老人ホームに夫婦で入居できる?費用や入るときの注意点を解説

老人ホームに夫婦で入居できる?費用や入るときの注意点を解説

公開日 2022/06/23

「夫婦一緒に老人ホームへ入居すると費用は高いのかな?」「老人ホームに入居してもずっと二人で生活していけるのかな?」「別々に入居しても良いのかな?」などと悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

この記事では、老人ホームに夫婦で入居したときの費用目安や夫婦が同室・別々で入居するメリット・デメリットを解説しています。

「老人ホームに両親を一緒に入居させてあげたい」「今は元気だけど、将来的に夫婦一緒に老人ホームへ入居したい」などと考えている方は、是非、参考にしてみてください。

夫婦で入居できる老人ホームの費用目安

老人ホームに入居する際は、個室二部屋を契約するより夫婦部屋の方が割安

夫婦部屋の費用は、比較的高めに金額設定されている老人ホームが多いですが、個室を二部屋契約するよりは費用を抑えられます。まずは以下で、夫婦部屋と個室を二つ契約した場合の金額の例を見てみましょう。

A有料老人ホーム夫婦部屋個室二部屋
家賃
177,000円
200,000円
管理費
43,000円
44,000円
食費
121,000円
118,000円
合計
341,000円
362,000円

上記のように夫婦二人で老人ホームに入居する場合は、個室二部屋よりも夫婦部屋の方が安いということがわかります。

しかし、老人ホームによっては夫婦部屋も個室二部屋も金額がほぼ変わらないというケースもあるため、居室を選択するときは過ごしやすい方を選ぶと良いでしょう。

夫婦で入居できる老人ホームの注意点

認知症や夫婦で介護度の差があると入居できない場合がある。また夫婦部屋自体少ない

入居したい老人ホームに夫婦部屋があったとしても、身体状況や部屋の数によって入居できない場合があります。以下は、夫婦で入居できる老人ホームの注意点をまとめました。

認知症や夫婦で介護度の差があると入居できないことがある

夫婦のどちらか一方または両方が認知症の場合は、夫婦部屋が空いていたとしても入居できない場合があります。認知症の場合は、同室だと「生活のリズムが合わない」「お互いを傷つける可能性がある」などの問題が生じることがあるからです。

また、夫婦で介護度の差があると入居できない場合もあります。老人ホームの中には、入居条件として要支援・要介護の認定を受けていないと入居できない施設が多々あります。そのため、そのような条件の老人ホームに入居する際は、夫婦のうち片方が自立の場合は入居できません。

どちらかが自立で夫婦揃って生活したい場合は、継続して自宅で過ごすか、サービス付き高齢者向け住宅などの入居条件が比較的厳しくない施設がおすすめです。

夫婦部屋は数が少ない

すべての老人ホームに夫婦部屋があるとは限りません。介護付き有料老人ホーム住宅型有料老人ホームを中心に夫婦部屋の数は増加傾向にありますが、現状はまだ少数です。

競争率が高いため、入居したい老人ホームに夫婦部屋があったとしても既に満室になってしまっているという話も珍しくありません。

夫婦部屋が満室の場合は、夫婦それぞれが一人部屋に入居し、そこで夫婦部屋の空き待ちをするというのも一案です。

老人ホームに夫婦が同室入居するメリット

夫婦が一緒に生活できる、費用が抑えられるというメリットが同室入居にはある

「夫婦でずっと一緒に生活していきたい」との考えから夫婦部屋への入居を希望する方も多いでしょう。以下では、老人ホームに夫婦が同室入居するメリットをまとめました。

メリット①夫婦一緒に生活ができる

長年連れ添ったパートナーと生活できることが一番の安心感につながります。老人ホームに入居することで少なからず精神的に不安定になる場合もあるでしょう。そんなときに長年連れ添ったパートナーがいれば心の支えとなってくれるはずです。

メリット②費用を抑えられる

一般的に同じ施設に夫婦が入居する場合は、個室二部屋を契約するよりも夫婦部屋を契約する方が割安になる傾向が強いです。しかし居室の広さや設備などによっては、個室二部屋を契約する場合とほとんど変わらないこともあります。

居室の費用は各老人ホームによって細かい設定がされているので、入居したい施設に確認しましょう。

老人ホームに夫婦が同室入居するデメリット

同室によりストレスを抱え、住み替えのリスクも可能性としてある

夫婦が同室入居することが必ずしも良いとは限りません。そこにはさまざまな問題点が潜んでいることもあります。以下では、老人ホームに夫婦が同室入居するデメリットをまとめました。

デメリット①同室によりストレスを抱える可能性がある

夫婦部屋は少し広めのワンルームマンションのような設計になっていて、極端に大きな部屋ではありません。そのため同室入居の場合は、常にお互いが近くにいる状態です。

狭い空間に常に二人でいることでお互いにイライラが募り、ストレスを抱えたり、ひどい場合は鬱を発症する可能性もあります。

デメリット②住み替えのリスクがある

どちらかが入院したり亡くなったりした場合は、夫婦部屋に一人で住むことになります。個室と比較すると家賃が高いため、選択肢として「退去する」「空いている個室に移動する」などの住み替えも検討する必要があるでしょう。

ただし、住み替えをおこなうことで、慣れた環境から新しい環境への不安や不満を抱く方も少なくありません。

老人ホームに夫婦が別々に入居するメリット

別々の部屋に入居することで、それぞれの生活リズムで過ごせる。また、夫婦部屋に拘ることはないので施設の選択肢も広がる

身体的・精神的状況から夫婦別々で老人ホームに入居するケースも多々あります。以下では、夫婦が別々で入居するメリットをまとめました。

メリット①それぞれの生活リズムで過ごせる

それぞれの身体状況や希望に合った居室に入居することで、ストレスなく生活することができます。

同室の場合どちらかが要介護状態だと、もう一方が少なからず不安やイライラを覚えることがあるでしょう。そんなとき居室が別々であれば、穏やかに生活することができ夫婦仲も悪くなることはありません。

メリット②老人ホームの選択肢が広がる

夫婦部屋は介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームを中心に増加傾向にあるものの、現状はまだ少数です。

しかし、夫婦で老人ホームへ入居する際に夫婦部屋にこだわらなければ選択肢は格段に増えます。空室の状況次第では、施設の計らいにより隣同士の個室を用意してくれる場合もあります。

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老人ホームに夫婦が別々に入居するデメリット

夫婦別々の部屋で生活することで孤独感を感じる方もいる

夫婦が別々に入居すると思いがけない問題に直面することがあります。以下では、老人ホームに夫婦が別々に入居するデメリットをまとめました。

デメリット①孤独感を感じる

長年連れ添った相手と離れることで急に孤独感を感じる方もいます。「一人になってしまった…」という気持ちから無気力になり、認知症の進行が早まったり鬱状態を引き起こしたりするケースも珍しくありません。

デメリット②費用が高額になる可能性がある

個室二部屋を契約すると夫婦部屋より割高になる可能性があります。老人ホームによっては料金がさほど変わらないケースもありますが、基本的には夫婦部屋の方が安い場合が多いです。

老人ホームに夫婦で入居する際によくある質問

夫婦で入居できる老人ホームはありますか?

老人ホームの中には夫婦で入居できる施設があります。しかし、現状すべての老人ホームに夫婦部屋があるわけではありません。夫婦揃っての入居を考えている場合は、入居したい施設に夫婦部屋があるかを確認しましょう。

入居後にどちらかの介護度が重くなったらどうなりますか?

要介護度の差が大きくなると別室に移動を求められる可能性があります。

特にどちらかが認知症の場合、生活リズムが合わなくなったり暴力を振るったりと、もう一方の生活を困難にしてしまうこともあります。そんな状態を作らないために別室への移動を促している老人ホームが多いです。

どちらかが先に亡くなったらどうなりますか?

どちらかが先に亡くなった場合は、個室への移動を促される場合があります。しかし、夫婦で入居していた部屋を思い出としてそのまま利用したいという方も一定数います。もし一人になった際は、継続して居室を利用するのか、個室へ移動するのかを決めておく必要があります。

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グループホームに必要な人員基準|注意点と他施設との比較

「グループホームの職員はどれくらい配置されてるの?」「夜間に人が少ないと徘徊などに対応できないのでは?」などとグループホームの人員基準に関して疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。 そこでこの記事では、グループホームの人員基準と注意点、他施設との比較に関して解説しています。 「グループホームの入居を検討しているけど、どんな人からサポートを受けられるの?」などと悩まれている方は、是非、参考にしてみてください。 グループホームは主に4つの人員基準で成り立っている グループホームの人員基準は主に次の4つの職種で設定されています。 介護職員 計画作成担当者 管理者 代表者 それぞれの人員基準について詳しく見ていきましょう。 介護職員の人員基準 介護職員は入居者の生活援助や身体介助などの業務を担っており、入居者3人に対して1人以上配置されます。また、複数の人員が配置されるときは、最低1人は常勤職員であることも人員基準で決められています。 入居者の見守りは深夜も必要なため、介護職員は24時間体制で常駐しています。また、複数のユニットがあるグループホームは、ユニットごとに専任の介護職員が配置されます。 計画作成担当者の人員基準 計画作成担当者は入居者一人ひとりに合わせたケアプランを作成する職員で、ユニットごとに1人以上配置されます。なお、1つの事業所に2ユニットある場合は計画作成担当者も2人必要です。 計画作成担当者になるには次の要件を満たす必要があります。 実務者研修基礎課程または認知症介護実践者研修を修了していること 専らその職務に従事する者であること また、計画作成担当者のうち最低1人は、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格の保有が必要です。 管理者の人員基準 管理者とは経営や人事・労務管理など管理業務を担う職員で、ユニットごとに常勤の管理者が配置されます。自らも介護サービスの実施や他の職員の指導をおこなうため、介護の知識や経験も必要です。 管理者になるには次の要件が求められます。 特別養護老人ホームや介護老人保健施設などで3年以上従事した経験があること 厚生労働省が規定する管理者研修を修了していること 特定の介護施設における3年以上の実務経験に加え、認知症高齢者介護の経験も必要です。さらに厚生労働省の管理者研修を受けて、ようやく管理者になるための基準を満たせます。 なお、管理業務に支障をきたさなければ、ほかの職種との兼任も可能です。 代表者の人員基準 管理者の管理対象がユニット単位なのに対し、代表者はグループホーム全体を管理します。代表者になるには、次の要件を満たす必要があります。 介護施設で認知症高齢者介護に従事した経験を持つこと、もしくは保険・医療・福祉サービスの提供をおこなう事業所の経営に携わった経験があること 厚生労働省が定める認知症対応型サービス事業開設者研修を修了していること グループホームの人員基準の注意点 グループホームの人員基準を職種ごとに説明してきましたが、注意する点もあります。しっかり把握したうえで入居施設を選びましょう。 介護職員が常勤ではない場合がある 介護職員の人員基準は入居者3人に対して1人以上のため、1ユニットあたり最低でも2~3人が配置されます。全員が常勤である必要はなく、1人以上の常勤職員がいればパートやアルバイトなどの臨時職員も起用できます。このため、特に食事や入浴など人手が多く必要な時間帯では、非常勤職員が担当となる場合も多いです。 規定の人数が必ず24時間確保されているわけではない グループホームの人員基準は入居者3人に対して介護職員1人と決められています。しかし、適用されるのは日中のみで、24時間この人数が常駐するわけではありません。 人員基準は時間帯によって異なり、夜間や深夜は1ユニットに対して介護職員が1人以上いれば良いとされています。このように、時間帯によっては介護職員が手薄になる場合もあると把握しておきましょう。 規定の3:1を超えない場合もある 入居者3人に対して介護職員1人という比率は、実際に介護現場で働いている職員数ではなく労働時間をもとに計算します。つまり、人手が多く必要な時間帯を手厚くした分、それ以外の時間帯の職員数を抑えることも可能です。このように実際に働く職員数は人員基準をもとに調節されるため、時間帯によっては既定の「3:1」を超えないこともあります。 グループホームによってサービスの質や人員は大きく変わる グループホームの人員の最低基準は厚生労働省によって決められていますが、実際にどのくらい配置するかは施設の裁量に任せられています。このため、基準をギリギリクリアする施設もあれば、基準を上回る人員を確保している施設もあります。 人員が豊富なグループホームは職員一人ひとりにかかる負担が抑えられるため、サービスの質が向上します。逆に人員が少ないと、時間帯によってはサービスが行き届かなくなることも。人員配置によってサービスの質や量は変わるため、入居前に確認することが大切です。 グループホーム以外の介護施設の人員基準 グループホームだけでなく、ほかの介護施設の人員基準も知っておきましょう。介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅、特別養護老人ホームの人員基準を紹介します。 介護付き有料老人ホームの人員基準 介護付き有料老人ホームは、主に介護を必要とする高齢者が介護や生活支援を受けながら生活する施設です。 介護付き有料老人ホームの人員配置の最低基準は、要支援2以上の入居者3名に対して介護職員または看護職員を1名配置する「3:1」と決められています。施設によっては「2.5:1」「2:1」「1.5:1」などさらに手厚い配置にしている場合もあり、サービスが向上する分上乗せ介護費用が発生することもあります。 その他の主な人員は下記の通りです。 施設長(常勤の管理者) 事務員 生活相談員 看護職員 機能訓練指導員 計画作成担当者 栄養士 調理員 住宅型有料老人ホームの人員基準 住宅型有料老人ホームは、食事や洗濯、清掃といった生活支援サービスを受けられる高齢者施設です。 管理者を1人配置する必要がありますが、そのほかの職種の配置義務はありません。このため、下記の職種の配置は施設ごとに必要に応じて決められます。 介護職員 看護職員 生活相談員 機能訓練指導員 サービス付き高齢者向け住宅の人員基準 サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリー化された高齢者向けの賃貸住宅です。一般型と介護型があり、一般型は介護施設のような人員基準は特にありません。 一方、介護型は「特定施設」の認定を受けているため、入居者3人に対して介護職員1人以上の配置義務があります。 特別養護老人ホームの人員基準 特別養護老人ホームは基本的に要介護3以上の高齢者が入居する施設で、介護だけでなく医療ケアにも対応しています。人員基準は入居者3人に対して介護職員または看護職員1人以上の配置が定められています。 また、入居者100人に対して医師1名、看護師3名以上という基準も設けられています。 グループホームの人員基準に関するよくある質問 グループホームの職員の人員基準は? 入居者3人に対して介護職員を1人以上配置することが定められています。また、複数の人員が配置されるときは、最低1人は常勤職員であることも人員基準で決められています。 グループホームでは24時間規定の人員配置? 入居者3人に対して介護職員1人を配置するのは、日中にのみ適用されます。よって、夜間や深夜は1ユニットに対して介護職員が1人以上いれば良いとされています。 グループホームはどのような人員配置なの? グループホームの人員配置は、介護職員・計画作成担当者・管理者・代表者の4つの職種で成り立っています。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "グループホームの職員の人員基準は?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

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