認知症とは、さまざまな病気や障がいが原因で脳の働きが低下し、記憶力・判断力に支障が出て日常生活が困難になる症状を指します。一般的には高齢者が発症することが多いですが、30代の若い世代で発症することもあります。
この記事では認知症の原因と種類について説明します。また認知症に対する予防なども紹介しているので、参考にしてみてください。
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認知症は、脳の病気や機能の低下が原因で起こる病気です。
中でも患者数が多いと言われているアルツハイマー型認知症は脳神経の変性で起こり、脳血管性認知症は脳血管障害によって起こります。このように認知症の原因はさまざまです。
認知症患者の約67%がアルツハイマー型認知症で最も多いと言われています。
アルツハイマー型認知症の原因は、脳にアミロイドβやタウタンパク質が蓄積され、脳細胞が損傷したり神経伝達物質が減少すること。アミロイドβは、加齢に伴い増えるので高齢者が発症することが多く、脳の一部の変性によりゆっくり病状が進行します。
一方、若年性アルツハイマーは30代から50代で発症することもあり、遺伝が関係していると言われています。
脳血管性認知症の原因は主に、脳出血や脳梗塞などの脳の血管障害。認知症の約19%が脳血管認知症で男性に多いと言われています。
脳出血は、脳の血管の損傷によって出血した血液が溜まり、脳細胞を圧迫して症状が出ます。
脳梗塞は、脳の血管が詰まり血が巡らなくなったことで、その部分の脳の働きが消えてしまう病気です。
レビー小体型認知症の原因は、神経細胞にできたレビー小体が大脳皮質や脳幹に過剰に作られること。認知症のうち約4%を占めているのが、このレビー小体型認知症と言われています。
他の認知症に比べ進行が早く、高齢の男性に多いという特徴がありますが30代でも発症することもあります。
前頭側頭型認知症の原因は、思考や判断機能を司る前頭葉と、記憶や聴覚機能を司る側頭葉が萎縮すること。タウタンパク質などの性質が変異して蓄積することで血流が悪くなり、その部分の機能が低下します。
現在、前頭側頭型認知症がなぜ発生するのかはまだ解明されていません。
脳腫瘍には、原発性脳腫瘍と転移性脳腫瘍があります。
どちらも軽い頭痛が初期症状として現れ、次第に頭痛の時間と痛みが増し治療をしないと激痛を伴うようになります。
意欲低下・物忘れ・聴力・判断能力の低下・耳鳴り・性格の変化などの認知症に似た症状が特徴で、遺伝子の変化が発症原因のひとつであると考えられます。
正常圧水頭症は、脳内に過剰に脳脊髄液が溜まり脳を圧迫することで発症する病気です。
くも膜下出血や髄膜炎などに伴って起こる続発性と、原因がわかりにくい特発性にわけられますが、特発性正常圧水頭症が多くみられる傾向にあります。
認知症と症状は似ていますが、早期発見による治療で改善が期待できます。
通常は高齢者に多く、知人の名前が出てこなくなったり、判断能力、意欲の低下、歩行障害を伴います。特に歩行障害は、小幅で足を引きずる、がに股歩きなど、特徴的な歩行が見られます。
比較的異変に気づきやすい点から認知症と異なり、正常圧水頭症の診断をされることが多いです。
甲状腺とは、喉仏のすぐ下にある小さな臓器です。
その中に甲状腺ホルモンという身体の発育を促進し、新陳代謝を高めるホルモンを作り血液中に分泌するためのホルモンがあります。この甲状腺ホルモンは多くても少なくても身体に重大な影響を与えます。
症状には、意欲の低下、体重増加、身体のむくみなどが挙げられ、高齢者になると記憶力の低下などが見られます。甲状腺が腫れている場合には、甲状腺機能低下症を疑ってください。
また、正常な甲状腺は柔らかく外から触ってもわかりませんが、腫れてくると触ったり首を見ただけでわかることもあります。
現代の日本は65歳以上の高齢者の割合が20%を超えた超高齢社会に突入しています。そのなかで認知症の高齢者は、2020年現在で約600万人、2025年には700万人になると推定されています。
認知症になると本人も家族も負担が多く、不安を感じてしまいます。しかし、高齢者の約5人に1人が認知症になると言われるほど、発症率が高く、誰でもかかり得る症状です。
だからこそ認知症をむやみに恐れるのではなく、認知症に対する正しい理解を深めることが必要。わたしたちはこれから認知症になっても困らない共生社会をつくっていくことが重要です。
大事なのは、認知症にならないように早い段階から意識しておくこと。認知症予防を生活に取り入れていることで、認知症になったとしても、その進行を緩やかにすることもできます。
認知症の予防として大切なのが食生活です。バランスの取れた食生活を意識することは、あらゆる病気のリスクを軽減します。認知症も同様で、多くの食材をバランスよく食べることが大切です。
また、アルツハイマー型認知症は糖尿病や脳血管障害など生活習慣病との関連が強いとも言われているので、低塩分、低糖質の食事を心がけましょう。
あわせて適度な運動も大切です。適度な運動をすることで筋肉量の低下を予防し、いつまでも元気な足腰を維持することができます。また、運動は身体だけではなく、脳にも良い刺激をもたらします。
認知症には早期発見、早期治療が重要です。認知症の初期症状である記憶障害は単なるもの忘れとして見逃されることも多いのですが、早く対処すれば進行を遅らせることもできます。
他の病気と同様に、放置しておくことは非常にリスクがあります。早い段階からさまざまな治療を受けておくことで、たとえ認知症でも、症状を抑えて生活することも可能です。
認知症は完治することがなく、長期戦のリスクも高い病気です。認知症の人を介護することはとても負担が大きく、ストレスをためやすくなります。認知症介護にめぐり、痛ましい事件が起きることもあります。
認知症介護を続けるために、大切な心得を5つご紹介します。
愛する家族が認知症を発症することは、とてもショックなことです。家族が変わっていく姿を見ることは辛いですし、ストレスを感じてしまいます。
介護をするときに大切なのは、必要以上に頑張りすぎたりせずに、自分自身の健康や時間も大切にすることです。
認知症の家族を介護する中で、不満や悲しみは生まれてきます。その気持ちをずっと自分だけでしまっておくと、いつか爆発してしまいます。
負の感情は溜め込まないことが一番です。ときどきは友人に愚痴をこぼしたり、家族につらいと本音を漏らしたり、カラオケで発散させたり。気持ちを切り替えながらやっていきましょう。
誰かと比べるというのは、どうしてもマイナスの感情を生み出しやすくなります。特に認知症は、人によって症状の重さや症状のあらわれ方は違います。
ほかの認知症の人と比べてどうということは考えても仕方ありません。誰かと比較して、悲しい気分になるのはやめましょう。
介護をしているときは大変すぎて、自分一人で抱えてしまいがちです。しかし、一人で介護するのは不可能です。周りの人や外部のサービスを上手に利用して、頼りながらやっていきましょう。
介護は大変なので、どうしても介護に手いっぱいで周りを見たり、今の時間を楽しむ余裕はなくなります。しかし、介護は永遠に続くわけではありません。長い目で介護についてとらえて、なるべく「今」を大切に過ごしましょう。
認知症は、誰でもかかる可能性があります。認知症の高齢者は2020年時点で約600万人、2025年には700万人にもなると推定されています。認知症は発症率が高く、高齢者の約5人に1人が認知症になる可能性があると言われています。
「脳腫瘍」「正常圧水頭症」「甲状腺機能低下症」が主な疾病として挙げられます。
主に脳内の疾病は認知症に直結しやすく、脳腫瘍は、意欲低下・物忘れ・聴力・判断能力の低下・耳鳴り・性格の変化などが特徴で、遺伝子の変化が発症原因のひとつであると考えられます。
また正常圧水頭症は、脳内に過剰に脳脊髄液が溜まり脳を圧迫することで発症する病気です。知人の名前が出てこなくなったり、判断能力、意欲の低下、歩行障害を伴います。ただし正常圧水頭症の場合、早期発見による治療で改善が期待できます。
認知症の予防として大切なのは「食生活への意識」「適度な運動」「良質な睡眠」「ストレスを溜めない」などといったことが挙げられます。また、アルツハイマー型認知症に予防として、低塩分、低糖質の食事は必須です。
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