もともと入居相談員として入社した宮崎さん。その後、「いい介護 編集部」で解説記事の作成業務を経験した後、再び入居相談員として戻ってきたという異色の経歴を持ちます。
編集部での経験が入居相談に活きることがあるのだとか。詳しく聞いてみました!
―宮崎さんは、以前はデイサービスで働いていたんですよね。もともと介護業界に興味があったんですか?
いえ、介護に関わるようになったのはたまたまというか。不思議な縁です。
というのも、私は新卒で入社した会社を辞めてアルバイトをしている時期があって、その仕事先の同僚が介護職員初任者研修を受講していることを聞いたんです。「手に職をつけたい」と思って私も受講しました。資格を取得した後、この資格を活かそうと思ってデイサービスで働き始めたのが介護業界に足を踏み入れたきっかけです。
デイサービスで働くのは楽しかったのですが、腰を痛めてしまって…。
―仕事は楽しいけど、腰を痛めてしまう…”介護職員あるある”ですね。
そうなんです。介護の仕事は好きだったので介護福祉士の資格を取るまでがんばりましたが…無理が利かなくなってしまいました。
介護現場は身体的に難しいけど、介護の仕事は好き。現場ではなくてお客様の人生に寄り添える仕事ができたらな、と思って入居相談員として働き始めたんです。
―宮崎さんは「いい介護 編集部」の一員だったので、入居相談員の仕事は久しぶりですよね。しばらくぶりにご相談を受けてどうですか?
やっぱり楽しいですね!もちろん、編集部の仕事が嫌だったわけではありませんよ。
ただ、私は人とコミュニケーションを取るのが好きなので、相談員はやりがいがありますね。ご家族はもちろん、入居するご本人ともお話ができてうれしいです。
―具体的に、どんなときにやりがいを感じますか?
ご家族やご本人が納得して入居されたときは、やりがいを感じる瞬間です。入居されて「本当にありがとう」と感謝していただけると、こちらもうれしくなります。
つい先日も、施設探しに苦労している方の入居先が見つかって、「宮崎さんに相談して本当に良かった」とご本人から電話をいただいて。そのときに「入居相談員をやっていて良かったな」と思いましたね。「人の役に立つ仕事って良いな」と思いました。”満たされている感”と言いますか(笑)。
―宮崎さんは、編集部で介護に関する解説記事の作成をされていましたよね。その経験が入居相談員の仕事に活かされたりするんでしょうか?
圧倒的に知識の量が増えたと思います。解説記事を作成するときに、書くだけではなく調べる機会もたくさんあります。いろんな資料を読んで調べているなかで、知らず知らずのうちに知識が増えていったというか。
入居相談員をしていると、どうしても「いい介護」でご案内できる民間の施設に知識が偏ってしまうところがあって。民間の施設に特化できるというのは強みですが、以前の私では特別養護老人ホームなどの公的施設も含めた多角的なご説明が難しいのが課題でした。
―「いい介護」では、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの民間施設を中心にご紹介していますが、それ以外にもたくさんの施設はありますもんね。
そうそう。編集部で、公的施設などいろんな種類の施設や介護保険制度などの解説記事の作成の仕事を経験したことで、民間施設へのご紹介だけにとらわれず、総合的に介護のお悩みにお応えできるようになったと思います。
介護に関する制度には、ややこしい部分があります。例えば、介護施設の費用の助成制度やおむつの支給制度だったり。そういった話もプラスアルファでお客様にお伝えできるようになりましたね。「こういう制度を活用してみたらどうですか?」と。
―確かに。介護にまつわる制度はややこしいことがたくさんあります。知っていればお得に入居できる制度もあるんですが…。残念ながら多くの方に知られていないんですよね。
それに「いい介護 入居相談室」には、「介護施設にあまりお金をかけられない」というご相談もよくいただきます。民間施設は公的施設よりも費用がかかる傾向がありますから、「予算が足りなくて民間施設に入居できない」とおっしゃる方には、無理に民間施設をご紹介することはしません。
「お金がない」とおっしゃる方には「公的施設でこういった施設がありますよ」とご説明することもあります。残念ながら、「いい介護」では具体的な施設のご提案が民間施設しかできないのですが、公的施設の探し方がわかれば探しやすいですよね。
そうしたご案内を自信を持ってできるようになったのも、編集部での経験があったからですね。
―これまでご相談を受けたお客様で、印象に残っている方はいらっしゃいますか?
「兄妹で老人ホームに入居したい」と妹さんからご相談いただいた件でしょうか。ご両親を早くに亡くして、何十年もずっとお二人で暮らしていらっしゃった方です。
妹さんが体調を崩したことで自宅での生活は難しいと考えて、施設入居を検討していました。妹さんは「どうしても二人一緒に入居したい」とおっしゃったんです。ただ、お兄さんは介護施設の入居を嫌がっていました。
お二人が施設見学するときには私も同行したのですが、そのときもお兄さんは入居を嫌がっている様子でした。そうしたら妹さんが泣き出してしまったんです。「どうしても一緒に暮らしたい」と。
―えぇっ!泣き出しちゃったんですか!?
お兄さんと本当に離れたくなかったんでしょうね…。
お兄さんは「それほど想ってくれていたんだ」と、妹さんの涙に感銘を受けて入居を承諾してくれました。最終的には、サービス付き高齢者向け住宅の二人部屋に無事入居されましたよ。
後日、妹さんから「本当にありがとうございます。これでまた兄と二人で生きていけます」とご連絡をいただいて。お二人が離ればなれにならなくて良かったと思います。強い絆で結ばれたお二人の人生に携われて、私としても大変勉強になったご相談です。
―このご相談のお兄さんみたいに、老人ホームの入居を嫌がる方が多いとよく聞きます。
そうですね。「入居する本人は入居を嫌がっている。でも、本人の身体状況や介護をする家族のことを考えると入居させたい。どうしたら良いですか?」というご相談はよくいただきます。
…ちなみに、どうしたら良いと思いますか?
―えっ!逆質問されるとは思いませんでした(笑)。うーん…。やっぱり、無理やり入居させるしかない、とか?
無理やり入居させるのは、現実にはなかなか難しくて。以前に私が担当したご相談で、施設の職員さんに足繁くお客様のご自宅に通ってもらって入居できたケースがあります。
そのケースでは、認知症の方の入居検討をしていました。認知症の方は環境の変化が苦手で、新しい場所に行くことを嫌がったり、「知らない人は敵」と見慣れない人を警戒することが多いんですね。なので、まずは施設の職員さんの顔を覚えてもらおうと。
―でも、認知症の方だと顔を覚えるのも難しいのではないですか?
認知症の方は新しいことを記憶するのが苦手と言われていますが、何度も顔を合わせるうちに「なんとなく見覚えがある顔だぞ」と認識してくれます。認識していただければ、知らない人への警戒心が薄れて入居の意欲が高まると思ったんです。
職員さんに何度も通っていただいたのは、その方のご家族が介護で疲弊している様子だったから。入居に緊急性があると思ったんです。
それに、以前からのやり取りで、その施設さんはとても丁寧な対応をしてくれることはよくわかっていました。なので、施設さんに「30分でも良いので訪問していただけませんか」と頼み込んで。
―介護現場はどこも人手不足ですから、何度もご自宅に訪問することはなかなかできることではないですよね。
そうですね。以前からその施設さんと良い関係を築けていたので安心しておまかせできました。
何にせよ、ご自宅と施設が近かったのでできた方法ですね。無事に入居していただけて良かったと思います。
―すぐそばで仕事をしていていつも感じていることなのですが、「いい介護」の入居相談員の皆さんは、お客様と楽しそうにお話ししていますよね。お客様と距離が近いと言うか…。
そうかもしれないですね。「いい介護 入居相談室」の相談員は、入居するご本人やご家族に親身に向き合っているメンバーが多いので、距離が近いと感じるのかもしれません。私も親身に向き合うように心がけています。
親身になってお話を聞く、最後まで助ける、入居した後もフォローする、というのがうちの入居相談室だと思います。
―相談する方にとっても、親身に対応してもらえると安心できますよね。不安な気持ちを受け止めてもらえる、と感じるんじゃないでしょうか。
そう思います。他の相談員の入居相談の声を聞いていると、事務的ではなくて温かみのある会話というか。自分が親の施設探しをすることになったときに、こういう風に相談に乗ってもらえたらうれしいな、と思いますね。
私としても、施設探しをしているときの不安を取り除いてあげられたら、と思いながらご相談に乗っています。
【プロフィール】
宮﨑 章寛/入居相談員歴:1年9ヵ月
神奈川県横浜市生まれのA型。自身のことをインドア派と自称するものの、小中高とバスケ部だったアクティブな一面を持つ。見た目に反して(?)、一人で雀荘に行くほどの麻雀好き。もちろん、やるのは健康麻雀。ちなみに、最近行きたいところは猫カフェ。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。