要介護3はどんな状態?|利用できるサービスや要介護2・要介護4との違い

要介護3はどんな状態?|利用できるサービスや要介護2・要介護4との違い

公開日 2021/11/30

要介護3であると認定された場合に、受けることができる介護サービスはどのようなものがあるのでしょうか。

利用可能な介護サービスの種類や内容、気になる費用について。また、要介護3で入居できる介護施設について説明します。

要介護3とは?

要介護3の身体的な特徴は、一人で立ち上がったり、独力で歩くことが難しい状態

要介護3とは基本的に一人で生活をすることができず、24時間誰かの介助や手助けが必要な状態になります。

身体機能が弱っているので、一人で立ち上がったり、独力で歩くことが難しく、歩行器や車いすを使用するケースもあります。食事や入浴、排泄にも介助が必要なので、常に誰か付き添いが必要です。

また、身体だけではなく理解力も衰えて、物忘れも多くなります。自宅で家族だけで介護するのには負担が大きく、要介護3になると施設入居を検討したほうが良いでしょう。

要介護3とはどんな状態?

要介護2と比べて、日常動作を行う能力が著しく低下している状態を指します。

洗濯や料理といった身の回りの家事だけではなく、昇降や歩行なども不自由になります。これまで補助があればできていたことも難しくなり、日常的に介護が必要になります。

要介護度の認定基準は?

要介護度の認定基準は、厚生労働省が定めた「要介護度認定基準時間」がひとつの基準となっています。

「要介護度認定基準時間」というのは介護の手間にかかる時間を表したもの。介護を受ける方ができることや介助の方法、障がいがあるかないかなどから、統計データによって時間を推計しています。

要介護度により、以下のように定められています。

認定区分介護行為基準時間
要支援125分以上32分未満
要支援2
要介護1
32分以上50分未満
要介護250分以上70分未満
要介護370分以上90分未満
要介護490分以上110分未満
要介護5110分以上

出典:「要介護認定はどのように行われるか」(厚生労働省)

例えば要支援1なら「要介護度認定基準時間」は25分以上32分未満、要支援2と要介護1なら「32分以上50分未満」と定められています。

この基準に該当する、または相当すると判断された場合にそれぞれの要介護度が認定されます。

要介護2と要介護3はどう違う?

要介護2は、介助や見守りがあれば、家事や身の回りのことのほとんどは自分でできる状態です。しかし要介護3になると、日常生活を自分一人でおこなうことはほぼできない状態。食事や排泄や身の回りのことをするのにも、全面的に誰かの介助が必要です。

運動機能についても要介護2では介助があれば歩行も可能ですが、要介護3になると一人での歩行は難しくなります。また、理解力についても要介護3になると、かなりの低下が見られます。

要介護2ではまだ在宅介護も可能ですが、要介護3になると施設に入居したほうが良い状態です。

▶要介護2の状態について詳しく知りたい方はこちら

要介護3と要介護4はどう違う?

要介護4になると、日常生活のほぼすべての動作に介護が必要になります。歩行や昇降の動作だけではなく、自分の力で立っていることもできない状態です。

要介護3ではまだ一人でできる動作も、要介護4になるとほとんどできなくなります。理解力や判断力にも衰えがみられるので、認知症が進行したり、徘徊などの問題行動が起きることもあります。

要介護4と認定されると家族の負担も大きくなり、在宅での介護は難しいので、施設に入居することが増えるようです。

▶要介護4の状態について詳しく知りたい方はこちら

要介護3で利用できる介護サービスの種類

要介護3の高齢者の特徴

訪問系サービス

訪問介護(ホームヘルパー)

訪問介護とはホームヘルパーと呼ばれる訪問介護員などが自宅を訪問。入浴や排せつ、食事などの「身体介護」をおこなったり、調理、洗濯や掃除といった家事の「生活援助」をおこなうサービスのことです。

訪問入浴

看護師1名を含めた2〜3名のスタッフが自宅に来て、専用の浴槽を使い入浴のサポートをする介護サービスです。

介護される方だけでの入浴が困難な場合や、家族の介助だけでは入浴が難しい場合に利用されます。自宅の浴槽が狭かったり体調の急変が心配な方も安心して入浴できます。

訪問リハビリ

要介護5の人が利用できる訪問リハビリ

訪問リハビリテーションとは、主治医によって訪問リハビリテーションが必要と認められた方の場合、利用者の自宅でおこなわれます。

リハビリ専門職である理学療法士や作業療法士などが訪問してリハビリを提供します。心身の機能の維持回復や日常生活の自立を目的としています。

訪問看護

病気や障がいのある方が、住み慣れた地域や家で自分らしい療養生活が送れるように支援するのが訪問看護サービスです。

介護される方の住んでいる地域にある訪問看護ステーションから、看護師や理学療法士・作業療法士などの専門家が自宅を訪問。医療的ケアを施します。

居宅療養管理指導

要支援又は要介護に認定された方を対象に、医師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士などが通院が困難な要介護者の自宅を訪問し、介護予防を目的とした療養上の管理や指導をします。

また、ケアマネジャーに対してケアプランの作成に必要な情報共有をします。

夜間対応型訪問介護

18時から8時までの時間帯に提供される訪問介護サービスのことです。在宅で過ごす介護が必要な方が、夜も安心して過ごせるよう提供されます。

離れて住んでいる一人暮らしの方を対象に、就寝準備や起床準備、夜のトイレ介助やおむつ交換に対応しています。家の中での転倒や急病といった体調の変化に対応する連絡先や救急車の手配も夜間対応型訪問介護のサービス対象です。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、定期的に介護スタッフが自宅を訪問してくれる「定期巡回訪問サービス」と、要望を受けて自宅を訪問する「随時対応サービス」があります。

日中〜夜間を通じて24時間365日サービスを受けることが可能。「定期巡回サービス」「随時対応サービス」「随時訪問サービス」「訪問看護サービス」を組み合わせて利用します。

サービス内容が重複する通院等乗降介助を除いて、訪問介護や夜間対応型訪問介護と併用することはできません。

通所系サービス

通所介護(デイサービス)

要介護認定を受けた方が、自宅で生活を続けられるよう身体機能の維持や向上を目指して機能訓練をおこなうサービス。機能訓練だけでなく、他の利用者と交流することで社会的な孤立感を解消したり、認知症の予防を目的としています。

施設で健康チェックや排せつや入浴の介助、昼食やレクリエーション、機能改善などのサービスを受けます。その時間は家族が自由な時間になるので、介護する側も肉体的、精神的にリフレッシュすることができます。

通所リハビリ(デイケア)

デイケアとは医療機関や介護老人保健施設などに通い、リハビリを受けられる介護サービスです。医師の指示のもと、国家資格を持つ専門家からリハビリを受けることができます。

デイサービスは日常生活のための機能訓練が目的ですが、デイケアはおもにリハビリテーションに特化したサービスと言えます。

デイケアの利用時間帯は約6~8時間ほどの一日型が一般的です。集中的にリハビリをおこないたい方だけではなく、胃ろうや痰吸引などの医療的ケアが必要な方も多く利用しています。

福祉用具のレンタル・購入サービス

福祉用具の貸与

福祉用具のレンタルは介護される方だけでなく介護する方にとってもありがたい存在です。貸与対象となる福祉用具の一例を挙げると、車いすや特殊寝台、床ずれ防止用具や歩行補助杖があります。

特定福祉用具購入費の助成

特定の福祉用具を購入する場合には購入費の助成があります。サービスの対象となる福祉用具には下記のようなものがあります。

  • 腰掛け便座
  • 自動排泄処理装置の交換可能部品
  • 入浴補助用具
  • 入浴用介助ベルト
  • 簡易浴槽

宿泊系サービス

短期入所生活介護(ショートステイ)

短期的に施設に入所して介護支援を受けられるのがショートステイです。

介護する方が冠婚葬祭や出張などで数日間留守にしなければならなかったり、体調を崩してしまった場合に便利です。予定がなくても単なるリフレッシュでも利用できます。

短期入所療養介護(医療型ショートステイ)

介護施設に短期間入所して介護サービスを受けるショートステイの中でも、医療的ケアに対応しているショートステイは「短期入所療養介護」と呼ばれます。

在宅で療養していく中で、医療面や機能面の回復とともに介護する方の負担を軽くする目的もあります。

地域密着型サービス

小規模多機能型居宅介護

小規模多機能型居宅介護は、同一の介護事業者が通所介護(デイサービス)を軸に、訪問介護や短期入所生活介護(ショートステイ)を一体的に提供する介護サービスです。

在宅でいくつもの介護サービスを利用する中で、介護される方の状況の変化による契約変更などの手続き。介護する方の負担や不安を解消できるというメリットがあります。

また、通所・訪問・ショートステイを組み合わせても月額料金が定額なので、介護保険利用限度額を超過する心配がないのも大きな特徴です。

認知症対応型通所介護(デイサービス)

認知症の方のための専門デイサービスで、自宅から施設までの送迎があり、食事や入浴など生活サポートやレクリエーションを施設に通っておこなうことができます。

引きこもりがちな認知症の方のために、職員や利用者間、地域の方との交流の場を設けながら社会的孤立感を緩和する目的があります。また介護する方の孤立感や介護負担を軽減する面もあります。

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)とは、認知症の方に特化した小規模の介護施設です。

これまでと同じ地域で暮らし続けることができる地域密着型サービスとなっています。ユニットと呼ばれる5~9名のグループ単位で、家事などの役割を分担しながら共同生活を送るのが最大の特徴です。

認知症介護の知識や技術を持ったスタッフも担当制なので、いつも同じメンバーでそれぞれの状況に合わせた認知症ケアを受けられます。

住宅改修サービス

介護保険の対象になる住宅改修工事には、手すりの取り付けや段差や傾斜の解消、ドアから引き戸への扉の交換、和式便器から洋式便器への交換などがあります。

屋内だけでなく玄関から道路までの段差解消なども対象となる場合があります。

要介護3の介護サービス自己負担額は?

介護サービスの利用には、介護度に応じた支給限度額が決められています。特定施設入居者生活介護、特別養護老人ホーム、在宅介護(居宅介護サービス)の場合で支給限度額は変わります。

特定施設入居者生活介護20,220円
居宅介護サービス27,048円

出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省)

在宅介護で要介護3の人の支給限度額の上限は1ヵ月あたり270,480円です。そのうちの1割を自己負担額として計算すると、27,048円が自己負担額上限になります。

要介護3で介護施設に入居した場合、施設利用料の介護サービス費用1割のほかに、医療費や食費や居住費、生活費がかかります。これらは全額自己負担です。合算すると施設入居にかかる費用負担はそれなりに大きくなるので、注意が必要です。

要介護3で入居が検討できる介護施設は?

要介護3と認定されると、民間施設だけではなく公的施設もほとんどで利用可能になります。おもに、下記のような施設介護サービスが対象です。

特別養護老人ホームへの入居が可能

要介護3以上になると、公的施設の特別養護老人ホームへの入居が可能になります。入居条件として基本的には65歳以上が対象ですが、40~64歳でも特定疾病に該当する場合であれば入居可能です。

特別養護老人ホームは民間施設と比べて利用料もかなりリーズナブルなので、とても人気があります。入居申請をおこなっても、待機者が多く、入居するのに長い時間がかかることもあります。

また、要介護度が高い人のほうが優先的に入居できる施設も多く、要介護3だとすぐに入居することは難しいかもしれません。

要介護3の人は特別養護老人ホームに申し込みをしつつも、他の施設も並行して検討しておくことをおすすめします。

施設入居した時の費用感

要介護1の目安介護サービス費用
(1割負担の場合)
月額費用相場合計(目安)
介護付き
有料老人ホーム
20,220円200,000円220,220円
住宅型
有料老人ホーム
27,048円
※1
200,000円227,048円
サービス付き
高齢者向け住宅
27,048円
※1
150,000円177,048円
グループホーム24,690円110,000円134,690円
特別養護
老人ホーム
※2
21,360円69,000円90,360円
老人保健施設
※3、※4
26,940円54,660円82,600円

※1 支給限度額の上限までサービスを利用した金額
※2 多床室での金額
※3  「住まい」ではないので、一定期間のみ利用可能です。
※4 多床室(従来型)での金額。分類により料金が変動します

在宅生活と施設入居での費用感

在宅介護と施設入居では、当然ながら在宅介護の方が費用を抑えることができます。

在宅介護では住居費や管理費が不要ですが、住宅型有料老人ホーやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の場合は約100,000円。介護付き有料老人ホームでは約120,000円が必要です。

しかし、だからといって在宅が必ずしも良いとは限りません。在宅で生活する場合は、単身なら利用者自身が家事などをすべておこなわなくてはなりません。また家族と一緒に住んでいる場合も、家族に介護負担がかかります。

ケアマネジャーと相談しながら、介護される方と介護する方にベストな介護を選択しましょう。

要介護3に関するよくある質問

要介護3はどういう状態ですか?

要介護3とは基本的に一人で生活をすることができず、24時間誰かの介助や手助けが必要な状態です。また身体機能も衰えが目立ち始め、昇降や歩行などにも影響が出てきます。

要介護3と要介護4はどう違いますか?

要介護3ではまだ一人でできる動作も、要介護4になるとほぼ日常動作に介助が必要です。

身体機能のレベルが著しく低下し、自力で立つことも厳しい状態です。また、理解力や判断力にも衰えが目立ち、元々認知症を患っていた場合はより進行したり、徘徊・被害妄想などの問題行動も表れます。

要介護3で入居できる施設はありますか?

要介護3と認定されると、民間施設だけではなく公的施設もほとんどが利用できます。

特に特別養護老人ホームは、民間施設と比べ利用料も低額で大変人気があります。

ただし入居待機者が多く、入居するまでに長い時間かかることが予想されます。また特別養護老人ホームは、申し込みした順番で入居できるわけではなく、要介護度の高い人が優先的に入居していることが多いです。

要介護3の場合、すぐに入居することは難しいケースが多いので、一時的に有料老人ホームなどに入居し、そこで特別養護老人ホームの空室待ちをする人が増えています。

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特別養護老人ホーム(特養)とは|入所条件や費用・サービスを解説

ほかの老人ホームに比べて費用が安いことから人気の高い特別養護老人ホーム。しかし、「名前は聞いたことがあるけれど、ほかの介護施設との違いがわからない」という方もいるのではないでしょうか。 そこで今回は、特別養護老人ホームの特徴や費用、入所条件など、幅広く解説します。 https://youtu.be/rhM6injnk2I 特別養護老人ホームってどんな施設? 特別養護老人ホームは、在宅での生活が困難な高齢者に対し介護を提供する施設で、略して「特養(以下、特養)」とも呼ばれています。公的な介護施設で、次の3つの特徴があります。 老人ホームの中では比較的安価に入所できる看取りの対応が可能な施設も多く、終身で利用できる入所待機者が多く、地域によっては入所までに数年かかることもある 特養では、入浴や排泄・食事といった介護のほか、日常生活の介助・機能訓練・健康管理・療養上のお世話などが受けられます。終身での利用ができるため、「終の棲家(ついのすみか)」として選ぶ方の多い施設です。 特別養護老人ホーム3つの種類 特養は入所者の数やサービス内容から、「広域型特別養護老人ホーム」「地域密着型特別養護老人ホーム」「地域サポート型特別養護老人ホーム」の3つに分けられます。 それぞれの違いを見ていきましょう。 広域型特別養護老人ホーム 「広域型特別養護老人ホーム(以下、広域型特養)」は、定員が30人以上の特養です。所在地の市区町村に限らず、どこに住んでいる方でも入所の申し込みが可能です。 地域密着型特別養護老人ホーム 「地域密着型特別養護老人ホーム(以下、地域密着型特養)」は定員29名以下の小規模な特養で、「地域密着型介護老人福祉施設」とも呼ばれます。原則として、施設のある市区町村に住んでいる方のみ申し込めます。 地域密着型特養は、さらに「サテライト型」と「単独型」に分けられます。 単独型 「単独型」は広域型特養と同等の設備やサービスを単独で提供する地域密着型特養です。少人数で本体施設もない分、アットホームな雰囲気の中で介護が受けられます。 また、単独型はショートステイの実施や、小規模多機能型居宅介護、デイサービスの併設など、複数の介護サービスを提供している施設が多いのも特徴です。 サテライト型 広域型特養などを本体施設とし、その周辺で連携して運営をおこなう地域密着型特養を「サテライト型」と言います。本体施設から通常の交通手段で20分以内に設置され、通常の特養に比べて設備や人員配置の基準が緩和されています。 地域サポート型特別養護老人ホーム 在宅で介護を受けている高齢者に対して、安否確認や生活の相談支援をおこなう特養です。できるだけ長く在宅で生活ができるように、24時間体制でサポートをしています。 このサポートは対象区域が決まっているので、サービスを受けたい場合や事前の確認が必要です。 特別養護老人ホームの居室タイプの特徴 特養の居室は、以下の4種類のタイプに分けられ、このタイプにより賃料や施設介護サービス費も変わります。 多床室 従来型個室 ユニット型個室 ユニット型準個室 多床室 1室に対して複数のベッドが配置されているタイプで、現在の多床室は4人部屋となっているケースが多いようです。プライバシーなどの観点から、ユニット型個室に切り替える施設が増えてきています。 従来型個室 1室を1人で利用するタイプの居室。以前は単に「個室」と言われていましたが、ユニット型個室が登場したことによって「従来型個室」と言われるようになりました。 ユニット型個室 基本は1室1ベッドの個室。「ユニット」は、10人以下でロビー・ダイニング・簡易キッチン・浴室・トイレを共有して共同生活を送る小さなグループを指します。 1ユニットごとに専任の施設スタッフが担当することになっています。 ユニット型準個室 ユニット型個室と異なる点は、多床室を改装・分割して作られた個室という点。施設によっては完全な個室になっていない場合もあるため、入居前にしっかりと確認しておく必要があります。 特別養護老人ホームの費用 特養は民間の有料老人ホームとは異なり、一時金などの初期費用は不要です。特養の月額費用は以下のような内訳です。 賃料 食費 施設介護サービス費 日常生活費 介護サービス加算 賃料 「賃料」は通常の賃貸物件の家賃にあたり、施設に入所するために毎月必要な費用です。 特養の賃料は厚生労働省の定める「基準費用額」に基づいて設定。居室タイプによって金額が異なり、多床室が最も安く、従来型個室、ユニット型多床室、ユニット型個室の順に金額が高くなります。 従来型個室 多床室 ユニット型個室 ユニット型準個室 ※特養の入所条件は要介護3以上ですが、特例で要介護1、2の方の入所も認められているため要介護1から記載しています。 食費 「食費」も賃料と同じく基準費用額に基づいて決められています。1日3食分で計算されるため、外出などによって1食抜いたとしても1日分を請求されます。 ただし、入院や外泊で数日不在になる場合は食事を止めることができ、その間の食費は請求されません。 施設介護サービス費 「施設介護サービス費」は、介護サービスを受けるために必要な費用です。 要介護度が上がるほど高額になるほか、居室のタイプによっても異なります。民間施設の介護付き有料老人ホームなどとは異なり、おむつ代も施設介護サービス費に含まれます。 日常生活費 「日常生活費」は、理美容代や日用品代・お菓子など、日常生活で発生するさまざまな費用です。また、施設内のレクリエーションで利用する材料費なども日常生活費に含まれます。 介護サービス加算 「加算」とは、手厚い人員体制や入所者の状態に応じたサービスなどに対し、施設介護サービス費に上乗せされる費用です。 ここでは、主な加算を一部紹介します。 夜間職員配置加算 「夜間職員配置加算」は、夜間に基準よりも多くの介護・看護スタッフを配置することに対して加算されます。この加算の対象施設は夜間の見守り体制が手厚いだけでなく、24時間にわたって褥瘡(床ずれ)のケアなどにも対応してもらえます。 経口維持加算 「経口維持加算」は、嚥下機能や認知機能の低下などにより普通の食事が困難になった入所者が口から食べるための支援に対するものです。 具体的には、口から食べるための「経口維持計画書」を入所者ごとに作成し、医師または歯科医師の指示のもと、管理栄養士または栄養士が栄養管理をおこないます。 個別機能訓練加算 「個別機能訓練加算」は、看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などを常勤の機能訓練指導員として配置し、個別機能訓練計画書の作成と計画に基づく機能訓練が受けられる施設で加算されます。 専門的なスタッフがリハビリをサポートを受けられるため、日常生活に必要な機能維持に役立ちます。 夜間看護体制加算 「夜間看護体制加算」は、常勤看護師を1人以上配置し、看護師または病院・看護ステーションなどと連携して24時間連絡体制を確保している施設で加算されます。また適用される施設では、身体状況が悪化したときの対応について入所時に本人や家族に説明し、同意を得る必要があります。 医療サポートが充実した特養を希望する方は、夜間看護体制加算のある施設を選ぶと良いでしょう。 費用負担の軽減~特定入居者介護サービス~ 前述の月額利用料は、所得に応じて支払い額が決まる仕組みになっています。簡単に言うと、所得が少ない人ほど支払いの負担が軽くなる、ということです。 この分類は5段階に分かれているので、以下で入居者本人がどれに当てはまるのか確認しておきましょう。 第1段階:生活保護受給者、老齢福祉年金受給者で本人及び世帯全体が市民税非課税 第2段階:世帯全員が住民税非課税かつ本人の合計所得金額+課税年金収入額+非課税年金収入額が80万円以下 第3段階(1):世帯全員が住民税非課税かつ本人の合計所得金額+課税年金収入額+非課税年金収入額が80万円より大きく120万円以下 第3段階(2):世帯全員が住民税非課税で、本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が年額120万円を超える人 第4段階:上記以外の方 出典:「特定入所者介護サービス費」(厚生労働省) 段階ごとの負担限度額 各段階の1ヵ月の負担限度額を表で確認していきましょう。それぞれの金額は、1ヵ月を30日としたときのものです。 第1段階 生活保護受給者、老齢福祉年金受給者で本人及び世帯全体が市民税非課税 居住費の負担限度額食費の負担限度額多床室0円9000円従来型個室9600円ユニット型個室的多床室1万4700円ユニット型個室2万4600円 出典:「サービスにかかる利用料」(厚生労働省) 第2段階 本人及び世帯全体が市民税非課税で合計所得金額+課税年金収入額が80万円以下の方 居住費の負担限度額食費の負担限度額多床室1万1100円1万1700円従来型個室1万2600円ユニット型個室的多床室1万4700円ユニット型個室2万4600円 出典:「サービスにかかる利用料」(厚生労働省) 第3段階(1) 世帯全員が住民税非課税で、本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が年額80万円を超え120万円以下の人 居住費の負担限度額食費の負担限度額多床室1万1100円1万9500円従来型個室2万4600円ユニット型個室的多床室3万9300円ユニット型個室3万9300円 出典:「サービスにかかる利用料」(厚生労働省) 第3段階(2) 世帯全員が住民税非課税で、本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が年額120万円を超える人 居住費の負担限度額食費の負担限度額多床室1万1100円4万800円従来型個室2万4600円ユニット型個室的多床室3万9300円ユニット型個室3万9300円 出典:「サービスにかかる利用料」(厚生労働省) 第4段階 上記以外の人 居住費の負担限度額食費の負担限度額多床室2万5200円4万3350円従来型個室3万4500円ユニット型個室的多床室4万9200円ユニット型個室5万9100円 出典:「サービスにかかる利用料」(厚生労働省) 「要介護3以上」が特別養護老人ホームの入所条件 特養は、常時介護が必要で在宅での介護が困難な高齢者を対象とした介護施設です。もともと要介護1~5の方が入所対象でしたが、2015年からは要介護3以上の認定が入所の条件となりました。 基本的には65歳以上の高齢者が対象ですが、特定疾病に罹患している場合は40~64歳までの希望者にも入所が認められます。 特例として要介護1、要介護2でも入所できるケースも 基本的には要介護3以上が特養への入所の条件です。しかし、次の条件に当てはまる要介護1や2の方も入所できる場合があります。 認知症による日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さなどが頻繁に起きていること 知的障害・精神障害などを伴い、日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さなどが頻繁に見られること 家族などによる深刻な虐待が疑われるなどにより、心身の安全・安心の確保が困難であること 単身世帯である、同居家族が高齢又は病弱などの理由により、家族などによる支援が期待できず、かつ、地域での介護サービスや生活支援の供給が不十分であること 入所は申し込み順ではなく、要介護度や家庭の状況などを総合的に判断して緊急性を点数化し、点数の高い順に入所が決定する仕組みになっています。 以前に比べると待機人数は少なくなったものの、短くて1~2ヵ月、長い場合は数年の待機期間が発生することもあります。特養への入所を考える際には、まず近隣施設の入所待機者を把握することから始めましょう。 特別養護老人ホームではどのようなサービスが受けられるの? 特養で提供されている介護サービスはどんなものでしょうか?ここからは、特養で受けられるサービスを紹介します。 栄養を考えられた食事 特養では、栄養士が作成した献立をもとに食事が作られます。栄養バランスが整っているだけでなく、入所者の持病やそのときどきの健康状態、好みなどにも配慮されます。 また、咀嚼・嚥下能力に応じて、硬い食材をミキサーにかけたり、汁物にとろみをつけるなどの対応も可能です。 さらに、毎日同じ時間に食事をすることで、生活のリズムが整うというメリットもあります。 施設職員・委託業者による定期的な清掃・洗濯 特養では、共有スペースはもちろん居室内の掃除も、施設の職員や委託業者によっておこなわれます。洗濯物も、外部のクリーニングに出す必要のあるものを除き、施設内で洗濯します。 日常生活のための能力や身体機能の維持のため、スタッフの援助を受けながら自分で掃除や洗濯ができる場合もあります。このような「自立支援」を希望する場合は、施設担当者に相談してみましょう。 入浴は最低でも週2回以上 多くの特養では週2回の入浴機会が設けられ、スタッフの介助により安全に入浴できます。健康上の利用等で入浴できない場合は、清拭などで体を清潔に保ちます。 施設によっては寝たままの姿勢で入浴できる「機械浴槽」が設置され、寝たきりの入所者でも定期的な入浴が可能です。 介護職員による排泄介助 一人で排泄するのが難しい入所者は、介護職員による排泄介助が受けられます。排泄の介助を受けることで、清潔を保つとともに感染症の予防にもなります。 尿意や便意を感じにくくなっている場合は、排泄の間隔を考慮してトイレに誘導したり、寝たきりなどトイレでの排泄が困難な方には尿器やおむつで対応するなど、入所者ごとの状態に合わせた介助がおこなわれます。 豊富なレクリエーション 特養では、入所者に楽しんでもらうためだけでなく、身体機能や認知機能低下防止も目的として、手芸やゲーム・カラオケなどのさまざまなレクリエーションがおこなわれます。 また、誕生日会のほか、クリスマスやお花見・七夕といった季節のイベントが毎月のように開催されたり、美術館やショッピングなどで外出することも。 さらに、外部から演奏者を招いて音楽会を開いたり、近隣の幼稚園や小学校と提携して子どもと触れ合うイベントをおこなっている施設もあります。 筋力維持のリハビリテーション 特養では、食事や排泄などの日常的な動作が自分自身でできるよう「自立支援」を目的とした「生活リハビリ」を中心にリハビリメニューが組まれます。 集団での体操のほか、ゲームや運動などがレクリエーションの一環として提供されます。 医療ケア 特養には最低でも1人以上の看護師が配置され、日々の健康管理や服薬管理がおこなわれます。看護師は、介護職員とともに入所者の体調の変化をチェックし、医療機関での診察が必要な場合には受診のサポートをおこないます。 施設によっては、胃ろうなどの経管栄養法や、人工肛門、インスリン療法、人工透析、疼痛管理などの医療ケアが受けられることも。対応できる施設は限定されるため、これらのケアが必要な場合は施設の担当者に確認しましょう。 看取り体制を整えた施設も多い 従来、特養では、入所者の急変時は救急車を呼んで搬送するという対応が主流でした。しかし現在では、看取りに対応できる施設も多くなっています。 看取りに対応している施設では、医師や看護・介護職員が連携して終末期に適したケアが施されます。 ただし設備面での条件もあるなど、すべての施設が看取りに対応しているわけではありません。施設での看取りを希望する場合は、看取りの実施状況について事前に確認しましょう。 特別養護老人ホームの設備 特養では必要な設備やそれぞれの基準が決められています。ここでは、代表的な施設についてご紹介します。 居室 1人あたりの床面積は10.65㎡以上とすること。 浴室 介護を必要とするものが入浴するのに適したものとすること。 トイレ 居室のある階ごとに分けること。ブザーまたはそれにかわる設備を設けること。 廊下 1.8m以上の幅とすること。 廊下および階段 手すりを設けること。 特別養護老人ホームの一日の流れ 特養での生活について、イメージをつかめない方もいるかもしれません。そこで、ここからは特養の一日の流れをご紹介します。 一日の流れは施設によって多少異なることはありますが、概ね以下のような過ごし方をしています。 6:00起床7:00朝食9:00体操、レクリエーション9:00~16:00入浴12:00昼食13:00レクリエーション15:00おやつ18:00夕食21:00就寝 起床 声掛けなどによって起床します。1人で身支度が難しい場合は、着替えや洗顔などを介護職員が介助します。 朝食 食堂に集まって食事を摂ります。食事介助が必要な方には、介護職員がケアをします。 また、食後の服薬介助、口腔ケアの介助も必要に応じて提供されます。 体操、レクリエーション 身体機能や認知機能の低下を防止するために、体操やレクリエーションがおこなわれます。 作業療法士・理学療法士・言語聴覚士といったリハビリの専門家が常駐している施設では、本格的なリハビリを受けられることもあります。 入浴 週2回以上、入浴できます。複数の入所者が順番に入浴するので、入浴時間が午前と午後に分かれる場合もあります。 昼食 朝食と同様、食堂に集まって昼食を摂ります。 レクリエーション 食後に休憩をはさんだ後、レクリエーションをします。 カラオケや体操など施設内でできるレクリエーションの他にも、天気の良い日には近所にお散歩やドライブに出かけることもあります。 おやつ 多くの特養では、朝・昼・夕の食事のほかにおやつを提供しています。 楽しくティータイムをするだけではなく、おやつを通して四季を感じたり高齢者に不足しがちな水分を補給する機会でもあります。 夕食 夕食も朝食・昼食と同じように、栄養バランスを考えられた献立が提供されます。加えて、特養では飲み込みや噛む力が衰えた方のために、きざみ食やソフト食といった食べやすい形態の食事も提供可能です。 就寝 夕食後の服薬や口腔ケアが終わったら、着替えて就寝の準備。就寝する時間は基本的に自由です。 夜間帯は、スタッフが居室を巡回して見守りしたり、おむつやトイレ誘導などの排泄介助をおこないます。 特別養護老人ホームのメリット、デメリット 特養のメリットは、費用の安さ以外にもあります。また、一方で入所基準が厳しいなどのデメリットもあるため、施設を探す前にしっかり把握しておきましょう。 メリット 最大の魅力は費用の安さ 終身で利用できる 安心の24時間介護体制 最大の魅力は費用の安さ 特養は公共の介護施設のため、費用負担が比較的軽いのが魅力です。入所時の一時金は不要で、月額利用料も10万円前後と民間の介護付き有料老人ホームなどに比べて安い傾向にあります。 また、介護付き有料老人ホームでは介護サービス費・食費・居住費は医療費控除の対象外ですが、特養では2分の1に相当する額が対象となります。このため、確定申告により所得税や住民税が安くなるメリットもあります。 終身で利用できる 同じ公的介護施設でも、介護老人保健施設の入所は原則3ヵ月までと決められています。 一方特養では、入所期間に限度はなく終身での利用も可能です。費用負担も比較的軽いため、長期でも安心して利用できます。 安心の24時間介護体制 特養では、入所者3人に対し介護(看護)スタッフ1人以上の配置が義務づけられており、手厚い介護が受けられます。 日中に比べると少ないものの、夜間も最低1人以上が常駐するため24時間安心して過ごせます。 デメリット 入所条件が厳しい 医療ケアが整っていない場合も すぐに入所できない場合も 入所条件が厳しい 民間施設では要介護度を問わず入居できる施設も多いのに対し、特養では要介護3以上が入所の条件です。要介護1~2の方も特例として入所できるケースもありますが、基本的には要介護度が高い方が優先されます。 また、要介護度だけでなく家庭環境などを総合的に判断し、緊急性が高い方から入所が決まります。このため、自宅での介護が可能な場合はなかなか入所できないこともあるのです。 医療ケアが整っていない場合も 特養では、看護師の夜間の配置は義務付けられていません。このため多くの施設では、看護師による医療ケアは日中のみに限られます。 設備についても充実している施設は限られており、施設内で対応できない場合は退所を求められることもあります。 すぐに入所できない場合も 特養は費用の安さゆえに人気が高く、地域によっては入所まで数年待ちが必要な場合もあります。 入所の順番は、申し込み順ではなく入所予定者の入所の緊急度によって施設側が判断します。本人や家庭の事情を考慮して「すぐに入所しないといけない」と判断された場合は、比較的スムーズに入所できるでしょう。 特別養護老人ホームに入所する流れ 特養には、基本的には以下のステップを経て入所します。 情報収集をする 施設を見学する 申し込みをする 入所事前調査がおこなわれる 入所 情報収集をする まず、特養をインターネットで調べたり資料請求するなどして、情報を収集します。この段階でいくつかの施設に絞り込みをおこないます。 施設を見学する 入所を希望する施設の候補がいくつか絞り込めたら、実際の施設を見学します。施設全体の雰囲気や介護職員の対応など、現場を自分の目で確認しましょう。 申し込みをする 申し込みをする施設の申込書を取り寄せましょう。見学時に書類をもらうこともできますし、郵送やインターネットで手に入れられる施設もあります。 また、申込書以外にも介護保険証のコピーといった書類が必要な場合もあります。必要書類は市区町村によって異なるので、事前に確認しておきましょう。 入所事前調査がおこなわれる 入所の申し込みをすると、施設によって審査がおこなわれます。入所予定者の心身の状態や家庭の状況を考慮して入所の優先順位が決められます。 入所 空室が発生次第、優先順位に基づいて入所予定者に連絡されます。連絡が来たら、入所予定日や契約日の調整をして入所します。 特別養護老人ホームへ早く入所するには? 入所基準が要介護3以上になったことで以前と比べる待機期間は減少傾向ですが、それでも入所まで1年以上かかることもあります。 少しでも早期の入所を希望する場合は、次の方法を試してみてはいかがでしょうか。 同時に2ヵ所以上申し込む 人気の低い居室タイプに申し込む 探す地域を拡げてみる 家族が就職して介護の必要度を上げる 併設の福祉サービスを利用する 同時に2ヵ所以上申し込む 入所を申し込める施設の数に制限はありません。申し込み費用もかからないので第1希望だけでなく第2・第3希望の施設にも申し込んでおきましょう。複数申し込んでおけば、先に空きが出た施設に入所できます。 人気の低い居室タイプに申し込む 特養は居室のタイプで費用が変わるため、月額利用料が数万円高くなるユニット型個室とユニット型準個室は比較的人気がありません。そのため予算内であれば、ユニットタイプに絞って複数の施設に申し込むことで、早期に入所できる確率が高まります。 探す地域を拡げてみる 一般的に人気の高い特養ですが、入所待ちの人数は地域によって差があります。数年待ちが必要な激戦区もあれば、定員割れしていることもあるのです。広域型特養ならどこにお住まいの方でも申し込めるため、探す地域を広げるのも一案です。近隣地域まで範囲を広げることで、比較的早期に入れる施設が見つかるかもしれません。 家族が就職して介護の必要度を上げる 家族が就職することで、入所の優先順位を上げられることがあります。なぜなら、家族が介護ができない状況であれば、入所の必要性が高いと判断されるためです。 具体的には、専業主婦として在宅介護を担っていた人が就職した場合、施設側が入所の必要性が高いと判断します。 併設の福祉サービスを利用する 特養の中には、デイサービスやショートステイなどの在宅介護サービスも提供している施設があります。 こうした特養の在宅介護サービスを利用することで施設側が入所予定者の状況を把握できるため、入所前の審査を有利に進められるとされています。 ゆくゆくは介護施設への入所を検討している場合には、特養が運営しているデイサービスなどを利用するのも待機期間を短縮するのに有効な手段です。 特別養護老人ホームに関するよくある質問 特別養護老人ホームに入居する人はどんな人でしょうか? 特養は誰もが入居できるわけではなく、要介護3以上で65歳以上の高齢者を対象としています。ただし特例として、要介護1、要介護2の人が入居できるケースもあるので気になる施設がある場合、一度問い合わせてみましょう。 特別養護老人ホームと有料老人ホームの違いは何ですか? 両施設を比較すると「入居条件の違い」「費用の違い」「サービス内容の違い」「設備の違い」が挙げられます。 入居条件について、有料老人ホームが比較的自立の人から入居できるのに対し、特養は要介護3以上からが入居条件になります。 また、費用感も入居一時金が基本的に必要になってくる有料老人ホームに対し、特養は入居一時金は不要で月額利用料のみです。 サービス内容においては、レクリエーションなどが豊富な有料老人ホームに対し、特養では基本的に介護サービスが中心で、それに伴い有料老人ホームと比較すると居室面積も最低限に作られている施設が多いです。 特別養護老人ホームはなぜ安いのでしょうか? 特養は、国からの助成金や税金面で優遇されているため安価で運営できています。 入居者にとって初期費用がかからないことはメリットで、介護度が上がっても終身的に生活できるのは魅力的です。その反面、安価ということもありどの施設も満室の傾向が強いというのが現状です。 ▶「いい介護」で有料老人ホームを探してみる { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", ...

2021/11/22

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【動画でわかる!】グループホームの費用はいくらかかる?月額利用料の内訳や初期費用を徹底解説!

認知症の方の入居先を探す際、選択肢に挙がるのが認知症の高齢者が共同生活を営む小規模介護施設「グループホーム」です。 この記事では、グループホームの入居一時金や月額利用料を詳しく解説。グループホームで使える助成制度についてもご紹介しています。 https://youtu.be/5Bec4lhyW4M グループホームにかかる費用の相場 グループホームの費用には、入居時に必要な「初期費用」と毎月発生する「月額利用料」があります。民間、社会福祉法人、医療法人、NPO法人とさまざまな団体がグループホームを運営していることから、施設ごとの費用やサービスには差があります。 初期費用は0円の施設から100万円程度の施設まであり、平均すると10~20万円程度。月額利用料は施設の立地やサービス内容によっても異なり、おおむね15~30万円程度です。 一般的な有料老人ホームに比べると、初期費用・月額利用料ともに費用を抑えて入居することが可能です。 項目 ...

2021/11/15

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