前職では、介護施設の運営事業者にて施設長などをしていた小林さん。そんな、”介護施設のプロ”とも言える小林さんでも「介護施設のことを何もわかってなかったな」と感じたことがあったそうで…?
さらに、小林さんは若年性アルツハイマーの方の施設探しをお手伝いしたこともあるそう。若年性アルツハイマーの方は「若いから介護が大変」という面があるとのこと。どういうことなのか、詳しく聞いてみました!
―「いい介護」の入居相談員をする前は、どんな仕事をしていたんですか?
前職では、有料老人ホームで営業や施設長、生活相談員を経験しました。現場の介護スタッフとしてではなくて、営業や運営面で介護に携わっていましたね。
―有料老人ホームの営業というと、どんな仕事なんですか?
施設でお客様の見学のご案内をしたり、ご契約の手続きをしていました。
お客様のお悩みを聞いて、施設のご案内をして…と今の仕事と近しい内容ではありますね。
―老人ホームの運営会社で働いていた小林さんが、いわゆる「老人ホームの紹介センター」に転職されたのは、何かきっかけがあったんですか?
「介護施設のことを何も知らないな」と感じたからです。
―老人ホームで営業をしていたのに、ですか?
ええ、そうなんですよ。
以前、義父の老人ホーム探しをしたことがありまして。義父は新型コロナに罹患したことがきっかけに入院したのですが、大きな病気を持っていることもあって入院期間が長引いてしまったんです。
そうしたら途端に身体機能が落ちてしまい、自宅には戻れないと思ったんです。そこで施設探しを始めました。自分が施設を探す立場になって初めて「介護施設のこと実はよくわかってなかったな」と気がついたんです。「自分が働いている施設のことしかわかってないじゃん」って。
―いろんな施設のことを調べる必要性が出たからこそ気がついたんですね。
義父の施設探しをきっかけに、自分の会社が運営している介護施設だけではなく、いろんな施設のことを知りたいと思ったんです。
私が働いていた施設の周辺であればなんとなくイメージできたんですが、違う地域となるとまったくわからず…。まさに”井の中の蛙”でしたね。
―介護施設で働いていた小林さんですら「介護施設のことをよくわかってない」と感じるのであれば、これまで介護の必要性がなかった方にとってはなおさらですよね。
本当にそうだと思いますよ。「いい介護」では、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの民間施設をご案内していますが、普通はそうした種類があることも知らないでしょうし。
さらに、特別養護老人ホームなどの公的施設もいくつも種類があるわけですから、混乱するのは無理もないと思います。
―介護は施設の種類もたくさんありますし、制度もややこしいですもんね。
ついこの間まで元気だったご家族が倒れて、急に介護が必要になった場合、何からして良いのかわからないと思います。「介護申請ってどうすれば良いの?」と。そこから施設探しとなると、費用の相場もわからないでしょうし。
そこで、「いい介護」にご相談いただいて、私が「この地域であれば、ここの施設はどうですか?」とパッとご提案できたらかっこ良いですよね(笑)。
―これまでご相談を受けたなかで、印象に残っているエピソードはありますか?
「若年性アルツハイマー」の親御さんの施設探しのご相談が印象に残っています。60代前半のお母様が若年性アルツハイマーになってしまって、息子さんが施設探しをしていらっしゃいました。
施設探しを始める際に、息子さんに「入居する施設に求めることは何ですか?」とお聞きしたところ、「周囲に人の雰囲気があるところが良い」「母が孤立しないように配慮してほしい」とおっしゃいました。
―お母さんが「孤立しないように」なんて、とてもお母さん思いな息子さんですね。
でも、お母様と息子さんは、もともとはあまり仲が良くなかったそうなんですよ。おふたりにどういった過去があるのかは詳しくお聞きしていませんが、ただ、「今回の施設探しが、母のことを改めて理解するきっかけになりました」とおっしゃっていたのが印象的で。
息子さんは、施設探しを始めて私のような入居相談員や施設担当者とお母様について話す機会が何度もあったそうです。そのなかで「そういえば、あれが好きだったな」とか「こういう性格だったな」と振り返るタイミングがあったんだと思います。
「人に話すことで、母を改めて知るきっかけになりました」と息子さんはおっしゃっていましたね。
―施設探しがきっかけになって家族のことを改めて知る…なんだか感動ですね。
息子さんとお母様の絆を結び直すお手伝いができたようで、なんだか嬉しくなったのを覚えています。
その後、息子さんの希望をふまえて、四人部屋の施設をご案内しました。最近の有料老人ホームのほとんどは一人部屋なので珍しいのですが、四人部屋なら同室の方の生活音が聞こえて「周囲に人の雰囲気があるところが良い」という点にマッチしていると考えました。
―四人部屋というと、プライバシーが守られるのか心配なイメージがありますが…。
確かに、一般的な四人部屋は、カーテンなどで仕切られただけなのでプライバシー確保の面で心配ですよね。
でも、その施設は四人部屋と言えどカーテンではなく家具や障子で区切られていました。そのため、一般的な四人部屋よりも個室のような感覚で生活できると思ってご案内したんです。
それと、スタッフさんがレクリエーションなどに頻繁に誘ってくれる施設なので、お母様が孤立することもないと思ったんです。
―まさに、息子さんのご希望とぴったりの施設だったわけですね。
複数の施設を見学されて悩んでいらっしゃいましたが、最終的には私がご案内した施設に入居されました。
四人部屋に抵抗感のあるお客様も多くいらっしゃるので心配でしたが…最終的にはお気に召していただいてホッとしたのをよく覚えています。
―ちなみに、若年性アルツハイマーの方は、一般的な認知症の方とは症状が異なることはあるんでしょうか?
うーん…ご高齢者の認知症と症状が異なることはほとんどありません。ただ、介護者の視点に立つと、若年性アルツハイマーの方は若いからこそ大変な面がありますね。
―「若いからこそ大変」?どういうことですか?
若年性アルツハイマーになるのは50~60代前半の方が多いのですが、ご高齢者よりも体がお元気なので、徘徊の危険性が高まります。足の筋力が衰えておらず走れるため、転倒のリスクも高くなります。
特に在宅介護だと、ご家族が追いかけようとしたら走って逃げて転倒したり、ご本人が物にぶつかって怪我をしたりする可能性もありますよね。
―それは…とても危険ですね!
それに介護を受ける方が男性の場合、まだまだ力が強い年代ですから、抵抗されたら女性は敵わないと思います。奥さんや娘さんが介護するのは大変じゃないでしょうか。
…あとは、お風呂やトイレの介助に、より配慮が必要ですよね。
―というと?
50~60代で、認知症がまだ進んでいない方の場合、異性から介助されるのは抵抗がある方が多いです。家族ならともかく、「介護スタッフは同性に介助してほしい」とおっしゃいます。
施設側もなるべく同性スタッフが介助するように配慮しますが、人員の関係で異性のスタッフが介助することもあるのが実情です。ですので、必ず同性スタッフが介助できるわけではないという点は、事前にお伝えしていますね。
そういった理由で若い方が入居される場合は、介助するスタッフの性別の配慮がより必要になります。
―「いい介護」の入居相談員のやりがいってどんなところですか?
いろんな方のお悩みに応えられるところですね。
お客様は、何かしら悩んでいたり聞きたいことがあるからネットで検索していると思います。でも、自分の悩みの答えが見つからない。そういう解決できない悩みを持った方が、お電話いただいてると思うんですよね。「いい介護」はそういうお悩みの受け皿の役割をしているんじゃないでしょうか。
―悩みを何でも受け止めてくれる窓口、というイメージでしょうか。
そうです、そうです。
「いい介護」では、老人ホームはもちろん、介護全般の知識が豊富な入居相談員が常駐しています。それに、経験豊富な入居相談員も多いですから、過去の事例や各施設の対応内容についても丁寧にお答えしていますよ。
―ベテランの入居相談員が対応してくれるのは安心できますね。
どの入居相談員も、「そのお客様に合う施設が見つからなかったとしても、せっかく頼っていただいたからには自分の知識を駆使してお悩みを解決したい」と思ってご相談に乗っています。もちろん、良い施設が見つかって解決するのが一番ですが(笑)。
私も、お悩みに答えられるように、毎日、全力でお客様の相談に乗っていますよ!
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