介護施設でのレクリエーション10選|その目的と4つの効果

介護施設でのレクリエーション10選|その目的と4つの効果

更新日 2024/03/25

老人ホームや高齢者施設で積極的に取り入れられているレクリエーション。クイズやゲーム、季節のイベントなどをおこなうレクリエーションは、さまざまなメリットがあると言われています。

ここでは、レクリエーションの具体的な効果と種類を詳しく解説していきます。

レクリエーションはなぜ大切なの?

老人ホームや高齢者施設の多くは、レクリエーションの時間を設けています。レクリエーションは生活にメリハリをつけ、認知機能や身体機能を活性化する効果があります。

また同世代との交流が少ない高齢者も、他者と交流することで寂しさや孤独感を和らげ、穏やかな時間が過ごせます。

高齢者の健康維持と自立した生活の継続のためにレクリエーションは大事な役割を果たすと言えるでしょう。

レクリエーションによる4つの効果

老人ホームでのレクリエーションには4つの効果がある

レクリエーションは気持ちを盛り上げたり、リフレッシュするだけでなく、以下のような効果があるといわれています。

  • コミュニケーションの促進
  • 身体機能の維持・向上
  • 脳の活性化
  • 生きがいの創出

コミュニケーションの促進

老人ホームに長い期間入居すると、家族と離れて孤独を感じる人もいます。いつも一人だったり、決まった人としか話さないというような状態は気持ちの面でよくありません。

イベントのような交流の場があれば、他の入居者と話すきっかけにもなります。また新しい入居者も自然と仲間に入りやすくなり、コミュニケーションの輪がひろがります。

身体機能の維持・向上

老人ホームでの生活は屋内が中心なので、身体を動かす機会が多くありません。

簡単な動作でできる体操のようなレクリエーションがあると、健康維持や身体機能の強化につながります。ラジオ体操やパターゴルフなども人気があります。

脳の活性化

老人ホームでのレクリエーションは脳の活性化にもつながる

身体だけではなく、レクリエーションによって脳の活性化も期待できます。

指先の機能を使う折り紙や工作や、しりとりやクイズ大会など。自分だけではなかなか面倒でできないことも、みんなでワイワイ楽しむことがさらなる脳への刺激につながります。

生きがいの創出

共同作業が必要なレクリエーションでは、高齢者が役割を担うことがあります。与えされた役割に取り組むことで、自分は必要な存在であると認識することができます。また、高齢者自身が主役になれるような企画も良いでしょう。

手芸や工作などレクレーションで作った作品は、プレゼントとして喜んでもらえるという楽しみも。レクレーションを通して承認欲求が満たされると、生きがいの創出や意欲の向上に繋がります。

レクリエーションの種類

レクリエーションの内容は介護施設によりさまざまです。ほとんどの施設では以下の5つを中心にレクリエーションがおこなわれています。

  • 身体を使うレクリエーション
  • 頭を使うレクリエーション
  • 音楽を取り入れたレクリエーション
  • 創作レクリエーション
  • 地域交流を目的としたレクリエーション

身体を使うレクリエーション

老人ホームでの体を動かすレクリエーション

高齢者は身体を動かす機会が減っているため、楽しく運動できるレクリエーションは健康の維持に大事な役割を果たします。定期的な運動は身体機能や血流の改善に役立ち、疾患の予防や転倒を防ぐなど生活の質を維持するために必要です。

また、身体を動かすことはストレス発散や気分を安定させるため、高齢者にはおすすめのレクリエーションといえるでしょう。

ラジオ体操

短時間で、全身を使ったバランスのよい運動ができます。多くの高齢者が認知し、馴染みのある体操なので取り組みやすいでしょう。

風船テニス

うちわや折り畳んだ新聞紙などで風船を打ち合うゲームです。ボールとなるのは風船なので、安全性が高い競技です。

頭を使うレクリエーション

俳句など老人ホームの頭を使ったレクリエーション

計算や漢字のクイズ、ゲーム、パズルなどを用いたレクリエーションです。複数人でゲームをおこなったり、一人でクロスワードパズルなどのプリントを解いたりします。

将棋、囲碁のような対戦を楽しむゲームも人気。いつもとは違った頭の使い方をすることで、認知症を予防したり、脳を活性化する効果が期待できます。

計算ゲーム

高齢者が楽しみながら解ける計算問題を使ったゲームです。日常的に使うお金や時間などの計算問題が出題されるので、抵抗感なく参加することができます。

また種類の異なる問題を出題するなど、楽しみながらゲームに取り組めるように工夫されています。計算ゲームでは、手や指を使う機会が多いのも特徴の1つです。

都道府県当てゲーム

名物や観光名所をヒントに、どの都道府県を示しているかを当てるゲームです。頭を使うのはもちろんのこと、訪れたことのある場所を思い出すことで「回想法」としての役割も担えます。

また、同時に高齢者の方の故郷に触れるいい機会があるかもしれませんね。

音楽を取り入れたレクリエーション

老人ホームでのカラオケなど音楽を取り入れたレクリエーション

懐メロや童謡の歌唱、歌や音楽を使ったリズム遊び、演奏会などをおこないます。懐かしい音楽は青春時代を思い出させ、気持ちを若返らせるとともに精神を安定させます。

また歌を唄うことは、心肺機能の向上や、嚥下防止、口腔内を整えるなどの効果も。みんなで一緒に演奏することで、一体感や達成感を感じることができるのも大きなメリットと言えるでしょう。

イントロクイズ

CDラジカセなどで懐メロや童謡といった高齢者に馴染みのある曲の冒頭部分(イントロ)を流し、タイトルがわかった参加者が挙手をして答えるシンプルなゲームです。

早く正解した人が勝ちとなるため、集中力が必要となります。また曲のタイトルを思い出す作業は、脳を活性化させます。

音楽コンサート

プロやアマチュアの演奏家を招待し、音楽コンサートを開くのも良いでしょう。歌を唄うことで身体機能の向上が見込めるのはもちろんのこと、リラックス効果も期待できます。

創作レクリエーション

老人ホームでの手先を使った創作系のレクリエーション

折り紙や塗り絵、手芸、ちぎり絵、工作、生け花(フラワーアレンジメント)、絵手紙など想像力と指先を使うレクリーションです。指先を使ったり工程を考えて作業することは脳に刺激を与え、認知症予防に役立ちます。

また、作品を作る楽しさや喜び、達成感を感じることも創作レクリエーションの特徴と言えるでしょう。

折り紙・塗り絵

大人の趣味としても人気の高い折り紙や塗り絵は、指先を使うため脳に刺激を与えることができます。また、自己表現や集中力の向上、ストレス発散などのメリットもあります。

年齢や体力に関係なく取り組めるため、多くの施設で取り入れられています。作品は、施設内に飾ったり、プレゼントしたりと作った後も楽しむことができます。

紙コップピラミッド

紙コップを積み上げ、ピラミッドを早く完成させた方が勝者となるレクリエーションです。指先の器用さ・理解力・判断力が求められるので、脳の活性化にもつながります。

地域交流を目的としたレクリエーション

老人ホームにおける地域社会との交流

子どもたちとの交流やバザーなど、地域社会と関わるレクリエーションです。老人ホームは閉塞的になりがちなため、外部の人と交流は、入居者のリフレッシュにつながります。

老人ホームに幼稚園児を招く異世代交流は、お互いに良い影響を与え、元気な幼稚園児たちと過ごすことで、高齢者の笑顔が増えたり、活動量が増加することが期待できます。

バザーは入居者が手芸品や工芸品、絵画など得意なものを制作して販売します。訪れた人とのおしゃべりや交流で盛り上がることができ、自分がまだ社会にとって必要な存在であることを認識できます。

そのためには、施設自体が地域行事に参加するなど地域に溶け込む必要があるでしょう。

子どもたちとのふれあい

歌や手遊び、折り紙などを一緒におこなったり、子どもたちがダンスや合唱を披露したりします。また、高齢者は子どもたちに伝承遊びや昔のことを教えたりなど、地域にとっての存在意義を確認する機会にもなります。

アニマルセラピー

地域のボランティア団体や専門の団体と連携し、動物と触れ合う時間を提供します。動物と触れ合うことで心が落ち着いたり、ストレスの軽減にもつながります。

レクリエーションの時間帯と費用

高齢者にとって大切な役割を持つレクリエーションは、一般的にどの時間帯でおこなわわれているのでしょうか。また費用はどのくらいかかるのかも気になるところですよね。以下では、時間帯と費用に関して解説しています。

時間はどれくらい?

午前中はラジオ体操などのレクリエーションでゆったりと身体を動かします。朝は筋肉や神経が鈍くなりがちですが、身体を動かすことでそれらが活性化し、血行が良くなります。

昼食後の休憩が終わると、作品作りやゲームを使ったレクリエーションを行います。15時のおやつの後は、散歩に出たり、音楽を聴いたり、読書をして過ごします。

どのレクリエーションも、入居者が疲れないような所要時間を設定しています。

頻度はさまざま 実施の頻度は施設ごとに異なりますが、体操など身体を使うレクリエーションは毎日おこなうことが多いです。それ以外のレクリエーションに関しては、毎日行なうこともあれば、週1~2回とさまざまです。

レクリエーションに必要な費用は?

多くの場合、レクリエーションに参加するのに費用はかかりません。

料金設定は施設によって異なりますが、手芸や工作などでは一回につき100円~500円程度、生け花やフラワーアレンジメントでは一回につき1,000円~5,000円程度の材料費が必要です。また外部講師を呼んでおこなうレクリエーションの場合は、参加費がかかる場合もあります。

日帰り旅行や外出レクリエーションは、食事代や入園料、入館料、交通費などの費用がかかり高額となる場合もあります。ほとんどは任意参加のため、入居前に参加の意思を施設に伝えておきましょう。

レクリエーションは必ず参加しなくてはならない?

老人ホームでのレクリエーションには必ずしも参加する必要はない

レクリエーションは基本的に任意参加です。気分や体調、レクリエーションの内容によっては参加したくないこともあるはずです。そのような場合は本人の意思が尊重され、レクリエーションを休むことが可能です。

入居者にリフレッシュが必要と判断された場合は、スタッフが参加を誘導することもあります。

レクリエーションは、高齢者の生活の質が向上するよう考えられているため、できる範囲で参加することをおすすめします。

レクリエーションに参加して活気のある生活を送ろう

多くの老人ホームや高齢者施設では、認知機能や身体機能を活性化するなどさまざまな目的を持ってレクリエーションを行っています。

他者と一緒に行なうレクリエーションは社会活動の一種であり、孤立しがちな高齢者にポジティブな影響を与え、日々の生活にメリハリをつけますが、無理のない程度に参加することをおすすめします。

もし、体力や身体機能に不安があってレクリエーションへの参加を迷うような場合は、スタッフに相談するのが良いでしょう。

老人ホームのレクリエーションに関するよくある質問

レクリエーションをする目的は何ですか?

レクリエーションは生活にメリハリをつけ、認知機能や身体機能を活性化する効果があります。また、ほかの入居者とレクリエーションを通して交流を深めることで、寂しさや孤独感を軽減させ生活の質を向上させます。

レクリエーションにはどんな種類がありますか?

主に「身体を使うレクリエーション」「頭を使うレクリエーション」「音楽を取り入れたレクリエーション」「創作レクリエーション」「地域交流を目的としたレクリエーション」の5つに分かれます。

施設によって内容はさまざまで、ラジオ体操や計算ゲーム、折り紙や塗り絵など種類は幅広いです。

レクリエーションの一環で地域との交流はありますか?

地域との交流は多くの老人ホームでおこなわれています。園児を老人ホームに招待して折り紙やゲームなどをおこなったり、地域のボランティアの人が合唱やダンスを披露してくれたりと内容はさまざまです。

地域から老人ホーム・介護施設を探す

北海道・東北

北海道札幌市)|青森県岩手県宮城県仙台市)|秋田県山形県福島県

関東

東京都神奈川県横浜市 / 川崎市 / 相模原市)|埼玉県さいたま市)|千葉県千葉市)|茨城県栃木県群馬県

甲信越・北陸

新潟県新潟市)|富山県石川県福井県長野県山梨県

東海

愛知県名古屋市)|岐阜県三重県静岡県静岡市 / 浜松市

関西

大阪府大阪市 / 堺市)|京都府京都市)|兵庫県神戸市)|滋賀県奈良県和歌山県

中国・四国

岡山県岡山市)|広島県広島市)|鳥取県島根県山口県徳島県香川県愛媛県高知県

九州・沖縄

福岡県福岡市 / 北九州市)|熊本県熊本市)|佐賀県長崎県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

よく読まれている記事

よく読まれている記事

article-image

介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

article-image

グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

article-image

【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

介護の基礎知識

total support

介護の悩みを
トータルサポート

total support

介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。

鎌倉新書グループサイト