【チェックリスト付き】老人ホーム見学時に気を付けたい4つのポイント

【チェックリスト付き】老人ホーム見学時に気を付けたい4つのポイント

公開日 2021/12/02

老後を楽しく過ごすためにも、老人ホームを選ぶときはきちんと見学し、後悔なく入居を決定することが大切です。そこで今回は、老人ホームを見学するときに見るべきポイント4つをご紹介します。

また見学の手順や、見学時に質問したい項目もあわせて解説。老人ホームを見学する際は、ぜひ参考にしてください。

施設入居をする際に何故見学が必要なのか?

老人ホームは資料請求をするとパンフレットを入手でき、施設の設備やサービスについて把握することが可能です。

しかし、パンフレットだけでは不明点が多いのも事実。居住スペースや設備がパンフレットの写真どおりか、サービスは行き届いているかどうかなど、実際に目で確かめてみなければわかりません。

入居者本人やその家族に合った施設かを知るためにも、老人ホームの見学は大切です。老人ホームに行って直接チェックすることで、入居前と入居後に生まれるギャップを防ぐことも。

また、施設全体の雰囲気や入居者の実際の生活はもちろん、ケアにあたる職員の様子を知ることもできます。

老人ホーム側としても、入居者がすぐに退去してしまうと大きな損失に。そのため、見学を正当な理由なく断ったり、見学をしないまま入居を勧めるということはありません。

施設選びで後悔をしないためにも、気になった老人ホームがあれば積極的に見学しましょう。

老人ホーム見学までの手順

見学までの流れは下記のとおりです。

  1. 資料請求をして老人ホームの概要を確認する
  2. 見学候補を絞る
  3. 見学内容の希望をまとめる
  4. 老人ホームに連絡して見学予約をする
  5. 見学当日

資料の情報や費用、立地などの観点から、見学したい老人ホームを数ヵ所に絞ります。見学候補を絞ったら、「入居者の生活や食事中の様子」「レクリエーションやリハビリの様子」など、気になる点を挙げていきましょう。

老人ホームを見学する際は、必ず予約が必要です。予約の際に見学内容の希望を事前に伝えておくと、スムーズに見学できます。

また、見学を複数希望する場合や、面談をしたい場合は時間がかかるため、前後の時間に余裕を持って行動するとおすすめです。

見学のときにチェックしたいポイントや質問項目、持ち物は、あらかじめ準備しておきましょう。心配な場合は、チェックリストを作成しておくと安心して見学できますよ。

実際に見学する際は複数人で見学したり、可能であれば入居者本人を連れて行くと良いでしょう。1人での見学では気づけない視点を取り入れたり、入居者本人の希望を加味した施設選びをすることができます。

無料 介護施設・老人ホーム入居のサービス
介護施設・老人ホーム探しなら
私たち「いい介護相談室」にお任せください!
介護施設・老人ホーム入居の
サービス
介護施設・老人ホーム探しなら
私たち「いい介護相談室」にお任せください!

見学の時間帯と回数

老人ホームを見学する際の時間帯について

見学する施設が少ないと十分に比較ができず、誤った判断をしてしまう可能性が。反対に見学する場所が多すぎても、時間がかかってしまい大変です。最低でも2ヵ所はまわり、余裕があれば3~4ヵ所見学すると良いでしょう。

施設を絞るときは、費用や入居条件などが似ている施設を複数選び、比較するのがおすすめです。それぞれの施設の雰囲気や特徴を把握しやすくなります。

また、リハビリ・食事・レクリエーションなどの時間帯に訪問すると、スタッフの入居者との関わり方や、日常生活の様子をチェックすることができます。反対に、設備の広さや清潔感を確認したいときは、入居者の利用していない時間帯を選びましょう。

多くの老人ホームでは、食事の試食も受け付けています。見学を予約する際に、遠慮せずに尋ねてみてください。

一度の見学で老人ホームについてしっかりと理解するのは難しいことも。後悔のない施設選びをするためにも、再度見学を申し込みましょう。その際には、時間帯を変えてみると、新たな発見が見つかりやすくおすすめです。

確実にチェックしておきたい4つのポイント

老人ホームを見学する際は「設備」「サービス」「医療的ケア」「生活の質」の4つを確実に見ておきましょう。それぞれどのような点をチェックするべきか、細かく解説していきます。

建物・設備について

老人ホーム見学の際にチェックしたい居室設備

まずチェックしたいのは居室や共用設備。日々暮らしていく場所のため、スペースの広さや清潔感など、しっかりと見ていきましょう。

また、建物の周辺環境も生活の質に大きく関わってくるので、より良い環境かどうか確認することが大切です。

施設までのアクセス、周辺環境

周辺環境では、安全面や便利さを重視。とくに自由に行動可能な自立した人の場合、「治安は良いか」「歩いていて危険な場所はないか」「買い物のできる場所があるか」などをチェックします。

また、線路沿いや大きな道路の近くは、音の敏感な人にとってストレスになるので注意が必要です。

さらに、家族が面会に訪れるときに通いやすいかどうかも視野にいれます。車や電車を利用してアクセスしやすいかも必ず確認しておきましょう。

居室

老人ホーム見学の際には居室の確認が必須

居室・収納スペースは充分に確保されているかを見ます。また、トイレや洗面所つきの居室を希望する場合は、その有無や使い勝手もチェックしましょう。

ほかにコンセントやナースコールの位置、日当たりなど、快適に過ごせるかどうかを基準に見るとおすすめです。

また、施設によっては家具・家電の持ち込みがOKの場合もあるので、持ち込みたいものが入るスペースがあるか見ておきましょう。

持ち込めない代わりに家具・家電のレンタルや、介護ベッド貸し出しがある場合、追加で料金がかかるかも事前に確認が必要です。

共有スペース

食事をしたり、テレビを見たり、ほかの入居者と交流したりと、非常に大切な役割を果たす共有スペース。居室はもちろん、共有スペースも過ごす時間の割合が多くなります。そのため、居心地の良さや雰囲気をしっかりと確かめておきましょう。

また、机の高さ、人や車椅子が通れるスペースを確保しているか、手すりがあるかなども細かくチェックしてくださいね。

入浴設備、機能訓練室

自立していてる人であれば、1人で入る可能性もあるお風呂。スタッフが声かけや安全確認をおこなっているか、事故を防ぐための工夫をしているかなどを確認しましょう。

要介護・要支援の方は、介護士が付き添います。機械浴が可能かどうかなど、設備の充実度も見るようにしてくださいね。

機能訓練室でも同様に、入居者へのスタッフの関わり方や、設備が充実しているかを重点的に見ます。

設備メンテナンス、清掃

介護用品・福祉用具などは入居者もスタッフも毎日使用するものです。清潔であるか、壊れているもの・経年劣化しているものをきちんと取り替えているかを見ましょう。

また、共有スペースや水回りをきちんと清掃しているかもチェック。見た目だけでなく、においまで確かめるのがポイントです。

設備のメンテナンスや清掃が細やかにおこなわれているのは、スタッフが足りているか、施設運営がうまく行っているかを知るための指標にもなります。

介護スタッフ・サービスについて

老人ホームのスタッフの人員体制について

施設選びの際に見落としがちなのは、老人ホーム側の運営体制や職場環境です。職員にとって働く環境が良いことは、丁寧でより良いサービスの提供に繋がります。

ここでは介護スタッフの働く環境やサービス方針を基準に、施設選びをする際のポイントをお伝えします。

人員体制

介護付き老人ホームでは、入居者3人に対して1人以上の介護スタッフか看護職員を配置することが義務づけられています。常勤の介護職員を1人以上配置することが基準のため、忙しい食事や入浴の時間はパートの人が対応していることも。

また、常に3:1の人員配置ではなく、時間帯によっては極端に職員の少ない施設もあるのが現状です。

日中・夜間の介護職員の人員配置や、勤務体制について不安がある場合、見学時に聞いておくと安心です。2.5:1などの職員体制の手厚い施設では、十分な介護サポートを受けることができます。

介護スタッフの勤続年数、離職率、教育体制

介護スタッフの勤続年数や離職率についてもチェックすると良いでしょう。

勤続年数が長く離職率の低い施設では、人手が充分で、運営体制が整っており、サポートが行き届きやすいというメリットがあります。また、同じスタッフが長期的に担当してくれるため、より良い関係性が築けます。

また、挨拶や見学の対応時の受け答えなど、教育がしっかり行き届いているかも確認を。職員が生き生きと働ける環境づくりをおこなっている施設は、自然と全体の雰囲気に表れています。

認知症ケア

老人ホーム見学の際にチェックしたい認知症ケア

認知症の方は環境の変化に敏感なため、しっかりとケアをおこなっていく必要があります。見学の際は、認知症ケアをどのように取り組んでいるか、入居者本人に適したケアがおこなわれるかをポイントに確かめます。

例えば、「入居者の話に寄り添う傾聴をおこなっているか」「徘徊防止策はしているか」「ほかの入居者や職員とのトラブルを防ぐ対策はあるか」などの視点からチェックしましょう。

リハビリ

有料老人ホームで主におこなわれるリハビリは「生活リハビリ」です。トイレや入浴、食事をリハビリの一環とし、日常生活を自力でできるように支援します。

またケガや病気などをきっかけに、理学療法士などの専門家がおこなうリハビリが必要になる場合もあります。生活リハビリ以外に対応しているかどうかは、施設によって異なるので確認を。

リハビリ設備は充実しているか、頻度はどのくらいか、リハビリを専門としているスタッフはいるかなどを中心に、判断すると良いでしょう。

医療的ケアについて

老人ホームにおける医療的ケアの内容

入居者が毎日を健康的に過ごしていくためには、医療機関の協力が欠かせません。そこで健康管理や協力医療機関について見ていくポイントを解説します。

また、身体的・精神的に苦痛の少ない状態で最期を迎えるために大切な「看取り」の対応について見るべきポイントも紹介します。

協力医療機関

老人ホームでは高度な医療行為が必要な場合、協力医療機関で治療をおこないます。病院名・診療科目・医療サービス内容・住所などを事前にチェックしておきましょう。

ほかにも救急対応や施設への往診が可能か、入院が必要になった場合の施設側の対応なども見ておくと安心です。

健康管理

定期健診や健康相談を親身におこなっているかどうか、頻度などを確認します。また夜間の緊急時の対応も確かめておきましょう。

看取り

老人ホームにおける看取りは、スタッフや家族に見守られながら、過ごしてきた施設で最期のときを迎えるケアです。

看取りに対応していない施設では、容態が悪化したときに、病院やほかの施設へ移らなければいけません。看取りを希望する場合は、必ず看取りに対応した施設を選びましょう。

施設を見学する際には、看取り介護の方針や対応・家族への連絡などの対応についてチェックします。

生活の質について

老人ホームにおける入居者の生活の質(QOL)について

老人ホームで楽しく過ごすために、生活の質を保つことは非常に大切です。ここでは食事やレクリエーション・イベントの工夫について、どのような視点で見ると良いかお伝えしていきます。

食事

食べやすい食事であるかを基準に判断します。噛む力が低下した人に対して、食材を柔らかくする工夫や食べやすい大きさかどうかをチェック。また盛り付けや香りなど、食欲をそそるような食事であるかを見ます。

さらに季節の食材を使ったメニューなど、献立に工夫があるとなお良いですね。見学のときには食事内容だけでなく、入居者の食事の様子も見ておきましょう。

レクリエーション

レクリエーションやイベントでは、実施される頻度を確認しましょう。あわせて、多くの人が参加できるか、ほかの居住者との交流や運動を兼ねた内容かを確かめます。

レクリエーションやイベント実施日に見学できるようであれば、スタッフの取り組み姿勢やイベント全体の雰囲気などを見ると良いでしょう。

全体的な雰囲気を確認しよう

静かで落ち着いた雰囲気が合っているか、にぎやかで楽しい雰囲気が合っているかなど、施設の好みは人それぞれ。見学の際には、入居者本人に合った施設かを見極めるために、全体の雰囲気を把握することが大切です。

  • ほかの入居者の表情はどうか
  • スタッフは挨拶や声かけをしているか
  • 清潔感はあるかどうか
  • 飾られた植物の手入れはされているか
  • 掲示物や飾り付けは季節に合っているか

上記のような視点を持って見学すると良いでしょう。

老人ホームは毎日を過ごす場所です。入居者本人や家族に合った施設を選べるよう、理想の雰囲気を事前にイメージしておけると良いですね。

見学時に必ず質問をしよう

見学のときには老人ホームへの疑問や不安を払拭するため、気になることはどんどん質問しましょう。とくに大切になってくるのは、入居条件や料金、施設の方針に関する質問です。具体的にどのような質問をしておくべきか解説していきます。

入居・退去条件

老人ホームでは入居条件が定められています。施設によっては、介護度の高い人や認知症のある人の受け入れをおこなっておらず、入居ができない可能性もあります。

また、持病がある人や病気による特別な医療ケアが必要な人も注意が必要です。このようなケースは、医師の診断書を提出したうえで、施設側が最終的に判断します。

これらの点をふまえて、入居条件に当てはまるかどうか、担当スタッフに相談してみてくださいね。

無事に入居できたとしても、介護度や持病が重くなったり、認知症の症状が現れはじめると退去を促されてしまう可能性があります。

施設側とトラブルにならないよう入居・退去条件はしっかりと確認し、納得のうえで入居しましょう。

料金プラン、費用

料金プランや費用は老人ホームのパンフレットや資料に記載されているため、確認しましょう。

しかし、家具・家電のレンタル料金や特別なケアが必要な場合の費用など、パンフレットに老人ホーム記載しきれない費用がかかることもあります。

別途費用が必要か、内訳はどのようになっているかなど、できるだけ細かく質問しましょう。

保証人の責任範囲

老人ホームの入居条件に、連帯保証人や身元引受人の有無も含まれます。連帯保証人は、利用料の保証、緊急時の連絡、治療方針やケアプランの承諾などの責任が伴います。

連帯保証人であると同時に身元引受人でもある場合、入院などの理由による退去や死亡時の身元引受の必要も生じます。

万が一利用料金が未納になった場合の保証や、病気や怪我・急変時の緊急連絡先として求められることがあります。

一般的に家族が連帯保証人・身元引受人となりますが、老人ホームによっては家族以外も保証人として認められる可能性も。こちらも入居する前に必ず、確かめておきましょう。

施設の介護方針

最後に、老人ホームを見学したときに、施設の介護方針についても質問します。

パンフレットやホームページなどに施設の介護方針を記載している老人ホームが多いですが、改めて担当スタッフから聞いておくのも非常に大切です。

聞いたうえで、実際の施設の印象と合わせて入居の判断をおこないましょう。

施設見学時のチェックリストのダウンロードはこちら

老人ホームの見学に関するよくある質問

老人ホームに入居する際、何故見学が必要なのでしょうか?

施設のパンフレットだけだと不明点が多すぎるのも事実です。居住スペースや設備がパンフレットの写真どおりか、サービスは行き届いているかどうかなど、実際に目で確かめてみなければわかりません。

特に、施設全体の雰囲気や介護スタッフの様子などは見学時にしかわかりません。入居者本人やその家族に不安が残らないように、入居前の見学は必要です。

見学する場合は何時頃に行けば良いですか?

主に入居者が共用スペースに集まっている「食事」「リハビリ」「レクリエーション」の時間帯に訪問すると、施設の雰囲気、介護スタッフや入居者の様子を確認できます。

また施設によっては食事の試食ができます。希望条件として食事を挙げているのであれば、事前に試食をおこない、味や食事形態について確認しましょう。

見学は何ヵ所した方が良いですか?

施設を比較するために最低でも2カ所、余裕があれば3~4カ所見学すると良いです。また、入居者本人が見学に同行する場合は、移動するだけで疲労を伴うので1日1施設がおすすめです。入居者本人が施設を比較したい場合は、複数日にわけて見学しましょう。

よく読まれている記事

よく読まれている記事

article-image

【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

article-image

【動画でわかる!】グループホームの費用はいくらかかる?月額利用料の内訳や初期費用を徹底解説!

認知症の方の入居先を探す際、選択肢に挙がるのが認知症の高齢者が共同生活を営む小規模介護施設「グループホーム」です。 この記事では、グループホームの入居一時金や月額利用料を詳しく解説。グループホームで使える助成制度についてもご紹介しています。 https://youtu.be/5Bec4lhyW4M グループホームにかかる費用の相場 グループホームの費用には、入居時に必要な「初期費用」と毎月発生する「月額利用料」があります。民間、社会福祉法人、医療法人、NPO法人とさまざまな団体がグループホームを運営していることから、施設ごとの費用やサービスには差があります。 初期費用は0円の施設から100万円程度の施設まであり、平均すると10~20万円程度。月額利用料は施設の立地やサービス内容によっても異なり、おおむね15~30万円程度です。 一般的な有料老人ホームに比べると、初期費用・月額利用料ともに費用を抑えて入居することが可能です。 項目 ...

2021/11/15

article-image

グループホームに必要な人員基準|注意点と他施設との比較

「グループホームの職員はどれくらい配置されてるの?」「夜間に人が少ないと徘徊などに対応できないのでは?」などとグループホームの人員基準に関して疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。 そこでこの記事では、グループホームの人員基準と注意点、他施設との比較に関して解説しています。 「グループホームの入居を検討しているけど、どんな人からサポートを受けられるの?」などと悩まれている方は、是非、参考にしてみてください。 グループホームは主に4つの人員基準で成り立っている グループホームの人員基準は主に次の4つの職種で設定されています。 介護職員 計画作成担当者 管理者 代表者 それぞれの人員基準について詳しく見ていきましょう。 介護職員の人員基準 介護職員は入居者の生活援助や身体介助などの業務を担っており、入居者3人に対して1人以上配置されます。また、複数の人員が配置されるときは、最低1人は常勤職員であることも人員基準で決められています。 入居者の見守りは深夜も必要なため、介護職員は24時間体制で常駐しています。また、複数のユニットがあるグループホームは、ユニットごとに専任の介護職員が配置されます。 計画作成担当者の人員基準 計画作成担当者は入居者一人ひとりに合わせたケアプランを作成する職員で、ユニットごとに1人以上配置されます。なお、1つの事業所に2ユニットある場合は計画作成担当者も2人必要です。 計画作成担当者になるには次の要件を満たす必要があります。 実務者研修基礎課程または認知症介護実践者研修を修了していること 専らその職務に従事する者であること また、計画作成担当者のうち最低1人は、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格の保有が必要です。 管理者の人員基準 管理者とは経営や人事・労務管理など管理業務を担う職員で、ユニットごとに常勤の管理者が配置されます。自らも介護サービスの実施や他の職員の指導をおこなうため、介護の知識や経験も必要です。 管理者になるには次の要件が求められます。 特別養護老人ホームや介護老人保健施設などで3年以上従事した経験があること 厚生労働省が規定する管理者研修を修了していること 特定の介護施設における3年以上の実務経験に加え、認知症高齢者介護の経験も必要です。さらに厚生労働省の管理者研修を受けて、ようやく管理者になるための基準を満たせます。 なお、管理業務に支障をきたさなければ、ほかの職種との兼任も可能です。 代表者の人員基準 管理者の管理対象がユニット単位なのに対し、代表者はグループホーム全体を管理します。代表者になるには、次の要件を満たす必要があります。 介護施設で認知症高齢者介護に従事した経験を持つこと、もしくは保険・医療・福祉サービスの提供をおこなう事業所の経営に携わった経験があること 厚生労働省が定める認知症対応型サービス事業開設者研修を修了していること グループホームの人員基準の注意点 グループホームの人員基準を職種ごとに説明してきましたが、注意する点もあります。しっかり把握したうえで入居施設を選びましょう。 介護職員が常勤ではない場合がある 介護職員の人員基準は入居者3人に対して1人以上のため、1ユニットあたり最低でも2~3人が配置されます。全員が常勤である必要はなく、1人以上の常勤職員がいればパートやアルバイトなどの臨時職員も起用できます。このため、特に食事や入浴など人手が多く必要な時間帯では、非常勤職員が担当となる場合も多いです。 規定の人数が必ず24時間確保されているわけではない グループホームの人員基準は入居者3人に対して介護職員1人と決められています。しかし、適用されるのは日中のみで、24時間この人数が常駐するわけではありません。 人員基準は時間帯によって異なり、夜間や深夜は1ユニットに対して介護職員が1人以上いれば良いとされています。このように、時間帯によっては介護職員が手薄になる場合もあると把握しておきましょう。 規定の3:1を超えない場合もある 入居者3人に対して介護職員1人という比率は、実際に介護現場で働いている職員数ではなく労働時間をもとに計算します。つまり、人手が多く必要な時間帯を手厚くした分、それ以外の時間帯の職員数を抑えることも可能です。このように実際に働く職員数は人員基準をもとに調節されるため、時間帯によっては既定の「3:1」を超えないこともあります。 グループホームによってサービスの質や人員は大きく変わる グループホームの人員の最低基準は厚生労働省によって決められていますが、実際にどのくらい配置するかは施設の裁量に任せられています。このため、基準をギリギリクリアする施設もあれば、基準を上回る人員を確保している施設もあります。 人員が豊富なグループホームは職員一人ひとりにかかる負担が抑えられるため、サービスの質が向上します。逆に人員が少ないと、時間帯によってはサービスが行き届かなくなることも。人員配置によってサービスの質や量は変わるため、入居前に確認することが大切です。 グループホーム以外の介護施設の人員基準 グループホームだけでなく、ほかの介護施設の人員基準も知っておきましょう。介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅、特別養護老人ホームの人員基準を紹介します。 介護付き有料老人ホームの人員基準 介護付き有料老人ホームは、主に介護を必要とする高齢者が介護や生活支援を受けながら生活する施設です。 介護付き有料老人ホームの人員配置の最低基準は、要支援2以上の入居者3名に対して介護職員または看護職員を1名配置する「3:1」と決められています。施設によっては「2.5:1」「2:1」「1.5:1」などさらに手厚い配置にしている場合もあり、サービスが向上する分上乗せ介護費用が発生することもあります。 その他の主な人員は下記の通りです。 施設長(常勤の管理者) 事務員 生活相談員 看護職員 機能訓練指導員 計画作成担当者 栄養士 調理員 住宅型有料老人ホームの人員基準 住宅型有料老人ホームは、食事や洗濯、清掃といった生活支援サービスを受けられる高齢者施設です。 管理者を1人配置する必要がありますが、そのほかの職種の配置義務はありません。このため、下記の職種の配置は施設ごとに必要に応じて決められます。 介護職員 看護職員 生活相談員 機能訓練指導員 サービス付き高齢者向け住宅の人員基準 サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリー化された高齢者向けの賃貸住宅です。一般型と介護型があり、一般型は介護施設のような人員基準は特にありません。 一方、介護型は「特定施設」の認定を受けているため、入居者3人に対して介護職員1人以上の配置義務があります。 特別養護老人ホームの人員基準 特別養護老人ホームは基本的に要介護3以上の高齢者が入居する施設で、介護だけでなく医療ケアにも対応しています。人員基準は入居者3人に対して介護職員または看護職員1人以上の配置が定められています。 また、入居者100人に対して医師1名、看護師3名以上という基準も設けられています。 グループホームの人員基準に関するよくある質問 グループホームの職員の人員基準は? 入居者3人に対して介護職員を1人以上配置することが定められています。また、複数の人員が配置されるときは、最低1人は常勤職員であることも人員基準で決められています。 グループホームでは24時間規定の人員配置? 入居者3人に対して介護職員1人を配置するのは、日中にのみ適用されます。よって、夜間や深夜は1ユニットに対して介護職員が1人以上いれば良いとされています。 グループホームはどのような人員配置なの? グループホームの人員配置は、介護職員・計画作成担当者・管理者・代表者の4つの職種で成り立っています。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "グループホームの職員の人員基準は?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2023/02/13

特集

介護の基礎知識

total support

介護の悩みを
トータルサポート

total support

介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面など様々な方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。

鎌倉新書グループサイト