居宅介護サービスとは?|“自宅”で受けられる介護サービスの種類と内容

居宅介護サービスとは?|“自宅”で受けられる介護サービスの種類と内容

公開日 2021/12/07

「親の介護は自宅と施設、どっちが良いの?」「自宅で介護サービスを利用する場合はどんなサービスがあるんだろう?」と、お悩みの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、居宅サービスの種類や内容について詳しく紹介していきます。

居宅サービスとは?

介護サービスは「居宅サービス」と「施設サービス」に分類され、居宅サービスは自宅で受けられる介護サービスのことを指します。

「老人ホーム=施設」と考えると、“老人ホームに入居しながら受けるサービスは施設サービス”と考えられがちです。しかし、例えば住宅型有料老人ホームや一般型のサービス付き高齢者向け住宅は介護施設ではなく住まいであり、そこで受けるサービスは居宅サービス、ということになります。

一方、施設サービスは、特別養護老人ホーム介護付き有料老人ホームといった介護施設に入所しながら受けられる介護サービスのことを指します。

自宅に訪問してもらうサービス

訪問介護(ホームヘルパー)

訪問介護(ホームヘルパー)の介護の様子

訪問介護とはホームヘルパーと呼ばれる訪問介護員などが自宅を訪問。入浴や排せつ、食事などの「身体介護」をおこなったり、調理、洗濯や掃除といった家事の「生活援助」をおこなうサービスのことです。

訪問入浴

看護師1名を含めた2〜3名のスタッフが自宅に来て、専用の浴槽を使い入浴のサポートをする介護サービスです。

介護される方だけでの入浴が困難な場合や、家族の介助だけでは入浴が難しい場合に利用されます。自宅の浴槽が狭かったり体調の急変が心配な方も安心して入浴できます。

訪問リハビリ

居宅介護サービスの中の訪問リハビリ

訪問リハビリテーションとは、主治医によって介護が必要と認められた方ばあい、利用者の自宅でおこなわれます。

リハビリ専門職である理学療法士や作業療法士などが訪問してリハビリを提供します。心身の機能の維持回復や日常生活の自立を目的としています。

訪問看護

病気や障がいのある方が、住み慣れた地域や家で自分らしい療養生活が送れるように支援するのが訪問看護サービスです。

介護される方の住んでいる地域にある訪問看護ステーションから、看護師や理学療法士・作業療法士などの専門家が自宅を訪問。医療的ケアを施します。

居宅療養管理指導

要支援や要介護と認定され通院が難しい方を対象としたサービスです。

自宅に医師や看護師、薬剤師といった専門家が訪れ、療養上の指導や健康管理、アドバイスなどをしてくれます。

夜間対応型訪問介護

22時から6時までを含む夜間の時間帯に提供される訪問介護サービスのことです。在宅で過ごす介護が必要な方が、夜も安心して過ごせるよう提供されます。

離れて住んでいる一人暮らしの方を対象に、就寝準備や起床準備、夜のトイレ介助やおむつ交換に対応しています。家の中での転倒や急病といった体調の変化に対応する連絡先や救急車の手配も夜間対応型訪問介護のサービス対象です。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、定期的に介護スタッフが自宅を訪問してくれる「定期巡回訪問サービス」と、要望を受けて自宅を訪問する「随時対応サービス」があります。

日中〜夜間を通じて24時間365日サービスを受けることが可能。「定期巡回サービス」「随時対応サービス」「随時訪問サービス」「訪問看護サービス」を組み合わせて利用します。

サービス内容が重複する通院等乗降介助を除いて、訪問介護や夜間対応型訪問介護と併用することはできません。

日帰りで施設に通って受けるサービス

通所介護(デイサービス)

要介護認定を受けた方が、自宅で生活を続けられるよう身体機能の維持や向上を目指して機能訓練をおこなうサービスです。機能訓練だけでなく、他の利用者と交流することで社会的な孤立感を解消したり、認知症の予防を目的としています。

施設で健康チェックや排せつや入浴の介助、昼食やレクリエーション、機能改善などのサービスを受けます。その時間は家族が自由な時間になるので、介護する側も肉体的、精神的にリフレッシュすることができます。

お泊りデイサービス

通所介護(デイサービス)とは、要介護の高齢者がデイサービスセンターなどに通い、日常生活の世話や機能訓練などを施設で行うサービスのことです。

利用者が楽しく通えるプログラムが用意されていて、日帰りで送迎付きの施設が多く便利です。また、施設によってはそのまま泊まれるサービス「お泊りデイサービス」も用意されています。

ただし、日帰りのデイサービスは介護保険が適用されますが、お泊りデイサービスは介護保険が適用されず、全額自己負担になるので注意が必要です。詳細は、担当のケアマネジャーにお問合せください。

通所リハビリ(デイケア)

デイケアとは医療機関や介護老人保健施設などに通い、リハビリを受けられる介護サービスです。医師の指示のもと、国家資格を持つ専門家からリハビリを受けることができます。

デイサービスは日常生活のための機能訓練が目的ですが、デイケアはおもにリハビリテーションに特化したサービスといえます。

デイケアの利用時間帯は約6~8時間ほどの一日型が一般的です。集中的にリハビリをおこないたい方だけではなく、胃ろうや痰吸引などの医療的ケアが必要な方も多く利用しています。

短期間だけ施設で生活するサービス

短期入所生活介護(ショートステイ)

短期的に施設に入所して介護支援を受けられるのがショートステイです。介護する方が冠婚葬祭や出張などで数日間留守にしなければならなかったり、体調を崩してしまった場合に便利です。予定がなくても単なるリフレッシュでも利用できます。

短期入所療養介護(医療型ショートステイ)

介護施設に短期間入所して介護サービスを受けるショートステイの中でも、医療的ケアに対応しているショートステイは「短期入所療養介護」と呼ばれます。在宅で療養していく中で医療面や機能面の回復とともに介護する方の負担軽くする目的もあります。

その他サービス

福祉用具の貸与

福祉用具のレンタルは介護される方だけでなく介護する方にとってもありがたい存在です。貸与対象となる福祉用具の一例を挙げると、車いすや特殊寝台、床ずれ防止用具や歩行補助杖があります。

特定福祉用具購入費の助成

特定の福祉用具を購入する場合には購入費の助成があります。サービスの対象となる福祉用具には下記のようなものがあります。

  • 腰掛け便座
  • 自動排泄処理装置の交換可能部品
  • 入浴補助用具
  • 入浴用介助ベルト
  • 簡易浴槽

在宅介護に限界を感じたら

在宅での介護では、当然ですが家族に介護の負担がのしかかることに。身体的な負担や金銭的な負担などの物理的な負担に加え、精神的な負担もかなり大きなものになってきます。

介護の基本は「無理をしないこと」、そして「周りを頼ること」。在宅介護に限界を感じたら、施設への入居を検討するのも一案です。

「十分な介護サービスを受ける」ということを考えると、そうしたサービスが十分に提供されている特定施設入居者生活介護の認定を受けている施設、ということになります。

特定施設入居者生活介護

「特定施設」とは、介護保険の特定施設入居者生活介護のサービスが受けられる施設のこと。提供されるサービスは、食事や入浴といった日常生活上の介助や療養上の介助、機能訓練などが受けられます。

提供される介護サービスは、事業者が自ら行う「一般型」と、外部の業者に委託する「外部サービス利用型」があります。

主な特定施設は以下の通り。

特定施設、基本的にプライバシー保護に配慮された個室を利用することがほとんど。入居費用や日常生活費などは、入居者が負担する必要があります。詳しい金額は施設にお問合せください。

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サービスを受けるには介護認定が必要です

介護サービスを利用するための要介護認定を市役所に申請しましょう。わからないことがあれば、地域包括支援センターに問い合わせると良いでしょう。

居宅サービスに関するよくある質問

居宅サービスとは何ですか?

居宅サービスは要支援、要介護の人が自宅で受けられる介護サービスのことを指します。

具体的には、ヘルパーが自宅に訪問して介護サービスをおこなう訪問介護や、自宅から施設へ通い、入浴の介助や簡単なリハビリをおこなうデイサービスなどが挙げれます。

居宅サービスは何種類ありますか?

居宅サービスは、「訪問系サービス」「通所系サービス」「宿泊系サービス」「その他サービス」の4種類にわけられます。利用者の要介護度、身体状況に合わせてさまざまな組み合わせで利用することができます。

将来的に介護度が上がると在宅での介護は厳しいですか?

在宅での介護は家族への負担が非常に大きく、身体的な負担や金銭的な負担などの物理的な負担に加え、精神的な負担も重なり介護うつを発症する可能性もあります。

介護を受けている本人、家族がストレスを抱えないように生活するためにも、在宅介護に限界を感じたら、施設への入居を検討するのも一案です。

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「グループホームの職員はどれくらい配置されてるの?」「夜間に人が少ないと徘徊などに対応できないのでは?」などとグループホームの人員基準に関して疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。 そこでこの記事では、グループホームの人員基準と注意点、他施設との比較に関して解説しています。 「グループホームの入居を検討しているけど、どんな人からサポートを受けられるの?」などと悩まれている方は、是非、参考にしてみてください。 グループホームは主に4つの人員基準で成り立っている グループホームの人員基準は主に次の4つの職種で設定されています。 介護職員 計画作成担当者 管理者 代表者 それぞれの人員基準について詳しく見ていきましょう。 介護職員の人員基準 介護職員は入居者の生活援助や身体介助などの業務を担っており、入居者3人に対して1人以上配置されます。また、複数の人員が配置されるときは、最低1人は常勤職員であることも人員基準で決められています。 入居者の見守りは深夜も必要なため、介護職員は24時間体制で常駐しています。また、複数のユニットがあるグループホームは、ユニットごとに専任の介護職員が配置されます。 計画作成担当者の人員基準 計画作成担当者は入居者一人ひとりに合わせたケアプランを作成する職員で、ユニットごとに1人以上配置されます。なお、1つの事業所に2ユニットある場合は計画作成担当者も2人必要です。 計画作成担当者になるには次の要件を満たす必要があります。 実務者研修基礎課程または認知症介護実践者研修を修了していること 専らその職務に従事する者であること また、計画作成担当者のうち最低1人は、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格の保有が必要です。 管理者の人員基準 管理者とは経営や人事・労務管理など管理業務を担う職員で、ユニットごとに常勤の管理者が配置されます。自らも介護サービスの実施や他の職員の指導をおこなうため、介護の知識や経験も必要です。 管理者になるには次の要件が求められます。 特別養護老人ホームや介護老人保健施設などで3年以上従事した経験があること 厚生労働省が規定する管理者研修を修了していること 特定の介護施設における3年以上の実務経験に加え、認知症高齢者介護の経験も必要です。さらに厚生労働省の管理者研修を受けて、ようやく管理者になるための基準を満たせます。 なお、管理業務に支障をきたさなければ、ほかの職種との兼任も可能です。 代表者の人員基準 管理者の管理対象がユニット単位なのに対し、代表者はグループホーム全体を管理します。代表者になるには、次の要件を満たす必要があります。 介護施設で認知症高齢者介護に従事した経験を持つこと、もしくは保険・医療・福祉サービスの提供をおこなう事業所の経営に携わった経験があること 厚生労働省が定める認知症対応型サービス事業開設者研修を修了していること グループホームの人員基準の注意点 グループホームの人員基準を職種ごとに説明してきましたが、注意する点もあります。しっかり把握したうえで入居施設を選びましょう。 介護職員が常勤ではない場合がある 介護職員の人員基準は入居者3人に対して1人以上のため、1ユニットあたり最低でも2~3人が配置されます。全員が常勤である必要はなく、1人以上の常勤職員がいればパートやアルバイトなどの臨時職員も起用できます。このため、特に食事や入浴など人手が多く必要な時間帯では、非常勤職員が担当となる場合も多いです。 規定の人数が必ず24時間確保されているわけではない グループホームの人員基準は入居者3人に対して介護職員1人と決められています。しかし、適用されるのは日中のみで、24時間この人数が常駐するわけではありません。 人員基準は時間帯によって異なり、夜間や深夜は1ユニットに対して介護職員が1人以上いれば良いとされています。このように、時間帯によっては介護職員が手薄になる場合もあると把握しておきましょう。 規定の3:1を超えない場合もある 入居者3人に対して介護職員1人という比率は、実際に介護現場で働いている職員数ではなく労働時間をもとに計算します。つまり、人手が多く必要な時間帯を手厚くした分、それ以外の時間帯の職員数を抑えることも可能です。このように実際に働く職員数は人員基準をもとに調節されるため、時間帯によっては既定の「3:1」を超えないこともあります。 グループホームによってサービスの質や人員は大きく変わる グループホームの人員の最低基準は厚生労働省によって決められていますが、実際にどのくらい配置するかは施設の裁量に任せられています。このため、基準をギリギリクリアする施設もあれば、基準を上回る人員を確保している施設もあります。 人員が豊富なグループホームは職員一人ひとりにかかる負担が抑えられるため、サービスの質が向上します。逆に人員が少ないと、時間帯によってはサービスが行き届かなくなることも。人員配置によってサービスの質や量は変わるため、入居前に確認することが大切です。 グループホーム以外の介護施設の人員基準 グループホームだけでなく、ほかの介護施設の人員基準も知っておきましょう。介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅、特別養護老人ホームの人員基準を紹介します。 介護付き有料老人ホームの人員基準 介護付き有料老人ホームは、主に介護を必要とする高齢者が介護や生活支援を受けながら生活する施設です。 介護付き有料老人ホームの人員配置の最低基準は、要支援2以上の入居者3名に対して介護職員または看護職員を1名配置する「3:1」と決められています。施設によっては「2.5:1」「2:1」「1.5:1」などさらに手厚い配置にしている場合もあり、サービスが向上する分上乗せ介護費用が発生することもあります。 その他の主な人員は下記の通りです。 施設長(常勤の管理者) 事務員 生活相談員 看護職員 機能訓練指導員 計画作成担当者 栄養士 調理員 住宅型有料老人ホームの人員基準 住宅型有料老人ホームは、食事や洗濯、清掃といった生活支援サービスを受けられる高齢者施設です。 管理者を1人配置する必要がありますが、そのほかの職種の配置義務はありません。このため、下記の職種の配置は施設ごとに必要に応じて決められます。 介護職員 看護職員 生活相談員 機能訓練指導員 サービス付き高齢者向け住宅の人員基準 サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリー化された高齢者向けの賃貸住宅です。一般型と介護型があり、一般型は介護施設のような人員基準は特にありません。 一方、介護型は「特定施設」の認定を受けているため、入居者3人に対して介護職員1人以上の配置義務があります。 特別養護老人ホームの人員基準 特別養護老人ホームは基本的に要介護3以上の高齢者が入居する施設で、介護だけでなく医療ケアにも対応しています。人員基準は入居者3人に対して介護職員または看護職員1人以上の配置が定められています。 また、入居者100人に対して医師1名、看護師3名以上という基準も設けられています。 グループホームの人員基準に関するよくある質問 グループホームの職員の人員基準は? 入居者3人に対して介護職員を1人以上配置することが定められています。また、複数の人員が配置されるときは、最低1人は常勤職員であることも人員基準で決められています。 グループホームでは24時間規定の人員配置? 入居者3人に対して介護職員1人を配置するのは、日中にのみ適用されます。よって、夜間や深夜は1ユニットに対して介護職員が1人以上いれば良いとされています。 グループホームはどのような人員配置なの? グループホームの人員配置は、介護職員・計画作成担当者・管理者・代表者の4つの職種で成り立っています。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "グループホームの職員の人員基準は?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

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