丸の内事務所所長

山本 洋也さんの
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1986年1月北海道釧路市生まれ。中央大学法学部卒業。2013年に司法書士試験合格。2014年司法書士法人花沢事務所に入所。2017年9月、同法人の丸の内事務所の所長に就任。不動産登記業務、法人登記業務を経て、現在は主に相続・遺言・家族信託・終活サポート業務に従事する。
介護の基礎知識

【司法書士監修】任意後見制度とは|手続きの流れや費用、成年後見制度との違い

認知症など認知障害により判断能力が不十分になる前に、将来の備えや介護施設に入居するための準備として、任意後見制度の利用を検討する方が増えています。 そこでこの記事では、任意後見制度とはどのような制度なのか?その特徴と必要な手続きの流れを解説していきます。 任意後見制度とは? 任意後見制度とは、本人に充分な判断能力があるうちに、将来、認知症などで判断能力が低下したときに、本人に代わって事務手続きなどおこなう人を定めておく制度のことをいいます。 本人が判断能力を有するうちに、将来の財産管理、介護サービス締結や療養看護に関する手続きなどを、信頼できる方にあらかじめお願いし、引き受けてもらう契約を結びます。 この契約は任意後見契約を呼ばれ、公正証書によって締結されます。任意後見契約においては、依頼人(本人)は委任者、引き受ける方は任意後見受任者(後に、任意後見人)と呼ばれています。 成年後見制度との違い 任意後見制度では、本人に判断能力があるうちであれば、あらかじめ本人が自分で選んだ後見人と本人の意思に基づき契約を結ぶことができます。自分の後見人となって欲しい方を選べるのはもちろんのこと、その方に自分が認知症になった際にどのような生活を送りたいかを、あらかじめ伝えておくことができます。一方、耳にする機会の多い「成年後見制度」とは、本人の判断能力が不十分になった後に、周囲の方などが家庭裁判所に後見人の選任を申し立てをおこない、選任された後見人が支援をおこなう法定後見制度のこと。本人が自分で後見人を選ぶことはできません。これらの任意後見制度と法定後見制度をまとめて、「成年後見制度」と呼ぶこともあります。成年後見制度について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。 手続きの流れ 4つのステップ 任意後見制度を利用する際の手続きの流れを見ていきましょう。 任意後見人受任者を決める内容を決め契約を結ぶ申し立てをする任意後見人が選任される 1.任意後見受任者を決める まず、後に任意後見人となってもらう任意後見受任者を決定します。 任意後見人になるためには、特別な資格は必要ありません。家族や親族はもちろん、信頼できる友人、または弁護士や司法書士などの第三者や法人と契約を結ぶこともできます。 また、業務を確かに遂行するために、任意後見人を複数定めることもできます。ただし、以下の項目に該当する人は任意後見人にはなれないので注意してください。 未成年者破産者行方不明者被後見人に訴訟を起こした人とその配偶者過去に後見人を含む法定代理人を解任されたことがある人その他不正な行為をおこなうなど任意後見人に適さない経歴がある人 2.内容を決め契約を結ぶ 任意後見受任者が決定し、支援してもらう契約内容も定まったら、本人と任意後見受任者の間で任意後見契約を結びます。 必ず本人と任意後見人がともに公証役場に訪れ、公正証書を作成し、契約を締結しなければなりません。この公正証書によって締結されていない契約内容はすべて無効になるため、証書作成の際は最善の注意が必要です。 また、公証役場は予約が必要となり、突然、訪問しても任意後見契約を締結することができません。任意後見契約の内容も公証役場に事前に伝えておく必要があります。契約内容の策定や公証役場とのやりとりについては、司法書士や行政書士のサポートを受けながらおこなうことも良いでしょう。 契約にあたり必要になるもの 任意後見契約をおこなう際に必要となるものには下記のものがあります。必ずすべての書類を揃え、確認してから公証役場に向かいましょう。 本人の必要書類 印鑑証明 戸籍謄本 住民票 任意後見受任者の必要書類 印鑑証明書 住民票 ※いずれも発行から3カ月以内のもの 3.申し立てをする 任意後見契約を結んだ後、本人の判断能力が低下し始めたタイミングで、本人の住所地を管轄する家庭裁判所に「任意後見監督人の選任」の申立てをおこないます。 任意後見監督人の選任がなければこの契約は開始できないため、ただちに申立てをおこなう必要があります。申立てができる人は、本人、または任意後見受任者、本人の配偶者と四親等内の親族ですが、本人以外が申立てをおこなう場合は、原則として本人の同意が必要となります。 ただし、本人が意思表示できる場合は同意は不要です。 申し立てに必要なもの 申立てには、下記の書類が必要となります。すべての書類を揃えてから、家庭裁判所に申立てをおこないましょう。 家庭裁判所によって必要書類や書式が異なることもあるので、詳しい内容は、申立てをおこなう家庭裁判所のWEBサイトなどで確認することをおすすめします。 申立書申し立て事情説明書本人の財産目録及び資料本人の収支状況報告書及びその資料任意後見受任者事情説明書親族関係図戸籍謄本住民票後見登記事項証明書任意後見契約公正証書の写し成年後見用の診断書 4.任意後見監督人が選任される 任意後見監督人の選任の申立てにより、家庭裁判所が、本人の状態と任意後見受任者の事情を考慮した上で審理をおこない任意後見監督人を選定します。 結果は、家庭裁判所から任意後見人に郵送で通知され、その後に法務局が、家庭裁判所の依頼に基づき、任意後見監督人に関する情報と任意後見が開始した事実を登記します。 任意後見監督人が選定された時点で、任意後見受任者は任意後見人となり、契約内容に記載された支援をスタートすることができます。 任意後見制度の利用にかかる費用は? 任意後見制度を利用するには、準備段階として下記にかかる費用を事前に用意しておかなければなりません。 公正証書を作成する手数料任意後見監督人選任の申し立て費用任意後見人への報酬 ここでは、具体的にはそれぞれどのくらいの費用がかかるのかを詳しくみていきます。 公正証書を作成する手数料 公正証書の作成手数料とは、公証人に任意後見契約書を作成してもらうために必要な費用のことをいいます。 実際にかかる費用として「基本手数料」に1万1,000円、「登記嘱託手数料」に1,400円、登記所に納付することになる「印紙代」として2,600円などが必要となります。 任意後見監督人選任の申し立て費用 家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立てをする際にも、費用がかかります。 具体的には「申し立て手数料としての収入印紙代」に800円、「登記手数料としての収入印紙代」として1,400円、連絡用の「切手代」に3,000~5,000円程度がかかります。また、成年被後見人の精神鑑定が必要な場合には、さらに5~10万円程度が必要になることがあります。 任意後見人への報酬 任意後見契約が実行され、任意後見人の業務と任意後見監督人による監視と事務がスタートしたら、必要に応じてそれぞれに対して報酬を支払うことになります。 任意後見人の場合、家族や親族がそれを担う時など、契約時に報酬についての取り決めがなければ、法律上は無報酬になるということも多くあります。ただし、一般的に第三者の弁護士、司法書士などの専門家に任意後見人をお願いする場合は、報酬を支払う必要があります。 その金額や支払い方法、支払い時期などについては、事前に本人と後見受任者の間で自由に取り決めることができます。本人が持つ財産が多ければ、管理業務や負担も増えるため、支払う報酬金額も上がることが多くなるようです。 報酬の目安 任意後見人が第三者であった場合、本人の財産状況にもよりますが、月々1~3万円の報酬が支払われることが多いようです。 また、任意後見監督人に対しては、報酬を支払う決まりとなっており、家庭裁判所によって、本人の財産の中から相当な報酬金額が決められます。その額は月々1~3万円程度のようです。 任意後見の契約は3種類ある 任意後見の契約は、開始時期によって以下の3つの種類に区別されます。 即効型 将来型 移行型 それでは、それぞれの内容を詳しくみていきましょう。 即効型 任意後見契約のうち、契約の締結後すぐに任意後見の支援を開始する契約を「即効型」といいます。 「即効型」は、本人の判断能力がすでに低下してきているが、本人自身で契約締結の判断ができる場合のみ利用できます。契約後は、速やかに任意後見を開始するために、直ちに家庭裁判所に対して任意後見監督人の申し立てをおこないます。 「即効型」の任意後見契約を締結する場合は焦っていることも多く、契約内容の理解や確認が本人だけでは不十分になってしまい、後になって後悔…というケースも見受けられます。契約を締結するときは、本人だけでなく、ご家族や親族の方に確認してもらえるようお願いすると良いでしょう。 将来型 任意後見契約の「将来型」とは、本人の判断能力がある時点で、事前に締結しておく任意後見契約のことをいいます。本人の判断能力が低下したタイミングで家庭裁判所に対して任意後見監督人の申し立てをおこなうことで、任意後見契約が開始されます。 一般的に契約締結から任意後見までの期間が長く空いてしまうことが多く、いつ任意後見を開始させたら良いのかの判断が難しくなり、場合によっては開始せずに本人が亡くなってしまうケースもあります。 また、長い期間が空いてしまうことによって、任意後見受任者が契約忘れてしまう恐れもあるので「見守り契約」も併せて締結しておくことをおすすめします。 移行型 「移行型」の任意後見契約では、例えば、任意後見契約と同時に財産管理、見守りなどの委任契約を結び、その支援の一部を任意後見よりも先に開始します。のちに、本人の判断能力が低下してきた段階で、本格的に任意後見に移行します。 「移行型」の契約は、「将来型」のように線が途切れる心配がないこともあり、最も多くの方に利用されているようです。 「移行型」の委任契約で扱われる契約として下記のものが挙げられます。 本⼈の健康状態を把握するための⾒守りを⾏う「⾒守り契約」財産管理や身上監護における委任契約である「財産管理等委任契約」死亡後の葬儀やお墓に関する委任契約である「死後事務委任契約」 任意後見制度ではカバーされない死後についても、事前に「死後事務委任契約」を締結しておくことで本人が死亡し任意後見が終了しても、支援の継続が約束されるので、本人の大きな安心につながるでしょう。 任意後見人の基本的な役割は? 任意後見人にはどのような役割があるのでしょうか?その内容を見ていきましょう。 財産の管理 任意後見人の大きな仕事のひとつに「財産の管理」があります。本人に代わり、預貯金や年金を管理して出し入れや振込みをおこない、自宅など不動産の管理、税金や公共料金の支払いなどもおこないます。 介護や生活面の手配 「介護や生活面の手配」も任意後見人の大切な仕事となります。 具体的には、必要に応じて要介護認定の申請をおこなったり、介護サービスの利用や介護施設に入居するための手配や申込みと支払い、医療機関を利用する際や入院の際の手続きと支払いをおこないます。 また、生活費を届けたり送金したりするなどもおこない、生活全般の手配や療養看護などの事務手続きを代行します。 任意後見制度のメリット 任意後見制度を利用することで、どのようなメリットがあるのでしょうか?具体的には以下のようなメリットがあります。 希望を具体的に反映できる任意後見人を自分で選ぶことができる任意後見人の仕事ぶりを確認してもらえる介護施設への入居の備えにできる 希望を具体的に反映できる 任意後見制度では、契約内容に現時点の本人の意思や要望を具体的に反映できることが、最大のメリットだといえます。 その内容は多岐に渡り、将来的に利用する介護施設や病院の選定や治療・介護サービスの内容、財産管理や保護に関すること、後継人への報酬などご自身の希望に沿った内容で契約することができます。 一方、法定後見制度は、本人の判断能力が失われた後に裁判所によって後見人が選任され、支援を開始する制度のため、財産管理の方法や利用する病院、介護サービスなどの選定についてのほとんどを後見人が決定することが多く、それは本人やご家族の意思とは異なることもあるかもしれません。 任意後見人を自分で選ぶことができる 任意後見制度では、本人が前もって、信頼できる人を後見人として選んでおけることもメリットのひとつであるといえます。 後見人として選ばれる人には特別な資格もいらないので、親族はもちろん信頼できる第三者に、自分の将来を託すことができます。 しかし、法定後見制度での後見人の選任は、家庭裁判所によっておこなわれます。そのため、後見人として望ましい人が親族にいたとしても、その人が家庭裁判所によって選ばれるとは限らないのです。 任意後見人の仕事ぶりを確認してもらえる 任意後見制度では、家庭裁判所によって任意後見監督人が選出され、第三者の面から後見人の仕事ぶりを監視、確認してもらうことができます。 介護施設への入居の備えにできる 介護施設への入居の備えとして、身寄りのない方や親族に身元引受人等を頼めない方が任意後見制度を活用することも可能です。 民間の介護施設では、入居契約の際、身元引受人・保証人を立てる必要があり、これらを立てられない場合は身元保証会社と契約するか、任意後見人を定めることが条件になることが多くあるためです。 任意後見人制度のデメリット 一方、任意後見人制度を利用するにあたってのデメリットには、以下のようなものが挙げられます。 判断能力の有無で決まる死後の処理は委任できない法定後見制度とは違い取消権がない 判断能力の有無で決まる 任意後見制度のデメリットとしては、本人の判断能力が下がってしまってからでは、制度を利用することができないという点が挙げられます。 任意後見契約は、本人の明確な意思のもとに締結されるものであって、本人に認知症などの認知障害がみられる場合には、この制度を利用することはできません。 死後の処理は委任できない 任意後見人の権限は、委任者(本人)の死亡によって終了してしまいます。 葬儀やお墓の管理、自宅の片づけや相続手続きなど、ご自身の死後はどうなるのかについて不安を感じることがある場合でも、死後の事務処理や財産管理を、任意後見人に依頼することはできません。そのため、任意後見契約とは別に「死後事務委任契約」を結ばなければなりません。 また本人の死後は、自分が信頼して選任した任意後見人であっても裏切られることもあり、本人の意思通りにことが進められる確実な保証はなくなるケースもあるようです。 法定後見制度とは違い取消権がない 認知症の方の周りでは、詐欺行為や悪徳な業者による不当な契約を迫られる事態が多く見受けられます。 法定後見制度では、不利益な契約であると判明した場合には、あとからでも契約を解消できる取消権が認められています。 しかし、任意後見制度では取消権は認められていないため、判断能力が低下した本人が契約した内容によっては、不利益が発生してしまうことがあります。 任意後見契約が終了するのはいつ? 任意後見契約では、終了事由があった場合や委任者である本人が亡くなった時に、契約が終了します。 終了事由として、本人の破産、任意後見人が認知症などになり判断不十分になった場合が挙げられます。 また、任意後見人による不正行為や著しい不正行跡が発見されたとき、その他の後見人として任務に適さない事由があるときも、家庭裁判所によって任意後見人を解任することができます。その解任請求ができるのは、本人または親族、任意後見監督人や検察官となります。 任意後見は将来に備えた準備 任意後見制度は、元気なうちに、認知症などによって判断能力が低下してしまうことを見据えた将来の備えとして利用され始めています。 ご本人自身で、残りの人生をどう生きるのかを考慮して契約内容を決められることは、大きな安心に繋がります。その安心のためにも、任意後見人には、ご本人のために最善を尽くしてくれる、信頼できる方を選ぶことが重要になります。 任意後見人には、ご本人の意思を尊重し、心身の状態や生活状況を配慮しながら業務を遂行する義務があるからです。また、介護施設の入居にも、任意後見制度が利用できることは、将来の不安を和らげてくれる大きなポイントになります。 以上の点を踏まえたうえで、任意後見制度の利用を選択肢のひとつとして、検討することをおすすめします。 任意後見制度に関するよくある質問 任意後見制度とは何ですか? 任意後見制度は、本人に充分な判断能力があるうちに、将来、認知症などで判断能力が低下したときに、本人に代わって事務手続きなどおこなう人を定めておく制度のことを言います。 本人に充分な判断能力があるので、希望を具体的に反映できたり、任意後見人を自分で選ぶことも可能なのが任意後見制度のメリットと言えます。 任意後見人は誰でもなれますか? 任意後見人になるためには、特別な資格は必要なく、家族や親族はもちろん、信頼できる友人に依頼することも可能です。ただし、未成年者、破産者、行方不明者などの任意後見人の任務に適しない事由のある人は任意後見人にはなれないので注意が必要です。 任意後見人の役割は何ですか? 任意後見人の大きな仕事のひとつとして財産の管理が挙げられます。主に預貯金や年金を管理して出し入れや振込み、自宅など不動産の管理、税金や公共料金の支払いもおこないます。 また、介護や生活面の手配も仕事のひとつとして挙げられます。具体的に介護サービスの利用や介護施設に入居するための手配や申込みや支払い、医療機関を利用する際や入院の手続きと支払いなどもおこないます。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "任意後見制度とは何ですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...
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【司法書士監修】成年後見制度の手続きの流れ|気になるメリット・デメリット

判断能力が落ちてしまった高齢者に代わって契約などを結ぶことができる成年後見制度というものがあります。 両親のため、そして自分のために、理解を深めたいと考えている方が増えてきているそうです。ここでは成年後見制度について詳しく紹介していきます。 成年後見制度とは? 成年後見制度とは認知症をはじめ知的障害や精神障害などの理由で物事を判断することが難しく、法律行為をおこなえない状態にある方に、後見人が代わって必要な契約を結んだり、財産を管理したりして本人の保護を図る制度です。 成年後見制度において支援をしてもらう人を「被後見人」、支援をする人を「成年後見人」と呼びます。 成年後見制度は2つに分けられる 成年後見制度には大きく分けると2つの制度があります。 法定後見制度 任意後見制度 法定後見制度は、すでに判断能力が不十分である場合に本人に代わって権利を守り、法的に支援する制度です。一方で任意後見制度は、将来、判断能力が不十分になってしまった場合に備えておくための制度のことを指します。 以下では、詳細を見ていきましょう。 法定後見制度 家庭裁判所へ申立てをすることで、家庭裁判所から成年後見人が選ばれます。 法定後見とは、本人の利益を考えながら本人に代わって契約を結ぶなどの法律行為をしたり、本人に代わって財産を管理したりするなどして、本人を支援、保護することを指します。 後見、保佐、補助の3区分 法定後見制度では、 判断能力の程度に応じて「後見」「保佐」「補助」の3つの区分が用意されています。 後見、保佐、補助の違いについては以下の通りです。 後見 対象となる方判断能力がいつも欠けている方申立てできる方本人、配偶者、四親等以内の親族、検察官、市町村長など後見人等に与えられる権限法律行為の代理権、取消権(※1)申立てにより与えられる権限- 保佐 対象となる方判断能力が著しく不十分な方申立てできる方本人、配偶者、四親等以内の親族、検察官、市町村長など後見人等に与えられる権限借金、相続の承認、家の新築や増改築など特定の事項(※2)についての同意権、取消権(※1)申立てにより与えられる権限・借金、相続の承認、家の新築や増改築など特定の事項(※2)以外の事項についての同意権、取消権・特定の法律行為についての代理権 補助 対象となる方判断能力が不十分な方申立てできる方本人、配偶者、四親等以内の親族、検察官、市町村長など後見人等に与えられる権限-申立てにより与えられる権限借金、相続の承認、家の新築や増改築など特定の事項(※2)の一部についての同意権、取消権(※1)・特定の法律行為についての代理権制度を受ける本人が失う資格、地位- ※1、日用品の購入など日常生活に関する行為は除く※2、民法13条1項にあげられる行為 任意後見制度 任意後見とは、将来、判断能力が低下してしまったときの備えとして、あらかじめ公正証書で任意後見契約を結んでおくことです。判断能力が不十分になった時にその契約をもとに任意後見人が本人を支援する制度です。 後見、保佐、補助の対象になる人は? 法定後見には3つの区分があるとお伝えしましたが、具体的にどういった人が対象になるのでしょうか。以下で詳しく説明していきます。 後見の対象となる人 後見の対象となる方は日常生活を自力で送ることが困難な状態、つまり判断能力が欠けている状態にある人を指します。 後見人には被後見人に代わって財産管理や法律行為をおこなう代理権と、被後見人がおこなった法律行為の取り消しをおこなう権利である取消権の権限が与えられます。 保佐の対象となる人 保佐の対象となる人は、日常の買い物はひとりでおこなうことができるなど、生活面での自立性はあるものの、借金や相続などの重要な財産行為をおこなう際には誰かの支援を受けなければ理解し、判断することができない人です。 なお保佐人には、重要な財産に関する行為について同意権と取消権の権限が与えられます。 重要な財産行為とは借金や相続などの他にも訴訟行為や新築、増改築等を指し、被保佐人がこれらの行為をおこなう場合には保佐人の同意が必要になり、被保佐人がこれらの財産行為を保佐人の同意なくおこなった場合には取り消すことが可能です。 また、このような保佐人の同意を必要とする法律行為は、財産に関すること以外でも家庭裁判所の審判により追加することができます。 加えて必要であれば特定の代理権を権限として追加することも可能です。 補助の対象となる人とは? 補助の対象となる人は保佐の対象となる人と同様に、日常の買い物などはひとりででき、自立性はあるものの、重要な財産行為については独力でおこなうことが不可能ではないが、適切におこなえない可能性があり、第三者の援助を受けた方が良いとされる人になります。 なお補助人には、家庭裁判所に申し立てることにより、民法13条1項記載の相続の承認や放棄、訴訟といった行為のうち、一部の行為について同意権と取消権が与えられます。 また保佐人同様に、補助人も家庭裁判所の審判により特定の法律行為をおこなう代理権を追加することが可能です。 成年後見制度を利用する原因と動機 続いて、成年後見制度を利用する方の動機やその原因についてご紹介していきます。 原因は認知症が約6割 成年後見制度の利用を申し立てる原因として一番多いとされているのは認知症で、全体の約61.4%を占めています。 また認知症の次に多い理由としては知的障害が約9.9%を占め、次いで統合失調症が約9.0%を占めています。 動機は預貯金の管理・解約が最も多い 成年後見制度を申し立てた主な動機は以下になります。 申し立ての理由として最も多いのは預貯金の管理や解約で、つぎに身上保護となっています。認知症などが原因で判断能力が低下してしまうと財産管理だけではなく日常生活にも支障をきたす場合が多いため成年後見制度が果たしている役割は大きいと言えます。 成年後見人の役割 では、後見人は実際にどのような役割を果たしているのでしょうか。順を追って見ていきましょう。 療養看護 療養看護と聞くと、後見人が看護をするのかと思うかもしれませんが、すでに説明した通り後見人には介護や看護などの事実行為をおこなう権利や義務はありません。 そのため、事実行為としての介入ではなく施設の契約や介護サービスの契約といった療養看護に関する法律行為をおこないます。 財産管理 財産管理には財布や通帳を預かるといった事実行為としての財産管理と、被後見人に代わって財産に関連する契約を結ぶなどの対外的な代理行為としての財産管理があります。 また、老人ホームなどの介護施設への入居を検討している被後見人のうち、持ち家を売却したい場合には家庭裁判所の許可が必要となり、場合によっては売却が認められないもありますので注意してください。 遺産分割協議などの相続にまつわる協議がおこなわれる場合には、後見人自身が相続人として含まれていると「利益が相反する関係にある場合」に該当するため、後見監督人が後見人の代わりに、成年被後見人を代理するか、特別代理人の選任を申し立てる必要があります。 後見等事務報告 後見人として選定されると、毎年1回は家庭裁判所に対して、被後見人の為におこなった事務内容について後見等事務報告としてまとめ、提出する必要があります。 成年後見制度自体が自力で生活をしたり、何かを判断したりすることが難しい方のために援助をおこなう制度なので、後見人がおこなった内容はとても厳格に管理されています。 報告書のフォーマットはあらかじめ決められており、裁判所のホームページからダウンロードすることが可能です。 成年後見人になれない人は 成年後見人になるために必要な資格などはありませんが、なるにあたっていくつか条件があります。 以下の欠格事由(成年後見人になることができない要件)に該当していない人であれば誰でも成年後見人になることができます。 未成年者破産者行方不明者被後見人に訴訟を起こした人とその配偶者過去に後見人を含む法定代理人を解任されたことがある人その他不正な行為をおこなうなど後見人に適さない経歴がある人 とはいえ、後見人を選定するのは家庭裁判所なので、希望していた人が選任されるとは限りません。また、希望した人が選任さなかったからといって申立を取り下げることはできないので注意するようにしましょう。 後見人等ではできないこと 先ほど後見人に選ばれた場合にできることをご紹介しましたが、後見人にできないことは一体何があるのでしょうか。以下で説明していきます。 身体に対する強制、一身専属的な事項 入院や施設入所、リハビリといった被後見人の身体に関することを強制する行為や、臓器移植の同意のような一身専属的な事項に関する行為が挙げられます。 あくまでも、後見人ができるのは法律行為にまつわることである、という点を覚えておきましょう。 身分行為 身分行為とは、婚姻の成立や離婚、養子縁組といった身分に関する法律の法律効果を発生させ、変更あるいは消滅をさせる法律行為のことを指します。 身分行為は財産行為のような高度な判断能力を必要としないことに加え、本人の意思が何よりも大切とされる行為のため、後見人などの代理人が身分行為をおこなうことは許されていません。 申立手続きの流れ ここからは実際に成年後見制度を利用するにあたって必要な手続きの流れをご説明していきます。 また、申立にかかる費用は1万円程度とされていますが、診断費用や鑑定費用を含めると2万弱〜18万円程度とかなり幅があります。 1.申立先、申立人の確認 成年後見制度の利用を検討している場合には、まず家庭裁判所で成年後見人を選任してもらうために申立をおこないます。 申立をする家庭裁判所については被後見人の住所地を管轄する家庭裁判所です。裁判所のホームページなどで管轄の裁判所を確認しておきましょう。 また、申立をおこなうことができる人としては被後見人本人または配偶者、4親等内の親族、市区町村長等に限定されていますので注意してください。 2.医師の診断書を取得 申立をおこなう際には、被後見人の介護状況や判断能力を見た上で後見・保佐・補助のどれに該当しているのかを判断する必要があるため、医師の診断書が必要になります。 診断書は必ずしも心療内科医や精神科医で作成してもらう必要はなく、かかりつけ医や内科医でも問題はありません。ただし、家庭裁判所が用意しているフォーマットの通りに作成しなければいけないので注意しましょう。 3.必要書類の収集 次に診断書以外の必要書類を用意しましょう。 具体的に必要な書類は以下の通りです。 申立書類一式 申立に必要とは具体的に以下のような書類を指します。 後見開始申立書申立事情説明書親族関係図財産目録収支状況報告書後見人等候補者事情説明書親族の同意書 なお、これらの書類は申立先の家庭裁判所によって書式に違いがあります。申立先の家庭裁判所の窓口、または申立先の家庭裁判所のホームページかで取得してください。 戸籍謄本 戸籍謄本は本籍地や家族関係について書かれており、その人の身分を証明する書類です。 本籍地のある各市区町村の担当窓口で受け取ることが可能で、被後見人と後見人候補者が同じ戸籍の場合には両者が記載されている戸籍謄本を1通取得すれば問題ありません。 住民票 住民票は住所地や同一世帯の家族について書かれており、住所や世帯を証明する書類です。 住所のある各市区町村の担当窓口で受け取ることが可能で、戸籍謄本の時と同様に被後見人と後見人が同一世帯の場合は両者が記載されている住民票を1通取得すれば問題ありません。 登記されていないことの証明書 登記されていないことの証明書とは、現在法定後見制度および任意後見制度を利用していないことを証明する書類です。 この証明書については法務局本局で取得できるので、詳しくはホームページでご確認ください。なお、支局や出張所では取得ができないので、そちらも注意しておきましょう。 4.書類の作成と準備する物 申立書類の主な作成手順は以下の通りです。 申立書類一式の作成本人に関する資料の準備収入印紙や郵便切手の準備 なお書類の名称や形式は各家庭裁判所によって異なるため、詳しくはホームページをご覧ください。 本人に関する資料とは 本人に関する書類とは主に精神障害者・療養・介護保険認定証などの健康状態がわかる資料、年金額決定通知書、確定申告書などの収入についてわかる資料、各種税金の納税通知書、国民健康保険料や介護保険料の決定通知書などの支出についてわかる資料の3つを指します。 状況に応じ必要な書類も 上記の健康状態に関する資料と収入および支出に関する資料はすべての人が用意しなくてはいけませんが、なかには状況に応じて用意しなくてはいけない資料もあります。 具体的には以下のようなものが挙げられます。 不動産についての資料預貯金についての資料生命保険についての資料負債についての資料遺産についての資料 5.面接日の予約 成年後見制度を利用するにあたり、申立人や後見人候補者の話を聞くために家庭裁判所で面接がおこなわれます。 面接は時期によってはスムーズに予約が取れない場合があるため、資料集めなどのスケジュールがある程度決まった段階であらかじめ予約をとっておくことをおすすめします。 なお、予約した面接日の1週間前には申立書類一式を家庭裁判所に提出する必要がありますので時間に余裕を持って予約を取りましょう。 6.家庭裁判所へ申立 面接日が決定したあとは家庭裁判所へ申立書類一式を提出します。裁判所へ直接提出することも可能ですし、郵送することも可能。どちらかの方法で書類を提出してください。 なお、申立書類一式が提出された時点で申立があったとみなされ、この申請を取り下げることはできなくなります。 そのため、望んでいた後見人が選任されなかったなどの理由でも取り下げることはできず、裁判所が指定した弁護士や司法書士が後見人になる可能性があることも理解しておきましょう。 7.審理開始 申立がおこなわれると、家庭裁判所で審理がはじまります。 ここでいう審理とは、申立書類の不備はないかといった確認に加え、「本人の心身状況や事情をみて成年後見制度が必要であるのか」「成年後見人にふさわしい人は誰か」といったことを判断することです。 必要に応じて、本人または親族との面談や医師による鑑定などもおこなわれます。また、時期によってはこれらの申立から審理を経て結果がでるまでに1〜3ヵ月程度かかります。 8.審判 審判とは裁判官が申立書類の内容や調査結果をもとに成年後見制度が必要であるかどうかを判断し決定することを指します。 必要であるとされた場合には後見開始の審判と、その人に最も適した人を後見人として選任がおこなわれます。 また、内容に不服がある場合には後見人のもとに審判書が届いてから2週間以内に不服申立てをしましょう。不服申立てがなければそのまま後見開始が確定します。 9.後見の登記 審判が確定し、後見人として選任されたあとは裁判所から東京法務局に登記の依頼がなされ、後見人の氏名や権限などが記載された後見登記がおこなわれます。 後見登記とは自分自身が後見人であることを証明するもので、裁判所の依頼から2週間程度で完了し、後見人に登記番号が通知されます。その登記番号をもとに法務局で登記事項証明書を取得しましょう。 登記事項証明書は、預貯金口座の解約といった後見人の業務をおこなう上で必要になります。 後見人を解任したい時は? 一度選任された後見人は特別な理由がない限り解任することはできませんが、以下のような場合には申立権者の請求、または職権により後見人等を解任することができます。 不正な行為 著しい不行跡 その他後見の任務に適しない事由 なお、後見人は解任できますが、成年後見制度を途中で終了させることはできず、後見人が解任されても新たな後見人が選任されます。 親族が後見人になる場合の注意点 以下では親しい間柄にある人が後見人になる場合の注意点をご紹介していきます。 本人のためにする業務であることを意識する たとえば息子が父親の後見人に選ばれた場合に、家族であるからといって父親の財産を自分自身のために使用すれば業務上横領となってしまいますので、あくまでも本人のためにする業務であることを念頭に置いておきましょう。 財産の贈与・貸与をしない 親しい人が後見人になると財産の贈与などを被後見人自身が進めてくる場合もありますが、後見人にそのような権限は認められていません。 本人が贈与や貸与を強く望んでいる場合には事前に家庭裁判所に相談しましょう。 後見人等就任前に、しっかり話し合う 後見人はあくまでも本人の利益を守るために財産管理などをおこなう立場です。後見人になったからといって財産を自由に使えるわけではありませんので、きちんと後見人の立場や業務内容などを確認し、話し合って立候補するようにしましょう。 第三者が後見人となる際の注意点 ここからは、第三者が後見人となる場合の注意点を紹介していきます。 本人の利益のために動く 後見人はあくまでも本人の利益のために動く存在です。将来の相続に備えて贈与をおこなうといった本人の財産を減らすような行為はできないので注意しましょう。 記録を見せてもらえないこともある 後見人には被後見人の財産目録や後見等に関する記録を親族に見せる義務はありません。そのため親族が閲覧を希望していても見せてもらえない可能性もあります。 なお、そのような場合には家庭裁判所で記録の閲覧・謄写を申請することで確認することができます。 後見人とコミュニケーションをとる 親族以外の第三者が後見人に選任された場合は、お互いに安心感を得るためにも、権限の不正防止をはかる意味でも積極的にコミュニケーションを取り、後見人と良好な関係を築いておきましょう。 成年後見制度のメリットとデメリット 最後に、成年後見制度のメリットとデメリットについて紹介していきます。 メリット 認知症を患っている人は悪徳業者からの不当な契約や詐欺に合いやすいだけではなく、家族が財産を使い込んでしまうというケースもあります。 また、介護施設や介護サービスなどの法的契約も判断能力が低下している被後見人が一人でおこなうのは難しいと言えます。 このような場合に成年後見制度を利用することで、後見人が被後見人の財産を守り、その都度必要になる一人でおこなうことが難しい法的な契約も代理でおこなってくれるため、安心して生活を送ることができます。 ▼介護施設への入居後の空き家問題について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。※姉妹サイト「いい相続」の記事にジャンプします。 デメリット 成年後見制度を利用するにあたり必要な書類を集めて裁判所に申立てをおこなう必要があるので、煩雑な手続きに手間がかかる点はデメリットでしょう。 また、後見人は本人の利益のために行動しなくてはいけないため、柔軟な行動が取れなくなる可能性もあります。そのほか後見人には報酬が発生するためにある程度費用がかかる点などがデメリットとして挙げられます。 成年後見制度に関するよくある質問 成年後見制度とは何ですか? 成年後見制度とは認知症をはじめ知的障害や精神障害などの理由で物事を判断することが難しく、法律行為をおこなえない状態にある人の代わりに必要な契約を結んだり、財産を管理したりして本人の保護を図る制度です。 成年後見人には誰がなりますか? 成年後見人になる人は一般的に親族が望ましいとされており、配偶者や親、子が選任されます。 また、成年後見人になれない人については、未成年者、破産者、行方不明者などが挙げられます。家庭裁判所の決定で希望した人が選任されなくても申立を取り下げることはできないので注意しましょう。 成年後見制度を利用する原因は何ですか? 成年後見制度の利用を申し立てる原因として一番多いとされているのは、認知症で全体の約6割を占めています。 また動機として挙げられるのは、預貯金の管理や解約が最も多く、認知症により判断能力が落ちてしまうと財産管理が難しいので、成年後見制度でそのサポートをします。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "成年後見制度とは何ですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

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認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

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