訪問リハビリの失敗しない選び方|8つの確認ポイントと注意点

訪問リハビリの失敗しない選び方|8つの確認ポイントと注意点

更新日 2023/05/11

訪問リハビリとは、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士のリハビリ指導を自宅で受けられる介護保険サービスのことです。また、訪問リハビリは寝たきりの人にも有効と言われています。

この記事では、訪問リハビリの事業所を選ぶときのポイントや注意点について説明していきます。

訪問リハビリの選び方~8つの確認ポイント~

訪問リハビリを選ぶ際の8つのポイントを詳しく見ていきましょう。

  1. 必要な専門職が在籍しているか
  2. 経験の年数はどれくらいか
  3. 認知症ケアはおこなわれているか
  4. 福祉用具の事業所と連携しているか
  5. 営業曜日の確認
  6. 担当者が休みの場合の対応はどうなっているか
  7. リハビリ中に体調が急変した時の対応は明確になっているか
  8. 訪問リハビリ終了後に必要な介護サービスの案内をしているか

必要な専門職が在籍しているか

事業所に必要な専門職が在籍しているか確認しましょう。

利用者によっては、理学療法士や作業療法士以外に言語聴覚士が必要な場合もあります。 言語聴覚士は、資格保有者が少なく在籍していない場合もあるので、利用する際は契約前に必ず確認しましょう。

経験の年数はどれくらいか

長いキャリアのスタッフは、きめ細かなサービスを提供できたり、臨機応変に対応してくれることがあります。利用する際には、スタッフが何年くらいのキャリアがあるのかを確認しましょう。

認知症ケアはおこなわれているか

認知症の人の訪問リハビリを依頼するときは、認知症に対する経験や対応方法が確立されている事業所を選びましょう。

認知症の人は、突然リハビリを拒否したり、大きな声で嫌がったりすることもあります。そのような場合、慣れているスタッフが余裕を持った対応をすることにより、利用者の家族も気持ちが落ち着きます。

福祉用具の事業所と連携しているか

訪問リハビリを選ぶ際は福祉用具事業所と連携しているところがおすすめ

訪問リハビリの事業所は、福祉用具の事業所と連携しているところがおすすめです。

連携していれば、早めに利用者の状態に合わせて福祉用具の購入、レンタルの話し合いもでき、契約もスムーズに進みます。また、利用者も新たに探す手間が省けるため負担も軽減されます。

営業日の確認

同席する家族は平日仕事をしていることが多く、事業所も平日営業しているところがほとんどです。もし、土日祝日に訪問リハビリを利用したい場合は、契約前に営業日を確認しましょう。

担当者が休みの場合の対応はどうなっているか

風邪が流行る時期などは、担当者が体調不良などでリハビリに急遽来れなくなることがあります。

そのため、担当者が休みの場合は、「代理のスタッフがリハビリに来るのか」「日程変更になるのか」「その日は一旦キャンセル扱いになるのか」など、事前に確認しておきましょう。

リハビリ中に体調が急変した時の対応は明確になっているか

利用者がリハビリ中に、突然、体調が急変したときの対応を確認しましょう。対応方法がしっかりマニュアル化されている事業所であれば、契約の際に説明をしてくれるので家族としても安心できますね。

訪問リハビリ終了後に必要な介護サービスの案内をしているか

訪問リハビリ終了後に必要なサービスを提案してくれる事業所がおすすめ

訪問リハビリ終了後に、必要な介護サービスの紹介をしてくれる事業所を選びましょう。

訪問リハビリの目標は「利用者が自立した日常生活を送れるようになること」であり、訪問リハビリで回復した後も、介護サービスが新たに必要になったり、デイサービスに通って継続的に筋力を維持するような訓練が必要になることもあります。そのため、的確なアドバイスをもらえる事業所がおすすめです。

訪問リハビリを選ぶときの2つの注意点

それでは次に、訪問リハビリを選ぶ際の2つの注意点を見ていきましょう。

リハビリスタッフの専門性

訪問リハビリの事業所を選ぶ際は、リハビリスタッフの専門性と利用者の受けたいリハビリ内容が合致していることが大切です。

例えば、言語障害のリハビリをおこなう言語聴覚士は、資格保有者が少なく、契約後に言語機能のリハビリを依頼したら「言語聴覚士はいない」と断られてしまうケースも。そのため、希望するリハビリが受けられるか契約前に必ず事業所へ確認しましょう。

ケアマネジャーのおすすめ以外にも調べる

ケアマネジャーのおすすめ以外に、口コミなどで情報収集するのも良い

担当のケアマネジャーから勧められた事業所の中から決定する必要はないため、ケアマネジャーがおすすめする事業所以外も調べてみましょう。知人からの評判が良い事業所やインターネットの口コミから情報収集するのもおすすめです。

また、訪問リハビリのスタッフと、利用者やその家族がスムーズにやり取りができることが一番大切です。そのためには、スタッフの第一印象やコミュニケーション力も意識したいところです。

【状態別】訪問リハビリはこんな人にもおすすめ

ここでは、どのような人が訪問リハビリに向いているか見てみましょう。

転倒が多く、買い物に行くのが危険な人

食料品など日常品を買い物に行くのが危険な人は、訪問リハビリを利用すると良いでしょう。段差や傾斜での訓練が必要であったり、個人の環境や身体能力に合った歩行の仕方や歩行器などのアドバイスも受けることができます

また、訪問リハビリを経て買い物に通えるようになった後も、足の筋力維持のために、デイサービスなどでリハビリの継続が必要かアドバイスがもらえる事業所を選びましょう。

寝たきりで筋力低下や拘縮が目立つ人

訪問リハビリは寝たきりの人にも有効

寝たきりの人はデイサービスよりも訪問リハビリの利用がおすすめです。寝たきりの人のリハビリ内容は「拘縮予防」や「身体機能の低下防止」などがあり、一度も利用したことがない人は利用を検討してみると良いでしょう。

また、寝たきりの人の中には、褥瘡(じょくそう ※床ずれ)がある人もいるため、訪問看護事業所と提携している訪問リハビリ事業所を選ぶことにより、医療ケアをおこないつつリハビリに励むこともできます。

目標に向けて上手に訪問リハビリを活用しよう

リハビリの目的は自立した日常生活が送れるようにすることです。そのためには、安心感もあり信用できる事業所を選びましょう。

また、専門性のある有資格者に来てもらうことにより、リハビリに対する意欲や理解も高まります。少しでも利用者の笑顔が増えるように上手に訪問リハビリを活用しましょう。

訪問リハビリの選び方に関するよくある質問

訪問リハビリを選ぶときのポイントは何ですか?

「必要な専門職が在籍しているか」「経験の年数はどれくらいか」「認知症ケアはおこなわれているか」「福祉用具の事業所と連携しているか」「リハビリ中に体調が急変した時の対応は明確になっているか」「訪問リハビリ終了後に必要な介護サービスの案内をしているか」などが挙げられます。

特に事業所によっては、言語聴覚士がいない場合もあるので専門職の在籍確認は必須です。

訪問リハビリテーションは誰でも受けられますか?

訪問リハビリテーションはすべての人が受けられるわけではありません。

利用条件として「介護保険の認定を受けた場合」「主治医から必要だと判断された場合」が挙げられ、通所リハビリテーションとは異なります。

また、要介護ではなく要支援の認定を受けた場合は、介護予防のための「介護予防訪問リハビリテーション」を受けることができます。

認知症の人でも訪問リハビリを利用できますか?

認知症の人でも訪問リハビリを利用することができます。

その際に訪問リハビリを選ぶコツとして、認知症に対する経験や対応方法が確立されている事業所を選び、訪問するスタッフに至っては、前もって家族が利用者は認知症であることを伝え、認知症の人の対応に慣れているスタッフに訪問してもらいましょう。

よく読まれている記事

よく読まれている記事

article-image

介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY ▶介護付き有料老人ホームの費用に関してはこちらのページをご覧ください 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

article-image

グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

グループホームとは認知症高齢者のための介護施設で、住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスのこと。正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 費用や入居条件などの主な特徴は以下の通りです。 入居時費用約0円~100万円月額利用料約15~30万円入居条件要支援2以上認知症の受け入れ重度認知症も受け入れ可看取り対応対応していない施設が多い この記事では、各項目について詳しくご説明していきます。ご家族が認知症で、在宅での介護生活に不安のある方などはとくに、グループホームへの入居検討の際の参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM グループホームの特徴 グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 項目 ...

2021/11/15

article-image

【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

特集

介護の基礎知識

total support

介護の悩みを
トータルサポート

total support

介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。

鎌倉新書グループサイト