地域連携室室長

冨安 幸恵さんの
監修記事一覧

看護師として急性期病院勤務を経て、2012年にナチュラルケアグループにて在宅医療に携わる。2014年には、同グループ医療法人社団日翔会生野愛和病院にて外来看護師としての役職を経て、地域に根付いた地域密着型病院を目指し、いくのあいわケアプランセンター設立。また、2018年に生野愛和病院地域連携室の立ち上げを経験し、現在は生野愛和病院(一般病床・療養型病床・地域包括病床)の入退院支援と共に地域医療、地域介護の相談係を目指した生野愛和病院地域連携室室長として従事している。
高齢者を災害から守るため日々の備えが必要
介護の基礎知識

高齢者を守る災害への備え|災害時に直面する問題と必要な対策

地震や台風、豪雨による土砂崩れなど自然災害が頻繁に起こる日本では、災害に対する日々の備えが必要です。特に高齢者は、万が一の際に若い世代とは違い身動きがとりにくく、逃げ遅れてしまう危険性もあります。では、高齢者を災害時に守るためにはどうしたら良いのでしょうか。 この記事では、災害時に高齢者が直面する問題や災害への備えを解説しています。 「災害に対してどんな備えをしたら良いかわからない…」「いざ災害に見舞われたらちゃんと対応できるだろうか…」などと不安な方は、是非、参考にしてみてください。 災害時に高齢者が直面する問題 災害が発生すると高齢者のみでは必要な情報が得られず、避難の際に遅れをとってしまう可能性があります。以下では、災害時に高齢者が直面する問題をまとめました。 必要な情報が手に入りにくい 災害時に情報を得る手段は、新聞やテレビ、ラジオやインターネットなどが挙げられます。しかし、災害の種類によっては情報収集の手段も限られてきます。特に一人暮らしをしている高齢者にとっては、普段情報を得ている手段が使用できないとなると強い不安感を抱くでしょう。 危機意識が低くなりやすい 「自宅にいれば安心だろう」「近所も避難していないから大丈夫だろう」などと災害を経験したことがない場合は危機意識が低くなりがちです。そのため、危機意識を高めるためには日頃からハザードマップや避難経路の確認が重要です。 自力で避難ができない 介護が必要な高齢者の場合は、災害時に自力で避難ができない方も多く、逃げ遅れてしまう可能性もあります。また、自力で避難ができる方でも長距離の移動が困難であったり避難途中で転倒してしまうケースなども考えられます。 避難生活に対応できない 災害の種類や規模によっては、住み慣れた自宅を離れ避難生活を余儀なくされるケースもあります。慣れない環境での生活は強いストレスを抱え精神的に参ってしまうことも中にはあるでしょう。 また、避難生活が長引くことで精神的バランスが崩れ、持病の悪化や認知症の進行を招く可能性もあります。 災害に対する備え 災害が発生したときは誰もがパニックに陥り、冷静に物事が判断できない可能性が高いです。 特に高齢者は若い世代とは異なり、素早く身動きが取れなかったりパニックで転倒してしまうリスクも高いです。そんな事態に陥らないためにも日々の備えが必要です。以下では、災害に対する備えをまとめました。 「避難場所」や「避難経路」を知っておく 災害が発生したときにどこに避難したら良いか、どの経路を辿っていけば良いのかを事前に把握しておくと、いざというときに落ち着いて避難することができます。 また避難経路に関しては、災害の種類により目的の経路が使用できない場合もあります。そのため、避難経路はひとつに絞るのではなく複数用意しておくことが大切です。 家具・家電を固定する 地震のような災害に備えて家具・家電を固定するのも備えのひとつです。家具や家電が倒れると大きな怪我につながる可能性もあり、それによって避難が遅れるケースも考えられます。 そんな状態に陥らないためにも、本棚や冷蔵庫などの大きい物は優先的に固定しておくと良いでしょう。また、家具や家電が倒れた際に逃げ道を塞ぐことがないように配置に関しても見直しておく必要があります。 備蓄品の確認をする 災害が発生すると一時的にライフラインがストップしてしまい、必要なものが手に入りづらい状況になります。 特に高齢者の場合は、遠くまで買い物に行くことや支援物資を取りに行くことができないケースも考えられます。そのため、普段からある程度の水分や食料、生活必需品を準備しておく必要があります。 また高齢者の場合は、とろみ剤や経管栄養剤、おむつや薬などが別途必要になる場合があります。速やかに避難できるように介護関連の備蓄品の確認もしておくと良いでしょう。 緊急連絡先を確認しておく 災害はいつ起こるかわかりません。そのため、災害時に避難することを想定して緊急連絡先を確認しておくことが大切です。家族や親戚、知人の連絡先を把握しておくことはもちろんのこと、高齢者の場合はケアマネジャーや地域包括支援センターなどの連絡先も確認しておく必要があります。 防災訓練に参加する 地域で実施される防災訓練に参加することも災害に対する備えです。防災訓練に参加することによって、いざというときに冷静に行動することができ、命を守ることにもつながります。 また、災害時は近所同士の助け合いが必須です。地域の防災訓練に参加することで、災害に対しての危機意識を共有でき、近所とのきずなを深めることにもつながります。 災害に対する備えに関するよくある質問 高齢者が災害時に陥る問題はどんなものがありますか? 介護が必要な高齢者の場合は、自力で避難できない可能性があります。また、避難先では多くの人がいるため、慣れない環境で持病の悪化や認知症の進行を招く可能性があります。 災害に対しての備えはどんなことをしておくと良いですか? 日頃から避難場所や避難経路、備蓄品の確認をしておくことが重要です。また、地震などの災害時には家具や家電が倒れる可能性もあるため、本棚や冷蔵庫などの大きい物は固定をし、避難経路を確保しておく必要があります。 高齢者におすすめの防災グッズは何ですか? とろみ剤や経管栄養剤、老眼鏡や入れ歯洗浄シートなどを防災袋に入れておくと安心です。また、おむつや杖などは普段使用していなくても万が一の際に役に立つので入れておくと良いでしょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "高齢者が災害時に陥る問題はどんなものがありますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...
老人ホームで喫煙と飲酒はできるが、認めている施設は少ない
介護の基礎知識

親の老人ホームの費用は誰が払う?|生活費の目安や活用したい補助制度について

「親の老人ホームの費用は、子どもが支払うの?」「長男・長女が多く出すべきなのかな?」「どれぐらい費用がかかるの?」などと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。誰がお金を出すかによっては家庭内の問題に発展しかねません。 この記事では、親の老人ホームの費用は誰が支払うのか、生活する上でかかる費用目安や活用したい補助制度を解説しています。 老人ホームの費用に関して少しでも不安を取り除きたい方は、是非、参考にしてみてください。 https://youtu.be/004VKk-gVxE 老人ホームの費用は親のお金で払うのが基本 親の老人ホームの費用は誰が支払うのかという問題は、子どもの悩みのひとつではないでしょうか。結論から言うと、子どもは自分たちの生活があるため、親の老人ホームの費用は親のお金で支払うのが基本です。親のお金とは「収入」「年金」「貯蓄」「資産」などを指し、子どもはこれらを把握しておくことが大切です。 把握しておきたい親の資産 家族とはいえ、そして家族だからこそお金の話は聞きづらいものですが、お互いの不安を取り除くためには必要なことです。以下では、把握しておきたい親の資産をまとめました。 保有しているすべての銀行口座株式などの投資有価証券生命保険の契約有無所有不動産負債の状況 上記の内容を確認することで、ある程度親の資産状況を把握することができるでしょう。しかし、すべての親が資産状況を今すぐに教えてくれるとは限りません。そんなときは焦らず、身近な例で話を切り出したり少しずつ内容を聞き出したりしましょう。 また、自分の人生の終末を記すエンディングノートを活用するのも良いです。エンディングノートは、家族や友人に伝えておきたいことや自分の希望などを書き留めておけます。特に法的効力がないので気軽に記すことができ、書き直しをすることもできます。親が資産状況に関して話すことを拒んでいる場合、エンディングノートを勧めるのも一案です。 老人ホームにかかる費用目安 老人ホームにかかる費用はどのくらい必要なのか不安になる方が多いでしょう。費用に関しては入居する方の身体状況や希望するサービスによって変動し、公的施設か民間施設かでも異なってきます。以下では、老人ホームにかかる費用目安と費用を抑える方法をまとめました。 施設の種類公的/民間入居一時金月額利用料介護付き有料老人ホーム民間0~数千万円15~30万円住宅型有料老人ホーム民間0~数千万円11~25万円サービス付き高齢者向け住宅民間0~数十万円11~25万円グループホーム民間0~数十万円10~15万円ケアハウス公的0円~数十万円6~17万円特別養護老人ホーム公的0円8~14万円介護老人保健施設公的0円8~14万円介護医療院公的0円10~20万円ホスピス民間施設や入院期間により異なる施設や入院期間により異なる 「年金が少ない」「資産がない」という状況の場合は、費用が格段に安い「公的施設」やサービス付き高齢者向け住宅のような初期費用が安い「民間施設」を選択すると良いでしょう。 立地が悪い老人ホームを利用する 都心よりも地方、駅から離れた老人ホームの方が比較的費用を抑えられる傾向にあります。家族にとっては、面会などで訪問する際に利便性が悪く大変な思いをすることは避けられませんが、費用面に関しては都会より安くなることでしょう。 相部屋の老人ホームを利用する 近年では個室のみの老人ホームが増えていますが、中には相部屋の老人ホームもあります。相部屋は金額が安いという特徴があり、個室にこだわりがなければ費用を比較的抑えられます。 しかし相部屋の場合、他の入居者の生活音が気になったりプライベートが確保できなかったりと、さまざまな弊害が生じることもあります。 費用の支払いが難しいときに活用したい補助制度 各補助制度を活用することで月々の費用を緩和できる場合があります。「子どもたちで足りない部分を出そう」と結論付ける前に、少しでも費用を抑える術がないかを確認しましょう。 特定入所者介護サービス費 特定入所者介護サービスは、特養や老健、介護医療院といった「公的施設」に入居する際に活用できる制度で、住居費や食費を安く抑えることができます。 なお、特定入所者介護サービス費を利用できる対象者は4段階に分かれます。以下で入居者本人がどれに当てはまるのか確認しておきましょう。 第1段階:生活保護受給者、老齢福祉年金受給者で本人及び世帯全体が市民税非課税第2段階:世帯全員が住民税非課税かつ本人の合計所得金額+課税年金収入額+非課税年金収入額が80万円以下第3段階(1):世帯全員が住民税非課税かつ本人の合計所得金額+課税年金収入額+非課税年金収入額が80万円より大きく120万円以下第3段階(2):世帯全員が住民税非課税で、本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が年額120万円を超える人第4段階:上記以外の方 p>出典:「特定入所者介護サービス費」(厚生労働省) 高額介護サービス費 「高額介護サービス費制度」は、1ヵ月の介護保険サービス自己負担額が限度額を超えた場合、超えた分の金額が戻ってくる制度です。支給対象の方には自治体から「高額介護サービス費支給申請書」が送られてくるので、忘れずに申請しましょう。 高額医療・高額介護合算制度 「高額医療・高額介護合算制度」は、同一世帯で支払った介護保険サービスと医療費の自己負担額の合計が基準を越えた場合、越えた分の金額が戻ってくる制度です。合算期間は8月1日から翌年の7月31日です。 ただし、同一世帯内でも「夫が75歳以上で後期高齢者医療保険、妻が75歳未満で国民健康保険」など、加入する保険が異なる場合は合算することができません。さらに、基準を500円以上越えない場合は適用外です。 介護保険料の減免制度 条件を満たすことで介護保険料の減免措置を受けることができます。各自治体による条件をクリアし、減免措置を受けられた場合、介護保険料は最大で7割程度安くなります。 以下、主な条件をまとめました。 低所得者で生計が困難な方入院や失業により世帯の生計維持者の所得が前年に比べて著しく減少した方災害により、住宅や家財に3割以上の損失を受けた方 条件により必要な書類は異なるので、減免制度を利用する際は各自治体の窓口に確認しましょう。 自治体独自の助成制度 各自治体では、高齢者の生活を支援するための助成制度が設けられている場合が多いです。条件として、収入や資産が一定以下であるということや、住民税非課税世帯であることなどが挙げられます。 以下は、独自の助成制度を設けている自治体の内容をまとめました。 横浜市:特養や老健などのユニット型個室の居住費を月額5,000円程度を助成渋谷区:対象となるサービスを利用したとき、利用者負担額に対し70%を助成飯能市:対象となる居宅サービスを利用したとき、利用者負担額の1/4を助成(老齢福祉年金受給者は利用者負担額の1/2を助成)甲府市:利用者負担額の支払いが困難と考えられる低所得者に対して保険適用分の1/2を助成 上記以外にも独自の助成制度を設けている自治体は多数あります。まずは、お住まいの自治体の窓口に助成制度の有無、内容を確認しましょう。 老人ホームの費用に関するよくある質問 親の老人ホームの費用は誰が支払ったほうが良いですか? 親の老人ホームの費用は、一般的に親のお金で支払うのが基本です。子どもは子どもで自分たちの生活があることに加え、自身の老後生活に備えなければいけません。 親のお金とは何を指しますか? 基本的に親のお金とは「収入」「年金」「貯蓄」「資産」を指します。子どもはこれらの状況を把握しておくことが大切です。 親が資産状況を教えてくれない…。どうすれば良いですか? すべての親が資産状況を今すぐに教えてくれるとは限りません。そんなときは焦らず、身近な例で話を切り出したり少しずつ内容を聞き出したりしましょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "親の老人ホームの費用は誰が支払ったほうが良いですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...
孤独死の原因は、地域社会とのつながりが希薄することや経済的困窮などが挙げられます。
介護の基礎知識

高齢者の孤独死を防ぐための対策|孤独死の9割は男性!?原因も解説

近年、少子高齢化が進み、一人暮らしをしている高齢者が増えています。特に高齢者の一人暮らしによる「孤独死」は社会問題として注目されており、ニュースなどで「孤独死」の文字を見て不安を感じる人もいるでしょう。 孤独死とは誰にも看取られることなく1人で亡くなること。高齢者の孤独死の原因は「家族や近所付き合いなどの人とのつながりが希薄」「経済的に困窮している」などさまざまです。 この記事では、孤独死の現状や、孤独死が起きる原因、防ぐための対策などを解説します。「一人暮らしをしている親や親族のことが将来心配…」と不安を抱えている人は、是非、参考にしてみてください。 この記事を読めばこれがわかる! 孤独死の現状がわかる! 孤独死になる原因がわかる! 孤独死を防ぐための対策がわかる! データで見る孤独死の現状 孤独死とは、誰にも看取られることなく1人で亡くなることを言います。孤立死は普段から周囲との交流がなく、社会や地域から孤立した状態であるというニュアンスが強いです。 昨今では高齢社会に伴い孤独死が年々増加傾向にあります。孤独死の推移と死因をそれぞれ詳しく見てみましょう。 孤独死数の推移 解剖をおこなっている東京都監察医務院が公表しているデータによると、東京23区内における一人暮らしで65歳以上の人の死亡者数は以下です。 出典:「令和2年版高齢社会白書」(内閣府) 2009年の2194人という結果に対して、2018年には約2倍の3882人と増加傾向にあります。 孤独死の死因 出典:「死因別統計データ」(国土交通省) 厚生労働省の人口動態統計を見ると病死が最も多く62.3%、次に多いのが自殺で11.3%という結果が出ています。半数以上は病死ですが、孤独死の死因として少なからず自殺者がいることを認識しておきましょう。 また、日本人の死因は「悪性新生物(がん)」が多いとされていますが、孤独死の原因は「心筋梗塞」など突発的な心疾患が多いといわれています。 「孤独死」と「孤立死」 孤独死と似た言葉で孤立死があります。どちらも明確な違いはありませんが、行政機関などで使われている資料では以下のように使い分けされています。 孤独死:家族との交流や地域での繋がりはあったが、老衰や突然の病気などにより、自宅で誰にも気づかれずに亡くなってしまう場合 孤立死:親族とも疎遠で地域での繋がりもなく、日常的に社会から孤立している人が自宅で亡くなり、そのまま誰にも気づかれない場合 孤独死を招く原因 孤独死を招く原因は主に以下が考えられます。 単身で生活している 人とのつながりが希薄 経済的困窮 それぞれ詳しく見てみましょう。 単身で生活している 孤独死を招く原因のひとつに、「単身で生活していること」があげられます。若い頃から未婚でいる場合もありますが、結婚していても配偶者と離別・死別をしてしまい、将来的に1人になってしまうこともあります。 単身での生活は高齢になるにつれ思わぬ弊害が徐々に増えてきます。誰かと住んでいれば避けられる事態も、一人暮らしによって誰にも気づかれず、最悪な結末を招くケースもあります。 例えば、軽い風邪だと思って病院に行かず、寝ている間に症状が悪化してしまったり、転倒などで大怪我をした際に動けずに助けを呼べず、そのまま亡くなる場合もあります。 また、家事全般を任せていた配偶者が亡くなった際に、1人では食事や掃除が満足にできず食生活が乱れたり生活環境が悪化したりする恐れもあります。 人とのつながりが希薄 孤独死を招く原因のひとつに、「人とのつながりが希薄であること」があげられます。近年では、SNSの普及や個人情報の意識が強くなった関係で、近所付き合いが減ってきています。 近所付き合いが減ることで、人と会話をすることが少なくなるだけでなく、万が一のときに頼れる人がいないということにもつながります。そのため、体調を崩したり怪我をしてしまったりすると誰にも気づいてもらえない状況に陥り、最悪の場合、孤独死に至ります。 また、家族と連絡をとっていない、頻繁に会う友人や仲間がいないなどの「人と接しない生活」は、家に籠もりきりの生活になりやすいです。家に籠もっていると、生きがいを無くし生活環境や健康状態が悪化してしまいます。そのままの状態を放置していると、自分の力では生活環境を改善できず、周囲にも助けを求められない「セルフ・ネグレクト状態」になる危険もあるので注意しましょう。 経済的困窮 孤独死を招く原因のひとつに「経済的困窮」もあげられます。貧困に陥る原因は企業の倒産やリストラによって収入がなくなるなど人によってさまざまです。 経済的に困窮している人は以下の状態になる危険があるので注意が必要です。 病気や怪我をしても治療費が払えないので病院に行けず、悪化してしまう 自宅にエアコンがない・使えない状態であるため体調不良を起こす 満足に食事ができず栄養が偏り、栄養不足になってしまう 女性よりも男性の方が孤独死になる可能性が高い 出典:「孤独死現状レポート」(一般社団法人日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会) 孤独死の男女比は男性が83.1%、女性が16.9%となっており、男性の方が孤独死をする可能性が高いことがわかります。 孤独死をしている人に男性が多い理由として考えられる原因は主に以下です。 食事や掃除などの家事が苦手 自炊が苦手だったり億劫だったりして食生活が適当になってしまう 掃除が苦手だったり億劫だったりして家の衛生面が悪くても放置してしまう 女性に比べて男性の方が人付き合いが苦手な人が多く孤立しやすい 各自治体による高齢者支援の取り組み 各自治体では高齢者を支援する取り組みをおこなっています。昨今では高齢社会に伴い、各自治体で高齢者支援サービスに力を入れているところが増えてきました。 高齢者を見守るサービスは自治体によってさまざまです。例えば東京都では高齢者への見守りとして、地域の人たちに以下の「異変への気づき」を呼びかけています。 昼間でも部屋の電気が点いたままになっている 何日も同じ洗濯物が干したままになっている 郵便受けに新聞や郵便物がたまっている 家の中から異臭がする 庭が荒れている 家の中から怒鳴り声や悲鳴が聞こえる 最近知らない人が出入りしている 住んでいる高齢者がほどんど外に出てこない(長い間顔を見かけない) 町内会、サークルなどの地域の集まりや行事に急に来なくなった また、「会話が噛み合わない」「髪や服装が乱れている」「同じものを大量に購入している」など、高齢者本人に認知症が疑われる言動を見かけた場合にも、地域包括支援センターや高齢者見守り相談窓口へ相談することを推奨しています。 自治体によっては「緊急通報装置の貸し出し」「電話訪問」など安否確認につながるサービスが多数あるので、孤独死を防ぐための対策として大いに活躍することでしょう。 参考:「高齢者等の見守りガイドブック」(東京都福祉保健局) 孤独死を防ぐための対策 孤独死の原因は状況によりさまざまです。孤独死に至らないようにするための対策は主に以下があります。 ボランティアなどの地域のコミュニケーションへ参加する 家族が頻繁に連絡をする 民間の事業者による見守りサービスを利用する 介護施設へ入居する それぞれ詳しく見てみましょう。 ボランティアなどの地域のコミュニケーションへ参加する 孤独死を防ぐためにボランティアなどの地域のコミュニケーションへ参加し、地域社会とのつながりを持ちましょう。 各自治体には、地域のボランティア活動や趣味のサークルといったさまざまなコミュニティがあります。コミュニティに属して定期的に活動することで、同じコミュニティの仲間から体調や安否を気にかけてもらいやすくなり、孤独死の防止に繋がります。 また、社会的なつながりと持っていると認知症の予防にも効果的です。特にボランティア活動は地域社会への貢献による達成感ややりがいを得られるのでおすすめです。 まずは自分に合うコミュニティや活動を探してみましょう。興味があるものがなければ、町内会の集まりや地元のお祭りなどに参加することから始めるのも良いですね。 家族が頻繁に連絡をする 孤独死を防ぐための対策として、家族が高齢者本人と頻繁に連絡を取りましょう。 高齢者本人と家族が連絡を取ることが習慣化すれば、1日連絡が来なかった際に「もしかして何かあったのかも…」と判断することができます。高齢者本人と家族の連絡が習慣化するまでは毎週何曜日に連絡を取るなど、日程を決めると忘れにくくなるのでおすすめです。 連絡手段は電話に限らず、メール、SNSなど、さまざまな連絡手段があります。最近では、スマートフォンを使いこなしている高齢者も多いので、LINEなどでメッセージを送り合うのも良いでしょう。 民間の事業者による見守りサービス 孤独死を防ぐための対策として、民間の事業者による見守りサービスを利用するのもおすすめです。 最近では、民間の事業者による見守りサービスが増加しています。見守りサービスは万が一のときに備えておくと安心です。 民間の事業者による見守りサービスとは、例えば以下です。 見守りセンサー:自宅内の毎日必ず通る場所(トイレ前など)にセンサーを置き、一定時間動きがないとセキュリティ会社へ連絡するサービス 見守りカメラ:自宅内に取り付け、離れて暮らす家族が本人の様子を確認できるサービス 安否確認サービス:郵便局員や宅急便の配達員が家を訪問してくれるサービス 電話相談サービス:生活に関することなどを相談できるサービス 緊急通報装置:自宅内に非常ボタンを取り付け、ボタンを押されたときに自宅に駆け付けてもらうサービス 介護施設へ入居する 孤独死を防ぐ方法として最も適しているのは、老人ホームなどの介護施設に入居することです。老人ホームでは、スタッフによる安否確認や健康管理が毎日おこなわれるのはもちろんのこと、季節のイベントやレクリエーションなど豊富にサービスが提供されます。 日々スタッフの見守りや、ほかの入居者との関わりがあるので、孤独死という最悪な結果を生むことはなく家族としても安心できるでしょう。 老人ホームを探す場合には、介護施設の紹介サイトを利用するのも良い方法です。紹介サイトでは、さまざまな施設の情報が提供されているので、入居希望者の状態に合った施設を探せます。 また、紹介サイトの相談員に相談すると、いくつかの希望に合った施設を紹介してくれることもあります。自分一人で施設を探すよりも、入居希望者に合った施設を効率的に見つけられます。 とくに「いい介護」には、「お客様の相談を受けて10年以上」というベテラン相談員が多数在籍しています。老人ホームをお探しの際にはぜひご相談ください。 高齢者の孤独死に関するよくある質問 孤独死する人はどんな人ですか? 家族や親族とのコミュニケーションがなく、近所付き合いも希薄な人が孤独死するケースが多いです。高齢社会に伴い、一人暮らしをしている高齢者が増加傾向にあるので、孤独死問題は軽視できません。 何故、男性の方が孤独死が多いのでしょうか? 女性に比べて男性の方が、日常的な地域の付き合いや、近所とのコミュニケーションを苦手とする人が多いと言われています。特に定年退職をした後は、社会との接点がなくなり孤立するケースも珍しくありません。 高齢者の一人暮らしはなぜ、増加しているのでしょうか? 少子化や核家族化などの理由から高齢者の一人暮らしが増加しています。2040年には65歳以上の高齢者4~5人に1人が一人暮らしをしているという予想がされており、年々増加傾向にあります。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "孤独死する人はどんな人ですか?", "acceptedAnswer": { ...
高齢者が一人暮らしをすることで起こりうる問題は多々あります
介護の基礎知識

高齢者の一人暮らしに潜む問題とは?|トラブルを回避するための4つの対策

「遠方に住んでいる親が一人暮らしをしていて心配…」「今は夫婦で生活しているが、将来どちらかが一人になったとき生活をしていけるのか不安…」などと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 この記事では、高齢者の一人暮らしに起こりうる孤独死や特殊詐欺などの問題や、その問題に対する4つの対策を解説しています。 親や親族が一人暮らしをしていて不安を抱えている方は、是非、参考にしてみてください。 一人暮らしによって起きる問題 「もしかしたら犯罪に巻き込まれてるかもしれない…」「遠方に住む親に連絡がつかない…」など高齢者が一人暮らしをしていると、家族として心配になるのは当然のことでしょう。 以下では、高齢者の一人暮らしによって起きる問題をまとめました。 孤独死のリスクが高まる 高齢者の一人暮らしで一番懸念される問題は「孤独死」です。孤独死と考えられる死亡事例は年々増加傾向にあり、下記は東京23区内における一人暮らしの65歳以上の死亡者数をまとめました。 出典:「令和2年版高齢社会白書」(内閣府) 原因は主に「誤飲による窒息」「転倒・転落」「浴室での溺死」などが挙げられ、誰かと住んでいれば避けられる事態も、一人暮らしによって誰にも気づかれず、最悪な結末を招くことがあります。 認知症の進行に気づけない 高齢者が一人で暮らすことで起きる問題のひとつに、認知症の進行が挙げられます。 認知症は「早期発見」「早期治療」することで、ある程度進行を遅らせることができます。しかし、一人暮らしをしていると自身の状態の変化には気づけず放置してしまう方が大半です。そのため、家族が気づいた頃には認知症が進行しているケースが後を絶ちません。 犯罪などのトラブルに巻き込まれる 高齢者を狙った特殊詐欺などの件数は減少傾向にはあるのですが、刑法犯認知件数に占める高齢者の被害件数の割合は増加傾向にあります。家族が身近にいれば回避できますが、一人暮らしの場合、気持ちが焦り犯罪に巻き込まれてしまうことも。犯罪に巻き込まれる要因としては、一人暮らしによって周りとの関わりが少なくなり、防犯に必要な情報を得られないということが挙げられます。 一人暮らしの問題に対する4つの対策 孤独死や振り込め詐欺など、高齢者の一人暮らしにまつわる問題はさまざまです。これらの問題に対して一番良いのは本人と家族が同居することですが、家庭の状況により同居はできないというケースは多々あります。 それでは、同居のほかにどのような対策があるのでしょうか。 以下では、一人暮らしの問題に対する対策をまとめました。 見守りサービスを利用する 最近では、民間の事業者による見守りサービスが増加しています。主なサービスとして、センサーを設置し、一定時間動きがないと緊急の信号を発してセキュリティ会社を呼んだりカメラを取り付けることで家族が24時間本人の様子を確認できたりと、さまざまなサービスが用意されています。 各自治体による高齢者支援サービスを利用する 高齢社会に伴い、各自治体で高齢者支援サービスに力を入れているところが増えてきました。例えば「緊急通報装置の貸し出し」「配食サービス」「外出支援」など、自治体によってさまざまなサービスが用意されています。ただし、あくまで支援にあたるため介護サービスは受けられないことを認識しておきましょう。 介護保険サービスを利用する 要介護認定を受けることで、介護保険サービスを利用できます。以下では、介護保険を利用して受けられるサービスの例をまとめました。 身体介助や洗濯・掃除などの生活支援を受ける:「訪問介護」日中施設に通い、食事や入浴、リハビリなどのサービスを受ける:「デイサービス」全面的な介護を受ける:「有料老人ホームなどの施設」 上記はあくまで一例で、本人の身体状況や希望によっては、さまざまなサービスを組み合わせることも可能です。介護保険サービスを利用することで、見守りが強化され、本人や家族も安心して生活することができます。 地域住民とつながりを持つ 地域住民とのつながりを持っておくことで最悪のケースを免れることができます。例えば、災害時に安否確認に来てもらったり体調が悪いときは見守りを頼んだりと、地域住民とのつながりは家族としても大きなメリットです。そのため、日頃から地域住民とのコミュニケーションは適度にとっておくと良いでしょう。 高齢者の一人暮らしに関するよくある質問 高齢者の一人暮らしはなぜ、増加しているのでしょうか? 少子化や核家族化などの理由から高齢者の一人暮らしが増加しています。今後も高齢者の一人暮らしは年々増加していき、2040年には65歳以上の高齢者4~5人に1人が一人暮らしをしているという予測がされています。 高齢者の一人暮らしに関する相談はどこですれば良いですか? まず、各自治体や地域包括支援センターへ相談すると良いでしょう。各自治体では、高齢社会に伴い、高齢者に対する支援活動に力を入れているところが増えてきています。「親が一人暮らしで将来的に心配…」といった悩みを持っている方は、一度、相談窓口を訪問してみると良いでしょう。 遠方に住む一人暮らしの親が心配…。何か対策はありますか? 遠方に親が一人暮らししている場合、民間の事業者による見守りサービスを導入するのはいかがでしょうか。センサーやカメラによる日常の見守りはもちろんのこと、ボタンひとつで緊急通報ができるなどサービスの幅は広いです。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "高齢者の一人暮らしはなぜ、増加しているのでしょうか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...
入院をきっかけに認知症の症状が進むこともある。悪化した場合は退院を促されることも珍しくない
介護の基礎知識

認知症の症状で退院を促されるワケ|退院が決まったときの対応

体調不良や怪我が原因で病院へ入院したものの、入院をきっかけとして認知症の症状が現れることがあります。認知症の症状の度合いによっては、医師や看護師が対応できず、退院を促されるケースもあります。 この記事では、退院を促されたことで起きる問題や退院が決まってしまったときの対応を解説しています。 「病院から突然、退院するように言われて困っている」といった悩みを持っている方は、是非、参考にしてみてください。 退院を促されたことで起きる問題 入院中に認知症の症状が悪化し、スムーズに治療が進まないと判断された場合、病院から退院を促されるケースがあります。以下では、退院を促されたことで起きる問題をまとめました。 転院先が見つからない 例えば、怪我が原因でまだリハビリを必要としていれば、継続してリハビリをおこなってくれる別の病院を探す必要があります。しかし、認知症の症状がひどく、リハビリを継続できない場合は転院先の受け入れは難しいです。 入居できる介護施設がない 認知症の人が退院後、生活する場所として、病院以外に介護施設も選択肢として挙げられます。しかし、介護施設であっても暴力・大声・被害妄想などがある場合、入居を断られることがあります。 あくまで介護施設は共同生活の場なので、他の入居者に迷惑がかかってしまう症状がある人は、受け入れが難しいと判断されるでしょう。 在宅介護サービスの選択肢が少ない 退院後、自宅で介護をするという選択肢もあります。しかし、在宅介護サービスに至っても認知症の症状がひどい場合は、選択肢が限られてしまいます。例えば、「デイケアに行ってもリハビリをする気力がない」「ヘルパーが訪問しても適切なケアを受けない」といった問題がある場合、利用は難しいでしょう。 退院が決まってしまったときの対応 入院先から「病院では対応ができないので退院してください」と言われたら、家族としては困り果て、途方に暮れることでしょう。では、突然、そんな事態になってしまった場合どうすれば良いのでしょうか。 以下では、退院が決まってしまったときの対応をまとめました。 病院の医療相談室を利用する 入院設備が整っている病院には、基本的に医療相談室が設置されています。 医療相談室ではソーシャルワーカーが常駐し、「退院後の生活」「転院・施設入居に関しての相談」「在宅介護サービスの相談」など多岐にわたり相談ができ、適切なアドバイスを受けられます。 地域包括支援センターに相談する 全国の市区町村には、高齢者の支援として地域包括支援センターという相談窓口が設けられています。地域包括支援センターには、ケアマネジャーや看護師といった福祉に関する有資格者が常駐していて、さまざまな相談を受け付けています。 認知症疾患医療センターへ転院する 認知症疾患医療センターは、認知症に特化した病院として全国に設置されています。 主に「認知症の専門治療」「認知症に関する相談」などが大半を占めており、認知症に関する有資格者が多いのも特徴的です。そのため、認知症の症状により一般の病院の退院を余儀なくされても、認知症疾患医療センターであれば対応できる可能性があります。 自宅で介護をおこなう 退院の際に、病院の医師や看護師に本人の状態と必要なケアを確認し、自宅で介護をするのも一案です。「自宅で介護ができる!」と判断した場合は、家族の協力だけではなく、認知症特化型の在宅介護サービスを利用するのが良いでしょう。 また、最近では民間の事業者による高齢者向けサービスも増加しています。例えば、認知症の人向けの場合、徘徊位置情報確認システムの貸し出しや万が一のときに警備員が駆けつけるサービスなど多種多様です。 病院では対応できない認知症の症状 認知症の人でも病院へ入院することはできます。しかし、認知症の症状が重く、治療がスムーズに進まない場合は受け入れができないことも。以下は、病院では対応できない認知症の症状をまとめました。 徘徊 一人で病院内を歩こうとしたり実際に歩き回ったりすることを指します。骨折しているのにも関わらず歩こうとしたり「自宅に帰りたい!」という帰宅願望で彷徨い歩いたりする人もいます。こうした問題から危険と認識され、病院では対応できないと判断されることが多いようです。 大声 認知症の症状により、昼夜問わず大きな声を出したり歌を唄ったりすることがあります。これにより、他の患者が寝不足になったりストレスを感じたりしてしまうため、病院としては対応できないと判断するようです。 暴力 医師や看護師が訪れると「何か嫌なことをされるのではないか」と感じ、興奮して手を上げる場合もあります。「必要な治療です」などと声かけをして落ち着いてもらえれば良いですが、認知機能が低下しているため理解してもらえないことが多いです。そのため、病院としてもこのまま入院させておくことはできないと判断します。 認知症の症状で病院に退院を促されるに関するよくある質問 認知症の人は入院できますか? 認知症の人でも入院はできます。しかし、認知症の症状が悪化し、医師や看護師が困るような場合は退院を促される可能性があります。 退院が決定してしまった場合はどうすれば良いですか? 病院の医療相談室や地域包括支援センターなどの窓口を利用するのが良いでしょう。「退院後の生活」「転院に関しての相談」「在宅介護サービスの相談」など、さまざまなアドバイスを受けることができます。 また、認知症の専門治療を受けられる認知症疾患医療センターへの入院も選択肢として挙げられます。 どのような症状だと退院を促されますか? 主に「徘徊」「大声」「暴力」などの症状が現れると退院を促されるようです。判断材料として「他の患者に迷惑をかける」「治療をスムーズに進ませてもらえない」といったことが挙げられます。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "認知症の人は入院できますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...
さまざまな介護のトラブルを解説
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介護トラブルの原因と対策を徹底解説|家族間で揉めないために気をつけること

2020年の総務省の統計によると日本では65歳以上が全人口の25%の3617万人を超え、4人に1人は65歳以上の高齢者という状況です。 急速に進む高齢社会は日本の深刻な社会問題となっています。この記事では日本の高齢社会の現状や起こりがちなトラブル、介護疲れを軽減するコツなどを紹介します。 主な介護トラブルは5種類 高齢化が進むことで、介護に関してのトラブルが年々増加しています。中でも深刻なのが以下の5つ。 老々介護 ダブルケア 介護難民 高齢者への虐待 老後破産 それぞれの原因を詳しく見ていきましょう。 老老介護・認認介護 老老介護とは、65歳以上の高齢者が65歳以上の高齢者を介護している状態のことで、認認介護とは、認知症の高齢者が認知症の高齢者を介護している状態を言います。 どちらも高齢社会に伴って増加傾向にあります。これらの問題は今後多くの人にとって自分事になる可能性が十分考えられます。 ダブルケア ダブルケアとは育児と介護を同時に担っている状態を言います。背景には女性の社会進出による晩婚化と出産年齢の高齢化があります。 例えば40歳前後で出産をした場合、親世代は60代、70代が主流になります。子どもを出産してから手のかかる育児時期に、さらに高齢になった親の介護が必要になる。 そのような状態をダブルケアと呼び、主に女性に大きな負担がかかる可能性があります。 介護難民 介護難民とは、介護が必要とされる高齢者や障がい者が、家庭、病院、施設のどこにおいても支援、介護サービスを受けられない状態を指します。 介護難民も高齢社会である現在の日本が抱える問題のひとつです。 2012年時点では約550万人もの人が介護難民とされており、「2025年問題」と称される団塊の世代が75歳以上になる2025年には、介護難民数が700万人にのぼると推測されています。 高齢者への虐待 高齢者への虐待が起きる理由として、在宅介護者の介護疲れやストレスの蓄積などが挙げられます。 ゆっくりと休息できる時間も社会との関わりも減り、介護にかかりきりになり、その上、いつまで続くかわからない不安な状態で追いつめられ、虐待に至ることも多いです。 虐待を防ぐ方法として、「怒らない」「否定しない」を意識した「相手の気持ちを尊重し、やりやすい介護」を一人でおこなうのではなく、家族で協力し「家族間で情報共有をする」ことを心がけましょう。 老後破産 老後破産とは、定年後の年金生活において、収入以上の支出が続いて生活が困難になってしまう状況のことを指します。 企業勤めをしていた現役生活から生活水準を変えられなかったり、医療費や介護費の負担も大きな問題となっています。 老後破産を防ぐために今からできることは、老後資金を増やすための準備です。まず、老後生活の収入面と支出面を把握しましょう。 居住費や保険料といった固定費をライフステージの変化をきっかけに見直すことがおすすめです。 親族間で起こりうる介護トラブル そろそろ親の介護が必要だとわかっていても、いざ始まると予想外のトラブルが発生します。介護で考えられる問題について解説します。 親の介護は誰がする? 法の観点で、子どもには親の介護をする義務があります。 兄弟姉妹がいると、役割分担をしながら面倒を見られると思っていても、いざそのタイミングが来たときに、遠方に住んでいたり、共働き、子育てをしていたり誰しもすぐ引き受けられない事情があるでしょう。 また、介護を引き受けてくれた兄弟姉妹がいたとしても、介護を任せきりになり、兄弟姉妹間が急に険悪になるなどのトラブルに発展する場合も多いです。 介護をすると相続で有利になる? 親が亡くなり、遺産相続の分割に関して親族間でトラブルに発展したという話はよくあるケースです。 一番多い理由に「親の介護」に関する問題があります。親の介護をすると相続の遺産分割で有利に働くか?というと答えは「No」です。相続の遺産分割は民法に定めがあります。 介護の貢献度合いを数値化することは非常に困難です。そんなときに有効な手段として、親が存命の場合に「介護している人を指定して遺産を多く遺す」という遺言書を記してもらうことにより貢献をした分、遺産を増やすことができます。 セルフネグレクトとは セルフネグレクトとは、意欲や能力の低下によって自分に対して関心がなくなることです。 その先には、掃除や洗濯、ごみ捨てなど身の回りのことができなくなり、結果としてごみ屋敷化し、孤独死へ…と発展してしまう恐れがあります。 解決策としては、まずは本人と信頼関係を築くことが大切です。セルフネグレクトの状態に対し、怒ったり否定することなく本人を尊重し、想いに耳を傾けましょう。 心を開いてくれた後、抜け出るための提案や支援を聞き入れてくれるでしょう。 介護疲れを軽減するコツ 介護は突然始まり、終わりが見えません。介護疲れを溜め込むと疲れ果ててしまい心身共に限界を迎えてしまいます。 介護疲れを軽減する上で一番大切なのは、まずは自分を労わること。お風呂にゆっくり浸かる、深呼吸をするなど、たった3分ほどでも良いので、少しでも自分の時間を持つことを心がけてください。 また、無理をしていると感じたら、介護施設への入居も検討しましょう。介護施設に問い合わせて、準備をしておけば、いざというときに頼れる先があるので安心です。 「どんな介護施設に問い合わせれば良いのかわからない」という方は、一度、私たちにご相談ください。「いい介護」には、キャリア10年を超える入居相談のプロフェッショナルが在籍しており、皆さまのお悩みをお伺いして適切なアドバイスをいたします。 介護のトラブルに関するよくある質問 日本が抱えている介護のトラブルとは何ですか? 現状では「老老介護」「ダブルケア」「介護難民」「高齢者への虐待」「老後破産」などが挙げられます。 しかし、2025年には団塊の世代が後期高齢者となり、それにより医療費や介護費が増大し、またしても日本が抱える介護のトラブルが増えると予想されています。現状、日本が抱えている介護のトラブルをいかに早く解決できるかが今後の課題です。 親族間での介護のトラブルはどんなものがありますか? 主に「親の介護を誰がするのか」「介護をすると相続で有利になるのか」といったトラブルが挙げられます。 介護を引き受けてくれた兄弟姉妹がいたとしても、つい任せきりになり関係が険悪になってしまったり、また逆に、自分は親の介護をしたのに兄弟姉妹と同じ又はそれ以下の遺産を受け取ることになりトラブルに発展するといったケースも多々あります。 2025年問題とは何ですか? 2025年問題とは、団塊の世代が後期高齢者となり日本が超高齢社会になることを指します。 団塊の世代全員が75歳以上になることで後期高齢者人口が爆発的に増加し、医療、介護、年金をはじめとした社会保障費の急増や介護人材の不足なども社会問題として挙げられます。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "日本が抱えている介護のトラブルとは何ですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...
介護休業制度とは?事業主のメリットやデメリットを解説
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介護休業制度とは|【何日とれる?給料は出る?】条件や介護休暇制度との違い

企業の福利厚生制度のひとつである介護休業制度。最近では利用する人も増えてきているようです。働きながら介護をしている人は、介護の身体的、精神的負担を考慮して「仕事を休む」という選択肢を一度考えてみても良いかもしれません。 この記事では介護休業制度の具体的な内容や申請方法、事業主のメリットやデメリットなどについて紹介します。 介護休業制度とは? 介護休業制度とは、労働者に認められている権利のひとつで、要介護状態にある家族の介護をおこなうために業務を休業できる制度のことです。 具体的に休業できる日数は介護の対象となる家族一人につき93日とされていて、その日数を最大で3回に分割して休業することが可能です。 なお93日とは休業中の土日祝日も含めた93日のことで、営業日ではないので注意しましょう。 このような制度があるにも関わらず、介護離職の数は年々増え続けており、能力の高い労働者が介護を理由に退職してしまうのは企業にとっても大きな損失です。 良い人材を流出させないためにも介護休業制度を適切に運用し、活用していくことが必要になってきます。 介護休業の対象者 介護休業制度を利用できる労働者は、要介護状態にある家族を実際に介護する労働者です。ここでいう労働者に雇用形態の定めはなく、正社員以外にもアルバイトやパート、派遣社員、契約社員などの有期契約の労働者も含まれます。 ただし、有期契約の労働者については、契約期間や契約の終了する時期によって対象者が限定されるので注意しましょう。 また、日雇労働者などの日々雇い入れられる労働者においては介護休業を取得することはできません。 なお、介護休業制度を利用するにあたり性差はなく、男性でも女性でも利用することができます。 有期契約労働者が介護休業を取得するための要件 雇用形態が有期契約の場合でも介護休業制度を利用することは可能ですが、以下の2つの条件を満たしている必要があります。 入社して1年以上が経過していること介護休業開始予定日から起算して、93日を経過する日から6カ月経過する日までに、労働契約が満了し、雇用契約が終了することが明らかでないこと 介護休業制度の本来の目的は、労働者が仕事と家庭を両立しながら継続して働けるようにすることです。そのため、こういった条件を定めることで、介護休業を取得してすぐに退職するといったことが起きないようにしています。 対象外になる労働者 事業主は原則として介護休業を申請された場合にはその申し出を拒否をすることはできません。しかし、以下のいずれかに該当する場合は労使協定で定められている限り、対象外とすることができます。入社してから1年未満 申出の日から93日以内に雇用期間が終了する1週間の所定労働日数が2日以下基本的に介護休業は労働者の権利になるので、自由に取得できることを前提に制度を構築するようにしましょう。 .point { position: relative; border: 3px solid #f08d18; margin-top: 40px !important; } .point::before { background: #f08d18; content: "POINT"; color: ...
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【事例付き】セルフネグレクトを引き起こす6つの原因と対処法

高齢者の生活に関する問題として、「セルフネグレクト」の文字を目にすることもあるでしょう。 セルフネグレクトとは、基本的な生活を維持するための意欲や能力を失ってしまうことです。自分の身体や身の回りのことに対して関心がなくなってしまうので、生活環境や栄養状況も悪化してしまいます。 セルフネグレクトに陥ってしまう原因として、高齢者本人の身体機能の低下や社会との孤立などが考えられます。 この記事では、高齢者が起こしやすいセルフネグレクトの原因について詳しく解説します。また、セルフネグレクト状態に陥ってしまった場合の対処法や、予防する方法も紹介するので参考にしてください。 この記事を読めばこれがわかる! セルフネグレクト状態になってしまう原因がわかる! セルフネグレクトになってしまった際の対処法がわかる! セルフネグレクトの予防方法がわかる! セルフネグレクトとは? ネグレクトとは「無視する」「世話を怠る」という意味の言葉です。養育しなければいけない子どもの存在を無視する育児放棄や、高齢者への介護放棄を指す言葉としてよく用いられています。 セルフネグレクトとはこのような無関心、放置といった状態が自分自身に向いてしまうことを言います。セルフネグレクトになると生きていく意欲や能力が減退するので、普通の生活を維持することが困難になってしまいます。 セルフネグレクトの主な事例は以下です。 家の前や室内にゴミが散乱した状態で暮らしている極端に汚れている衣類を着用したり、失禁があっても放置している窓や壁などに穴が開いている家や、家の構造が傾いている状態で住み続けている認知症であるにも関わらず介護サービスを拒否している怪我を負っているにも関わらず治療を拒否している セルフネグレクト状態に陥った人は自分自身でSOSを出すこともしないために、周囲の人も気付きにくく、どんどん状況は悪くなります。自治体なども実際にどれほどセルフネグレクト状態の人がいるのかを把握しておらず、今後の対策の強化が求められています。 セルフネグレクトの原因 セルフネグレクト状態に陥ってしまう原因と考えられるのは以下です。 身体機能や判断力の低下 ショックな出来事 社会的孤立 経済的貧困 家族による虐待 原因不明 それぞれ詳しく見てみましょう。 身体機能や判断力の低下 セルフネグレクト状態に陥ってしまう原因として、身体機能や判断力の低下が考えられます。 高齢者は加齢と共に身体機能が低下していきます。本人には普通の生活をする意思があるにも関わらず、身体的な理由で満足にできない状態が続き、セルフネグレクトへと発展してしまう場合があります。 具体的には、「筋力が低下したことで重たい物を持ち運ぶことが困難になり、掃除や片付けができなくなる」「視力が低下して周囲が見えづらいために、細かな片付けや家事などがおろそかになる」などがあります。 また、高齢者の中でも認知症を発症している場合、判断力が低下していくことでセルフネグレクト状態へと陥る場合も。一人で暮らしているために、認知症になっていることを誰からも気づかれずに生活に必要な行動をとることが困難になってしまい、セルフネグレクト状態になってしまうのです。 ショックな出来事 セルフネグレクト状態に陥ってしまう原因として、配偶者や親しい家族の死、病気、リストラなどのショックな出来事も考えられます。 親しい人の死や病気、リストラなどは、とても大きなショックを受けるため、生きる意欲が失われてしまい、最終的にセルフネグレクトにつながってしまうのです。 また、今まで家事などをしていなかった人が突然一人になった場合に、生活を維持できなくなってしまったり、「人の世話になりたくない」というプライドや「人の世話になるのは申し訳ない」という遠慮・気がねから支援を受け入れず、結果的にセルフネグレクトにつながってしまうこともあります。 社会的孤立 セルフネグレクト状態に陥ってしまう原因として、社会的孤立が考えられます。 高齢者の場合、配偶者との死別や離婚、退職などを経験して、社会との接点がどんどん希薄になる可能性が高くなります。 社会とのつながりがなくなることでセルフネグレクトが進んでいても、誰にも気づいてもらえずに、エスカレートしてしまう恐れがあります。セルフネグレクトの人が受けられるはずの適切なケアも受けられなくなり、社会的な孤立がさらなる悪循環に招きます。 経済的貧困 セルフネグレクト状態に陥ってしまう原因として、老後の蓄えがなく年金だけで基本的な生活を維持できない高齢者や、認知症を発症して金銭管理ができなくなったなどの経済的貧困も挙げられます。 経済的な貧困状態にある人の場合、国民健康保険などに未加入のケースも多く、その場合は医療費が全額自己負担になります。病院に行くお金がない、行っても望む治療が受けられないということでますます無力感を感じてセルフネグレクトが進行してしまいます。 家族による虐待 家族から精神的、身体的虐待を受けているとセルフネグレクト状態に陥る可能性がとても高くなります。特に加害者が自分の子供の場合は、育てた本人である自分自身を責めてしまうことも多く、誰にも助けを求めることができなくなります。 暴力や暴言を受けていたり、脅されたりする日々が続くだけで、「自分はいらない存在だ」「役に立たない人間だ」「生きていても仕方がない」と思い込むようになり、誰にも迷惑をかけずに黙って死んでいこうと考えてしまう人もいるようです。 原因不明 セルフネグレクト状態に陥ってしまう原因がはっきりしていない場合もあります。セルフネグレクト状態になる原因については、本人も思い当たるふしがないことがあります。また、セルフネグレクト自体について、まだ不明点が多いのが現状です。 セルフネグレクト状態になっても早めに対処すれば深刻化する前に、セルフネグレクトの問題を解決できます。大切なのは、誰もがセルフネグレクトになる可能性があることを知っておき、問題が起きたときにすぐに対処できるようにしておくことです。 セルフネグレクトのチェックリスト セルフネグレクトになってしまっても、家族や周りの人、本人も気付かない場合があります。家族や自分自身の生活に以下のような点が現れたら、一度、セルフネグレクトについて考えてみましょう。 ゴミが捨てられず、生活に支障が出るほど溜め込んでいる 窓や壁に穴が開いていてもそのままの状態で住んでいる 郵便物を確認せずに溜め込んでいる いつも同じ服を着ている 服が汚れても着替えない 何日も風呂に入らない 歯磨きをしない 散髪しない ひげを剃らない 爪を切らない 失禁しても放置している ごはんを食べない 栄養を考えずお菓子やインスタント食品だけを食べる 病気をしていても、治療を拒否する 処方された薬を飲まない 人との関わりを拒否する 介護サービスが必要であるにもかかわらず、介護サービスを拒否する 金銭管理ができず家賃や公共料金を滞納している セルフネグレクトの対処法 セルフネグレクト状態に陥ってしまった際の対処法は主に以下です。 本人の想いを聞く 地域包括支援センターへ相談する 介護サービスを利用する 認知症など疾患がある場合は治療する 家事手伝い代行サービスを利用する それぞれ詳しく見てみましょう。 本人の想いを聞く まずは、本人がどう思っているのかをきちんと聞き取り、サポートをする人と本人の間で信頼関係を築くよう心がけましょう。 どうしてゴミを溜めてしまうのか、介護サービスの利用を拒否するのは何故なのか、など、一度話し合う場を設けて本人の想いに耳を傾けてみてください。 話を聞く際には怒ったり、相手の言葉を否定をすることは避け、心を開いてくれるように穏やかに話しやすい雰囲気を作ることを意識しましょう。そのような話し合いを続けることで、セルフネグレクトから脱却するための提案も受け入れてくれるようになるはずです。 地域包括支援センターへ相談する 自分の親がセルフネグレクト状態に陥ってしまい、どうすれば良いかと悩んでいる場合は地域包括支援センターなどを活用しましょう。地域包括支援センターは、全国の自治体に設置されており、誰でも相談できる無料相談窓口があります。 地域包括支援センターでは、実際に要介護状態にあるにも関わらず介護認定を取得していない人に対して、要介護認定の申請をおこなうことも可能です。申請していない人は相談してみると良いでしょう。 介護サービスを利用する 介護認定を受けている場合には、訪問介護や訪問入浴、デイサービスといった介護サービスを受けることができます。 これらの介護サービスは自己負担額が原則1割となっているため、民間のサービスを利用するより費用を抑えて利用できることに加え、介護のプロに身の回りのことを任せられるので安心して利用することができます。 ただし、これらの介護サービスはあくまでも介護を目的としていますので、掃除や食事の準備といった家事サービスはおこなってくれません。 また、介護サービスの利用だけではなく、将来的に老人ホームのような介護施設の入居を検討するのも良いでしょう。 介護施設は、常に居住空間を清潔に保ってくれるのはもちろんのこと、栄養バランスの良い食事やレクリエーションによる適度な運動、定期的な入浴など身の回りのことをサポートしてくれます。 セルフネグレクト状態にある人にとって健康的で安定した生活を送るきっかけになってくれるでしょう。 認知症など疾患がある場合は治療する 認知症や精神疾患などを患っている場合、病気が進行するにつれ判断力も低下し、セルフネグレクト状態になることもよくあります。 そうならないようにするために、まずは医師に相談しましょう。認知症は完治する病気ではありませんが、医師の適切な治療を受けることで、進行を遅らせたり、緩和させたりすることが可能です。 なお、病院で診断を受けた後は、今後の生活についてどのような支援が必要かを家族の中できちんと相談することが大切です。 家事手伝い代行サービスを利用する 身体機能が低下し、身の回りの家事が難しくなってしまった場合は家事代行サービスを利用するのもセルフネグレクト状態から脱却する方法となります。 掃除はできるが、料理をすることができないという場合には定期的に食事の宅配サービスを利用しても良いかもしれません。 また、サービスを利用するだけではなく家族や親族、ボランティアの人などの協力を得て部屋を綺麗に保つことも効果的です。清潔に、健康的な状態でいることでセルフネグレクトからの脱却が期待できます。 いろいろなサービスを組み合わせて活用することで、居心地のいい環境を整えていくと良いでしょう。 セルフネグレクトを予防するには セルフネグレクト状態になる前に予防しておくのも重要です。気をつけるポイントは主に以下です。 本人が気持ちを話しやすい環境をつくる 周りの人が本人の様子に気付きやすい環境をつくる それぞれ詳しく見てみましょう。 本人が気持ちを話しやすい環境をつくる 本人が自分の気持ちを話せる場がないと、だんだん心を閉ざすことになり、やがて日常生活を送る気力を失ってしまいます。本人が辛いことを我慢せずに、本音を話せるような環境づくりを心がけましょう。 セルフネグレクトが進行する前に、カウンセラーなどに相談できればセルフネグレクトの症状が改善する場合があります。本人が相談に行けるようなサポートも考えるのがおすすめです。 周りの人が本人の様子に気付きやすい環境をつくる 晩婚化や核家族化の進む日本では、ますます孤独な高齢者が増えることが予想されています。孤独な生活を送るなかで、誰にも気づかれずにセルフネグレクト状態になってしまった場合はそのまま悪化してしまう可能性が高いです。 セルフネグレクトを予防するには、日頃から本人が一人にならないこと、ひとりにさせない、社会全体で一人にさせないことが大事です。 「社会との関わりをつくる」「一人暮らしの高齢者や家族がいる場合にはなるべく気にかけるようにする」などを少しずつおこなうことで、心身ともに健康的な生活を送れます。 セルフネグレクトに関するよくある質問 セルフネグレクトはどんな人に多いですか? 高齢者の場合、周囲に頼ろうとせず社会的に孤立してる状態の人がセルフネグレクトに陥りやすいです。誰かが手助けをしようとしても拒否する傾向が強いのも特徴と言えるでしょう。 セルフネグレクトの対策はありますか? まずは本人がどう思い、どうしていきたいのかを聞き取ることが重要です。本人の思いを聞いた上で、各自治体や地域包括支援センターなどに相談をして、必要に応じて介護サービスを利用し、社会的孤立をさせないようにすることが重要です。 セルフネグレクトは男女どちらが多いですか? セルフネグレクトの男女比を見ると半数以上が女性です。また家族構成も本人のみの独居が多く、交流が少ない戸建て住みの人がセルフネグレクトになりやすいとされています。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "セルフネグレクトはどんな人に多いですか?", "acceptedAnswer": { ...
認知症の人による食事トラブルは、食べものを食べものとして認識していなかったりすることから起こる
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老老介護・認認介護とは|原因と対策、サポート体制について

高齢社会に伴い、「老老介護」や「認認介護」という言葉を聞いたことがある人も増えているでしょう。また、これらは今後、多くの人にとって自分事として問題になっていくことも十分に考えられます。この記事では、老老介護、認認介護について説明していきます。 老老介護とは 老老介護とは、高齢者が高齢者を介護している状態のことを言います。具体的には、介護する人も介護される側の人も65歳以上の高齢の場合で、さらに、共に75歳を超えている場合には「超老老介護」とも言われます。 日本では、老年人口と呼ばれる65歳以上の高齢者の割合が25%を超えてきており、完全に超高齢社会となりました。要介護者の人数が増加に伴って老老介護のケースも増えており、問題になってきています。 認認介護とは 認認介護とは、認知症の高齢者が認知症の高齢者を介護している状態を言います。老老介護と同様に高齢社会に伴って増加の傾向にあります。 厚生労働省が2019年に実施した調査の結果では、介護が必要になった理由として一番多かったのは認知症であり、認知症患者の増加が認認介護が増えてきている要因となっています。 また、要介護申請をしていない人は現在800万以上いるといわれており、実態は調査結果などの数字以上に増加している可能性もあります。 MCI(軽度認知障害)が増加傾向にある 認知症の診断は受けていないが、軽い記憶障害が出始めて、認知症の一歩手前の状態をMCI(Mild Cognitive Impairment)と言います。 現在、65歳以上の人のうち14%程度、約400万人以上がMCIになっているというデータもあり、認知症ではない状態でも、何らかの認知障害を持っている人が増えています。その結果、MCIの人が介護をしている状況も増加してきており問題視されています。 老老介護・認認介護によって生じるリスク 老老介護、認認介護はともに増加傾向にありますが、高齢者同士による介護にはさまざまなリスクがあります。注意したい点について見ていきましょう。 介護者にかかる負担が増大する 介護は、被介護者の身体を起こしたり支えたりすることも多く、健康な若者でも体力的な負担は大きいもの。これを高齢者がおこなうとなると、その負荷の大きさは相当なものになってしまいます。 場合によっては、無理をすることによって自分の身体を痛めて、その後の介護が難しくなってしまうことも考えられ、高齢者による介護の大きなリスクのひとつと言えます。 共倒れに注意 介護する人の体力面の負担によって、何らかの身体的な問題を抱えてしまったり、精神的な負荷により介護の継続が不可能になってしまうと、まさに共倒れの状況となり、介護する人と介護される人の双方にとって大きな問題となります。老老介護においては、このような共倒れが起きないように注意しましょう。 .point { position: relative; border: 3px solid #f08d18; margin-top: 40px !important; } .point::before { background: #f08d18; content: "POINT"; ...

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

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