仕事と介護を両立させる7つのポイント|現状と支援制度を解説

仕事と介護を両立させる7つのポイント|現状と支援制度を解説

更新日 2024/04/15

仕事と家族の介護を両立することはできるのでしょうか?自分のことは後回しにした結果、精神的や肉体的に追い詰められるケースは少なくありません。

この記事では仕事と介護の両立に役立つ7つのポイントをまとめています。是非参考にしてくださいね。

両立させるためのポイント

長く仕事と介護を両立させるには、介護に関わる外部サービスや制度を上手く組み合わせて活用したいところ。そのポイントは以下の7つです。

  • 職場に理解をしてもらう
  • 役所や地域包括センターを活用する
  • ケアマネジャーに相談する
  • 介護保険サービスを上手に活用する
  • 家族と良好な関係を築く
  • 自分の時間を確保する
  • 介護施設への入居を検討する

職場に理解をしてもらう

まずは、職場に家族を介護している現状を伝えましょう。

突然の休暇や遅刻が介護によるものだと上司や同僚がわかっていれば協力が得られやすくなり、仕事を他の人に任せやすくなります。

逆に伝えていなければ印象が悪くなり、両立がますます厳しくなるでしょう。職場に伝えることは職場全体にとってもメリットとなるのです。

役所や地域包括センターを活用する

仕事と介護を両立させるには役所や地域包括支援センターを活用するのがポイント

介護事業者や介護サービスについて相談したい場合は役所や地域包括支援センター、保健所や社会福祉協議会などが窓口となります。

地域包括支援センターは高齢者の自立を目的に介護予防のケアプラン作成などをおこなっています。専門スタッフのアドバイスによって、介護に関わる負担軽減につなげることができます。

ケアマネジャーに相談する

要介護認定の申請をして判定を受けると、要介護者に担当ケアマネジャーがつきます。

ケアマネジャーの仕事は介護プランを作成するだけにとどまりません。介護する家族の仕事との両立方法や、精神的・体力的負担の悩みなどに関しても具体的な対策について相談することができます。できるだけケアマネジャーのアドバイスも参考にしましょう。

介護保険サービスを上手に活用する

仕事と介護を両立させるには介護保険サービスを活用するのがポイント

介護は一人でおこなうものではありません。一人で抱え込み、社会から孤立しないように介護保険サービスを上手に利用しましょう。

在宅介護をしている場合は、ホームヘルパーに依頼して食事や入浴サポートを専門スタッフから受けることが可能です。送迎込みの通所サービスなどもあり介護者の負担軽減につながります。

介護保険外のサービスも検討 介護保険外のサービスも大変充実しています。全額自己負担なので費用的負担はありますが、民間企業ならではのきめ細かいサービスが好評です。

例えば訪問理美容や洗車サービス、自宅で調理が難しい方のために宅食サービスが人気です。事業者により提供サービスが異なるので事業者に問い合わせたりクチコミを確認しておくと安心です。

家族と良好な関係を築く

介護は突然始まり、終わりが見えないのが大きな難点。介護が始まると家族の協力が必要不可欠です。認知症になるなどしてコミュニケーションが取りづらくなる前に、介護について話し合い、親の意向を確認しておくと後にスムーズです。

介護が必要になったらどんな施設に入りたいか、在宅介護を望むかなど。元気なうちに話して親の考えを尊重しつつ、家族も長く介護が続けられるプランをたてましょう。

自分の時間を確保する

長く介護をする秘訣は、まずは自分を労わること。自分を後回しに無理をし続けると疲れが溜まり、介護に仕事、日常生活のすべてにおいて悪影響が及びます。

共倒れを回避するためにも周りに現状を共有し、介護施設や介護サービス、制度を活用し負担軽減を心がけましょう。人生100年時代と言われています。長く見据えた無理のないケアプランを立てましょう。

介護施設への入居を検討する

仕事と介護を両立させるには介護施設への入居を検討するのがポイント

介護を実際に始めると、予定通りにいかず難しさを実感せざるを得ないことがあります。認知症の進行に伴って思いもしない問題が起こることもあるでしょう。

自宅での介護が難しいと感じたときは、24時間365日のサポート対応がある介護施設や老人ホームの利用を考えてみましょう。緊急時に頼れる先があることは、この先続く介護生活において心強いですよ。

仕事と介護の両立における現状

高齢化が進む日本では、仕事と介護の両立は避けて通れない選択となっています。総務省統計局の2017年の調査によると、介護をしている15歳以上で仕事をしている人は約350万人、仕事をしていない人は約280万人でした。

介護者の約半数以上は仕事と介護を両立していますが、この年、介護離職をした人は9万9000人というデータもあります。介護に専念するため、勤め先の理解が得られないなどが離職理由として挙げられます。

ダブルケアも増加傾向

ダブルケアとは、育児と介護の両方をおこなうことです。2016年の内閣府のデータによるとダブルケアをおこなっている人は25万3000人。男女別にみると男性8万5000人、女性16万8000人。15歳以上のダブルケア人口は全体の0.2%となっています。

晩婚化に伴った出産年齢の高齢化、育児中ながらも介護の必要性が出てくるダブルケアも増加傾向にあります。

両立を助ける国の取り組み

高齢化に伴い介護離職者も増えています。国も介護と仕事を両立する労働者を救済するための制度を設けています。

介護休業制度

介護離職の防止策として、国には介護休業制度・介護休暇制度などがある

介護休業制度とは、家族が身体または精神上の障害などにより2週間にわたって介護を必要な場合、対象家族1人につき93日まで介護のために休みを取得できる制度です。

1年以上の雇用など一定の条件を満たしている労働者は国から「介護休業給付金」が支給されます。介護休業給付タイミングは復職後。介護休業を希望する場合は、原則事業主を経由して申請を行うので、早めに周知しておくことをおすすめします。

申し出を受けた事業者は、介護休業の開始日と終了予定日を厚生労働省に通知しなければいけません。

介護休暇制度

介護休暇制度は家族の介護のために休暇を取る制度で、介護休業制度よりも単発で利用できます。

対象家族が1人だと1年につき5日まで、半日だと10回まで取得可能。当日の申請が可能で1日か半日単位で取得できます。

6ヵ月以上の雇用、要介護状態にある家族を介護しているなどが条件にあります。この場合、食事や排泄サポートなどの直接の介護だけではなく、ケアマネジャーとの面談や福祉用具レンタルのための打合せ、介護保険の手続きなども対象となります。

勤務時間の制限

介護との両立をするため勤務時間を制限する制度もあります。労働者の請求により、1回につき所定外労働と時間外労働で1ヵ月以上1年以内の期間、深夜業は1ヵ月以上6ヵ月以内の期間残業を制限できます。

なお事業者は請求を拒むことができ、入社1年未満や1週間の所定労働日数が2日以下などは対象外となるケースもあります。労働者は請求をする際、事前に要件を確認しておくことが大切です。

企業における両立のための取り組み

職場の中心的存在の突然の退職は、本人だけでなく企業にとっても大きな損失です。ここでは一般的に企業で行っている介護離職防止策を紹介します。

介護休業制度の周知

介護離職の防止策として一般企業もさまざまな対策をとり始めている

企業が制度を設けていても、労働者に周知・活用されていなければ意味がありませんよね。

確かに以前では、育児・介護休業法の両立支援制度を知らないまま介護と仕事との両立に苦しむ労働者も少なくありませんでした。

しかし昨今では、介護に関わる制度についてしっかり周知し、支援制度によって労働者の負担軽減に繋げようという企業も増えてきました。

活用事例として過去に制度を取得した人がいるのか?など、お勤めの会社に確認してみても良いかもしれません。

勤務制度を見直す

育児・介護休業法では「所定労働時間短縮制度」「フレックスタイム制度」「時差出勤制度」「介護サービス費用助成、その他準ずる制度」のいずれかで対応措置を設ける必要があります。

育児・介護休業法の内容を理解することは、介護離職を防ぐために必要不可欠です。難しく思えるかもしれませんが、制度の内容をしっかりと理解することも大切です。

複数の制度を設け、介護しながら働く労働者に合った制度を選択して労働者が無理なく柔軟に働ける企業も増えてきていますよ。

リモートワークも活用しよう

新型コロナウイルスをきっかけに、リモートワークが普及しました。

リモートワークをすることで、通勤時間の削減をはじめとして日中の時間が柔軟に使えるように。介護と仕事のスケジュールを効率良く組むことで、両立の負担軽減に繋げられる可能性も高まったはず。リモートワークを実施したい方はまずは可能かどうか会社に相談してみましょう。

会社とは自ら情報を共有しよう 職場に対して、家族の介護で介護者本人が置かれている状況を伝え、事前準備をしておくことが大切です。そして必要に応じて介護支援制度を利用しましょう。

日頃から職場に情報を共有しておくことで、周囲も声掛けがしやすくなるはず。その際、謝意を示すことも大切です。声掛けされることで介護者も一人で抱え込まずに済み、悩みを打ち明けやすい状況になるかもしれず、それがやがては介護離職を防ぐことにも繋がるはずです。

仕事と介護の両立に関するよくある質問

介護を理由に会社を休むことはできますか?

昨今では、介護休業制度を設けている企業が増えてきています。介護休業制度とは、労働者に認められている権利のひとつで、要介護状態にある家族の介護をおこなうために業務を休業できる制度を指します。

介護と仕事の両立ができず離職する人は多いですか?

総務省統計局の2017年の調査によると、この年、介護離職をした人は9万9000人というデータがあります。理由として勤め先の理解が得られないなどが挙げられます。また、今後も介護離職者が増えることが予想されており、介護離職は社会的問題です。

介護と仕事の両立について企業はどんな取り組みをしていますか?

「介護休業制度」「介護休暇制度」「勤務時間の制限」などを制度化している企業が増えています。

ただし、それぞれの制度には要件や書類の準備が必要です。まずは勤め先に介護に関しての制度があるかどうかを確認しましょう。

また、新型コロナウイルスをきっかけに、リモートワークが普及しました。すぐに制度が利用できないのであればリモートワークが可能であるかも確認した方が良いでしょう。

地域から老人ホーム・介護施設を探す

北海道・東北

北海道札幌市)|青森県岩手県宮城県仙台市)|秋田県山形県福島県

関東

東京都神奈川県横浜市 / 川崎市 / 相模原市)|埼玉県さいたま市)|千葉県千葉市)|茨城県栃木県群馬県

甲信越・北陸

新潟県新潟市)|富山県石川県福井県長野県山梨県

東海

愛知県名古屋市)|岐阜県三重県静岡県静岡市 / 浜松市

関西

大阪府大阪市 / 堺市)|京都府京都市)|兵庫県神戸市)|滋賀県奈良県和歌山県

中国・四国

岡山県岡山市)|広島県広島市)|鳥取県島根県山口県徳島県香川県愛媛県高知県

九州・沖縄

福岡県福岡市 / 北九州市)|熊本県熊本市)|佐賀県長崎県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

よく読まれている記事

よく読まれている記事

article-image

介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

article-image

グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

article-image

【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

介護の基礎知識

total support

介護の悩みを
トータルサポート

total support

介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。

鎌倉新書グループサイト