穏やかな話し方と落ち着いた声で、聞く人の気持ちを安心させてくれる鈴木さん。
入居相談員の仕事は楽しさややりがいがある反面、大変なこともあるそうです。一体、どんなことなんでしょうか?鈴木さんにいろんな話を聞いてきました!
―「いい介護」の入居相談員の前は、老人ホームで働いていたと伺いました。どんな仕事をしていたんですか?
前職では、老人ホームで事務職をしていました。1年半くらいかな。事務なのでお客様の介助をすることはありませんでしたが、ご家族やご本人とお話しする機会はありましたよ。
その前は、カード会社や紳士服店で接客の仕事をしていました。
―介護業界の前は、どちらかというと”かっちり”した業界にいたんですね。鈴木さんの物腰柔らかな雰囲気はそうした経歴も関係しているんでしょうか。
言われてみれば、カード会社、紳士服店と、確かに「”かっちり”した業界」ですね(笑)。職種はまったく違いますが、お客様と話す仕事をずっとしてきたので、その経験が今の入居相談員の仕事にも生きているかなと思います。
―お客様とお話しする機会はあったとのことですが、前職の老人ホームで働いていたときはコミュニケーションを取ることは多かったんですか?
はい。その施設は活動的なご入居者が多くて、施設運営に対するご意見やご要望を聞く機会はよくありました。それに入居のご案内もしていましたよ。あとは細々としたこととか…、裏方の”なんでも屋”みたいな感じでしたね(笑)。
―老人ホームの前に働いていたカード会社や紳士服店は、介護とはまったく異なる業界ですよね。転職して介護業界で働いてみようと思ったのは、何かきっかけがあったんですか?
「これからの時代は介護だ」と思ったんです。
カード会社から転職するときに、「本当に人の役に立つ仕事がしたい」と思って仕事探しをしていました。そこで、自分が役に立てることを考えたときに介護業界を思いついたんです。超高齢社会で介護の需要はどんどん高まっていますから。
今の入居相談員の仕事も、「今度は、お客様の“悩み”を解決できるような経験をしたいな」と思って挑戦しました。
―これまで相談をいただいたなかで、印象に残っているエピソードはありますか?
とある女性のお客様からご相談をいただきました。そのご相談者ががんを患っていて、「明日、私が入院するから、今日中に父の入居先を決めたい」というご相談がありました。
―えぇっ!?ご相談者ががんだったんですか!入居するご本人ではなく?
―それはかなり緊急ですね…。それで、ご希望のグループホームに空室があったんですか?
案の定、そのグループホームは満室で、近隣のグループホームも満室ばかり。いくつもの施設に連絡して、ようやく1施設だけ空室があるグループホームが見つかりました。
すぐにご相談者に連絡して、その日のうちに見学に行っていただきました。でも、ご相談者は翌日から入院して連絡がつながらなくなりますから、その先は施設さんにお任せすることに。施設さんがご相談者の旦那様と連絡を取り合ってくれたんです。
その後、その方のことがどうしても気になって施設さんに連絡したら「ご入居することになりましたよ」と。
―よかったぁ。
先日、ご相談者に連絡したところ、たまたま検査が終わって一時的に退院したタイミングででした。「私も安心して治療に集中できます。本当にありがとうございました」と言っていただけたときは、うれしかったですね。
―そういう言葉をいただけるとうれしいし、やりがいを感じますよね。
そうですね。私たちは困っている方の施設探しをして、最期まで何不自由なく過ごしていただける住まいを探すのが仕事ですから、施設が見つかって感謝の言葉をいただけるとやりがいを感じますね。
老人ホームは、ほとんどの場合「最後のおうち」じゃないですか。最後のお買い物でもあります。人生最後の大きな選択の道標になるというのは、楽しさであり、やりがいでもありますね。
―反対に、入居相談員の仕事で大変なことって何ですか?
うーん、ミスマッチを起こしたときでしょうか。お客様の希望条件と実際の施設の環境が合わないことがたまにあるんです。
過去にあったのは、はじめは「完全に自由に暮らせる施設が良い」とおっしゃっていたのに、その翌日には「やっぱり、見守りの目がある施設が良い」と意見が変わって見学予約がキャンセルになってしまったケースです。
その方は、初めは「介助はいらないから、自由に暮らせるところが良い」とおっしゃっていたので、シニア向け賃貸住宅のご案内をしました。だから見学の手配までしたんですが、その翌日には「やっぱり、職員さんの見守りの目がある施設が良い」と仰って…結局、見学の予約はキャンセルになりました。
―ご希望がガラッと変わることってあるんですね…。シニア向け賃貸だと、一般的な賃貸住宅と同じように、見守りサービスなどはまったくないですし、しょうがないことではありますが…。
それに、よくよくお話を聞いてみると、「居室にキッチンがほしい」とか「スーパーが近くにあった方が良い」とか、いろいろな希望条件があったんですね。
このように後からご希望が出てきたのは、私がきちんとヒアリングできていなかったのが原因です。話の深掘りが足りなかったせいでミスマッチが起こってしまったと考えています。今の私の課題ですね。
―お客様の希望の深掘りって大変でしょうね。
表面上ではなく、一歩踏み込んだ話をするわけですからね。ぴったり合った施設を見つけるためには、ご予算とか既往歴などプライベートな話が必要ですが、それを話していただくにはお客様も勇気がいるでしょうし…。
でも、話していただかないとミスマッチが起きてしまう。教えたくない方もなかにはいらっしゃるので、どうやって心を開いていただくか…なかなか難しいところですね。
―そうしたお客様に心を開いていただくために、工夫していることなどはありますか?
まずはよく聞くこと。自分が話すばかりではなく、寄り添って話を聞くことですね。
お客様のご事情とかお気持ちとか、話したいと思っていることがたくさんあると思うので、まずはそれを聞いて。そのあとにもう少し踏み込んだ、施設探しに必要なことを聞いていくと比較的いろんなお話をしていただけるように思います。
お客様と信頼関係を築いて、気持ち良く話していただけるように常に心がけていますね。
―最後に、施設探しをするときのコツを教えてください!
まずは、私たち入居相談員を上手く利用してほしいです。”最短で最高の施設”をお探しします。
「いい介護 入居相談室」には、10年以上の経験を持つベテラン相談員が何人もいます。経験や知識が豊富な相談員が多く、提案力も高いです。
ときには、初めにお客様が希望されていた施設とは違う施設をご提案することもあるかもしれません。それは、そこが「お客様に本当に合っている施設」と考えるから、別の施設をご提案するんです。
施設探しの最高のアドバイザーとして、きっとお役に立てると思うので、まずは気軽にお電話してくださいね。
【プロフィール】
鈴木 遼
千葉県千葉市生まれのO型。生まれも育ちも千葉県。ということで、やはり”推し球団”は千葉ロッテマリーンズ。趣味は野球と言いつつも、自身のことを「インドア派」と称する。在宅介護の限界まで自宅で生活するか、早めに施設に入居するのか、人生の最後の道標になりたいと話す。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。