高齢者に食事拒否されたらどうしたらいい?|原因と対策を徹底解説!

高齢者に食事拒否されたらどうしたらいい?|原因と対策を徹底解説!

更新日 2024/04/09

「親の介護を始めたけど、食事拒否をされてしまって困っている」「食事を拒否される原因がわからない、体調が悪いのかな?」などと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、高齢者の食事拒否に関する対応方法や拒否が起こる原因を解説しています。

高齢の家族の食事拒否に関して悩まれている方は、是非、参考にしてみてください。

食事拒否に関する対応方法

食事拒否を解消するにはまず、本人の意志を尊重することが大切。

食事拒否をされた場合、戸惑い、イライラしてしまう方がほとんどです。以下では、食事拒否に関する対応方法をまとめました。

本人の意思を尊重する

食事を拒否されたからといって、強引に食事を勧めたり無理やり食べさせたりしてはいけません。拒否された場合は一呼吸おき、本人の気持ちに寄り添い、認めてあげることが重要です。

声かけをする

認知症がある方に関しては、介護をする人が具体的に道具の使い方などを伝える必要がある。

本人に認知症の症状がある場合、介護をする人が食べ方や道具の使い方を伝えると良いでしょう。一緒にテーブルにつき、食べ方を真似してもらうといった方法もあります。

また「今日は寒いから味噌汁を飲みましょう」「これは炊きたてのご飯だよ」といった本人を安心させるような声かけも、食事を促す上で大切です。

食事環境を変える

食事環境を変えることで拒否がなくなることがあります。集中して食事ができるように、「テレビを消す」「食事以外のものはテーブルの上に乗せない」といった工夫が必要です。

またテーブル・椅子の高さを調整するなど、食べやすい姿勢を保つのも重要です。食べやすい姿勢は、窒息・誤嚥予防にも効果を発揮します。

食器を替える

認知機能が低下している高齢者にとって、食器が柄物だと食べものとの区別ができていない可能性があるので、食器を取り替えるのも一案。その場合、食べものが認識しやすい無地の食器がおすすめです。

箸が上手く使えない場合は、スプーンやフォークを用意しても良いでしょう。

また、本人が普段から使用していた器など本人にとって馴染みのあるものを揃えてみるのも良いでしょう。

食材に工夫を加える

食べにくい場合は、食材を加工し提供してみるのも良い。飲み込みにくい場合はとろみを付けましょう。

料理が食べにくい場合は、食材を小さくしたり柔らかくしたりすると良いでしょう。

また一方で、飲み込みにくい場合は、とろみを付ける方法もあります。ただし、とろみを付けると料理全体がドロドロに見えてしまうので、好まない方が多いです。

赤・緑・黄の食材を使い、食事に彩りを加えることも大切です。食事が華やかに見えると食欲も湧き、自然と「美味しい」「楽しい」といった感情が出ます。

食事拒否が起こる原因

食事拒否は、身体的・精神的状況によって突然始まる。

身体的・精神的状況によって、突然、食事拒否が始まることがあります。介護をする人からすればとても不安になることでしょう。以下では、高齢者の食事拒否が起こる原因をまとめました。

身体機能の低下

加齢による身体機能の低下が、食事拒否を起こす原因のひとつとされています。高齢になると「飲み込む力」「消化する力」が極端に低下し、高齢者自身が食事を楽しめず、食事拒否に至るケースも。

筋肉の衰えが原因で姿勢を保つことができず、腹部が圧迫され食事拒否につながることもあります。

また、便秘による食欲不振も中にはあり、体調を確認する必要があります。

認知症の進行

認知症の進行により、食事拒否が起こる原因は以下です。

  • 食べものを認識できない「失認」
  • 食べ方がわからない「失行」
  • 集中力の低下
  • 抑うつ状態

「食べ始めるのに時間がかかっている」「食べる際に困った顔をしている」などのケースは、認知症による失認・失行といった症状が出ている可能性も

失認・失行とは? 失認とは、自分の身体状況や自分とものとの位置関係がわからなくなったり、目の前の料理を食べものだと認識できていない状態を指します。 また失行とは、運動機能に支障がないのにも関わらず、日常的におこなっていた動作やものの操作をできなくなる状態です。

食事の内容

食事の内容によって食事拒否が起きている可能性もある。

料理(またはメニュー)に苦手なものがあるため、食事拒否が起きている可能性があります。栄養満点の料理でも苦手なものがあれば食べてもらうことは難しく、食事の時間すら嫌になってしまうことも…。

また介護食へ形態を変えた場合も、食事を拒否する原因です。「味が薄い」「ドロドロで食事内容がわからない」といった理由で拒否することも珍しくありません。

戦後「食」を大事にしてきた高齢者にとって、ご飯の「量を減らす・調整する」といった手段も食欲増進に効果的かもしれません。

口腔トラブル

入れ歯の違和感や虫歯などの痛みによって、食事を拒否している場合もあります。合わない入れ歯はよく噛むことができず、食事に対してストレスを与えます。そのため、日頃から歯医者の診察を受け、入れ歯のメンテナンスをすることが重要です。

拒否をされても叱ってはいけない

拒否されたとしても怒らず、本人の意思を尊重することが大切

家族とはいえ、何度も拒否されるとついイライラしてしまい、穏やかなままではいられないことも。家族であるがゆえに「早く食べて!」「なんでこぼすの!」と叱ってしまうこともあるかもしれません。

そのようなときは、本人のペースや意思を尊重して、気持ちに寄り添いましょう。焦らずゆっくりと介護していくことで良い結果が生まれる場合もあります。

高齢者の食事拒否に関するよくある質問

高齢者が食事を拒否している場合どうすれば良いですか?

食事が進まない場合は、食べることがストレスにならないように雰囲気づくりをすることが大切です。また、いつもと違う食器を使用してみたり食材を工夫したりと、さまざまな方法を試しましょう。

高齢者が食事を拒否し続けるとどうなりますか?

食事拒否が続くことで、健康を維持するための栄養素やエネルギーが不足し、低栄養状態になる可能性があります。低栄養状態になると、免疫力の低下・皮膚の炎症・骨がもろくなるなどさまざまな問題が起きます。

食事の際に集中して食べてくれない場合どうすれば良いですか?

テレビを消してみたり照明の明るさを変えてみたり、本人の好きな音楽をかけてみるなどして気分を変えてみるのはいかがでしょうか。また、テーブルの高さや椅子の位置が悪い場合もあるので、調整してみると良いでしょう。

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