要介護度 | 合計 | 内訳 |
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介護保険 自己負担額 | 賃料 | 食費 |
---|
要介護1 | 95,670円 | 17,190円 | 35,130円 | 43,350円 |
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要介護2 | 97,710円 | 19,230円 |
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要介護3 | 99,840円 | 21,360円 |
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要介護4 | 101,880円 | 23,400円 |
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要介護5 | 103,890円 | 25,410円 |
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出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省)
多床室
出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省)
ユニット型個室
出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省)
ユニット型準個室
出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省)
※特養の入所条件は要介護3以上ですが、特例で要介護1、2の方の入所も認められているため要介護1から記載しています。
ユニット型特養で提供されるサービス
ユニット型特養では、生活支援や介護、医療的ケアなど従来型とほぼ同様のサービスを受けられます。一方、大きな違いはこれらのサービスをプライバシーを保ちながら受けられるという点です。
それでは、どのようなサービスが受けられるのか見ていきましょう。
栄養を考えた食事
特別養護老人ホームでは、栄養士が作成した献立をもとに食事が作られます。栄養バランスが整っているだけでなく、入居者の持病やそのときどきの健康状態、好みなどにも配慮されます。
また、咀嚼・嚥下能力に応じて、硬い食材をミキサーにかけたり汁物にとろみをつけるなどの対応も可能です。
さらに、毎日同じ時間に食事をすることで、生活のリズムが整うというメリットもあります。
施設職員、委託業者による定期的な清掃、洗濯
特別養護老人ホームでは、共有スペースはもちろん居室内の掃除も、施設のスタッフや委託業者によりおこなわれます。洗濯物も、外部のクリーニングに出す必要のあるものを除き施設内で洗濯してもらえます。
日常生活のための能力や身体機能の維持のため、スタッフの援助を受けながら自分で掃除や洗濯ができる場合もあります。このような「自立支援」を希望する場合は施設担当者に相談してみましょう。
入浴は最低でも2回以上
多くの特別養護老人ホームでは週2回の入浴機会が設けられ、スタッフの介助により安全に入浴できます。健康上の利用等で入浴できない場合は、清拭などで体を清潔に保ちます。
施設によっては寝たままの姿勢で入浴できる「機械浴槽」が設置され、寝たきりの入居者でも定期的な入浴が可能です。
介護スタッフによる排泄介助
一人で排泄するのが難しい入居者は、介護スタッフによる排泄介助が受けられます。排泄を介助することで、清潔を保つとともに感染症の予防にもなります。
尿意や便意を感じにくくなっている場合は排泄の間隔を考慮してトイレに誘導したり、寝たきりなどトイレでの排泄が困難な人には尿器やおむつで対応するなど、入居者ごとの状態に合わせた介助がおこなわれます。
豊富なレクリエーション
特別養護老人ホームでは、入居者に楽しんでもらうためだけでなく身体機能や認知機能低下防止も目的として、手芸やゲーム・カラオケなどのさまざまなレクリエーションがおこなわれます。
また、誕生日会のほかクリスマスやお花見・七夕といった季節のイベントが毎月のように開催されたり、美術館やショッピングなどで外出することも。
さらに、外部から演奏者を招いて音楽会を開いたり、近隣の幼稚園や小学校と提携して子どもと触れ合うイベントをおこなっている施設もあります。
筋力維持のリハビリテーション
特別養護老人ホームでは、食事や排泄などの日常的な動作が自分自身でできるよう「自立支援」を目的とした「生活リハビリ」を中心にリハビリメニューが組まれます。
集団での体操のほか、ゲームや運動などがレクリエーションの一環として提供されます。
医療ケア
特別養護老人ホームには最低でも1人以上の看護師が配置され、日々の健康管理や服薬管理がおこなわれます。看護師は、介護スタッフとともに入所者の体調の変化をチェックし、医療機関での診察が必要な場合には受診のサポートもしてくれます。
施設によっては、胃ろうなどの経管栄養法や、人工肛門・インスリン療法・人工透析・疼痛管理などの医療ケアが受けられることも。対応できる施設は限定されるため、これらのケアが必要な場合は施設の担当者に確認しましょう。
看取り体制を整えた施設も多い
従来特別養護老人ホームでは、入居者の急変時は救急車を呼んで搬送するという対応が主流でした。しかし現在では、看取りに対応できる施設も多くなっています。
看取り介護加算の算定が認められている施設では、医師や看護・介護スタッフが連携して終末期に適したケアが施されます。
ただし設備面での条件もあるなど、すべての施設が看取りに対応しているわけではありません。施設での看取りを希望する場合は、看取りの実施状況について事前に確認しましょう。
各ユニットに必ず専任スタッフを配置
厚生労働省の定める特別養護老人ホームの人員配置基準では、入居者3人に対して看護師または介護スタッフを一人配置することになっています。
これに加えてユニット型特養では以下の基準も適用されるため、各ユニットに必ず専任スタッフが配置されることになります。
- 昼間は、1ユニットごとに常時一人以上の介護または看護スタッフを配置する
- 夜間は、2ユニットごとに一人以上の介護または看護スタッフを配置する
- ユニットごとに常勤のユニットリーダーを配置する
ユニット型特養のメリット
ここでユニット型特養のメリットをまとめて見てみましょう。
- 個別ケアが実現
- 比較的新しい建物が多い
- 個室のため家族が訪問しやすい
- 介護スタッフとの関係を構築しやすい
個別ケアが実現
ユニット型特養の居室は全て個室のため、入居者一人ひとりの状況に合わせた個別ケアが可能というメリットがあります。また、プライバシーが守られる上、入居者ごとの生活リズムや性格を尊重した生活をサポートを受けられます。
一方で、共有のリビングスペースを囲んで個室が配置されているため、ほかの入居者とコミュニケーションを取りやすいのもメリットです。部屋を一歩出ればスタッフやほかの入居者と交流できるため、寂しさを感じにくく、ストレスも軽減できます。
比較的新しい建物が多い
ユニット型特養は、平成14年度に施設整備補助基準制度に変更があったことでサービスが開始されました。施設の設計や間取りが従来の基準と異なるため、建物はこれ以降に建てられたケースが多いです。
設備も新しいことが多く、従来型特養に比べて快適な生活空間が期待できます。
個室のため家族が訪問しやすい
居室が多床室の場合、ほかの入居者に気を遣って訪問を遠慮してしまうこともあります。ユニット型特養なら全室個室なので、ほかの入居者に気兼ねなく訪問できます。このため、入居した家族を頻繁に訪ねたい場合にも、ユニット型特養は適しています。
介護スタッフとの関係を構築しやすい
ユニット型特養では、少人数のグループごとに少ないスタッフで介護をおこないます。また、入居者には専任の介護スタッフが配属されます。これにより良好な関係を構築しやすく、一人ひとりに合わせた手厚い介護が期待できます。
また、入居者との良好な関係は介護スタッフにとってもメリットです。働きやすい職場で定着率が高いため、スタッフが頻繁に変わる心配が少ないのも魅力です。
ユニット型特養のデメリット
ユニット型特養への入居を検討する際は、メリットだけでなくデメリットもしっかり確認しましょう。
- 従来型特養と比較して費用が割高になる
- 人間関係のトラブルで居心地が悪くなることも
従来型特養と比較して費用が割高になる
繰り返しになりますが、ユニット型特養は従来型に比べて1カ月あたり4万円程度費用が多くかかります。個室のため賃料が高くなるとともに、光熱費などもやや割高です。
高齢者は収入が限られているため、ユニット型の割高な費用はデメリットと言えるでしょう。
人間関係のトラブルで居心地が悪くなることも
ユニット型特養は従来型に比べて入居人数が少ないため、入居者同士の距離が近く、関係がこじれると修復が難しいことも。人間関係のトラブルが原因で、退去を余儀なくされるケースもあります。
ユニット型特養が入居待ちの場合どうする?
ユニット型特養は人気が高く、希望した施設にすぐ入居できるとは限りません。入居待ちだった場合に備え、次に挙げる対策も検討しましょう。
ショートステイを利用する
入居待ちの期間があまり長くならないようであれば、数日から1週間程度の短期で入所できる「ショートステイ」を利用して空きを待つのがおすすめです。ショートステイを定期的に利用することで、家族の介護負担を軽減できます。
地域包括支援センターに相談する
地域包括支援センターでは在宅介護支援のほか、介護施設探しのサポートもおこなっています。ほかのユニット型特養を探したいときは、地域包括支援センターに相談してみましょう。
入居希望者に合った施設を見つけやすい上、地域包括支援センターのネットワークを使って空きのあるユニット型特養を見つけられる場合もあります。
有料老人ホームへの入居を検討する
できるだけ早い入居を希望する場合は、有料老人ホームへの入居も検討してみましょう。
有料老人ホームは、24時間介護スタッフが常駐し、介護や身の回りの世話を受けられる施設です。ユニット型特養に比べると費用は高い傾向にありますが、一時金が不要など初期費用を抑えて入居できる施設もあります。
このような有料老人ホームに一旦入居し、ユニット型特養が空くのを待つのもひとつの手です。
ユニットケアは国も推進している
ユニット型特養で提供するユニットケアは、プライバシーを守りながらきめ細かいケアができるため、現在、国と厚生労働省が積極的に推進しています。
しかし、施設の改修・建て替え費用が高額になることから、全国の特養でユニットケアをおこなっているのは約3割程度と言われています。
今後はその数が増えていくことが予想されるため、入居先を選ぶ際はユニット型特養を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
新型特養(ユニット型特養)に関するよくある質問
ユニット型特養の特徴は何ですか?
ユニット型特養は、「ユニット」という10人程度の少人数をグループごとに介護する「ユニットケア」をおこないます。共有のリビングスペースを取り囲む形で個室が配置されており、ほかの入居者と交流しやすく、孤立を防ぐこともできます。
ユニットケアはスタッフの目が行き届きやすく、特に介護度の高い人や認知症の人に適したケアスタイルとして注目されています。
従来型特養と比べ費用感は異なりますか?
ユニット型特養の月額利用料は約13万円程度で、従来型多床室の約9万円と比べると4万円ほどの差があります。ユニット型特養は個室のため、賃料が高いことや光熱費などの負担が大きいことが費用に差が生まれる主な理由です。
ユニット型特養の人員配置はどうなっていますか?
厚生労働省の定める特別養護老人ホームの人員配置基準では、入居者3人に対して看護師または介護スタッフを一人配置することが義務付けられています。
これに加えてユニット型特養では、「昼間は、1ユニットごとに常時一人以上の介護または看護スタッフを配置する」「夜間は、2ユニットごとに一人以上の介護または看護スタッフを配置する」「ユニットごとに常勤のユニットリーダーを配置する」という基準も適用され、従来型特養と比較すると非常に手厚いです。
この記事の執筆者
「いい介護」の記事を編集・執筆する専門チームです。介護コンテンツのベテラン編集者や介護施設職員の経験者など、専門知識をもったスタッフが、皆さまの介護生活に役立つ情報をお届けします!
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デイサービスでの脳トレ15選|メリットと注意点の解説
デイサービスで脳トレを実施したいと考えたとき、どんなことをすれば良いのか?どんな効果があるのか?などの疑問もあるでしょう。
この記事では、さまざまな脳トレとその実践方法、効果や実施する際の注意点をわかりやすく解説します。
漢字・日本語クイズ
漢字や言葉のクイズは、アレンジがしやすく、さまざまなパターンで問題をつくることができます。熟語の穴埋めクイズであれば、図版のように、中央の空欄に入る共通漢字を考え、4つの二字熟語を完成させる問題もおすすめです。
ほかにも、正しい送りがなを選ぶ、難解漢字の読み方を考える、対義語を当てるクイズなどがあります。クイズでは、一般的な漢字や言葉を選ぶことが大切です。また、ヒントも用意しておくと良いでしょう。
計算問題
計算力は年齢を重ねるごとに衰えてしまうため、定期的に計算問題を解くことは大切です。
簡単な足し算・引き算を繰り返し解くだけでも、脳は活性化されます。難解な問題で頭を悩ませるよりも、問題が解けたときに達成感を得ることや、楽しんで取り組めることの方が重要です。
脳トレの代表的な計算問題としては、計算式の一部の数字が空欄であったり、計算記号が空欄になっている虫食い問題が挙げられます。複数の数字の足し算・引き算など、応用した問題もおすすめです。
早口言葉の音読
早口言葉の音読は、滑舌を意識して発声することで脳が活性化するほか、口腔内の筋力が鍛えられ、誤嚥を防止する効果も期待できます。また、利用者同士の音読を聴き合いながら大人数でも楽しめるトレーニングです。
早口言葉といっても、発声の速度を重視する必要はありません。
まずはゆっくり、簡単な文章を音読します。繰り返し発声でき、少し速度を早めても発声できたら、少し難しい文章にしてみる、といったように段階的におこないましょう。
昭和クイズ
昭和を思い起こすものや、当時の印象的な出来事などを題材にしたクイズです。
クイズを通して過去の出来事を思い出すと同時に、当時の自分を思い出すことができるため、回想法の役割も果たします。回想法には、自信を取り戻したり、自発性が生まれることで認知症を予防する効果があります。
机上でおこなう形式でも良いですが、スタッフが問題を読み上げて、利用者に回答してもらう方法もコミュニケーションが増えておすすめです。
回文
回文とは、「たけやぶやけた」などのように、上から読んでも下から読んでも同じ文章のことをいいます。図版のように、回文の文字を一部穴埋めにして、空欄に入る文字を考える出題方法が代表的です。
初めは短い回文を出題して、徐々に長い回文にしてみましょう。また、回答しやすくするためにヒントを用意しておくのもおすすめです。
間違い探し
間違い探しは、集中力や注意力、記憶力などを鍛える脳トレです。一見同じように見える2つの絵を見比べて、間違っている箇所を探す方法が一般的ですが、複数の絵の中からひとつ異なっている絵を探す出題方法もあります。
まずは描かれているイラストが大きく簡単なものから出題し、次第に間違い箇所の数を増やしたり、左右や上下が反転している絵の間違い探しにするなど、難易度を少しずつ上げていくとさらに良いトレーニングになるでしょう。
なぞなぞ
なぞなぞは、気楽に取り組める脳トレのひとつです。
答えを考えているときは、普段よりも想像力を大きくはたらかせるため、脳への良い刺激になり認知症の予防にも役立ちます。また、利用者同士のコミュニケーションが自然に生まれ、和やかな雰囲気になるメリットもあります。
なぞなぞのテーマは、動物やスポーツ、季節に合わせたお題など、利用者にとって身近なものを選ぶのがおすすめです。また、なぞなぞは難しすぎないほうがよいでしょう。
糸電話で伝言ゲーム
紙コップで作った糸電話を使い、文章を順番に伝言していくゲームです。お題は自由ですが、なるべく短く、身近な文章が良いでしょう。四字熟語やことわざ、早口言葉などもおすすめです。
伝言ゲームでは、聴き取った文章を記憶して次の相手に伝える必要があるため、記憶力を鍛えることができます。最後の人までお題の通りに伝わっていれば達成感がありますが、文章が変わってしまっていても面白く、場が盛り上がるでしょう。
都道府県当てクイズ
都道府県当てクイズは、さまざまなヒントを参考に、どの都道府県を指しているかを当てるゲームです。記憶をたどり、知識をアウトプットするため、脳の刺激になります。ヒントは複数用意し、必ず答えにたどり着けるようにします。
例えば、図版のように、都道府県のシルエットをひとつ目のヒントにする場合、シルエットで回答できなければ、地方区分、特産物、観光スポットといったように、ひとつずつヒントを追加しましょう。
制限付きしりとり
しりとりにテーマなどの縛りを設けることで、通常のしりとりよりも言語能力や記憶力をトレーニングできます。道具などを用意する必要がないため、手軽におこなえる脳トレです。
例えば、国名・動物などのテーマ縛りしりとりや、文字数縛りのしりとり、カタカナ言葉禁止のしりとり、暗記しりとりなどがあります。
しりとりのテーマによって難易度が変わりますので、利用者に合わせたものを選びましょう。
連想ゲーム
連想ゲームは、代表的なものに古今東西ゲームがありますが、ほかにも、いくつかの言葉をヒントに答えを連想する方法があります。例えば、「冷たい」「固い」「透明」で連想されるものはなにか?という問題なら、答えは「氷」となります。
古今東西ゲームは、すでに誰かが挙げたものは答えられないため、記憶力をきたえられます。いくつかのヒントをもとに答えを連想する場合は、言葉を関連づけて選び出す力、想像力などを鍛える効果があります。
イントロクイズ
楽曲のイントロ部分のみを流し、曲名を当ててもらうクイズです。楽曲は、童謡や懐かしの流行曲、定番の演歌など、利用者に馴染みのあるものを選ぶと良いでしょう。
馴染みのある音楽を聴くことで、リラックス効果が期待できるほか、コミュニケーションが生まれるきっかけにもなるでしょう。また、クイズを通して想起する力を鍛えることもできます。
文字並び替えゲーム
文字の順番が入れ替わっている言葉を読み、元の言葉は何かを当てるゲームです。制限時間内に答えられたら成功です。
例えば、図版の元の言葉は何でしょう?
答えは「かまきり」です。
通常はカタカナで表記する言葉がひらがなになっているだけでも、少しわかりづらくなります。文字数を徐々に増やして難易度を上げていくのもおすすめです。
手遊び
脳トレには、頭を使うものだけでなく、手先を使った手遊びも有効です。単純な動作でも、リズムに合わせて動かしたり、左右で異なる動作をすることで脳が刺激されます。
ここでは、脳トレに有効な手遊びとして以下を紹介します。
指を動かして体操
じゃんけん
あやとりやお手玉などのアイテムを使って遊ぶ
どれも座ったままおこなうことができ、身体への負担が少ないことがポイントです。
怪我防止のためにも、手遊びの前後に手指の体操を実施しましょう。
お題ビンゴ
お題ビンゴとは、数字のビンゴゲームをアレンジしたものです。マス目が空白の用紙に、お題で連想する言葉を各自で書いてもらいます。例えば、お題が「フルーツ」であれば、「りんご」「バナナ」「みかん」などと書きます。
ルールは数字ビンゴと同じで、書いた言葉を一人ずつ読み上げていき、自分の用紙にある言葉が読まれたら丸をつけます。縦・横・斜めどこか一列が揃えばビンゴです。テーマは利用者が考えやすいよう、身近なものにすると良いでしょう。
デイサービスで脳トレを実施するメリット
次に、デイサービスで脳トレを実施する場合、どのような効果やメリットが期待できるのかを解説します。
利用者同士で交流ができる
デイサービスで脳トレをおこなうメリットのひとつは、利用者同士のコミュニケーションを促し、交流を深めるきっかけになることです。クイズやゲーム形式にすることで、自然と会話が生まれたり、笑いのある和やかな雰囲気をつくることができます。
個々の身体・認知状況を考慮した内容にすれば、利用者全体で楽しめるのもポイントです。
脳の活性化につながる
脳トレでは、記憶する、思考する、手先を動かすなど、普段あまり使わない脳の部分を刺激します。繰り返しおこなうことで脳が活性化され、認知症の予防や進行を抑える効果が期待できるといわれています。
生活の質を高める
自分らしく、充実した生活を送るためにも、生活の質(QOL : Quality of life)を向上させることは大切です。脳トレは、クイズやゲームを通して達成感や充実感を得られるため、生活の質を高めることにも繋がります。
身体・認知機能の低下を感じている方は、デイサービスの脳トレを通して自信を持てるようになったり、利用者同士の交流によって心がリフレッシュできるメリットもあります。
デイサービスで脳トレをおこなうときの注意点
デイサービスで脳トレをおこなうときに最も大切なのは、利用者が気軽に楽しんで取り組めることです。脳トレの目的は、正解や成功することではなく、頭を働かせて答えを導き出すことです。間違えたり、失敗してもストレスを感じさせないよう配慮しましょう。
脳トレの内容は、シンプルで分かりやすいルールであること、簡単すぎず、難しすぎない問題であることも大切です。また、利用者同士でコミュニケーションを取りながらおこなえるものがおすすめです。グループに分かれて取り組む場合は、劣等感を持ってしまう方もいるため注意しましょう。
デイサービスでの脳トレに関するよくある質問
脳トレの目的はなんですか?
さまざまなゲームやクイズ、手遊びを繰り返しおこなうことで、記憶力や思考力、注意力などの認知機能を高める目的があります。また、利用者同士の交流による脳の活性化や、生活の質の向上を図ります。
脳トレのレベルはどうしたら良いですか?
利用者の身体・認知機能の状況はさまざまです。問題の内容に得意・不得意もあるため、初級・中級・上級といったように段階的に問題を用意し、個々の状況に合わせて出題しましょう。幅広い分野から出題し、各利用者の満足度を高めることも大切です。
脳トレの時間はどのくらい必要ですか?
問題を解く時間が短いと、利用者が焦りを感じてストレスになる場合もあるため、所要時間を考慮し、適切な時間を確保することが大切です。時間内に解答できれば、達成感や満足感が得られます。時間があまりとれない場合は、短時間で取り組めるものを選びましょう。
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2023/03/31
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高額介護サービス費とは|負担限度額と申請の流れ
本人や家族が介護保険サービスを受けるとき、「費用はどのくらいかかるの?」「毎月払い続けるのは大変」といった疑問や不安を持っている方は多いのではないでしょうか。
介護保険サービス費は、所得に応じて料金の1割から3割を自分で負担しなければなりません。さらに、介護保険の支給限度額を超えてサービスを利用した場合、超過分は全額自己負担となってしまいます。
そこで、介護費用の負担が重くなりすぎることを防ぐため、高額介護サービス費という制度があります。
本記事では、限度額を超えた自己負担分を還付してくれる高額介護サービス費について、その対象サービスや申請方法などを紹介しています。サービスを利用する際の参考にしてみてください。
高額介護サービス費とは
高額介護サービス費は、介護保険サービスの利用者の経済的負担が重くなり過ぎないように設けられた制度です。月々の自己負担額に上限を設け、自己負担が限度額を超えた場合、超過分が払い戻されます。
自己負担の限度額は、サービスを利用する方の世帯所得や個人所得に応じて定められています。
高額介護サービス費の対象となるサービス
では、具体的にどのようなサービスが高額介護サービス費の対象となるのでしょうか。以下の3つのサービスに関して見ていきましょう。
居宅サービス
介護施設サービス
地域密着型サービス
居宅サービス
居住サービスは、自宅で生活しながら受ける介護サービスです。
自宅で介護を受けられる訪問型、施設に通い介護を受ける通所型、短期間の宿泊をともなう短期入所型の3種類がこれに該当します。
例えば、訪問介護や訪問入浴、デイサービス、ショートステイ、などが居住サービスにあたります。
施設介護サービス
施設介護サービスは、介護施設に入居して受ける介護サービスです。
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、介護医療院の4施設が施設介護サービスにあたる公的施設です。
地域密着型サービス
地域密着型サービスは、要介護者が慣れ親しんだ地域で生活を続けられるように提供される介護サービスであり、事業所のある市区町村に住む方のみ利用できます。
主に夜間対応型訪問介護、認知症対応型デイサービス、グループホームなどが地域密着型サービスにあたります。
高額介護サービス費の対象にならないサービス
施設利用時にかかる食費や居住費、日用品の購入にかかる費用は、介護保険の対象外であり、高額介護サービス費の支給対象に該当しません。また、介護保険が適用されていても、高額介護サービス費の支給対象にならないものがあります。対象外のサービスは以下の通りです。
特定福祉用具購入や住宅改修にかかる費用
施設における居住費(ショートステイの場合は滞在費)および食費
理美容代などの日常生活に要する費用
生活援助型配食サービスにかかる費用
高額介護サービス費の負担限度額
高額介護サービス費の負担限度額は、介護サービスを受ける人が属する世帯の所得と本人の所得によって決まります。2021年(令和3年)8月には、限度額に変更があり、高所得者の上限額が引き上げられました。
区分負担の上限(月額)生活保護を受給している方など15,000円(個人)前年の「公的年金等収入額」と「その他の合計所得金額」の合計が年間80万円以下24,600円(世帯)15,000円(個人※1)世帯の全員が市区町村民税を課税されていない方24,600円(世帯)市区町村税課税~課税所得380万円(年収約770万円)未満44,400円(世帯)課税所得380万円(年収約770万円)~課税所得690万円(年収約1160万円)未満93,000円(世帯)課税所得690万円(年収約1160万円)以上140,100円(世帯※1)
出典:高額介護サービス費の負担限度額が見直されます(厚生労働省)
表中の世帯は、世帯合算ができるという意味です。そのため、個人では上限を超えていなくても、同じ世帯に介護サービス利用者がいれば合算できるということです。例えば、夫婦2人とも介護認定を受けていた場合、合算した利用額が上記の自己負担限度額を上回れば、超えた分が払い戻されます。
例として、世帯の自己負担の上限が月24,600円の世帯で、1か月間の自己負担の合計40,000円だった場合は15,400円が払い戻される計算になります。
高額介護サービス費の申請の流れ
介護サービスの利用料が負担限度額を超えると、自治体から支給申請書が送られてきます。受取口座などの必要事項を記入し、捺印して窓口に提出しましょう。一度申請すれば、次回該当月からは自動的に手続きがおこなわれます。
なお、受取口座を変更したい場合は、別途手続きが必要です。
上限額を超えた際、お住まいの自治体から払い戻しの通知と高額介護サービス費の支給申請書が送られてきます
申請書に必要事項を記入・押印します
必要書類を自治体指定の窓口に持参または郵送します
申請が受理されると申請時に指定した口座に振り込まれます
2回目以降については初回に指定した口座に自動的に振り込まれます
申請に必要な書類高額介護サービス費支給申請書
介護保険被保険者証
印鑑
振込先の確認ができるもの(本人名義)
マイナンバー※自治体による
高額介護サービス費の申請には期限がある
高額介護サービス費の申請は、介護サービス利用日の翌月1日から2年以内におこなう必要があります。期限が過ぎてしまうと、該当するサービス料の払い戻しができなくなるので、申請書が届いたら早めに手続きをおこないましょう。
高額介護サービス費の支給方法
高額介護サービス費には、自治体から利用者に直接支給される「本人償還」と、利用者が施設に支払う金額を限度額までとし、超過分は自治体から施設へ支払われる「受領委任払い」の2通りの支給方法があります。
本人償還
通常の支給方法です。利用者が介護サービス料を全額施設に支払い、限度額を超えた金額が後日指定の口座に振り込まれます。
受領委任払い
利用者が全額窓口で支払う場合、利用するサービスによっては高額になってしまう可能性があります。そこで、利用者の施設への支払いは限度額までとし、超過分を直接、自治体から介護施設に支払う方法が受託委任払いです。
ただし、この制度の利用には施設の同意が必要となるため、利用を希望する際は事前に確認しましょう。
よくある質問
高額介護サービス費とはなんですか?
高額介護サービス費は、利用者の費用負担を軽減する制度です。個人や世帯の所得によって決められている月々の負担限度額を超えた場合、払い戻しがおこなわれます。
高額介護サービス費はいつまでに申請すれば良いですか?
介護サービスを利用した月の翌月1日から2年間の間が申請期間です。期間を過ぎてしまうと申請できなくなるので、申請書が届いたら速やかに手続きしましょう。
高額介護サービス費の申請書はいつ送られてきますか?
介護サービスを受けた月の翌々月末頃に送付する自治体が多いようです。例えば、1月に利用した介護サービスの費用は、3月末頃に申請書が届きます。
送付時期は自治体によって異なるので、お住いの自治体に問い合わせておくと安心です。
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2023/03/31
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民間介護保険とは?|メリット・デメリットと賢く選ぶための4つのポイント
公的介護保険だけでは介護費用をまかなう自信がない方や、将来的に有料の介護サービスを利用する可能性がある方は、民間の介護保険を検討しておくと安心です。
まずは、民間介護保険の特徴や仕組み、メリット・デメリットを理解しておきましょう。
民間介護保険は保険会社が販売する保険商品
民間介護保険とは、生命保険会社などの民間企業が取り扱う保険商品です。公的介護保険の自己負担分などを補完する存在として利用され、介護にかかる経済的負担を軽減します。
公的の介護保険には要介護度に応じた利用限度額があり、自己負担が発生します。場合によっては、介護にかかる費用負担を要介護者やその家族だけでは補えないケースもあり、民間の介護保険の必要性が高まります。
ただし、民間の介護保険は自助努力の位置づけです。さまざまな民間企業が販売する保険商品の中から、自分に合った商品を選ぶことが重要です。
認知症保険も販売されている 民間の介護保険商品の中には、被保険者が認知症になったときに保険金や給付金を受け取れる「認知症保険」も販売されています。所定の認知症と診断されると保険料や給付金がまとまった一時金として支払われ、認知症の治療にかかる医療費など介護にかかるさまざまな費用に利用できます。また、認知症の行動が引き起こす他人にケガを負わせたり、お店の商品を破損してしまうなどのトラブルによる損害に備えるためには、損害保険会社が販売する「個人賠償責任保険」を利用できます。「個人賠償責任保険」は、法律上の損害賠償責任を負った場合に発生する賠償金を補償します。
民間介護保険と公的介護保険の違い
民間介護保険公的介護保険給付現金支給現物支給加入任意加入強制加入(40歳以上)給付の対象者被保険者65歳以上の方は要介護(要支援)度に応じて40歳以上65歳未満は特定疾病の方のみ給付額金額設定は任意要介護度に応じて保険料(設定・徴収法など)年齢・加入条件などに応じて65歳以上の方は自治体ごと40歳以上65歳未満の方は公的医療保険の保険料と一括徴収税制優遇介護保険料の一部控除社会保険料の全額控除保険料支払い免除保険商品によるなし手続き先各保険会社各自治体申請にかかる期間各保険会社による1カ月
表の通り、民間の介護保険と公的介護保険の仕組みにはさまざまな違いが存在します。ここからは、最も大きな違いについて詳しく説明します。
民間介護保険は現金支給
公的介護保険と民間介護保険における最も大きな違いは、給付方法の違いです。公的介護保険は、かかる費用の一部を公的保険がまかなうことで介護サービスそのものを給付するのに対し、民間介護保険は現金支給という形で給付します。
さらに民間介護保険では、支払われる金額や支払い方法などの契約内容が、各保険会社によって異なります。そのため、多くの民間企業から販売されている複数の介護商品を比較して、被保険者またはその家族の状況に合った適切な介護保険商品を選び取ることができるのです。
民間介護保険は任意加入
公的介護保険と民間介護保険では、加入方法も異なります。公的介護保険とは異なり、民間介護保険は絶対に加入しなければいけないものではありません。
民間介護保険は、自分から申し込まなければ利用できない任意加入であるからこそ、自分の人生設計に必要性を感じたときに、自分の生活やニーズに合う商品を選択して加入することが大切です。
民間介護保険は基本的に給付の年齢制限がない
公的介護保険の給付対象は、65歳以上もしくは40歳以上65歳未満の特定疾病と認定された介護サービスが受けられる方に限定されているのに対し、民間介護保険の給付条件に年齢制限は、基本的にありません。
よって、契約内容によっては40歳以下の方の場合でも、民間介護保険の給付を受けることは可能です。
民間介護保険のメリット・デメリット
民間介護保険は任意加入だからこそメリット、デメリットを徹底的に比較して、加入する必要性があるかないかを見極めましょう。
民間介護保険のメリット
民間介護保険を利用するメリットには、次のようなものが挙げられます。それぞれ詳しく見ていきます。
介護の経済的な負担を軽減することができる
現金で給付が受けられる
65歳未満でも給付を受けられる
介護の経済的負担を軽減できる
民間の介護保険を利用する最も大きなメリットはやはり、介護にかかる経済負担の不安を軽くできることです。
介護には、介護サービスを受ける費用の他にも、自宅のリフォーム費用やタクシーなどの移動費、介護度によってはおむつなどの消耗品に多くの費用がかかります。
民間介護保険を利用することによって、これらのような介護にかかる経済的な負担を少しでも和らげることができれば、本人だけでなく支える家族の不安感を減らせます。
現金で給付が受けられる
民間介護保険は、現金で支給されることも大きなメリットのひとつです。介護には介護サービス以外にもさまざまな費用が必要になります。しかし、公的介護保険は介護サービスの一部の費用を負担する形で給付されるので、利用用途が限定されます。
民間介護保険で受給した現金は、介護サービスの費用はもちろん、自宅のリフォーム代やおむつ代、さらには生活費などさまざまな費用に利用できます。
65歳未満でも給付を受けられる
民間介護保険では、65歳未満であっても保険金を受け取れるという点も見逃せないメリットです。
65歳未満の働き盛りに介護が必要になってしまう可能性は、まったくないとは言い切れず、そうなってしまうと家計に大きなダメージを与えることになります。年齢を問わず保険料を受給できる点に利点を感じる人も多いでしょう。
公的介護保険の給付対象は、65歳以上もしくは国が指定する16の特定疾病と認定され介護サービスを受けられる人のみです。しかし、民間の介護保険では65歳未満の方であっても保険会社が定めた給付条件を満たしていれば、保険料を受け取ることができます。
民間介護保険のデメリット
民間介護保険を賢く利用するためには、次のようなデメリットをしっかり理解しておくことも大切です。
健康状態によって加入できないケースもある
保険会社が定める給付条件を満たす必要がある
健康状態によって加入できないケースもある
民間の介護保険に加入手続きをおこなう際には、他の保険商品と同じく、保険会社に申込者の現況の健康状態を正しく伝えなければなりません。
ケガや病気などの既往歴がある場合や健康状態によっては、民間介護保険に加入できない可能性があります。
保険会社が定める給付条件を満たす必要がある
民間の介護保険の保険金は、保険会社が定める給付条件を満たしていなければ受け取ることはできません。この給付条件は、公的介護保険に準じている場合もありますが、保険会社独自の基準が定められている場合もあります。
すなわち、民間の介護保険では、要支援・要介護認定を受けていても必ず保険金を受け取れるわけではないということ。
公的介護保険では給付の対象となる要支援や要介護1のケースでも、保険会社の定める給付条件によっては給付対象にならないことが多くあります。
民間介護保険の必要性が高い人・低い人
では、どういった人が民間介護保険の加入の必要性が高い人なのでしょうか? 必要性の高い人と低い人を比べてみましょう。
加入の必要性が高い人
民間介護保険の加入の必要性が高い人には、次のような特徴があります。詳しく説明していきましょう。
介護にかかる費用を自分や家族が支払えない
身近に介護や身の回りの世話をしてくれる人がいない
介護にかかる費用を自分や家族が支払う余裕がない人
図のように、介護に必要な費用は、自宅の改装工事や車いすやベッドなどの設備にかかる一時金が平均74万円、また、介護サービスの費用やや紙おむつなどの消耗品などにかかる費用には月々平均8.3万円ほどかかります。
これらの費用を本人または家族で支払う余裕がない人は、民間介護保険に加入して備えておく必要があります。
身近に身の回りの世話をしてくれる人がいない人
身近に介護や身の回りの世話をしてくれる人がいない方は、有料の介護サービスに身の回りの世話を依頼する可能性が高くなります。そのためにも、民間介護保険を活用して、将来の介護費用を多めに用意しておくことをおすすめします。
加入の必要性が低い人
一方、民間介護保険に加入する必要性が低い人の特徴には、次のようなものが挙げられます。
十分な貯蓄があり保険で補う必要がない人
家族などに身の回りの世話を頼める人
十分な貯蓄があり保険で補う必要がない人
年金やその他の収入、もしくは十分な貯蓄があり、介護費用を自分でまかなえる可能性が高い人は、無理に民間の介護保険に加入する必要はないでしょう。
民間の介護保険に加入する目的は、公的介護保険でまかなえない負担を補うことにあります。よって、自分の預貯金で介護費用をカバーできる場合は、加入する必要性がありません。
家族などに身の回りの世話を頼める人
家族や身近な人に身の回りの世話を頼める人は、有料の介護サービスを利用する必要がなく、介護にかかる費用を抑えることができるので、民間の介護保険を利用する必要性も低くなります。
ただし、介護は家族や身近な人の心身にただならぬ負担をかけます。あまり負担をかけたくないと思うのであれば、民間の介護保険を検討するのも良いでしょう。
民間介護保険を選ぶ際に押さえておきたい4つのポイント
ここからは、自分に合った民間介護保険を選ぶために必ず押さえておきたい4つのポイントを紹介していきます。
貯蓄の有無
民間の介護保険は、次のような2つの型に分かれます。それぞれの特徴などから、自分に合っているタイプを選択しましょう。
掛け捨て型
貯蓄型
掛け捨て型
月々支払う保険料をできるだけ低く抑えたい方には、「掛け捨て型」がおすすめです。「掛け捨て型」の介護保険の保険料は低めに設定されていることが多く、家計にかかる経済負担を無理のない範囲内に抑えることができます。
ただし、「掛け捨て型」の介護保険では、解約返戻金や死亡保険金、満期保険金がないケースが多くあります。つまり、介護保険に加入していても、所定の要支援・介護状態にならない限り、何も受け取れない可能性があることを理解しておかなければなりません。
貯蓄型
介護保険にも、他の保険と同じく「貯蓄型」があります。「貯蓄型」の介護保険は貯蓄としての機能もあるため、所定の要支援・介護状態にならない場合でも、解約時に一定の返戻金を受け取ることができます。
ただし、「掛け捨て型」と同じ保険金額に設定した場合でも「貯蓄型」の方が月々の支払う保険料が割高になります。
保証期間
民間の介護保険では保証期間を自分で設定する必要があり、次のどちらかから選びます。
定期型
終身型
定期型
「定期型」の介護保険には、保証期間が10年や20年など一定期間に設定されている商品と、ある一定の年齢まで保証される商品があります。「定期型」の介護保険のほとんどは「掛け捨て型」で、保険料を安く抑えられるところが最大のメリットです。
ただし、「定期型」の介護保険では、一定の保証期間が終了した後に介護状態になった場合には、保険金の給付が受けられないことを覚悟しておく必要があります。
終身型
生きている限り介護保険の保証を受けたい場合には、一生涯保証が続く「終身型」を選ぶことをおすすめします。
ただし、「掛け捨て型」の「定期型」に比べ、保険料が割高なことはデメリットになるでしょう。また「終身型」では、保険料の支払い負担が長く続くことも理解しておかなければなりません。
受け取り方法
介護保険の受け取り方法は3つのタイプに分かれており、それぞれの特徴から自分に合ったものを選びます。
一時金
年金
併用
一時金
一時金タイプの介護保険では、被保険者に介護が要介護の状態になった時点で、契約時に設定した金額を一時金としてまとめて受け取ります。初期費用など、まとまったお金が必要になったときに役立ちます。
ただし、一時金を受け取った時点で契約が終了するので、介護が長期化した場合は資金が不足してしまう可能性があります。
年金
年金タイプの介護保険では、公的の介護認定を受けたとき、または保険会社独自の支給条件を満たしたときから、1年に1回など契約時に設定した期間に継続して保険金を受け取ります。ただし、まとまったお金が必要になった場合には役立ちません。
年金タイプでは契約時に有期年金と終身年金のどちらかを選びます。終身年金の場合は一生涯、保険料を受け取れるので便利です。
併用
民間介護保険に手厚い保証を求める人におすすめなのが、一時金タイプと年金タイプを掛け合わせたハイブリット型の商品です。被保険者が要介護状態になった時点で、まず一時金を受け取り、その後も継続して定期的に保険金を受け取ります。
併用型の介護保険は良いとこどりの商品ですが、当然ながら保険料が割高になるのがデメリットと言えます。
給付条件
保険会社は次のような2つのタイプの給付条件を設定しており、被保険者は、それぞれの条件を満たしていなければ保証を受け取ることはできません。
連動型
独自型
連動型
「連動型」とは、各自治体が運営する公的介護保険の要介護認定の条件に連動するわかりやすいタイプの商品です。
ただし、自治体が定める要介護認定を受けてからではないと、保証を受けることができません。なんらかの理由によって介護認定が遅れてしまった場合は、民間の介護保険の保証を受けられるまでに時間がかかることがあります。
独自型
「独自型」の保険商品とは、保険会社が定めた独自の給付条件によって保証を受けるタイプです。条件に当てはまるかどうかは、保険会社独自の基準によって判断されますが、基準を満たした場合はすぐに給付金を受け取れます。
ただし、保険会社が定める基準はさまざまです。契約する前に、給付条件をきちんと把握しておくことが大切です。
よくある質問
民間介護保険はどのような人が加入した方が良いですか?
介護にはさまざまな費用が必要になります。介護が必要になったときに、本人もしくはご家族に介護費用を支払う余裕がない方や、身近に身の回りの世話をしてくれる人がいない方は、民間介護保険に加入することをおすすめします。
要介護認定を受けていれば民間介護保険で給付金が受け取れますか?
民間の介護保険の給付基準は、商品によって異なります。自治体が定める要介護・支援認定を受けている場合であっても、保険会社の定める独自の給付条件を満たしていなければ、給付金を受け取ることはできません。
民間介護保険の特約はつけるべきですか?
民間介護保険の特約を付けて保証を手厚くした方が安心ですが、当然のことながら、保険料も高くなります。特約を付けるか否かは、保険料が家計を圧迫してしまわないよう、それぞれの経済状況を踏まえてから決めると良いでしょう。
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2023/03/30
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https://youtu.be/eMgjSeJPT8c
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種類
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2021/10/28
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https://youtu.be/5Bec4lhyW4M
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項目
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2021/11/15
グループホームに必要な人員基準|注意点と他施設との比較
「グループホームの職員はどれくらい配置されてるの?」「夜間に人が少ないと徘徊などに対応できないのでは?」などとグループホームの人員基準に関して疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、グループホームの人員基準と注意点、他施設との比較に関して解説しています。
「グループホームの入居を検討しているけど、どんな人からサポートを受けられるの?」などと悩まれている方は、是非、参考にしてみてください。
グループホームは主に4つの人員基準で成り立っている
グループホームの人員基準は主に次の4つの職種で設定されています。
介護職員
計画作成担当者
管理者
代表者
それぞれの人員基準について詳しく見ていきましょう。
介護職員の人員基準
介護職員は入居者の生活援助や身体介助などの業務を担っており、入居者3人に対して1人以上配置されます。また、複数の人員が配置されるときは、最低1人は常勤職員であることも人員基準で決められています。
入居者の見守りは深夜も必要なため、介護職員は24時間体制で常駐しています。また、複数のユニットがあるグループホームは、ユニットごとに専任の介護職員が配置されます。
計画作成担当者の人員基準
計画作成担当者は入居者一人ひとりに合わせたケアプランを作成する職員で、ユニットごとに1人以上配置されます。なお、1つの事業所に2ユニットある場合は計画作成担当者も2人必要です。
計画作成担当者になるには次の要件を満たす必要があります。
実務者研修基礎課程または認知症介護実践者研修を修了していること
専らその職務に従事する者であること
また、計画作成担当者のうち最低1人は、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格の保有が必要です。
管理者の人員基準
管理者とは経営や人事・労務管理など管理業務を担う職員で、ユニットごとに常勤の管理者が配置されます。自らも介護サービスの実施や他の職員の指導をおこなうため、介護の知識や経験も必要です。
管理者になるには次の要件が求められます。
特別養護老人ホームや介護老人保健施設などで3年以上従事した経験があること
厚生労働省が規定する管理者研修を修了していること
特定の介護施設における3年以上の実務経験に加え、認知症高齢者介護の経験も必要です。さらに厚生労働省の管理者研修を受けて、ようやく管理者になるための基準を満たせます。
なお、管理業務に支障をきたさなければ、ほかの職種との兼任も可能です。
代表者の人員基準
管理者の管理対象がユニット単位なのに対し、代表者はグループホーム全体を管理します。代表者になるには、次の要件を満たす必要があります。
介護施設で認知症高齢者介護に従事した経験を持つこと、もしくは保険・医療・福祉サービスの提供をおこなう事業所の経営に携わった経験があること
厚生労働省が定める認知症対応型サービス事業開設者研修を修了していること
グループホームの人員基準の注意点
グループホームの人員基準を職種ごとに説明してきましたが、注意する点もあります。しっかり把握したうえで入居施設を選びましょう。
介護職員が常勤ではない場合がある
介護職員の人員基準は入居者3人に対して1人以上のため、1ユニットあたり最低でも2~3人が配置されます。全員が常勤である必要はなく、1人以上の常勤職員がいればパートやアルバイトなどの臨時職員も起用できます。このため、特に食事や入浴など人手が多く必要な時間帯では、非常勤職員が担当となる場合も多いです。
規定の人数が必ず24時間確保されているわけではない
グループホームの人員基準は入居者3人に対して介護職員1人と決められています。しかし、適用されるのは日中のみで、24時間この人数が常駐するわけではありません。
人員基準は時間帯によって異なり、夜間や深夜は1ユニットに対して介護職員が1人以上いれば良いとされています。このように、時間帯によっては介護職員が手薄になる場合もあると把握しておきましょう。
規定の3:1を超えない場合もある
入居者3人に対して介護職員1人という比率は、実際に介護現場で働いている職員数ではなく労働時間をもとに計算します。つまり、人手が多く必要な時間帯を手厚くした分、それ以外の時間帯の職員数を抑えることも可能です。このように実際に働く職員数は人員基準をもとに調節されるため、時間帯によっては既定の「3:1」を超えないこともあります。
グループホームによってサービスの質や人員は大きく変わる
グループホームの人員の最低基準は厚生労働省によって決められていますが、実際にどのくらい配置するかは施設の裁量に任せられています。このため、基準をギリギリクリアする施設もあれば、基準を上回る人員を確保している施設もあります。
人員が豊富なグループホームは職員一人ひとりにかかる負担が抑えられるため、サービスの質が向上します。逆に人員が少ないと、時間帯によってはサービスが行き届かなくなることも。人員配置によってサービスの質や量は変わるため、入居前に確認することが大切です。
グループホーム以外の介護施設の人員基準
グループホームだけでなく、ほかの介護施設の人員基準も知っておきましょう。介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅、特別養護老人ホームの人員基準を紹介します。
介護付き有料老人ホームの人員基準
介護付き有料老人ホームは、主に介護を必要とする高齢者が介護や生活支援を受けながら生活する施設です。
介護付き有料老人ホームの人員配置の最低基準は、要支援2以上の入居者3名に対して介護職員または看護職員を1名配置する「3:1」と決められています。施設によっては「2.5:1」「2:1」「1.5:1」などさらに手厚い配置にしている場合もあり、サービスが向上する分上乗せ介護費用が発生することもあります。
その他の主な人員は下記の通りです。
施設長(常勤の管理者)
事務員
生活相談員
看護職員
機能訓練指導員
計画作成担当者
栄養士
調理員
住宅型有料老人ホームの人員基準
住宅型有料老人ホームは、食事や洗濯、清掃といった生活支援サービスを受けられる高齢者施設です。
管理者を1人配置する必要がありますが、そのほかの職種の配置義務はありません。このため、下記の職種の配置は施設ごとに必要に応じて決められます。
介護職員
看護職員
生活相談員
機能訓練指導員
サービス付き高齢者向け住宅の人員基準
サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリー化された高齢者向けの賃貸住宅です。一般型と介護型があり、一般型は介護施設のような人員基準は特にありません。
一方、介護型は「特定施設」の認定を受けているため、入居者3人に対して介護職員1人以上の配置義務があります。
特別養護老人ホームの人員基準
特別養護老人ホームは基本的に要介護3以上の高齢者が入居する施設で、介護だけでなく医療ケアにも対応しています。人員基準は入居者3人に対して介護職員または看護職員1人以上の配置が定められています。
また、入居者100人に対して医師1名、看護師3名以上という基準も設けられています。
グループホームの人員基準に関するよくある質問
グループホームの職員の人員基準は?
入居者3人に対して介護職員を1人以上配置することが定められています。また、複数の人員が配置されるときは、最低1人は常勤職員であることも人員基準で決められています。
グループホームでは24時間規定の人員配置?
入居者3人に対して介護職員1人を配置するのは、日中にのみ適用されます。よって、夜間や深夜は1ユニットに対して介護職員が1人以上いれば良いとされています。
グループホームはどのような人員配置なの?
グループホームの人員配置は、介護職員・計画作成担当者・管理者・代表者の4つの職種で成り立っています。
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2023/02/13
介護の悩みを
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