【季節のお楽しみ】老人ホームの行事食|メニューを一挙公開

【季節のお楽しみ】老人ホームの行事食|メニューを一挙公開

更新日 2023/05/10

老人ホームでは季節にちなんだ食事や行事食が提供されています。中には家庭では味わえないメニューもありますが、どのような目的で提供されているのかも含めて解説します。

老人ホームで提供される行事食とは?

老人ホームでは食事がマンネリ化しないように、生活の一部として楽しんでもらえるような献立作りや取り組みがおこなわれています。

例えば、複数あるメニューの中から好きなものを選んで食べられるブッフェ方式は、自分で選べるということだけでなく目でも楽しめることから入居者に人気です。

目の前で魚をさばき新鮮な魚を提供してもらえたり、懐石料理やコース料理のような料理を楽しめる場を設ける老人ホームもあります。

また、日本古来から大切にされてきたお正月や節分、七夕と言った行事にちなんだ料理は、多くの老人ホームで提供されています。

行事食の目的

老人ホームで提供される行事食には、以下のような目的があります。

  • 食欲を増進させる
  • 季節感を味わえる
  • 生活の質を向上させる

食欲を増進させる

老人ホームの中では活動量がある程度決まっており、いつも決まった時間に同じメンバーと食事をすることになります。

変化が少ない老人ホームでの行事食は、普段と違ったものを食べることで箸が進み、食欲を増進させる効果があります。行事食となるとイベントがおこなわれることもあり、生活にも変化が生まれることで食欲が増進することもあります。

季節感を味わえる

ずっと屋内で過ごしていると、四季を感じたり季節感のない生活となってしまいがちです。

老人ホームでの生活は室温や湿度が管理され、快適に過ごしやすい半面、季節感を感じる機会が少なくなってしまうもの。老人ホームでの行事食は、日頃忘れがちな季節感を感じられ目でも楽しめるよう工夫がこらされています。

生活の質を向上させる

老人ホームでの食事は、食べやすさや栄養バランスなどを考慮した献立となっています。そのため食材の大きさや種類などが単調になりやすい面もあります。

老人ホームでの行事食は、普段と違うメニューとなるため普段の食事との違いを楽しんでもらえるよう作られています。行事食には特別感があるので、いつもより楽しく食事ができるという方も多いです。

提供される季節のお食事の例

実際に老人ホームでは行事食や季節に合わせた食事が提供されています。以下では、月ごとのメニュー例をご紹介します。

~おせち・お雑煮~

老人ホームでは1月の行事食としておせち料理がふるまわれる

1月の行事と言えばやはり「お正月」。1月の行事食にはおせち料理やお雑煮は欠かせません。また、1月7日には胃や体をいたわり、一年の無病息災を願って食べる七草がゆもあります。

おせちやお雑煮は地方によってお餅の形も違います。おすましだったり白味噌だったりと地域によって違いがあります。七草がゆは柔らかさがトッピング、味つけを変えられ、目でも味の変化も楽しめます。

~バレンタインデー~

2月の行事は2月3日の節分や、2月14日のバレンタインデーがあります。

見た目もきれいな恵方巻ですが、海苔が噛み切りにくいこともあり老人ホームで提供されるときは海苔を使わないことも多いようです。バレンタインと言えばチョコレートですが、チョコ味のプリンなどにしたりハート型にメニューを盛りつけたりとアレンジできます。

~ひなまつり~

老人ホームでは行事食として3月にちらし寿司がふるまわれる

3月の行事には3月3日のひなまつりとお彼岸があります。ひなまつりには、華やかさもあって食べやすいちらし寿司や菜の花を使ったメニュー、菱餅に似せた盛りつけなどさまざまなアレンジが楽しめます。

お彼岸のぼた餅は喉に詰まらせてしまう危険があるので、その心配の少ない寒天のデザートなどに代用されることもあるようです。

~お花見~

4月は桜の季節ということもあり桜寿司やたけのこご飯などお花見弁当のようなメニューが提供されることが多いようです。山菜や春野菜を使ったメニューや、桜餅といった春や桜のメニューで季節感を感じられます。

~端午の節句~

5月の行事と言えば端午の節句。柏餅やちまきをメニューに取り入れている老人ホームも多いようです。また、ちらし寿司をこいのぼりの形に盛りつけたり、こいのぼりの形をしたケーキなどを提供するところもあるようです。

~和菓子~

6月は旧暦で「水無月」と呼ばれることから、ういろう生地に小豆を乗せた水無月という和菓子を食べることが多いです。

じめじめとした梅雨の季節に当たることから豆や夏野菜を使った料理や、さっぱりとした梅を使った料理やデザートなどでを出して季節を感じられるようにしています。

~七夕・土用の丑の日~

7月の行事は、7日の七夕や土用の丑の日があります。七夕にはちらし寿司やそうめんなど、食べやすくさっぱりとしたメニューが好まれます。土用の丑の日のうなぎも、細かく刻んで混ぜご飯のようにするなど工夫をしながら提供されています。

~精進料理~

8月にはお盆ということで精進料理や、夏祭りの屋台を思わせるメニューが人気です。食欲が落ちやすい季節でもあるので、味つけを濃いめにしたり食事が楽しくなるよう見た目を工夫したりして、少しでも入居されている方に食べてもらえうように努めています。

~重陽の節句~

9月には五節句のひとつである重陽の節句があり、邪気を払い長寿を願うと言われている菊の花を食べる習慣があります。菊花をあしらった料理を食べたり、栗ごはんも人気です。また、十五夜の月見団子なども噛み切りやすいお団子で楽しみます。

~ハロウィン~

10月の行事ではハロウィンが人気です。かぼちゃを使った料理は老人ホームの入居者の方にも親しみやすいので、パンプキンスープやかぼちゃ団子など料理にもデザートでも大活躍です。

~紅葉狩り~

11月は食欲の秋ということもあり旬の食材が豊富でおいしい季節です。紅葉狩りを思わせる行楽弁当や炊き込みご飯、旬のきのこを使った料理が多いです。

~クリスマス・大晦日~

12月の行事といえばクリスマスと大晦日です。年間を通してデザートは提供されていますが、いちごの乗ったショートーケーキは入居者の方にも人気です。

大晦日には年越し蕎麦は外せません。鴨肉や鶏肉、大根おろしなどを乗せて栄養バランスにも考慮されています。

そのほかの行事食

毎月の行事食だけでなく、老人ホームではさまざまなイベントがあり行事食が提供されています。

また、大事なのは食事を通して季節感を味わってもらうことです。食堂のレイアウト・BGM・食器など楽しく食事をするための「環境づくり」も大切です。

誕生日会

毎月お誕生会が開かれる老人ホームも多く、その際には食事にケーキが付いていたり、お誕生会を盛りあげるごちそう感のある華やかなメニューが提供される場合が多いようです。

パンやデザートなどのバイキング

まるでホテルやカフェのような気分で楽しめる、パンやデザートなどのバイキングは老人ホームでも人気のメニューです。ゼリーや果物、低糖質のデザートもあると甘いものが得意ではない方や健康が気になる方にも喜ばれます。

行事食の料金は施設によってさまざま

基本的に老人ホームでの食事代は月々の利用料金に含まれていることが多く、行事食が提供されても特別な料金が必要になることはほとんどありません。ですが、施設によって食堂スタイルやレストランスタイルなどがあり、施設の種類によって値段が変動する場合もあります。

また、入居者の状態によりソフト食やきざみ食、ミキサー食などになったり、食事の種類や選んだメニューによって食事代が変わることもあります。

行事食の料金は施設によっても異なりますので、行事食の内容や料金については施設に確認しましょう。

行事食は毎日の生活に活力を与えてくれる

毎日食べる食事はもちろん、目でも舌でも楽しめる行事食は老人ホームでの生活に活力を与えてくれます。特に、食べることが大好きだった方には、行事食を含めた食事のメニューや味つけなど好みに合わないと、老人ホームでの生活自体に拒否反応を起こしてしまうことも考えられます。

老人ホームを見学する際には試食ができる場合もあるので、入居する方の好みに合わせて老人ホームを選ぶのもひとつの方法でしょう。

老人ホームの行事食に関するよくある質問

老人ホームではどんな行事食が出ますか?

老人ホームでは食事がマンネリ化しないように毎月、行事食を提供していることが多いです。例えば、1月には「おせち料理」、3月にはひな祭りで「ちらし寿司」、5月には端午の節句で「柏餅やちまき」、12月にはクリスマスで「ケーキ」が出たりと施設によってさまざまです。

行事食にお金はかかりますか?

基本的に行事食の料金は月々の食費に含まれていることが多いです。ただし施設によって、レストランスタイルやバイキングスタイルなど形態はさまざまで、それにより金額の変動がある場合があります。

老人ホームで行事食を提供する目的は何ですか?

「食欲の増進」「季節感を感じる」「生活の質を向上させる」といったことを目的としています。

変化が少ない老人ホームで、行事食を食べることにより四季を感じ取ったり、普段とは違うものを食べることで箸も進みます。また、いつもと違うものを食べることで普段より楽しく食事ができるという声も多いです。

▶「いい介護」でイベントが充実している老人ホームを探してみる

よく読まれている記事

よく読まれている記事

article-image

介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY ▶介護付き有料老人ホームの費用に関してはこちらのページをご覧ください 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

article-image

グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

グループホームとは認知症高齢者のための介護施設で、住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスのこと。正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 費用や入居条件などの主な特徴は以下の通りです。 入居時費用約0円~100万円月額利用料約15~30万円入居条件要支援2以上認知症の受け入れ重度認知症も受け入れ可看取り対応対応していない施設が多い この記事では、各項目について詳しくご説明していきます。ご家族が認知症で、在宅での介護生活に不安のある方などはとくに、グループホームへの入居検討の際の参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM グループホームの特徴 グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 項目 ...

2021/11/15

article-image

【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

特集

介護の基礎知識

total support

介護の悩みを
トータルサポート

total support

介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。

鎌倉新書グループサイト