの提供をおこなう事業所の経営に携わった経験があること 厚生労働省が定める認知症対応型サービス事業開設者研修を修了していること グループホームの人員基準の注意点 グループホームの人員基準を職種ごとに説明してきましたが、注意する点もあります。しっかり把握したうえで入居施設を選びましょう。 介護職員が常勤ではない場合がある 介護職員の人員基準は入居者3人に対して1人以上のため、1ユニットあたり最低でも2~3人が配置されます。全員が常勤である必要はなく、1人以上の常勤職員がいればパートやアルバイトなどの臨時職員も起用できます。このため、特に食事や入浴など人手が多く必要な時間帯では、非常勤職員が担当となる場合も多いです。 規定の人数が必ず24時間確保されているわけではない グループホームの人員基準は入居者3人に対して介護職員1人と決められています。しかし、適用されるのは日中のみで、24時間この人数が常駐するわけではありません。 人員基準は時間帯によって異なり、夜間や深夜は1ユニットに対して介護職員が1人以上いれば良いとされています。このように、時間帯によっては介護職員が手薄になる場合もあると把握しておきましょう。 規定の3:1を超えない場合もある 入居者3人に対して介護職員1人という比率は、実際に介護現場で働いている職員数ではなく労働時間をもとに計算します。つまり、人手が多く必要な時間帯を手厚くした分、それ以外の時間帯の職員数を抑えることも可能です。このように実際に働く職員数は人員基準をもとに調節されるため、時間帯によっては既定の「3:1」を超えないこともあります。 グループホームによってサービスの質や人員は大きく変わる グループホームの人員の最低基準は厚生労働省によって決められていますが、実際にどのくらい配置するかは施設の裁量に任せられています。このため、基準をギリギリクリアする施設もあれば、基準を上回る人員を確保している施設もあります。 人員が豊富なグループホームは職員一人ひとりにかかる負担が抑えられるため、サービスの質が向上します。逆に人員が少ないと、時間帯によってはサービスが行き届かなくなることも。人員配置によってサービスの質や量は変わるため、入居前に確認することが大切です。 グループホーム以外の介護施設の人員基準 グループホームだけでなく、ほかの介護施設の人員基準も知っておきましょう。介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅、特別養護老人ホームの人員基準を紹介します。 介護付き有料老人ホームの人員基準 介護付き有料老人ホームは、主に介護を必要とする高齢者が介護や生活支援を受けながら生活する施設です。 介護付き有料老人ホームの人員配置の最低基準は、要支援2以上の入居者3名に対して介護職員または看護職員を1名配置する「3:1」と決められています。施設によっては「2.5:1」「2:1」「1.5:1」などさらに手厚い配置にしている場合もあり、サービスが向上する分上乗せ介護費用が発生することもあります。 その他の主な人員は下記の通りです。 施設長(常勤の管理者) 事務員 生活相談員 看護職員 機能訓練指導員 計画作成担当者 栄養士 調理員 住宅型有料老人ホームの人員基準 住宅型有料老人ホームは、食事や洗濯、清掃といった生活支援サービスを受けられる高齢者施設です。 管理者を1人配置する必要がありますが、そのほかの職種の配置義務はありません。このため、下記の職種の配置は施設ごとに必要に応じて決められます。 介護職員 看護職員 生活相談員 機能訓練指導員 サービス付き高齢者向け住宅の人員基準 サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリー化された高齢者向けの賃貸住宅です。一般型と介護型があり、一般型は介護施設のような人員基準は特にありません。 一方、介護型は「特定施設」の認定を受けているため、入居者3人に対して介護職員1人以上の配置義務があります。 特別養護老人ホームの人員基準 特別養護老人ホームは基本的に要介護3以上の高齢者が入居する施設で、介護だけでなく医療ケアにも対応しています。人員基準は入居者3人に対して介護職員または看護職員1人以上の配置が定められています。 また、入居者100人に対して医師1名、看護師3名以上という基準も設けられています。 グループホームの人員基準に関するよくある質問 グループホームの職員の人員基準は? 入居者3人に対して介護職員を1人以上配置することが定められています。また、複数の人員が配置されるときは、最低1人は常勤職員であることも人員基準で決められています。 グループホームでは24時間規定の人員配置? 入居者3人に対して介護職員1人を配置するのは、日中にのみ適用されます。よって、夜間や深夜は1ユニットに対して介護職員が1人以上いれば良いとされています。 グループホームはどのような人員配置なの? グループホームの人員配置は、介護職員・計画作成担当者・管理者・代表者の4つの職種で成り立っています。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "グループホームの職員の人員基準は?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

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