気管切開でも老人ホームに入居できる?|施設選びの重要なポイント

気管切開でも老人ホームに入居できる?|施設選びの重要なポイント

更新日 2023/05/11

気管切開すると安定した呼吸が確保できる一方で、日常的な医療ケアが必要になります。家族の介護により自宅で生活することも可能ですが、介護施設への入居を検討する際は、医療体制の手厚い施設を選びましょう。

この記事では施設選びのポイントのほか、気管切開のメリットデメリット、気管切開の方に必要なたん吸入の手順などについても解説しています。

気管切開の方が入居可能なのは医療体制が手厚い施設

気管切開の方の入居が可能な老人ホームは看護・医療の体制が整った介護施設

気管切開の方を受け入れ可能なのは、看護師が24時間体制で常駐していたり医療機関を併設しているなどの、看護・医療体制の整った一部の施設に限られています。このため、胃ろうやインスリン注射などのほかの医療行為と比べると入居可能な施設の数は多くありません。

受け入れが難しくなる要因

気管カニューレは使っているうちに汚れてくるため、2週間に1度程度の交換が不可欠です。交換するときは医師や看護師による医療処置が必要です。

また、気管切開している方は呼吸器に持病がある場合が多く、症状が急変した際に医療体制の整った施設でないと対応することができません。

上記の理由により気管切開している方を受け入れできる施設は少ないため、お住まいの地域周辺で探しても見つからない場合があります。施設への入居を希望する場合は、範囲を広げて探してみましょう。また、広範囲の施設を探す場合はインターネットを利用した情報収取が便利です。

気管切開とは

気管切開は、のどから気管までを切開する気道確保方法です。一般的には切開した穴がふさがらないよう気管カニューレを挿入し、必要に応じて人工呼吸器を装着することもあります。

気管切開すると呼吸が楽になる一方で、日常的な医療ケアが必要になることも留意しておきましょう。

どんな人に気管切開は必要?

気管切開には、次の3つの役割があります。

  • 口や鼻からの挿管チューブを使わず人工呼吸器の装着を可能にする
  • 鼻と口以外から空気を取り込める
  • 唾液が気管に流れ込むのを防ぐ

このため、気道が狭くなって呼吸がしにくい方のほか、がんでのどの一部を切除した方や脳梗塞などの病気で長期間、人工呼吸器を必要する方などにも気管切開はおこなわれます。

手術後、傷口や全身の状態が安定して必要な栄養がとれれば、自宅で過ごすことが可能です。また、リハビリによって口からの食事が可能になったり、呼吸の症状が回復すれば気管切開の穴をふさぐこともあります。

気管切開のメリットとデメリット

気管切開をすると楽に呼吸ができるようになり窒息のリスクが減る

気管切開はほかの手術と同様にメリットとデメリットがあります。気管切開について十分理解することが術前・術後の不安解消につながるため、手術を受ける際は本人や家族が手術の内容やメリット・デメリットをしっかり把握しておきましょう。

メリット

気管切開には、次のメリットがあります。

  • 楽に呼吸できるようになり、窒息のリスクが減る
  • 気管内のたんを吸引しやすい
  • 気管カニューレの固定や挿入がしやすい

デメリット

一方、気管切開は次のデメリットを伴います。

  • たんの吸引やガーゼ交換など、日常的な医療ケア必要になる
  • 手術に伴う気管内の出血や術後感染症などの危険性がある
  • 気胸や肺炎などの合併症のリスクがある

気管切開の人におこなう毎日必要な医療ケア

気管切開すると、日常的に医療ケアが必要になります。どのようなことをおこなうのか見ていきましょう。

カフの空気量を確認する

気管カニューレには、気管側の先端近くに「カフ」と呼ばれる風船が付いているタイプがあります。カフを膨らませることで気管とカニューレの隙間をなくし、唾液が気管に流れ込むのを防ぎます。

カフの空気は自然に抜けてしまうため、定期的に空気を注入します。ただし空気の入れすぎは気管粘膜の血流を阻害してしまうので、適切な空気量の調整が必要です。

バンドの交換と皮膚の状態確認

気管カニューレはバンドを使って固定します。カニューレ周辺が汚れていると皮膚トラブルの原因になるため、1日に1度はバンドを外して清潔にするとともに皮膚の状態を確認します。

また、バンドの汚れも確認し、必要に応じて交換することも皮膚トラブルの防止に役立ちます。

口腔ケア

口の中が汚れていると細菌が繁殖して肺炎の原因になるため、気管切開していないときと同様に口腔ケアは重要です。口から食事をしていない方も、1日1回は歯を磨いたりガーゼを濡らして口の中を拭くなどの方法で口の中を清潔に保ちます。

加湿管理

乾燥した空気が直接気管に入らないよう、気管カニューレには「人工鼻」という加湿フィルターを装着します。人工鼻は48時間ごとまたは汚染または破損のある場合に交換が必要です。

気管切開にはたん吸引が必要

気管切開をすると自力でたんを出せなくなることが多いため、1日に数回たんの吸引をおこなう必要があります。このため、気管切開した方が自宅で生活する場合は、家族による介護が欠かせません。

手術後に自宅に帰る場合、家族は看護師からたん吸引について次のようなレクチャーを受けます。

たん吸引をおこなう準備

たん吸引をおこなう前に、まずは次のものを準備します。

  • 吸引器
  • 吸引カテーテル
  • アルコール綿
  • 水道水の入ったコップ
  • カテーテルが入る容器
  • 手袋
  • マスク
  • エプロン
  • ゴーグル

たん吸引の手順

たん吸引はカテーテルを入れる場所により、次の3つの方法があります。

  • 口腔内からの吸引
  • 鼻腔内からの吸引
  • 気管カニューレ内部からの吸引

ここでは、すべての方法で共通する以下の基本の手順について解説します。

  1. 手指を清潔にする
  2. 意思確認をして体位を整える
  3. 吸引カテーテルを吸引器本体のチューブにつなぐ
  4. 吸引器の電源を入れる
  5. 吸引圧を合わせる
  6. カテーテルを挿入する
  7. たんを吸引する
  8. カテーテルをゆっくり引き抜く
  9. カテーテルを洗浄して外す

1.手指を清潔にする

せっけんなどを使用し、指の間や手の甲、爪もしっかり洗います。

2.意思確認をして体位を整える

たんの吸引はまず本人の意思を確認し、次に環境や体位を整えます。口や鼻から吸引するときは、仰向けであごを少し上げるとチューブが入りやすくなります。

またこのとき、鼻の周辺や口の周り、口の中を観察し、出血や腫れ、乾燥などがないかチェックすることも大切です。

3.吸引カテーテルを吸引器本体のチューブにつなぐ

吸引用カテーテルを取り出して、吸引器本体のチューブにつなぎます。カテーテルを取り出すときは先端が家具などに触れたりしないよう衛生に気をつけます。

また、吸引器本体のチューブにつなぐ際は、外れないよう奥までしっかり差し込みます。

4.吸引器の電源を入れる

吸引器の電源を入れて、まずはコップに入れた水できちんと吸えるか確認します。水を吸うことでカテーテル内の滑りを良くするとともに、消毒液内で保管していたカテーテル内部の液を洗い流す役割もあります。

5.吸引圧を合わせる

カテーテルの水を切り、アルコール綿でカテーテルの根元から先端までを消毒して吸引圧を合わせます。吸引圧は100〜150mgHgが一般的ですが、必ず医師や看護師に確認して指示に従います。

6.カテーテルを挿入する

カテーテルを持つ方の手は親指・人差し指・中指を使い、先端から10㎝あたりをペンを握るように持ちます。反対の手は親指でカテーテルの根元を押し曲げるようにし、吸引圧をかけない状態でゆっくりと挿入します。挿入する前に「入れますよ」と声をかけることも大切です。

7.たんを吸引する

カテーテルの根元を押さえていた親指を少しずつ放し、左右にゆっくり回転させながらたんを吸引します。吸引時間は10~15秒以内を目安におこないます。吸引しながらたんの色や量、粘度も観察します。

8.カテーテルをゆっくり引き抜く

カテーテルを左右にゆっくり動かしながら引き抜きます。このとき呼吸が苦しくないか、爪や唇の色に異常がないか確認します。

たんが残っているようであれば、呼吸が整ってから再度吸引します。

9.カテーテルを洗浄して外す

アルコール綿でカテーテルの外側についたたんを拭き取ったら、コップに入れた水を吸ってカテーテルの内側を洗い流します。カテーテル内にたんが残っていないことを確認したら、吸引器の電源を切ってカテーテルをチューブから外します。

カテーテルの保管方法

口や鼻からの吸引に使用するカテーテルは、衛生的に保管することで複数回使うことができます。保管方法は以下の2種類があります。

  • 空のコップに入れておくなど、乾燥した状態で保管する。
  • 浸漬用消毒液の入った保存容器にカテーテル全体を浸して保管する。

気管カニューレ内吸引用カテーテルの交換頻度

気管カニューレ内の吸引に使用するカテーテルは、1回ごとの使い捨てが推奨されています。しかし、経済的な理由などで使い捨てるのが難しい場合は、衛生的に保管したうえで24時間程度まで繰り返し使うこともあります。

再使用する場合は、口や鼻からの吸引に使うカニューレとは分けて別の消毒液入り容器内で保管します。ただし、たんなどが付着していると細菌が繁殖することがあるため、汚れが落ちないときやくすんできたときは新しいものに交換しましょう。

たん吸引の注意点

たんの吸引中は呼吸ができず、息を止めている状態です。酸素が不足しがちになるので、吸引中や吸引直後は顔や爪の色に異常がないかチェックしましょう。また、たんが多いときは複数回に分けるなど、1回の吸引が長くならないように気をつけます。

さらに、医師から指示された吸引圧やカテーテルを挿入する深さを守り、気管を傷つけないようにすることも大切です。

老人ホーム選びの際、気管切開をしている人に関するよくある質問

気管切開とは何ですか?

気管切開は、のどから気管までを切開する気道確保方法です。呼吸が上手くいかない場合や、痰や分泌物を上手く吐き出せず苦しいケースに用いられます。気管切開することで空気を行き渡りやすくし、痰の吸引をスムーズにおこえるようにします。

気管切開をしている人は老人ホームへ入居できますか?

看護師が24時間常駐していたり、医療機関を併設しているなどの施設であれば入居することができます。ただし、胃ろうやインスリン注射などの医療行為と比べると入居可能な施設は少ないので、施設への入居を希望する際は広範囲で探しましょう。

気管切開をしている人はどんな老人ホームに入居すべきですか?

気管切開している人は呼吸器に持病がある場合が多く、症状が急変した際に医療体制の整った施設でないと対応することができません。よって看護師が24時間常駐しているなど、医療特化型の施設を選択する必要があります。

また職員体制についても、緊急時に医師はすぐに来てくれるのか、看護師は日中、夜間で何名いるのかを確認する必要があります。

▶「いい介護」で気管切開でも入居できる老人ホームを探してみる

地域から老人ホーム・介護施設を探す

北海道・東北

北海道札幌市)|青森県岩手県宮城県仙台市)|秋田県山形県福島県

関東

東京都神奈川県横浜市 / 川崎市 / 相模原市)|埼玉県さいたま市)|千葉県千葉市)|茨城県栃木県群馬県

甲信越・北陸

新潟県新潟市)|富山県石川県福井県長野県山梨県

東海

愛知県名古屋市)|岐阜県三重県静岡県静岡市 / 浜松市

関西

大阪府大阪市 / 堺市)|京都府京都市)|兵庫県神戸市)|滋賀県奈良県和歌山県

中国・四国

岡山県岡山市)|広島県広島市)|鳥取県島根県山口県徳島県香川県愛媛県高知県

九州・沖縄

福岡県福岡市 / 北九州市)|熊本県熊本市)|佐賀県長崎県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

よく読まれている記事

よく読まれている記事

article-image

介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

article-image

グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

article-image

【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

介護の基礎知識

total support

介護の悩みを
トータルサポート

total support

介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。

鎌倉新書グループサイト