介護の苦情はどこに相談する?|相談窓口や事例を解説

介護の苦情はどこに相談する?|相談窓口や事例を解説

更新日 2023/05/12

介護で世話になっているという気持ちがあるからか、ちょっとした不満などを胸の中に留めてしまっていませんか?これくらいならなどと我慢していると、いつしか大きな不満につながり、不信感につながってしまうことも。

苦情を伝えたいと思ったらどうすれば良いのか、相談事例なども紹介しながら解説します。

介護の苦情はどこに相談する?

介護に何かしらの不満を持ち、介護の苦情を伝えたいと思ったらどこに相談すればいいのでしょうか。

  1. 利用した介護サービス事業所
  2. 第三者機関
  3. 国民健康保険団体連合会

まずは、最初に利用した介護事業所へ相談してみましょう。老人ホームなど施設に入居している場合は、施設長やケアマネジャー、経営者に相談し、お互い話してみることで解決する場合もあります。

それでも改善されない場合や直接言いにくい場合は、市区町村など第三者機関の苦情相談窓口へ相談してみましょう。まだ解決できない場合には、国民健康保険団体連合会の窓口への相談と段階的に相談することで解決策が見つけやすくなります。

1.利用した介護サービス事業所

介護事業所に直接話しづらい場合はケアマネジャーに相談

介護サービスに不満があり苦情を伝えたい場合は、まずは介護サービスを提供している事業所と話し合うのがベストです。直接話しにくいと感じたら、介護サービスを紹介したケアマネジャーに相談することもできます。

ケアマネジャーは利用者と介護サービス事業所の間で、公正中立の立場で支援する契約をしています。介護サービス事業所の評判や質などについても多くの情報を持っているので、不満や苦情を相談してみましょう。

2.第三者機関

介護サービス事業所との話し合いで問題が解決しなかった場合は、介護サービスを受ける前に説明を受けた契約書と重要事項説明書を確認しましょう。

重要事項説明書には、介護サービス事業所の苦情担当窓口が記載されているので、そこにある第三者機関の相談窓口へ相談しましょう。

第三者機関は、苦情の放置や密室化、介護サービス事業所に都合の良い一方的な解決を防ぎ、利用者と意見交換をする中で隠れた不満や要望を見つける役割を担います。

3.国民健康保険団体連合会(国保連)

第三者機関に相談しても解決できなかった場合には、国民健康保険団体連合会に相談してみましょう。

国民健康保険団体連合会は、介護保険サービスや区市町村が実施している「介護予防・日常生活支援総合事業」のサービスに関して、電話などで苦情相談を受け付けています。

国民健康保険団体連合会では、市区町村での扱いが困難な場合や、介護サービス事業所の所在地と利用者の居住地の市区町村が異なるなど広域的な場合が主な窓口になります。

国民健康保険団体連合会は介護サービスの質の向上が目的で、介護サービス事業所に対して必要な改善指導をおこなうのが役割です。介護サービス事業者に対して文書調査や現地調査の後に指導・助言をおこない、その内容を申立人と市区町村に報告します。

その他の苦情相談が可能な窓口

介護に関する苦情を相談できる窓口が他にもあるので紹介します。

地域包括支援センター

地域包括支援センターでも苦情の相談は受け付けている

介護で一番最初に世話になる人も多く、高齢者の身近な相談窓口でもある地域包括支援センターでも介護に関する苦情を相談できます。

地域包括支援センターは自治体から委託を受けた社会福祉法人や社会福祉協議会が運営しているケースが多く、利用者や介護サービス事業所などから事情を聞いて対応してくれます。

また、必要があれば国民健康保険団体連合会への苦情申立についての援助もおこなってもらえます。

運営適正委員会

運営適正委員会は、福祉サービスに関する苦情を解決するため、各都道府県社会福祉協議会に設置を義務づけられた機関です。

運営適正化委員会では、福祉サービスを利用している人が介護サービス事業所に苦情を言いたいときやトラブルが起きたときなど、社会福祉や法律、医療などの専門知識を持つ委員が公正・中立な立場で解決のための相談や助言、調査をおこなっています。

介護サービス事業所の苦情は、各自治体や国民健康保険団体連合会での対応が基本ですが、運営適正委員会でも受け付けています。

ただし、苦情対応の対象となるのは、訪問介護、通所介護、短期入所生活介護、認知症対応型共同生活介護、指定介護老人福祉施設のサービスに限られます

誰に苦情を伝える?

介護に関する苦情はまずは介護サービス事業所に伝えましょうと説明しましたが、具体的には誰に連絡すればいいのか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。

居宅介護サービスの場合と老人ホームなどの施設に入居している場合にわけ、誰に相談したら良いかを説明します。

<居宅サービスの場合>

  • サービス提供責任者
  • 担当のケアマネジャー
  • 介護サービス事業所の責任者

<老人ホームなどの施設の場合>

  • 介護サービスの調整をおこなうケアマネジャーや生活相談員
  • 管理者(ホーム長)
  • 老人ホーム運営会社の担当窓口や経営者

役所や国保連は本人か家族が連絡する

自治体の役所や国保連に申し立てをする場合には、申立者は介護サービスを受けている本人かその代理人がおこないます。

代理人とは一般的に家族が対応することが多いです。自治体の苦情窓口や国保連の連絡先は、重要事項説明書やホームページで確認しましょう。

介護サービス事業所に不満を感じたら

ここまで介護サービスについて苦情の相談窓口を紹介してきましたが、ここからは苦情を申し立てるかどうか悩んでいる人に向け、どのようなことに注意したら良いのかなど具体的に紹介します。

サービスを利用する本人の気持ちを確認する

家族は利用者本人に気持ちを聞くことが大切

介護サービス事業所の不満を家族などに伝えてきた場合、まずはサービスを利用している人の気持ちを確認することが大切です。

ちょっとした愚痴で話を聞いてもらえばすっきりする程度のことなのか、話を聞くと些細なことに感じても介護サービスを受けることに支障があるほど気にしているという心境かもしれません。

話をしながら気持ちをしっかり確認し、冷静に考えられるようになったら今後の対応を家族と一緒に考えましょう。

より良いサービスを利用するため早期に苦情を伝える

世話になっている介護サービス事業所に苦情を伝えることに抵抗を感じてしまう人もいるでしょう。

これからも継続して介護サービス事業所を利用する場合、不満を抱えたままの状態は利用者にとって望ましいことではありません。早めに苦情を伝え、相談することがサービスの向上につながります

介護サービス事業所を変更する

介護サービス事業所に苦情を伝えても問題解決できなかった場合は、ケアマネジャーに相談し他の介護サービス事業所への変更も考えていると伝えたり、実際に変更することも可能です。

老人ホームなど変更が難しい場合には、第三者機関や国保連に相談しましょう。それでも解決できず関係が悪化してしまいそうな場合には、早めの転居を検討するのもひとつの方法です。

苦情はサービス品質の向上となる

利用者・その家族が苦情を伝えることでサービスの質が向上するきっかけになる

苦情を伝えるというのはクレーマーだと思われてしまうのではないかと不安に思う人もいるでしょう。ですが、苦情を伝えることで介護サービス事業所にとってもサービスの質を向上するきっかけとなることが多いです。

スタッフの実際の仕事ぶりを見直すきっかけとなり、介護サービス事業所にとってもメリットになります。ただし、感情のまま苦情を伝えてしまうと介護サービス事業所との関係が悪化したり、解決までに時間がかかってしまいます。

どのようなことが起こり、利用者はどのように感じたのか、今後どのようにして欲しいのかを冷静に伝えることが大切です。

介護サービス事業所への苦情事例

それでは実際に介護サービス事業所に寄せられた苦情事例を見てみましょう。

事例1 スタッフにきつい言葉を言われた

ショートステイ利用者である母親が、スタッフの言葉遣いがきついため行きたくないと口にするようになったとのこと。

スタッフが1名の時間帯な上、他の利用者が言われているのを聞くのも辛いとのことで、介護サービス事業所にも相談したが、対応が不安に思うため役所へも相談。

申出人の希望は、今度も利用したいので安心して利用できるよう施設に対処して欲しいということで、今後の利用も考え匿名を希望しました。

役所・介護サービス事業所の対応

役所は匿名ではあるものの正式な苦情として受け付けました。第三者機関に報告し、苦情解決の責任者である施設長が該当のスタッフと面談をしました。

反省を求めた上でクレームを真摯に受け止め、言葉遣いや態度を改めるとの報告書が役所へ提出されました。

また、ショートステイ利用者に苦情の事実を伝えた上で満足度調査を実施したり、ケアマネジャーにショートステイへの意見・要望を聞き、その結果が長期利用の入居者家族とショートステイ利用者家族に配布されました。

これにより介護サービス事業所がサービス内容を見直すきっかけとなりました。

事例2 スタッフの不注意で怪我をした

スタッフの不注意で怪我をさせてしまった事例

特別養護老人ホームに入居している利用者である父親が、自室で車椅子からベッドへ移乗介助の際にスタッフと共に転倒し、翌日強い痛みを訴えました。

病院を受診した結果、左大腿骨転子部骨折にて手術が必要とのことで入院となりました。申出人の希望は、該当スタッフを含めた、特別養護老人ホームからの謝罪と、入院治療費用などの支払いです。

特別養護老人ホームの対応

申出人から事故の詳しい状況説明を求められたため、施設長、生活相談員、介護主任、介護スタッフ2名で入院先を訪問しました。

介助の際、介護度が高いにも関わらず、新人スタッフに身体介助を担当させたのが今回の事故の原因ではないかと申出人から指摘がありました。

ベテランスタッフが傍に付き、新人スタッフの指導に加え、何かあった場合に常に支援できる位置に待機しておくべきであったと申出人へ謝罪しました。

後日、自治体への苦情申立により介護事故に伴う実地指導がおこなわれ、研修やマニュアルについて指摘がありました。そして、頻繁に面会できない家族との連携を図るために、毎月スタッフから家族に現況報告が送られることになりました

介護の苦情に関するよくある質問

介護に関する苦情はどこに相談すれば良いですか?

介護スタッフに対しての苦情は、利用した介護事業所へ相談しましょう。それでも改善されない場合は、第三者機関や国民健康保険団体連合会、地域包括支援センターや運営適正委員会に相談することも可能です。

苦情が言いづらい場合はどうすれば良いですか?

直接、介護事業所へ苦情が言いづらい場合は、まずケアマネジャーに相談し介護事業所へ連絡してもらいましょう。

基本的には利用者本人、家族、ケアマネジャーからの連絡でサービスが改善されることがほとんどです。それでも改善されない場合は、第三者機関の苦情相談窓口などを利用しましょう。

苦情は誰に伝えれば良いですか?

居宅サービスの場合、「サービス提供責任者」「担当のケアマネジャー」「介護サービス事業所の責任者」に伝えると良いでしょう。

また、老人ホームなどの施設の場合は、「介護サービスの調整をおこなうケアマネジャーや生活相談員」「管理者(ホーム長)」「老人ホーム運営会社の担当窓口や経営者」に伝えましょう。

地域から老人ホーム・介護施設を探す

北海道・東北

北海道札幌市)|青森県岩手県宮城県仙台市)|秋田県山形県福島県

関東

東京都神奈川県横浜市 / 川崎市 / 相模原市)|埼玉県さいたま市)|千葉県千葉市)|茨城県栃木県群馬県

甲信越・北陸

新潟県新潟市)|富山県石川県福井県長野県山梨県

東海

愛知県名古屋市)|岐阜県三重県静岡県静岡市 / 浜松市

関西

大阪府大阪市 / 堺市)|京都府京都市)|兵庫県神戸市)|滋賀県奈良県和歌山県

中国・四国

岡山県岡山市)|広島県広島市)|鳥取県島根県山口県徳島県香川県愛媛県高知県

九州・沖縄

福岡県福岡市 / 北九州市)|熊本県熊本市)|佐賀県長崎県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

よく読まれている記事

よく読まれている記事

article-image

介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

article-image

グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

article-image

【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

介護の基礎知識

total support

介護の悩みを
トータルサポート

total support

介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。

鎌倉新書グループサイト