老人ホームの体験入居でチェックしておきたいこと|費用や利用期間は?

老人ホームの体験入居でチェックしておきたいこと|費用や利用期間は?

更新日 2024/03/19

老人ホームの体験入居は資料請求や施設見学だけではわからないことを知る良い機会。いくつも老人ホームを検討している人にとって、体験入居することは判断の決め手につながります。可能であれば一度実際に体験してみることをおすすめします。

  • 老人ホームの体験入居にはどんなメリットがある?
  • チェックするポイントはなに?

体験入居の流れや体験できるサービス内容などもあわせて詳しく紹介します。施設入居の前に、ぜひ確認してくださいね!

体験入居とは?

体験入居とは入居金などの初期費用を必要とせず、正式に入居契約をする前にお試し期間として入居できるサービスのことです。

実際の生活リズムやスタッフの対応などを肌で感じるためにも体験入居をしておくと良いでしょう。とはいえ、宿泊費や食費などの実費を支払わなくてはいけないため、完全無料というわけではありません。

また、体験入居できる日数や実際にかかる費用などは施設によってまちまちです。詳細については体験入居を希望している施設に連絡してください。

体験入居のメリット

ではさっそく、老人ホームへの体験入居にどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

  • 実際のサービスや雰囲気を体験できる
  • においや生活音を確認できる
  • 設備の使用感を確認できる
  • 入居者から生の声を聞くことができる

実際のサービスや雰囲気を体験できる

体験入居を行うと実際にその施設で過ごすことができるので、実際のサービス内容や他の利用者はどのような人がいるのかなどを知ることができます。

入居を検討している施設であれば、あらかじめ資料を取り寄せて読んでいる場合もあるでしょう。しかし紙の上での情報だけでは不十分です。実際に自分自身がサービスを体験することで、スタッフの質やサービスとの相性を確かめることができます。

また、新しい環境は誰もが最初は不安を感じます。まず体験入居を経ることで、その施設の環境に早くなじむことができます。

においや生活音を確認できる

資料などではわからないのが実際のにおいや生活音です。老人ホームでは入居者は共同で使用するスペースが多くあり、その場所の清潔感やにおいは非常に重要です。

トイレ掃除の頻度が少なかったり、ゴミ箱にゴミがたまっていたり。スタッフがどれくらいの頻度で掃除をしているのか、施設の衛生観念などを確認することができます。

また、実際に入居予定の部屋で体験入居が可能な場合には、隣室の物音がうるさくないかもチェックしておきましょう。

夜間も人通りがあるような場所なら、夜中に騒音が聞こえないかもチェックしておくと良いでしょう。

設備の使用感を確認できる

体験入居をすることで入居する部屋や設備の使用感を確認することができます。居室をはじめ、トイレや浴槽、リハビリ施設など。実際に使用できるので、自分にとって使いやすいかを入居前に確かめることができます。

また、施設によっては温泉やシアタールームなどが併設されていて、それが老人ホームを選ぶ決め手につながることもあります。入居する前に自分のイメージとあっているか確認できるのは大きいでしょう。

入居者から生の声を聞くことができる

食事やレクリエーションは他の入居者と一緒に行うのが一般的です。体験入居の間に入居者とコミュニケーションをとる機会も生まれます。

入居者から食事メニューやスタッフの質など。実際に暮らしているからこそわかる生の声を聞くことができます。そのため、体験入居をするのであれば他の入居者と積極的に話すことをおすすめします。

体験入居で受けられるサービス

老人ホームの体験入居時に受けられるサービス

実際に体験入居をすると、どのようなサービスを受けることができるのでしょうか。ポイントごとに説明します。

身体介護

身体介護が必要な場合は入浴介助や排泄介助、食事介助などの介護サービスを受けることができます。

食事

体験入居の場合でも他の入居者と同じメニューで食事が提供されます。

入浴

他の入居者と同様に入浴をすることも可能です。入浴頻度に関しては施設によって差があるため、気になる場合は体験入居をする前に確認しておくと良いでしょう。

生活支援

居室の清掃や家事代行などの生活支援サービスを利用することもできます。居室の清掃頻度は施設ごとに違いがあります。気になるようであれば事前に確認しておくと良いでしょう。

リハビリ

リハビリの頻度や手厚さ、強度は健康維持のために重要なポイントです。

老人ホームで行われる身体の機能向上を目的としたリハビリテーションを体験することもできます。施設によっては毎日、全員で体操をする時間を設けているところもあるようです。

レクリエーション・イベント

入居者の方と一緒にレクリエーションやイベントに参加することができます。クリスマスやお正月といった季節の行事ごとにイベントを開催する施設も多く、さまざまなレクリエーションを経験でき、他の入居者とコミュニケーションが取れます。

体験入居期間にイベントやレクリエーションがあれば良い機会ですので、積極的に参加してみてください。

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体験入居時のチェックポイント

体験入居をする場合、具体的にどのような点をチェックしておくと良いのでしょうか。順を追ってご説明していきます。

サービス内容

入浴介助

老人ホームの体験入居時に受けられる入浴介助

入浴介助は一つ間違えると転倒、大怪我につながってしまいます。介助者やサービスの良し悪しをきちんと入居前に確認しておく必要があるでしょう。

また、機械浴などが設備として備わっている施設もあります。その場合は、どのような人を対象として機械を使用しているのかも事前に確認しましょう。

入居後に介護度が高くなってしまった場合に、自分がサービスを受けられるかどうか知っておくと安心です。

排泄介助

生活をする上で排泄介助は重要なポイントです。一日に何度も受けることになる排泄介助が適切に行われているかは生活の質を左右するといっても過言ではありません。

特に利用者の自尊心に配慮されているか、プライバシーは守られているかといった点は重要なチェックポイントになります。

食事介助

老人ホームの体験入居時に受けられる食事介助

毎日の楽しみである食事は、事前にチェックしておきたいポイントのひとつです。もちろん味付けが好みに合うかは大前提ですが、入居者の健康状態によって食事内容を調整してくれるのか、アレルギーや苦手な食材は配慮されているかなどは要チェックです。

食事のボリュームや使われている食材、味付け、栄養バランスも気になります。体験入居の期間にしっかりチェックしましょう。

リハビリ内容

身体機能の向上や健康維持を期待するのであれば、体験入居の間にリハビリテーションを受けることをおすすめします。実際にプログラムを体験し、どういったリハビリが行われているかをチェックすることは大きな意義があります。

施設によってはリハビリテーションに非常に力をいれている施設もあり、入居後の健康維持が期待できます。専門のスタッフがいるかなども確認しておくと良いでしょう。

レクリエーション・イベント

レクリエーションやイベントでは他の入居者の顔ぶれや性格、介護スタッフと入居者の雰囲気などをチェックできます。体調が優れないといった理由がない限りは、積極的に参加すると良いでしょう。

居室の広さ

老人ホームの体験入居時にチェックしたい居室の広さ

体験入居では、実際に入居をした場合に利用する居室で生活することになります。充分な広さがあるか、衛生的に問題はないかを肌で感じることができます。

体験入居を終え、入居をした後は長期間日常生活を送る場所になります。狭くて閉塞感がないか、収納機能は足りているかなど。実際に生活する上で気になるポイントはあらかじめ確認しておきましょう。

設備

施設の設備は安全面への配慮がしっかりなされているか、衛生的に問題ないかがもっとも重要です。

特に介護度の高い方は、衛生面に問題があると、大きなストレスに。体験入居をする際は居室のトイレは清潔に保たれているか、汚してしまった場合の対応は迅速かといった衛生観念についても確認しておきましょう。

また、災害時の避難経路についてもチェックしておきましょう。万が一の時に入居者の安全を守る体制がどの程度整えられているか。その施設が本当に生活する場所としてふさわしいかどうかを見極める大切なポイントになりそうです。

周辺環境

施設の内部だけではなく、施設の周辺環境もきちんと確認しておきましょう。

家族が訪問するときにアクセスが良い立地なのか、普段の交通量はどれくらいか。周辺の治安環境はいいのか。外出に適したエリアにあるかなどをあらかじめ把握しておくことで、入居後も安心した毎日を過ごすことができます。

施設の雰囲気、介護スタッフの様子

老人ホームの体験入居にチェックしたい介護スタッフの人柄

楽しく快適に暮らすために施設の雰囲気や介護スタッフの人柄も重要です。

入居者と介護スタッフの間に信頼関係があるか、入居者同志の関係は良好か。人と人のコミュニケーションがきちんと取れているか。入居後に心地よく生活をするためにもしっかりと確認しておくと良いでしょう。

体験入居までの流れ

老人ホームの体験入居までの流れ

体験入居は契約前に施設を知ることができるため、入居希望者に大きなメリットがあります。体験入居を終えた後、そのまま本契約をして入居を続けることもできます。

体験入居するには、どのような手続きが必要なのか。その流れについて説明します。

施設見学

まずは、体験入居を希望する施設を見学します。その際は最低でも2〜3ヵ所は見学して、設備や居室の広さ、施設の雰囲気などを比較しておくと良いでしょう。

また、入居条件の順位付けをしておくと、比較検討をする際に見落としが減るのでおすすめです。

申込書提出

体験入居をするにあたり健康診断書、診療情報提供書などの必要書類を提出する必要があります。これらは取得するのに1〜2週間かかる場合もあり、早めに準備をしておくと良いでしょう。

また施設によっては申込金が必要になる場合もあります。その場合は別途書類を提出する必要があるので、詳細などは施設に確認してください。

本人面談・入居審査

現在の身体の状態やそれに伴う介護・看護の状況、普段の生活の様子について面談で確認します。施設への要望なども聞かれることがあるので、気になる点は積極的に相談しましょう。

体験入居

面談が終わり、無事に審査が通過すれば、体験入居がスタートします。実際に生活してみて、見学をするだけではわからなかった施設の雰囲気や、提供されるサービスの質などを確認します。

体験入居を経て問題がなければ本契約に進み、そのまま入居をすることも可能です。

体験入居で必要な持ち物

体験入居に持っていくべき必要な持ち物を下記にまとめました。新しい物を用意する必要は特になく、普段から使用している物を持っていくと良いでしょう。

着替え

下着や、パジャマ、衣服などの衣類は1週間以上滞在するのであれば4〜5日分はあると安心です。宿泊日数や洗濯頻度にあわせて調整してください。

体験入居が1日〜2日程度の短い期間の場合、浴衣などの着替えを用意してくれる場合もあります。

靴は外履き用の靴と室内履き用の靴の2種類が必要です。新しい靴をもっていくと、慣れない場所で怪我をしてしまう可能性もあります。なるべく普段使用している靴を持参してください。

また、スリッパやサンダルなど踵がない靴は足が固定されず、転倒する危険がありますので控えましょう。

口腔ケア用品

コップや歯ブラシ、入れ歯ケースなどの口腔ケア用品は持参します。

歯ブラシはトラベルセットなどの小さいものよりも、持ちやすいように普段から使用している大きさのものを持参することをおすすめします。

薬、医療用具

日常的に服用している薬があれば滞在日数分を用意してもっていきましょう。ほかにも医療用具などが必要であれば準備して持っていくようにしましょう。

消耗品

ティッシュやおむつなどの消耗品はなるべく多めに持参したほうが良いでしょう。最低でも滞在日数分、それよりも1〜3セット多く準備しておくと何かあったときに安心です。

体験入居の費用と日数

体験入居の日数は施設によって差がありますが、1泊2日〜1週間と比較的短めな場合もあれば3ヵ月滞在が可能な場合もあるようです。

本格的な入居の前に不安や疑問点を取り除くという意味でも、納得のいくまで滞在するのが好ましいですが、1週間程度の滞在でも老人ホームでの暮らしや雰囲気がより現実的なものになるかと思います。

また、体験入居の費用についても体験入居を希望する方の介護度や、施設によって差はありますが、1泊5000円〜1万5000円程度のところが多いようです。

体験入居の注意点

他の入居者にとって施設は実際に暮らしている生活スペースで、自宅も同然です。最低限のマナーを守り、共同生活の輪を乱さないよう心がけて行動しましょう。

また、施設には家族との面会や訪問についてルールがあります。体験入居中でも、本入居しているのと同様に、面会頻度や時間帯のルールを守りましょう。

施設はあくまでも共同生活を送る場であるという意識を持ち、大きな声は出さない、決められたルールは守る、プライバシーをきちんと尊重するといった他者への配慮を忘れないことも大切です。

本契約の前に体験入居を活用しよう

老人ホームを契約する前に、できるだけ体験入居しておくことをおすすめします。見学や資料だけではわからないこともたくさんあります。体験入居の制度がない施設の場合、契約後一定期間内なら解約できるクーリングオフ制度を利用して、体験入居の代わりにすることもできます。

ただし体験入居しすぎても、時間と労力がかかる上に、施設の良し悪しが見えすぎて迷ってしまうことにつながります。

資料や見学の段階で施設をいくつか絞り込んで、最終的に残った2,3の候補に体験入居してみるくらいがちょうど良いでしょう。

体験入居を複数の施設で行う場合は、チェックポイントを整理して、優先順位をつけておきましょう。自分が大切にするポイントがどれだけ満たされるかしっかり確認することが大切です。

老人ホームの体験入居に関するよくある質問

老人ホームへ入居する際は体験入居をした方が良いですか?

実際の生活リズムやスタッフの対応などを肌で感じるためにも体験入居をしておくと良いでしょう。ただし、見学のように無料というわけにもいかないので、体験入居の際にかかる費用や提供されるサービスについては、施設側へ確認しましょう。

体験入居の費用はいくらですか?

体験入居の費用は、希望する人の要介護度や施設によって差が生じ、概ね1泊5000~15000円程度のところが多いです。また別途オプションを付ける場合は、金額に変動があるので注意しましょう。

体験入居はいつまでできますか?

体験入居の日数は施設によってさまざまで、1泊2日〜1週間と比較的短めな場合もあれば、最長で3カ月滞在が可能な施設もあります。ただ1週間ほどの滞在でも生活の流れや雰囲気などがわかり、疑問や不安なども解消できるでしょう。

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