老人ホームで喫煙・飲酒はできる?|注意点や老人ホーム独自の取り組みについて

老人ホームで喫煙・飲酒はできる?|注意点や老人ホーム独自の取り組みについて

更新日 2023/05/19

「老人ホームでもたばこを吸いたい!」「老人ホームでお酒は飲めるの?」などと嗜好品に関しての疑問を持っている方は多いでしょう。では、実際に喫煙や飲酒ができる老人ホームはあるのでしょうか。

この記事では、老人ホームで喫煙や飲酒ができるのかや注意したいことを解説しています。

「老人ホームに入居しても喫煙・飲酒をしたい」と希望がある方は、是非、参考にしてみてください。

老人ホームでの「喫煙」

老人ホームで喫煙することは可能。ただし決められたスペースであることが多い

「喫煙可能」の老人ホームは全国に存在します。しかし、居室や共用スペースで自由に喫煙できる施設は少なく、決められたスペースでの利用を求められるケースが多いです。では、何故、自由に喫煙ができないのでしょうか。

以下では、居室や共用スペースで自由に喫煙できない理由をまとめました。

理由①ほかの入居者・スタッフ・建物への影響

居室や共用スペースで喫煙することで、ほかの入居者やスタッフの健康を害する可能性があります。そのため、喫煙可能の老人ホームでも喫煙スペースは決まっており、そのほとんどが屋外です。

また、施設内で喫煙をするとたばこのヤニによって壁紙が変色する可能性があるというのも自由に喫煙できない理由のひとつと言えます。

理由②火事の危険性

居室での喫煙は寝具などに火が燃え移る危険性があるとされ、喫煙可能の老人ホームでも、ほとんどが居室での喫煙はNGです。基本的にたばこやライターは、施設側で管理し、喫煙量や時間帯などは決められている場合が多いです。

老人ホームでの喫煙対策

現状、喫煙可能な老人ホームは存在していますが、徐々に全面禁煙という動きが強まっているのが実情です。

8割の施設が禁煙を推進

出典:「京都府下の高齢者介護施設のタバコに関する実態調査」(日本禁煙学会)

日本禁煙学会がおこなった京都府内254施設に向けた調査によると、建物内は禁煙という施設が56%、敷地内は禁煙という施設が30%でした。

8割の施設が禁煙推進を掲げる一方で、入居者の今までの生活を尊重するという考えから、一部の施設では喫煙を容認しているケースもあるようです。ただし、それでも自由に喫煙できるわけではなく喫煙スペースを設けるなどの対応をしています。

老人ホームでの「飲酒」

老人ホームで飲酒をすることは可能。ただし、時間や量などがルールとして定められている

喫煙とは違い、受動喫煙や火事の危険性がないことから適度な飲酒を認めている施設が多いです。ただし、飲酒を認めているほとんどの老人ホームでは時間や量、場所が決められており、自宅で生活していた頃と変わらず飲酒するのは難しいと言えるでしょう。

また、当然ですが医師から禁酒の指示が出ている場合は飲酒ができません。

飲酒に関してどのようなルールがあるかは施設によって異なるので、その施設のルールに従いお酒を楽しみましょう。

飲酒をする際に注意したいこと

アルコールを摂取したことで気持ちが高ぶり、ほかの入居者とトラブルになることもある

喫煙とは違い、老人ホームで飲酒をするのは比較的ハードルが低いと言えるでしょう。しかし、嗜む上で注意したいこともあります。以下では、老人ホームで飲酒をする際に注意したいことをまとめました。

ほかの入居者とのトラブル

アルコールを摂取したことで気持ちが高ぶり、ほかの入居者と些細なことで口論になるというケースが見られます。ほとんどの施設でお酒の量に関してルールを設けていますが、自室で飲酒する際はスタッフの目が届かない場合があります。そのため、自分自身でもお酒の量を抑える必要があります。

怪我や健康障害につながる

高齢者は若年者と比べて体内の水分の占める割合が低く、少量の飲酒であっても、酩酊・転倒などの問題を起こしやすいです。そのため、お酒の量は限度を超えないように嗜むことが大切です。

また飲酒は脳の萎縮と深い関係にあり、限度を超え大量に摂取してしまうと認知症の発症リスクを高める可能性があります。

各老人ホームの独自の取り組み

喫煙や飲酒に関して、各施設ではさまざまな工夫がされている

老人ホームによっては、喫煙・飲酒に関して独自の取り組みをおこなっている施設があります。

喫煙の場合、排煙設備が整っていたり中庭に喫煙スペースを設けたりとさまざまな取り組みをおこなっている施設も。狭い空間ではなく、中庭のような開放された空間でたばこを楽しむことはリラックス効果が期待できます。

また飲酒に関しては、施設内にバーカウンターを設置して、特定の曜日や時間にお酒を楽しんでもらうという工夫もおこなわれています。暑い夏場には、屋上でビアガーデンを開催する施設もあり、お酒を飲むということをレクリエーションとして企画している施設もあります。

これらを認めている施設は「普段の日常生活、季節的な行事を楽しんでもらいたい」という思いから取り組んでいる施設がほとんどです。「お酒が飲める施設」というよりも、「入居者の方に楽しんでもらいたい」という思いが強い施設と言えるかもしれませんね。

嗜好品の取り扱いは入居前にチェック

喫煙や飲酒を希望する場合は入居前に制限に関してチェックする必要がある

老人ホームに入居した後も喫煙や飲酒をしたい方は、場所や量、時間など制限に関して入居前にチェックしましょう。特にたばこやお酒といった嗜好品は人体に悪影響を及ぼすほか、人によって好き嫌いが分かれ、厳しい制限をしている施設もあります。

しかし、中には嗜好品に対して制限を緩くしている老人ホームも存在します。そのため、できるだけ多くの施設を比較検討することが重要だと言えるでしょう。

老人ホームでの喫煙・飲酒に関するよくある質問

老人ホームで喫煙や飲酒はできますか?

老人ホームで喫煙や飲酒をすることはできます。ただし、すべての施設が該当するわけではなく比較的少ないということを認識しておきましょう。

たばこはどこでも吸えますか?

居室や共用スペースなどで自由に喫煙できる施設は少なく、決められたスペースでの利用が求められます。その背景には、ほかの入居者やスタッフへの影響、火事の危険性があるということが挙げられます。

お酒は毎日飲めますか?

飲酒を認めているほとんどの老人ホームでは時間や量、場所が決められている場合が多いです。そのため、自宅で生活していた頃と変わらず飲酒するのは難しいと言えるでしょう。

▶「いい介護」で喫煙できる老人ホームを探してみる

▶「いい介護」で飲酒できる老人ホームを探してみる

よく読まれている記事

よく読まれている記事

article-image

介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY ▶介護付き有料老人ホームの費用に関してはこちらのページをご覧ください 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

article-image

グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

グループホームとは認知症高齢者のための介護施設で、住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスのこと。正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 費用や入居条件などの主な特徴は以下の通りです。 入居時費用約0円~100万円月額利用料約15~30万円入居条件要支援2以上認知症の受け入れ重度認知症も受け入れ可看取り対応対応していない施設が多い この記事では、各項目について詳しくご説明していきます。ご家族が認知症で、在宅での介護生活に不安のある方などはとくに、グループホームへの入居検討の際の参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM グループホームの特徴 グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 項目 ...

2021/11/15

article-image

【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

特集

介護の基礎知識

total support

介護の悩みを
トータルサポート

total support

介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。

鎌倉新書グループサイト