「こうした方が良い」という思いがあっても、押し付けずにお客様にいくつかの選択肢をご提案するようにしています

「こうした方が良い」という思いがあっても、押し付けずにお客様にいくつかの選択肢をご提案するようにしています

更新日 2024/06/17

入居相談員をする前は、居宅介護支援事業所を訪問してケアマネジャーさんに「いい介護」を知ってもらうための営業をしていた鴻池さん。その前は老人ホームの運営会社で入居相談を受けるなど、さまざまな形でお客様の入居をサポートしていた経験を持ちます。

そんな鴻池さんに、意外な”老人ホーム探しのコツ”について教えてもらいました!

―鴻池さんは、以前はケアマネジャーさんへの営業をしていましたよね。入居相談員として入居されるご本人やご家族とお話するのがメインとなったことで、ケアマネジャーさんとお客様とで話す内容がまったく変わってくるんでしょうか?

そうですね。一般のお客様に対しては、より分かりやすくお話しする、ということが違うでしょうか。

ケアマネジャーさんはプロなので介護のことはよくわかっていらっしゃいますが、一般のお客様は介護のことがまったくわからない。実際に入居相談を受けていても「介護保険って何ですか?」というお問い合わせが多いんですよね。

―これまで介護に縁がなかった方は、介護保険制度なんてよくわからないですよね。ややこしいし…。

意外と介護保険について勘違いしていらっしゃるお客様も多くて。過去には介護保険料を支払っているからもう利用料払わなくて良いよね」と言う方もいましたね。そういう方には「負担割合は人によって異なりますが、介護サービスを利用すれば利用料はかかりますよ」とお伝えしています。

あとは、「サービス付き高齢者向け住宅って何ですか」と施設種別に関するお問い合わせも多いです。”老人ホーム”とか”介護施設”とひとくちに言っても、いろんな種類の施設がありますからね。

―そうなんですよね!施設の種類がいろいろあるから、どれを選べば良いかわからない方も多いと思います。

ただ、なかには施設種別についてご自身で調べたからこそ視野が狭まって、選択肢を減らしてしまっているお客様もいるんです。

―自分で調べたからこそ視野が狭まる?どういうことでしょうか?

例えば、ネットなどで調べるとサービス付き高齢者向け住宅は「元気な高齢者が入居できる住宅」といった説明がされています。その説明を読んだら、「介護が必要だとサービス付き高齢者向け住宅は入居できない」と思いますよね。ほかにも、グループホームの「認知症の方のための施設」という解説文を読んで、「うちの親は認知症だからグループホームじゃないと入れない」と勘違いされている方も。

実際には、サービス付き高齢者向け住宅でも介護が必要な方も入居できますし、認知症の方の受け入れをしているところもたくさんあるんですよ。

ネットの情報だけで選択肢を狭めた結果、入居先が見つからなくてご相談いただくこともあります。特に「親が認知症だからグループホームしか入れない」と考えているケースだと、グループホームは居室数も少なく空きが出にくい施設なのでなかなか入居できない。グループホームだけにしぼって施設探しをしているとすぐには入居先が見つからないでしょうね…。

―「早く入居したい」と思っている方は多いですから、空室が出ないのは本当に困りますね。

そうなんですよ。だからこそ視野を広く持っていただきたいんです。

それに、サービス付き高齢者向け住宅のなかでもお元気な方向けの施設はマンションのような建物のことが多いんですが、認知症の方や要介護の方を受け入れているところは設備が介護付き有料老人ホームとほとんど変わらないこともあります。

―へぇ、同じサービス付き高齢者向け住宅でも全然違うんですね!

サービス付き高齢者向け住宅でも、別途、介護サービスの契約をすれば介護を受けられます。実は、いくつかの介護サービスを組み合わせることで、介護付き有料老人ホームとなんら変わらない対応ができるところもあるんですね。

―それは入居相談員だからこそ知っている情報かもしれませんね!

私がご案内した方のなかにも、はじめは介護体制が整っている介護付き有料老人ホームにしぼってを探していたけど、最終的にサービス付き高齢者向け住宅に入居されたケースがあります。
その方は要介護4で食事介助などのさまざまな介助が必要で、当時は介護老人保健施設に入所されていました。

もともと介護付き有料老人ホームの入居順番待ちをされていたのですが、「今暮らしている介護老人保健施設の生活が嫌で耐えられない。すぐにでも転居したい」とおっしゃっていたので、空室があったサービス付き高齢者向け住宅をご案内して入居されました。

―この方も介護付き有料老人ホームだけにしぼって施設探しを続けていたら、もっと時間がかかっていましたよね。

そうだと思います。ご案内したサービス付き高齢者向け住宅は常に介助が必要な方もたくさん入居されているところ。ご家族が見学に行かれると「介護付き有料老人ホームではないけど、しっかり介護してくれて安心」と気に入っていただけたんです。

―「こんなはずじゃなかった」と後悔しない施設選びのコツってありますか?

まずは希望の条件に合う施設をいくつかにしぼってから見学に行くことが大切ですね。老人ホームはたくさんありますが、「場所」「予算」「要介護度」である程度は数がしぼれます。いくつか候補を挙げたうえで複数の施設に見学に行ってみることをおすすめします。

あとは、条件の優先順位をつけること。残念ながら、希望する条件を全部満たす施設はまずありませんから、いくつかの施設で迷っているときは優先順位の高い条件を満たしている施設を選ぶ方が後悔は少ないでしょう。

それと、見学に行った際に施設の担当者とよくすり合わせしておくことですね。

―「すり合わせ」ですか?

やってもらいたい対応はしてもらえるのかとか、医療的ケアが必要ならそれに対応できるかとか。施設側も「こういう形であれば対応できます」と調整してくれることも多いんですよ。
建物がきれいとかそういうことも大切ですが、見学は施設とケアの内容をすり合わせる場として活用していただきたいです。

対応内容などのソフト面はパンフレットだけではわからないことなので、見学に行って施設ときちんとすり合わせしてミスマッチをなくすのが施設探しのポイントです。

―鴻池さんが入居相談を受けるうえで心がけていることはありますか?

私のなかで「こうした方が良い」という思いがあっても、それを押し付けずにお客様に複数の選択肢をご提案する、ということです。

―それってどういうことですか?

例えば、夫婦部屋で入居の順番待ち申し込みをしたい、とおっしゃっている方がいるとしますよね。ご夫婦部屋ってそもそも設けている施設数も少なければ居室数も少ないので、空きが出にくいんですよ。なので、お一人部屋を2室借りる方が早く入居しやすいです。

私としては個室2室借りる方が早く入居できてご家族も安心だと思うんですが、そこは押し付けずにひとつの選択肢としてご提案するに留める。夫婦部屋が空くのをじっくり待つか、早く入りやすい個室2室を借りるか…お客様にとってどちらが良いかわからないので、決めつけずに選択肢として両方ご提案をしています。

―「こういう選択肢もある」と伝えたうえで、どちらを選ぶかはお客様に決めてもらうということですね。

もちろん、迷わないで済むようにできるだけお客様の要望に合った施設をご提案するように心がけています。が、すべての要望が叶うとも限らないのが実情なんです。なので、お客様にはまずは心配事や要望をすべて話してもらって、施設側とすり合わせつつ納得のいく施設を選んでいただけたら、と思っています。

【プロフィール】
鴻池 商太朗
兵庫県神戸市生まれのB型。1歳の女の子と0歳の男の子の父。料理が好きで、揚げ物が得意。大好物のからあげを自宅で揚げることもあるんだそう。趣味は料理、読書…と完全インドア派だったが、子どもが生まれてピクニックや動物園に行くようになったそう。ただ、「ママが良い!」と、寝かしつけは妻の担当。

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