【動画あり】特別養護老人ホームと介護老人保健施設の違い

【動画あり】特別養護老人ホームと介護老人保健施設の違い

更新日 2024/03/19

特養と呼ばれる“特別養護老人ホーム”と、老健と略されることの多い“介護老人保健施設”は、どちらも介護保険施設です。提供されるサービスが似ていることから、「どっちを利用するのがいいの?」と迷うことも多い施設なので、両者の違いを各項目で比べてみましょう。

特別養護老人ホームと介護老人保健施設の違い

特別養護老人ホームが介護や生活支援を受けながら過ごす生活の場であるのに対して、介護老人保健施設は在宅復帰を目的としてリハビリに重きを置いた施設です。

施設を利用するための目的が異なるので、入居条件や提供されるサービス、入居可能期間、医師や介護職員のスタッフ数など、さまざまな点で違いがあります。

特別養護老人ホームと介護老人保健施設の違いについて、まずは表を参考に簡単に確認しましょう。

特別養護老人ホーム 介護老人保健施設
役割
終身的に生活できる施設
在宅復帰を目指すリハビリ施設
入所条件・原則65歳以上で要介護3
以上
・40歳から64歳の特定疾病が認められる要介護3以上
要介護1以上
利用期間
終身利用可
3カ月ごとに入居継続を判断
サービス・食事、入浴、排泄介助
掃除、洗濯などの生活支援
・リハビリ、レクリエーションなど
医療ケア、リハビリ、食事
排泄介助など
介護職員
看護職員
入居者3人あたり1人以上の
介護職員
入居者100人あたり3人以上の看護職員
入居者3人に対し1人以上の
介護職員
入居者7人に対し2名以上の
看護職員
医師入居者100人あたり1人以上
※非常勤の場合あり
入居者100人あたり常勤1人
以上
※100名未満でも常勤1人
以上
居室タイプ
(面積)
従来型個室、多床室、ユニット個室、ユニット型準個室
※いずれも10.65㎡以上
入所待機者
多い
少ない

特別養護老人ホームと介護老人保健施設は、入居者する人の状況や施設によって違いがあります。ここからは各項目の違いを詳しく説明します。

特徴の違い

特別養護老人ホームが終身利用できる生活の場であるのに対して、介護老人保健施設は在宅復帰を目的としたリハビリ施設です。目的に大きな違いがあるので、サポート方法やスタッフの数にも自然と違いが生まれます。

特別養護老人ホームは生活の場

特養は、食事や入浴、排泄の介助といった生活サポートから、レクリエーションの開催まで幅広いサービスが提供される

特別養護老人ホームとは、介護保険施設のひとつで公的な施設です。入所条件は原則65歳以上で要介護3以上の高齢者であること。例外として、40〜64歳でも特定疾患が認められており要介護3以上であれば、入所できる場合があります。

特別養護老人ホームは一度入所すると終身利用が可能で、食事や入浴、排泄の介助といった生活サポートから、レクリエーションの開催まで幅広いサービスが提供されます。

特別養護老人ホームについては、テレビや雑誌などで「待機者が多い」という報道がされますが、一概に多いとも言えません。入所希望者の状態や、各施設の状況によって入所スピードは大きく異なります。気になる施設があった場合は、入所までの期間を問い合わせてみましょう。

介護老人保健施設はリハビリ施設

老健はリハビリや医療が中心

介護老人保健施設とは、リハビリをし在宅復帰を目的とした介護保険施設です。そのため、ほとんどの人が3~6カ月ほどで退所する傾向にあります。

入所条件は原則65歳以上で要介護1以上の高齢者であること。例外として40〜64歳でも特定疾患が認められており要介護認定を受けていれば、入所できる場合があります。ただし、介護状態が重いと入所が難しいこともあるので、事前に確認しましょう。

介護老人保健施設の大きな特徴は、医師や看護師、介護士による医療・看護ケアが手厚いことです。在宅復帰できるようになるためのリハビリを中心に、医療や看護、生活支援など、包括的なケアサービスが提供されます。

在宅復帰した後も、他の介護サービスや施設と連携しながらサポートを継続してくれます。

入居可能な介護度の違い

特別養護老人ホームと老人保健施設では、入所条件が異なります。介護度の違いによって入所できるかが決まるので、介護状態も合わせて確認しましょう。

特別養護老人ホームは要介護3以上

特養の入居基準は要介護3からが条件

特別養護老人ホームは、常時介護が必要で在宅での介護が困難な高齢者を対象とした高齢者介護施設です。もともと要介護1~5の方が入所対象でしたが、2015年からは要介護3以上の認定が入所の条件となりました。

基本的には65歳以上の高齢者が対象ですが、特定疾病に罹患している場合は40~64歳までの希望者にも入所が認められます。

要介護3とはどんな状態?

要介護3とは基本的に一人で生活をすることができず、24時間誰かの介助や手助けが必要な状態になります。

身体機能が弱っているので、一人で立ち上がったり、自力で歩くことが難しく、歩行器や車椅子を使用するケースもあります。食事や入浴、排泄にも介助が必要なので、常に誰か付き添いが必要です。

また、身体だけではなく理解力も衰えて、物忘れも多くなります。自宅で家族だけで介護するのには負担が大きく、要介護3になると施設入居を検討した方が良いでしょう

介護老人保健施設は要介護1以上

老健の入居基準は要介護1から条件。主にリハビリを必要としている人向け。

「介護老人福祉施設(特養)」「介護医療院(旧名:介護療養型医療施設)」と「介護老人保健施設(老健)」の3つが、国が定める公的な介護保険施設です。

介護保険施設ですから当然、要介護認定を受けていることが入居条件にはなりますが、特養とは異なり要介護1以上で入居が可能。入居者に対しては食事や排せつなどの基本的な介護サービスが提供されます。

サービスの違い

特別養護老人ホームも介護老人保健施設も提供されるサービスの種類は基本的に同じですが、サービス内容の充実度が異なります。

特別養護老人ホームでは介護や生活支援がメインであるのに対して、介護老人保健施設ではリハビリや医療ケアが手厚く受けられます。

特別養護老人ホームは生活の場としての施設なので、入居者の人に合わせた介護や生活支援、レクリエーションが豊富です。一方で、介護老人保健施設は在宅復帰を目的としているので、自然とリハビリの機会が増えます。

介護サービス、生活支援が提供される特別養護老人ホーム

特養では介護サービス、生活支援サービスが主に受けられる

特別養護老人ホームでは提供されるサービスが法令で規定されているのが大きな特徴です。細かなサービスの違いやオプションサービスの有無は施設によって違いますが、必要となるサービスは施設によって大きな差はありません。

サービスは入居者の状況に合わせて提供されるので、サービス内容を項目ごとに見てみましょう。

食事

特別養護老人ホームでは、栄養士が作成した献立をもとに食事が作られます。栄養バランスが整っているだけでなく、入所者の持病やそのときどきの健康状態、好みなどにも配慮されます。

また、咀嚼・嚥下能力に応じて、硬い食材をミキサーにかけたり汁物にとろみをつけるなどの対応も可能です。

さらに、毎日同じ時間に食事をすることで、生活のリズムが整うというメリットもあります。

入浴

特養では週2回の入浴機会があり、スタッフの介助により安全に入浴できる

多くの特別養護老人ホームでは週2回の入浴機会が設けられ、スタッフの介助により安全に入浴できます。健康上の利用などで入浴できない場合は、清拭などで体を清潔に保ちます。

施設によっては寝たままの姿勢で入浴できる「機械浴槽」が設置され、寝たきりの入所者でも定期的な入浴が可能です

掃除・洗濯

特別養護老人ホームでは、共有スペースはもちろん居室内の掃除も、施設の職員や委託業者によりおこなわれます。洗濯物も、外部のクリーニングに出す必要のあるものを除き施設内で洗濯してもらえます。

日常生活のための能力や身体機能の維持のため、スタッフの援助を受けながら自分で掃除や洗濯ができる場合もあります。このような「自立支援」を希望する場合は施設担当者に相談してみましょう。

排泄介助

一人で排泄するのが難しい入所者は、介護スタッフによる排泄介助が受けられます。排泄を介助することで、清潔を保つとともに感染症の予防にもなります。

尿意や便意を感じにくくなっている場合は、排泄の間隔を考慮してトイレに誘導したり、寝たきりなどトイレでの排泄が困難な人には尿器やおむつで対応するなど、入所者ごとの状態に合わせた介助がおこなわれます

リハビリ

特別養護老人ホームでは、食事や排泄などの日常的な動作が自分自身でできるように「自立支援」を目的とした「生活リハビリ」を中心にリハビリメニューが組まれます。

集団での体操のほか、ゲームや運動などがレクリエーションの一環として提供されます。

レクリエーション

特養にはさまざなイベント事があり、入所者の活力となっている

特別養護老人ホームでは、入所者に楽しんでもらうためだけでなく身体機能や認知機能低下防止も目的として、手芸やゲーム、カラオケなどのさまざまなレクリエーションがおこなわれます。

また、誕生日会やクリスマス会、お花見、七夕といった季節のイベントが毎月のように開催されたり、美術館やショッピングなどで外出することもあります。

さらに、外部から演奏者を招いて音楽会を開いたり、近隣の幼稚園や小学校と提携して子どもと触れ合うイベントをおこなっている施設もあります。

実践的なリハビリが提供される介護老人保健施設

老健は主にリハビリ、医療に特化している施設。介護や食事などはほぼ特養と変わらず。

介護老人保健施設は在宅復帰を目的とした介護保険施設のため、特別養護老人ホームよりもリハビリや医療ケアが手厚いのが特徴です。リハビリ回数やスタッフの人数なども細かく規定されています。

在宅復帰を目指しているとはいえ、入居者の介護度に合わせた介助や、栄養のある食事もサービスの一環として提供されます。

また、施設によっては通所やショートステイでも利用可能なので、入居者の意向や介護状態に合わせて使いわけましょう。

リハビリ

介護老人保健施設には、入所者一人に対して週2回以上のリハビリをおこなうという規定があります(そのうち週1回は集団リハビリでも可)1回のリハビリの時間はだいたい20~30分程度

起き上がりやベッドから車椅子への移乗、歩行訓練など、その人の身体状況に合わせたリハビリがおこなわれています。

施設によっては、週3回以上のリハビリをおこなっている施設もあるので、入所する際は確認しましょう。

医療、看護

医師には診断、診療だけでなく、さまざまな役割がある

介護老人保健施設には、医療従事者の配置に明確な基準が設けられており、入所者100人あたり一人以上の医師の常駐が義務付けられています。

医師は、診断や診療をおこなうだけでなく、看護や介護、リハビリのアドバイザーとしての役割も担っています。3カ月に1度の入所判定をおこなうのも医師の役割で、この判定により入所を続けるかどうかが決まります

介護

リハビリが大きな特徴の介護老人保健施設ですが、手厚い介護も期待できます。

食事、入浴、排泄、着替えなど、身の回りのサポートを入居者の人の状態に合わせて提供。在宅復帰を万全な状態で迎えるための環境が整っています。

食事

介護老人保健施設には基本的に栄養士が常勤しており、栄養士作成の献立をもとにして食事が作られます。栄養バランスはもちろん、入居者の人の持病や健康状態にも配慮されます。

咀嚼機能や嚥下能力が低下している場合には、食材をミキサーにかけるなどの対応も可能です。

設備の違い

どちらも生活設備に差はないが、老健に関してはリハビリ設備が充実している

介護老人保健施設と特別養護老人ホームいずれの場合も、ベッドやトイレ、浴室、食堂といった生活に必要な設備が完備されています。

生活設備にプラスして、診療やリハビリなどの専用スペースも用意されていますが、介護老人保健施設は在宅復帰を目的としている施設のため、リハビリ設備が充実しています。

ただし、設備の充実度合いは施設の方針や規模によるところが大きく、同じ施設形態でも設備は大きく異なります

特別養護老人ホームと老人保健施設の居室タイプ

特別養護老人ホームと介護老人保健施設では、個室タイプから、1室を複数でシェアする多床室まで、4つの居室タイプが主流です。

プライバシーを重視したい、入居者とゆっくり面会したいという場合には、プライベート空間がある居室が人気ですが、施設によっては費用が高額になることもあります。

入居者の意向や性格、費用、面会頻度といった諸条件に合わせて居室タイプを選びましょう

ユニット型個室

ユニット型個室は10人以下でロビー・ダイニング・簡易キッチン・浴室・トイレを共有して共同生活を送る小さなグループ

基本は1室1ベッドの個室。「ユニット」は、10人以下でロビー・ダイニング・簡易キッチン・浴室・トイレを共有して共同生活を送る小さなグループを指します。

1ユニットごとに専任の施設スタッフが担当することになっています。

ユニット型準個室

ユニット型準個室は多床室を改装・分割して作られた個室

ユニット型個室と異なる点は、多床室を改装・分割して作られた個室という点。施設によっては完全な個室になっていない場合もあるため、入居前にしっかりと確認しておく必要があります。

従来型個室

ユニット型個室が登場する前の個室

1室を1人で利用するタイプの居室。以前は単に「個室」と称していましたが、ユニット型個室が登場したことによって「従来型個室」と称することに。

多床室

現在の多床室は4人部屋となっているケースが多い

1室に対して複数のベッドが配置されているタイプで、現在の多床室は4人部屋となっているケースが多いようです。プライバシーなどの観点から、ユニット型個室に切り替える施設が増えてきています。

費用の違い

どちらの施設も一時金は必要ないが、月額費用についてはやや老健が高くなる傾向

特別養護老人ホームと介護老人保健施設では、どちらも一時金は必要ありません。

基本となるのは月額利用料で、生活費としてかかる「居住費」や「食費」、レクリエーションやイベント費用などの「そのほかの日常生活費」、介護保険サービスの費用である「施設サービス費」が共通の内訳として発生します。

項目としては共通していますが、実際に支払う金額は、施設や入居者の介護状態によって異なります。また、同一地域の施設であれば施設サービス費は同額ですが、居住費や食費は施設が設定した金額や居室タイプによって変動します。

ホームページやパンフレットなどの資料に記載されている金額は参考程度に留め、実際に利用する際の費用は、利用者の状態と照らし合わせて事前に確認しておきましょう。

特別養護老人ホームの費用感

特別養護老人ホームの月額利用料の目安は8~14万円前後です。月額利用料とは別に個人的な日常生活費がプラスされます。

費用は主に居室タイプによって変動し、1つの部屋を複数人でシェアするように使う多床室から、プライベートが確保しやすい個室タイプになるにつれて費用が高くなるのが一般的です。

また、特別養護老人ホームはあくまで生活の場としての施設なので、医療的なケアが必要になった場合には、医療保険を利用してサービスを受けなければなりません。

そのため、医療的ケアが発生した場合は、医療費の一部を負担することになります。常時、医療的なケアが必要になる場合には、月額利用料とは別に毎月医療費が発生します。

入居者に持病がある場合には、個人的に負担する医療費も考慮に入れましょう

介護老人保健施設の費用感

介護老人保健施設の月額利用料の目安は8~14万円前後です。目安だけを見ると、特別養護老人ホームと同じですが、実際は介護老人保健施設の方がやや高くなる傾向にあります。

というのも、介護老人保健施設はリハビリや医療的ケアに重きを置く施設のため、設備やスタッフの人数が充実しています。また、提供される介護によっては施設サービス費として請求されることもあるので、月額利用料だけ見ると高くなる傾向にあります。

一方で、介護老人保健施設でおこなわれる日常的な医療的ケアは、もともと施設サービスに含まれています。例外はありますが、介護老人保健施設における医療的ケアは基本的に費用はかかりません。

さらに、介護老人保健施設における施設サービス費は医療費控除の対象となり、世帯によっては税金の還付が受けられる場合もあるので、一度確認しましょう

施設サービス費は医療費控除の対象になる

特別養護老人ホームと介護老人保健施設、どちらの場合でも「施設サービス費」は医療費控除の対象になります。どちらも施設サービスの対価(介護費、食費および居住費)に係る自己負担額として支払った金額が医療費控除の対象となりますが、金額には大きな差があります。

特別養護老人ホームは自己負担額の2分の1に相当する金額、介護老人保健施設では自己負担額の全額が医療費控除の対象です。

特別養護老人ホームと介護老人保健施設ともに、発行する領収書には医療費控除の対象となる金額が記載されることになっているため、対象金額を自身でも確認できます。

利用可能な期間の違い

特別養護老人ホームと介護老人保健施設の大きな違いは、やはり「利用可能な期間」です。施設の目的に沿って、利用可能な期間を改めて確認しましょう。

特別養護老人ホームには期限がない

特別養護老人ホームは生活の場としての施設なので、終身利用が可能です。一度入所できれば同じ施設で終身的に過ごせるのが大きなメリットなので、環境変化を少なくすることができます。

しかし、希望者が多いため、その分待機者も多く、入所までの期間が長くなりがちな点がデメリットとして挙げられます。施設によって待機期間にはバラつきがありますが、人気の施設は待機期間がかなり長くなることもあります。そのため、入所可能になるまで、待機期間中は民間の有料老人ホームを利用する人も多くいます

原則として入居期間は3~6カ月

老健の入所期間は原則として3~6カ月
ただ半年過ぎても退所できないケースも多い

介護老人保健施設では在宅復帰が前提の施設という理由から、入居できる期間には限りがあります。あくまで“原則として”という注釈がつきますが、その期間は3~6カ月と意外と短いと思う人も多いのではないでしょうか。

ただし、現状では「在宅生活ができる状態にまで復帰していない」「家族の受け入れ体制や生活環境が整わない」といった理由から、原則の期間より入所期間が伸びてしまうケースも多く見受けられます

入居期間については、施設やケアマネジャーも相談に乗ってくれるので、不安な人は気兼ねなく相談してみてください。

それぞれ役割や生活スタイルが全く違う

特別養護老人ホームと介護老人保健施設ではそもそもの目的が違うため、役割や生活スタイルにも自然と差が生まれてきます。

特別養護老人ホームが「終身で利用できる生活の場」であるのに対して、介護老人保健施設は「在宅復帰を目指したリハビリ施設」なので、一般的には入院していた病院から在宅へ戻るために利用される施設です。

また、特別養護老人ホームは生活の場の延長として、日常的にレクリエーションが開催されるなど、生活が充実するような工夫を各施設がおこなっています。これに対して、介護老人保健施設は、1日の大半を心身状態の回復とリハビリにあてるサービスが提供されます。

施設によってビジョンや特徴、施設設備が異なるので、利用者の性格や状況にあった施設を探しましょう。

特別養護老人ホームと介護老人保健施設の違いに関するよくある質問

特別養護老人ホームと介護老人保健施設のそれぞれの特徴は何ですか?

特別養護老人ホームが介護や生活支援を受けながら過ごす生活の場であるのに対して、介護老人保健施設は在宅復帰を目的としてリハビリに重きを置いた施設です。

特別養護老人ホームは一度入所すると終身利用が可能で、食事や入浴、排泄の介助といった生活サポートから、レクリエーションの開催まで幅広いサービスが提供されます。

一方、介護老人保健施設は、在宅復帰できるようになるためのリハビリを中心に、医療や看護、生活支援など、包括的なケアサービスが提供されます。

特別養護老人ホームと介護老人保健施設はどんな人が対象ですか?

特別養護老人ホームは、常時介護が必要で在宅での介護が困難な高齢者を対象とした施設で、入居条件は要介護3以上で65歳以上の高齢者です。ただし、特定疾病に罹患している場合は40~64歳までの希望者にも入居が認められます。

一方、介護老人保健施設は要介護1以上で入居が可能な施設です。しかし特別養護老人ホームとは異なり、入居期間が基本的に3~6カ月と定めがあり在宅生活へ戻ることが目的の施設です。

特別養護老人ホームと介護老人保健施設では費用感はどう異なりますか?

特別養護老人ホームと介護老人保健施設では、どちらも一時金は必要ありません。基本的にかかるのは月額利用料の「居住費」「食費」「日常生活費」「施設サービス費」です。

月額利用料の目安は両施設8~14万円前後ですが、介護老人保健施設の場合、リハビリや医療的ケアに重きを置くため、設備やスタッフの人数が充実しています。それにより特別養護老人ホームよりは月額利用料だけ見ると高くなる傾向にあります。

地域から老人ホーム・介護施設を探す

北海道・東北

北海道札幌市)|青森県岩手県宮城県仙台市)|秋田県山形県福島県

関東

東京都神奈川県横浜市 / 川崎市 / 相模原市)|埼玉県さいたま市)|千葉県千葉市)|茨城県栃木県群馬県

甲信越・北陸

新潟県新潟市)|富山県石川県福井県長野県山梨県

東海

愛知県名古屋市)|岐阜県三重県静岡県静岡市 / 浜松市

関西

大阪府大阪市 / 堺市)|京都府京都市)|兵庫県神戸市)|滋賀県奈良県和歌山県

中国・四国

岡山県岡山市)|広島県広島市)|鳥取県島根県山口県徳島県香川県愛媛県高知県

九州・沖縄

福岡県福岡市 / 北九州市)|熊本県熊本市)|佐賀県長崎県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

よく読まれている記事

よく読まれている記事

article-image

介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

article-image

グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

article-image

【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

介護の基礎知識

total support

介護の悩みを
トータルサポート

total support

介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。

鎌倉新書グループサイト