家族が老人ホームに入居するなら、快適で生活しやすい老人ホームを選ぶことが大切。そのためには、いくつかの施設を見学する必要があります。やみくもに見て回るのでは埒があきません。
満足のいく老人ホームに出会えるように、良い老人ホームを見分け方のポイントを詳しく解説していきます。
Contents
良い老人ホームを見分けるのにもっとも重要なポイントはどのような点でしょうか。
まずは、その施設がいかに住みやすいように配慮されているのかを確認しましょう。
玄関やロビーは、お客様を迎えるために施設がもっとも環境を整える場所です。老人ホームの雰囲気やスタッフの様子などが、玄関から感じられるような施設は良い老人ホームと言えます。
また、本人がそれまで住んでいた生活環境や考えに近い施設を検討することも大切です。静かな環境を好む人にはプライベートな時間を確保できる施設を。また人と人との交流を楽しんできた方には、アットホームな雰囲気の施設が良いでしょう。
老人ホームの雰囲気を一番左右するもの、それはスタッフの質であるといっても過言ではありません。では、良い老人ホームの良いスタッフの理想像とは、一体どのようなものなのでしょうか。
コミュニケーション能力が高い介護スタッフは、入居者に対して丁寧な対応と対話を大切にしています。入居者の立場を考えて行動して、入居者が求めるケアをいち早く提供することができます。
入居者とスタッフの間に良い関係が築かれ、ケアをする側のスタッフの表情や態度にも余裕が生まれます。ひいては、施設全体の雰囲気にも良い影響を及ぼします。
入居者の要望に対して先回りして対応してくれているかどうかも大事なポイント。入居者が快適に普通の生活を送るにはどうすれば良いのか、入居者の立場で考えられたサービスが提供されているかどうかを見極めることが重要です。
とはいえ、事前にスタッフの様子を確認することは難しいことです。口コミや体験入居などを確認しておくことをおすすめします。
ほかには、老人ホームのどのようなポイントに注意して、施設の様子をチェックしていけばよいのでしょうか。
老人ホームの見学にもっとも適しているのは、昼食の時間帯です。食堂への誘導や食事介助などで忙しい時間帯にこそ、介護スタッフによってどのようなサポートが提供されているのかを見ることで、スタッフや施設の実態を見ることができるのです。
食事の提供時間は、施設にとってもっとも慌ただしい時間です。その中で、入居者がスタッフによりきちんと見守られ、それぞれの状態に合わせた適切な介助が行われているかを確認してください。入居者がスムーズに食事を楽しまれているようであれば、問題はないでしょう。
見学時に必ず確認したいのが、車椅子です。落ちた食べ物などの汚れやほこりがついていないか、タイヤの空気はちゃんと入っているのか、などを確認しましょう。
車椅子をはじめとする福祉器具は、入居者の体の一部となる大切な道具です。丁寧に扱われ、安全に注意し、定期的にメンテナンスがされているか。入居者が心地良くホームを利用できるよう配慮しているかといった意識の高さを確認することができます。
入居を検討する施設がいくつかに絞られてきたら、その施設の職員の定着率と入居率をチェックしましょう。職員の状況は「重要事項説明書」で確認することができます。
重要事項説明書とは、施設側によって都道府県に提出された書類であり、入居者が施設について知っておくべき情報を把握することができるものです。
他の職場と同様、職場の環境や待遇が良い老人ホームでは職員の定着率も高く、職員にも余裕があります。その余裕が、施設全体の雰囲気や入居者への配慮にも大きな影響を及ぼすことは間違いありません。
老人ホームで快適な生活を過ごすためには、年中行事やイベント、レクリエーションの内容もチェックしておきたいポイントです。
お住まいの地域や季節を意識したイベントや、映画鑑賞、スポーツなどのレクリエーションに参加することは、単調な毎日を送りがちな老人ホームでの生活の刺激となり、行動する意欲を高めることができます。
施設によってイベントの頻度や趣向は大きく違うので、ホームページや資料などで確認してみると良いでしょう。
北海道(札幌市)|青森県|岩手県|宮城県(仙台市)|秋田県|山形県|福島県
東京都|神奈川県(横浜市 / 川崎市 / 相模原市)|埼玉県(さいたま市)|千葉県(千葉市)|茨城県|栃木県|群馬県
愛知県(名古屋市)|岐阜県|三重県|静岡県(静岡市 / 浜松市)
大阪府(大阪市 / 堺市)|京都府(京都市)|兵庫県(神戸市)|滋賀県|奈良県|和歌山県
岡山県(岡山市)|広島県(広島市)|鳥取県|島根県|山口県|徳島県|香川県|愛媛県|高知県
良い老人ホームを見つけるためには複数の施設を比較することも大切です。
老人ホームの入居にかかる費用については、以下のポイントに気をつけてチェックしておきましょう。
「入居一時金」と「月額利用料」の両方を比較することが大切です。これらの費用は、施設ごとの設備や体制、サービスの内容、施設の立地によって大きく異なります。
入居後も無理なく支払える範囲であることを確かめ、かつ「入居一時金」には「償却期間」があることも確認しておきましょう。
償却期間中になんらかの事情で退去することになった場合、入居一時金として多く支払った費用が返還されるのか、されないのかをしっかり納得されたうえで契約しましょう。
施設ごとに項目名や内訳などが異なる費用もあるので、事前に施設に確認して、入居後の費用トラブルを避けましょう。
現在または将来、ご家族に必要となる介護体制を比較することも重要です。
介護スタッフの多い施設では、通常より細やかなサポートを受けられるでしょう。しかし、費用負担が増えることもあるので、前もって確認しておきましょう。
介護スタッフは、一部を除き、医療行為をすることができません。病院や医療法人が経営する老人ホームの多くでは医療体制が整っていますが、医療体制の不十分な施設では不安の種が尽きません。
将来を見据えつつ、ご家族の身体状況に合わせた必要な医療ケアが受けられるかどうかを確かめておきましょう。
とくに、看護師の配置状況や以下については、チェックしておきましょう。
有料老人ホームは、設備によって下記のように分けて考えることもできます。入居者の要望に合わせて施設設備の比較もしておきましょう。
なにより入居者の状況にあった施設を検討することが重要です。見学の際には、設備がどう配慮されているのか、下記のポイントを中心にチェックすると良いでしょう。
また、入居者がもっとも長い時間を過ごす居室のチェックも必要です。入居者が快適に過ごすために確認しておきたいポイントもご紹介します。
入居者が長期的に安心して快適な生活していくためには、施設の経営状況についての把握も重要です。
特に民間が運営している施設では必須です。「財務諸表」(運営会社のホームページのIR情報に掲載されていることもある)などを提示してもらい、下記の点に注意してチェックしてください。
入居開始から1年ほど経っていても入居率が50%を切っている施設は、経営状況があまり良くない可能性があるので、判断が必要です。
老人ホームに入居中の夜間の介護体制や、ご家族の容態が急変された時、地震や火災などの災害に見舞われた時、施設がどのような対応をしているのかも、確認しておきたいポイントです。
多くの老人ホームでは日中は安心の介護体制が整っているもの。しかし、夜間はスタッフの人数が、日中よりも少なくなることは理解しておきましょう。
施設の設備や規模やスタッフの配置人数によっても変わりますが、夜間の定期的な巡回が入居者それぞれの症状にあった確認方法で行われているかがわかると安心です。
また、夜間に本人の容体が急変した時などは、どのような対応をしてもらえるのかを事前に確認しておくことも大切です。
老人ホームには、看護師の夜間常駐は義務付けられていません。そのため、特に持病のある方、体調に不安のある方の場合は、医療機関が運営する老人ホームを選ぶと安心です。
医師や看護師との連携がとれるため、なにか異変があった時などに医師のサポートをいち早く受けることができます。
また訪問看護を行っている医療機関であれば、24時間体制の訪問看護ステーションと契約できるので、容体の急変などがあっても、すみやかな対応が期待できます。
老人ホームでの、地震や火災など災害時の対応も重要です。
緊急事態が発生した時のすみやかな119番通報など、スタッフに対する指導や訓練が日常的に行われているのか、消防署員の指導のもと避難訓練が定期的に行われているのかも、チェックしておきたいポイントです。
また、緊急事態の際の入居者の避難に適している構造であるか、老人ホームの建物や設備についても必ず確かめておきましょう。
老人ホームにかかる費用は、施設によって大きく違います。家賃設定や提供されるサービスの内容にもよりますが、もっとも大きく異なるのは、運営会社の違いによるものです。
比較的費用の安い老人ホームは、NPO法人に運営されているものが多く、補助金などの優遇措置を受けることができます。利用料の支払いも、月額定額制をとっている施設が多くあります。
一方で利用料の高い高級老人ホームでは、ほかと比べて施設や設備が充実しています。最新型の介護器具や娯楽設備などを完備することによって、入居者が充実した毎日をおくるためのサポートをしています。
良い老人ホームの見分け方を説明してきました。すべてのポイントに満足できる老人ホームを探すことは、難しいかもしれません。
大切なのは、なにを重視して老人ホームを選ぶのかということです。それぞれの希望条件やポイントに優先順位をつけて考えてみることをおすすめします。そうすることで最優先にすべきポイントやゆずれないポイント、妥協できるポイントが見えてくるはず。
最善の老人ホームに入居できるよう、事前に家族みんなで話し合いをしておくことが大切です。
良い老人ホームとは入居者と介護スタッフの関係性が良く、施設の雰囲気や家族も含め人と人との交流を大切にしている施設を指します。
また、スタッフの定着率や入居率を見ることで良い老人ホームかどうかを判断することもできます。スタッフの状況は『重要事項説明書』で確認することができるので確認しましょう。
良い老人ホームではイベントやレクリエーションに力を入れていることが多いです。年中行事はもちろんのこと、さまざまなレクリエーションが用意され入居者を日々楽しませてくれます。またサークル活動をおこなっている施設もあり、入居前におこなっていた趣味を継続することもできます。
高級老人ホームは提供されるサービスや共用設備などが充実しており、質の高い生活を送ることができます。ただし、入居者によっては高級老人ホームが必ずしも良い老人ホームであるとは限りません。見学や体験入居などを通して最適な老人ホームを探しましょう。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。