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#介護のトラブル集

親の介護を兄弟でどう負担するか。

介護をすると相続で有利になる?|生前に考えたい6つの重要対策

親が亡くなり、相続遺産の分割に際して親族間でトラブルが発生してしまったというのはよく聞く話です。理由はさまざまありますが、その原因のひとつとして「親の介護」に関する問題があります。 今回は、相続開始後に親の介護が原因で揉めることのないように、生前にできることを紹介していきます。 介護をすると相続で有利に働く? 「親の介護をしていたら、相続の遺産分割時に有利になるのか?」。結論から言うとそれだけで有利になることはほぼありません。 基本的に相続の遺産分割は、決められたルールに基づいておこないますが、親の介護の貢献度合いを数値化するのが難しいというのが理由のひとつです。 遺産を相続する家族を相続人と呼びますが、配偶者は常に相続人となり、子、父母、兄弟姉妹の順番で相続人となる優先順位が決まっています。遺言書がある場合には、優先順位にかかわらず、その内容が優先されます。 親の介護をした相続人が遺産を受け取るには 上述のとおり、基本的には親の介護をしたことにより、遺産分割において有利になることはありません。とはいえ、親の介護には大きな負担がかかっていることは間違いありません。 ここからは、親の介護をした場合に少しでも多く遺産を受け取れるようにするためのポイントを紹介します。 親が存命なら遺言書で指定 親が存命の場合なら、親に「介護をしてる人を指定して遺産を多く遺す」という内容を遺言書に記してもらうことにより、遺言書の内容が法定相続分より優先されるため、介護をしている人の遺産を増やすことができます。 ただし、遺留分といって、相続人が最低遺産を受け取れる割合が決まってますので、例えは、遺言書で「すべての遺産を介護をしてる人に遺す」と記されていてもすべてがその通りになるわけではありません。 親が死亡しているなら遺産分割協議で寄与分を主張 もしすでに親が死亡していて遺言書が遺されていない場合は、遺産分割の方法を相続人の間で協議する遺産分割協議という話し合いが必要になります。 介護をしていた人は、この場で自分の貢献度を主張し、他の相続人を納得させることができれば、それを寄与分として遺産を多く得ることができます。その際には、他の相続人に対して、しっかりと納得感のある行動や実績などの説明が必要になってきます。 寄与分とは 寄与分とは、例えば、子の中のひとりが親の介護をすることにより、親の財産の減少を防いだり、財産の増加に貢献した場合に、それを寄与分として他の相続人との公平性を保つために、法定相続分以上に遺産を取得することができる制度です。ポイントとしては、単に介護に必要な精神面や身体的に関する援助をしたというだけではなく、被相続人の財産の増減への貢献という経済的な寄与が条件。寄与分の対象となるのは相続人のみです。 義理の親の介護をしていれば財産を相続できる? 家族の状況によっては、義理の親の介護をするケースも多いと思います。そのような場合に、遺産を有利に相続できるかどうかを説明します。 従来は相続人以外の親族の金銭請求は不可だった 以前までは、例えば長男の嫁が長男の父の介護をしていて、その父が死亡した場合でも、長男の嫁は法定相続人ではないので、基本的には遺産分割で遺産を受け取れる対象ではなく、介護をしたことによる恩恵は受けることができませんでした。 法改正により金銭請求が可能に しかしながら、上記のような状況における介護の貢献に対して、公平性を保てるよう「特別の寄与の制度」が2019年7月1日に新設されました。 この制度により、義理の親の介護をした人は、引き続き相続人ではなく遺産の分割を受けることはできませんが、相続人に対して、特別寄与の寄与分に応じて金銭の支払いを請求できるようになったのです。 従来は、相続人ではない人が介護をした場合でも、遺言書で記載されていなければその貢献が報われることがありませんでしたが、この制度で場合によっては一部解消されるようになりました。 寄与者が相続人に対し金銭請求する 特別の寄与分の金銭の請求は、直接相続人に申し出る必要があります。その金額については具体的な決まりはなく、本人と相続人とで、その貢献度や遺産総額などを鑑みて決定することとなります。 もし、寄与者と相続人で特別の寄与による金額について折り合いがつかない場合は、寄与者は家庭裁判所に審判を申し立てることができます。 注意点として、家庭裁判所への申請は、寄与者が被相続人の死亡及び相続人を知ってから6ヵ月以内、被相続人の死亡を知らなかった場合には死亡から1年以内におこなう必要があります。 親の介護をしない子供に相続させないことはできる? 親が死亡した場合に、親の面倒をほとんど見てなかった子への遺産を減らしたいというケースもあるでしょう。この場合も、その度合いをはかるのが難しいため、正確に遺産分割に反映させることは困難です。 方法としては、親が存命のうちに、そういう子への遺産を少なくすることを遺言書に記すことが考えられます。しかしながら、上述のとおり遺留分というルールがあるので、その子に遺産のすべてを遺さないということは難しいといえます。 親族間で揉めないための6つの生前対策 ここからは、相続開始時に親族間で揉めないようにするために、生前にしておける対策をいくつか紹介します。 遺言書を作成する養子縁組をする生前贈与をする生命保険金の受取人に指定する専門家に相談する良好な親族関係を構築する 遺言書を作成する 相続開始後の揉め事を軽減するためのもっとも有効な手段は、遺言書をしっかりと遺すことです。遺言書は、被相続人の意向がしっかりと反映されるもっとも効力の高い相続方法になります。 特に相続人以外の人に遺産を残したい場合にも遺言書は有効になるので、介護をしている人は生前に親としっかり話し合いをして、遺言書を作っておいてもらうとよいでしょう。注意点として、遺言書に記されてなかったとしても遺留分は一定割合確保されます。 養子縁組をする 介護で貢献してくれたが相続人ではない人に相続をさせる方法として、その人と被相続人が養子縁組をすることで、その人を子と同じ扱いにすることができます。 養子縁組によって子になった場合の法定相続分は、実の子と同じになります。この場合、法定相続人が増えることにより、他の相続人が受け取る遺産が少なくなるので、それによって揉めないように事前に他の相続人にも周知しておくなど注意が必要です。 生前贈与をする 生前贈与により、介護に貢献した人に多く遺産を遺す方法も考えられます。生前贈与のメリットとしては、贈与する相手や時期や贈与するものを自由に選択できるという点にあります。 もちろん相続人以外にも贈与することができます。贈与には受け取った側に贈与税が課税されますが、年間総額で110万円の贈与までは、課税対象から外れます。 生命保険金の受取人に指定する 生命保険の死亡保険金の受取人として、介護に貢献した人を指定するという方法も有効です。保険金は受取人の固有財産になるため、相続人以外にも現金を遺すことができます。 ただし、相続遺産と比較してその保険金額が多すぎる場合、結果相続人で分割できる遺産が少なることになるため、場合によっては揉め事が発生する可能性もあるので注意が必要です。 専門家に相談する 相続時の遺産分割に関しては、複雑な制度やルールも多くなかなか自分だけでは解決できないことも多いです。その場合は、弁護士や司法書士、行政書士や税理士など、相続に詳しい専門家に相談してみるのも良い方法です。 多少の金額が発生しますが、相続に関して揉めそうな場合は、事前に、揉めてしまった場合でもその解決のために専門家に相談することで、スムーズに問題が解消されることも多いです。 良好な親族関係を構築する 遺産相続をスムーズに進めるために一番重要なのは、やはり親族間で良好な関係が築けているかどうかです。 日々コミュニケーション量をできる限り増やして、例えば、介護に貢献してくれた人にはしっかりと感謝の気持ちをもつなど、普段からお互いを信頼し尊重しあう関係性ができていれば、いざ相続が開始したとしても親族間で揉めることも少ないはずです。 大切な家族が亡くなったタイミング、そんな時にわだかまりが起きてしまったら亡くなった人もうかばれません。 トラブルになる前に専門家に相談を ここまで、主に被相続人の介護をした人の相続について説明をしてきました。介護は、精神面、体力面、金銭面においても負担が大きいため、介護で苦労してきた人は、多少なりとも遺産で報われたい気持ちになるのは当然でしょう。 とはいえ、相続の遺産分割に関しては、制度やルールも複雑でなかなか思った通りにならず、自分だけで解決するのが難しいことも多いです。もしわからないことなどがあれば、弁護士などの専門家に相談してみることをおすすめします。 介護での相続に関するよくある質問 親の介護をしたら遺産がもらえますか? 親の介護をしていたら相続の遺産分割時に有利になることはほぼありません。ただし遺言書がある場合には優先順位にかかわらず、その内容が優先されます。 義理の親の介護をしていても財産を相続できますか? 特別の寄与の制度により相続人に対して、特別寄与の寄与分に応じて金銭の支払いを請求できるようになりました。金額については具体的な決まりはなく、本人と相続人とで、その貢献度や遺産総額などを鑑みて決定します。 遺言書の効力は強いですか? 遺言書は、被相続人の意向がしっかりと反映されるもっとも効力の高い相続方法です。相続人以外の人に遺産を残したい場合にも遺言書は有効です。 遺言書がない場合、いくら介護をしていても有利になることはないので、生前に親としっかり話し合いをして、遺言書を作っておいてもらうと良いでしょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "親の介護をしたら遺産がもらえますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2022/01/14

老後破産にならないように今からできる対処法について解説

老人ホームでの人間関係|トラブルを起こさないための予防と対処法

老人ホームの入居者同士や介護スタッフとの人間関係のトラブルは少なくありません。この記事では、人間関係のトラブルの原因と発生時の対処法、トラブルを回避するためのポイントなどを解説していきます。ぜひ参考にしてください。 老人ホームで起きる人間関係のトラブルとは? 入居者の数と同じほどに生きてきた人生パターンや価値観はさまざま。さらに年齢を重ねるごとに、高齢者は頑固で我を通す傾向があるとも言われています。 そのため、施設内で日常生活をともにしていくうちに「この人のここが気に入らない」「あの人と仲良くしたくない」といった対人間関係のトラブルが発生してしまう場合があります。 個室タイプに入居していても交流ルームやイベントなどで交流することがあるため、対人トラブルが発生しないとは限りません。 トラブルの主な原因 トラブルの主な原因には以下のようなものがあります。 入居者同士の相性によるトラブル施設スタッフとのトラブル認知症を持つ人によるトラブル騒音トラブル金銭紛失トラブル これらのトラブルについて詳しくご説明します。 入居者同士の相性によるトラブル 相性が悪い入居者に対して、陰口を言ったり、無視、いじわる、喧嘩をしようとする入居者も中にはいます。ご近所トラブルと同じような事象が、日常をともにする老人ホーム内でも発生する可能性があると言って良いでしょう。 なかには小さなきっかけが発展し、最悪の状態になってしまうケースも。最初は相性が合った者同士でも、ちょっとした誤解から仲たがいしてしまうことで周りの人達が変に気を遣い、疲れてしまう場合もあります。 入居者同士の恋愛のもつれも 高齢者の入居者同士でも恋愛感情を持つことはあります。両者の関係が良好の場合は良いのですが、中には一方的な恋愛感情によるトラブルやストーカー行為に発展しまうケースも。高齢者だから大丈夫だろうと油断せず、家族の方もしっかり配慮する必要があります。 施設スタッフとのトラブル 入居者の誤解や思い込みなどから、施設スタッフとトラブルになる場合もあります。 「意地悪をする」「無視をする」「嫌味な言い方をする」「えこひいきする」など、トラブルの内容はさまざま。両者の相性もありますが、施設スタッフが忙しくて対応しきれず入居者にそう感じさせてしまった場合もあります。 とはいえ、第三者が見ても違和感があると感じた時は、スタッフの上司や施設長へ相談すると良いでしょう。 認知症の人によるトラブル 認知症特有の症状から人間関係のトラブルが発生することもあります。 認知症を持つ人から、突然大きな声で怒鳴られたり暴力をふるわれた場合、「病気が原因だから仕方ない」と被害者側が簡単に割り切れない場合もあります。 心配した被害者側の家族からも「認知症の方とは別室にしてください、距離を十分に取ってほしい」と要望が出るケースもあります。 騒音トラブル 携帯電話を持った高齢者が、大きな声で先方と通話しているのを見たことがありませんか? 高齢者は耳が遠くなったり耳鳴りが日常的にある人もいるため、施設内でも同じようにテレビやラジオの音量や話す声を大きくしてしまうことがあります。周りの入居者が耐えられず「音量をもっと下げて」とクレームを入れる場合があります。 金銭紛失トラブル 介護施設内でも金銭紛失によるトラブルが発生する場合があります。鍵がついている居室もありますが、危険防止から鍵がついていない介護施設もあるため、入居する要介護者には大金を所持させない方が賢明でしょう。 このトラブルは、持ち主本人が勘違いした場合と認知症が原因で盗んでしまう場合とに分けられます。 持ち主本人の勘違い 持ち主本人の勘違いから起こる金銭紛失トラブルです。 本人が「ここにあったお金がなくなった」「あの人が取った」と勘違いしたり思い込んだりしてしまうケースです。軽い認知症や物忘れなどが原因であることがほとんどで、お金や物に執着してしまう高齢者に多く見受けられます。 認知症により物を盗んでしまう 認知症の症状により、他人の金品を「自分のものだ」と思い込み、無断で取ってしまうケースもあります。 施設の介護スタッフが説得してもなかなか受け入れてくれないことが多いため、心を許しているご家族に説得してもらうことで早期解決に繋がる場合があります。 トラブルの原因は入居者の寂しさや嫉妬心が多い!? 施設での人間関係のトラブル原因は、入居者の寂しさや嫉妬心にあることが多いと言われています。 住み慣れた自宅から介護施設に住み替えたストレスや寂しさから、まわりに八つ当たりや暴力をふるう入居者もいます。また、家族の面会が多い入居者や、楽しそうに仲良くお話する入居者達に嫉妬を抱いて、問題行動を引き起こしてしまう入居者もいます。 トラブルの対処法 トラブルが発生した場合は、あくまで冷静に対処するのが鉄則ですが、その上で、以下の点に気をつけて対処してみると良いですよ。 信頼できる施設スタッフに相談する 住み替えも検討する 家族ができるだけコミュニケーションをとる 信頼できる施設スタッフに相談する 気になる点があったら、早めに信頼できる施設スタッフに相談しましょう。 「大きな問題になりそうだ」と感じる場合は、ご家族の同席のもとリーダー職や施設長に相談することをおすすめします。早めに施設側が対応すれば、事態が大きくなる前に沈静化するはず。 施設側が、当事者の事情や不満をしっかりヒアリングしたうえで冷静に判断し、円満な解決法を導いてくれるでしょう。 施設の対応に不満がある場合 冷静に見ても「施設の対応がおかしいのでは?」と感じる場合は、相談窓口に早めに相談しましょう。 相談先は以下の通り。 老人ホームの苦情相談窓口老人ホームの運営法人の苦情相談窓口都道府県国民健康保険団体連合会の苦情相談窓口市町村の相談窓口地域の社会福祉協議会の相談窓口 住み替えも検討する 入居者本人の心身状態が著しく悪化したり大きなストレスが見られる場合は、住み替えを検討してみるのも良いでしょう。 とはいえ、高齢者は大きな環境の変化に耐えられる能力が衰えていることが多いです。 そのため、すぐ住み替えるよりは一時的に家族のもとに戻ったり、当事者とフロアを替えてもらうといった、本人の負担が少しでも少ない形でトラブル解決することをおすすめします。 家族ができるだけコミュニケーションをとる 仕事が多忙な場合もありますが、できるだけ入居者とコミュニケーションをとることをおすすめします。 実際に会わずとも、テレビ電話やSNSでのやり取りを良いでしょう。人間トラブルの原因となることが多い「さみしい思い」を入居者に感じさせないようにしましょう。 また、対人トラブルが発生しそうな場合は、早めに施設側にお伝えください。相談する際は、感情的にならず事実のみを冷静に伝えてみましょう。 施設側も「配慮が必要」と判断した場合は、居室やフロア、食事、イベントなどの双方の場所を配慮してくれるはずです。 トラブル回避のための施設選び なるべくトラブルに見舞われない施設に入居したいもの。それでは次に見分け方をご説明します。ぜひ、チェックしてみてください。 入居者と介護スタッフの関係性をチェック 入居者と介護スタッフの関係が良好であれば、介護施設での要介護者の生活も快適なものになります。 介護スタッフとの摩擦が発生しそうな施設は避けたいもの。「介護スタッフが雑なお世話をしていないか」「両者の会話が落ち着いているか」「楽しそうに会話をしているか」といった点を、見学時にチェックしましょう。体験入居するのもひとつの手ですよ。 入居者同士のトラブル事例について職員に質問 介護施設の見学時にトラブルの事例について職員に質問すると良いでしょう。 「入居者同士のトラブルはあるのか?」「具体的な事例とその時の解決策を教えて欲しい」「認知症の方が暴言や暴力をふるわれた場合、どのように対応を行っていますか?」と職員に質問してみてください。職員がしっかりと説明できるかごまかすかで、トラブルに対する施設側の姿勢がわかります。 対応策がしっかりしている施設は、職員内で情報共有や勉強会、研修が定期的に行われているため安心感があります。 ユニットケアは入居者同士の触れ合いが多いことを理解する 近年少人数制のグループ単位(ユニット)での介護サービスや生活介助を提供する施設が増えてきました。ユニットケアは、孤独感も感じることなく共同生活を送りながら一人ひとりにきめ細かなケアが受けられるメリットがあります。 一方、共同生活であるがゆえに相性が合わないと双方にストレスが溜まってしまうというデメリットも。そのため、入居を検討する場合は、入居希望の施設側に対人トラブルの対応策や対応能力、対応した事例があるかどうか確認してください。 入居者が楽しい生活を送るには家族・施設の協力が必要 要介護者が介護生活を送るうえで家族や施設側のサポートは必須。人が集まるところ…介護施設での人間関係トラブルは何かしらあると言っても良いでしょう。 そのため、家族がまめに連絡したり面会を怠らないようにして、なにかあれば施設側に早めに相談してください。施設側に完全に任せきりにせず、施設スタッフと情報共有やコミュニケーションを取ることをおすすめします。 また、入居者の希望があれば医師の指示のもと、外出や外食、外泊に連れ出してあげれば、良い気分転換になるでしょう。日頃溜まっている愚痴など、傾聴してあげてください。 老人ホームでの人間関係に関するよくある質問 老人ホームで人間関係のトラブルはありますか? 老人ホームの入居者は集団で生活しており、いくら個室タイプに入居していても共用部分やイベントなどで交流することがあるため、対人トラブルが発生しないとは限りません。少しでも違和感を覚えたら溜め込まず、信頼できるスタッフに相談しましょう。 老人ホームで起こる人間関係のトラブルの原因は何ですか? 主に「入居者同士の相性によるトラブル」「施設スタッフとのトラブル」「認知症を持つ人によるトラブル」「騒音トラブル」「金銭紛失トラブル」などが挙げられます。 特に施設スタッフとのトラブルは、放置しておくことで高齢者虐待にもつながる可能性があります。何か不信感を覚えたら、施設長や運営元に問い合わせてみるのが良いでしょう。 トラブルに発展してしまった場合どう対処すれば良いですか? トラブルが発生した場合は、「信頼できる施設スタッフに相談する」「住み替えも検討する」「家族ができるだけコミュニケーションをとる」といった対処法が挙げられます。 まずは信頼できるスタッフに相談をして、問題解決のために動いてもらいましょう。また施設の対応に不満がある場合は、老人ホームの運営元に直接問い合わせるか、市区町村の相談窓口でも対応できることもあります。 そのときの状況に合わせて、入居者本人、家族とで何が最適かを考えましょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "老人ホームで人間関係のトラブルはありますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2022/01/05

介護疲れを軽減するコツ

介護難民とは|原因と介護難民にならないための対策、2025年問題も解説!

超高齢社会の日本では、介護を必要としている人に必要な介護サービスが行き届かないという状況はめずらしいことではありません。このような人たちは「介護難民」といわれ、現代日本の深刻な社会問題になっています。 この記事では介護難民の現状やそうならないための対策についてまとめています。将来、自分が介護難民にならないためにもぜひ参考にしてください。 介護難民とは? 介護難民とは、介護が必要な高齢者や障害者が、家庭や病院、施設のどこにおいても適切な介護サービスを受けられない人のことを指し、高齢社会である日本が抱えている問題のひとつです。 あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、その数は年々増加。首都圏では2025年に約13万人が介護難民になると推測されています。 介護難民の数を減らすためには介護職を増加させる必要がありますが、仕事内容の面でも給与の面でも厳しい現状があり、人手不足が続いています。 介護難民の現状 介護難民の現状についてさらに詳しく紹介していきます。 2025年問題 介護難民が増え続けている要因は日本の超高齢社会にあります。そして、さらに拍車をかけるように2025年には団塊の世代にあたる約800万人が75歳以上の後期高齢者になるのです。 この超高齢社会を迎えることにより生じるさまざまな問題を2025年問題といい、介護難民もより一層増加していくことが予想されているのです。 年々、増加傾向にある介護難民 高齢者の数が増え続けるのに比例して、介護難民も毎年、増加傾向にあります。 厚生労働省によると、2019年4月末時点で介護保険の第1号被保険者数は約3,528万人、要支援または要介護認定を受けている人の数は約659万人。介護を必要としている人がいかに多いかがわかります。 なかでも、比較的費用が安く、入居期間に定めのない特別養護老人ホームへの入居待機者は2019年には29万人を突破。この待機者の中には十分な介護サービスを受けられず将来の介護の見通しも立たない人もいるようです。 介護難民が増えている原因 介護難民がここまで増えている理由にはいくつかありますが、主だったものは以下の通りです。 介護が必要な高齢者が増加している 介護施設が不足している 介護スタッフが不足している 家庭での介護が難しくなってきている 介護が必要な家庭に経済的な問題がある 介護が必要な高齢者が増加している 介護難民が増えている原因として、先ほどご紹介した2025年問題などの社会問題があります。団塊の世代が後期高齢者になるにつれ徐々に介護を必要する人の数も増加していくのです。 また、高齢者の数が増えれば要介護や要支援認定を受ける人の数も増加します。実際に要介護認定を受けている人の数は、2000年には218万人だったのに対し、2017年には622万人と約3倍にまで増えました。今後も介護を必要とする人が増えていくことが予想されます。 介護施設が不足している 介護を必要とする高齢者が増加すれば、当然、介護サービスや介護施設の需要は高まります。それに伴い介護施設も増加してきていますが、介護施設利用者率が高く、依然として介護施設は不足している状況にあります。 今後さらに高齢化が進み、施設利用者が増加するため、介護施設不足はより一層顕著になるだろうと言われています。 介護スタッフが不足している 介護施設の不足だけではなく、介護施設で働く人材が不足しています。その現状は、介護労働安定センターの調査によると、約60%の事業所が「従業員が不足している」という回答を寄せるほどです。 介護の仕事は想像よりも過酷な上に、給与面でもそれに応じた金額を支払うことが難しい場合が多くなっています。介護の現場で必要な人材を確保できないことが、介護難民問題にも大きな影響を与えています。 家庭での介護が難しくなってきている 介護難民の原因には家族形態の変化もあります。昔は親と子、孫の三世代で同じ家に暮らしている家庭が中心でした。 しかし、家庭の核家族化や、夫婦共働きが当たり前になりつつある社会状況などから、両親の介護をすることが難しくなっているのです。 介護が必要な家庭に経済的な問題がある 高齢になると一般的に収入は少なくなります。 仕事を退職して年金だけで生活をしている方の場合、経済的な面で受けられるサービスに限度があります。人によっては、介護サービスを受けたくても金銭的に難しかったり、費用の安い公的な介護施設を利用するしかない場合では長く入居待ちをしなければいけないケースもあります。 都心部での問題は深刻化 日本創生会議が2015年に公表した試算では、2025年には東京圏だけで介護難民が13万人発生するとされており、介護難民問題はさらに深刻化していくことが予想されます。なぜ東京圏での難民が増えるのかというと、高度経済成長期に職を求めて東京へ移住してきた人たちが高齢世代となり高齢人口が急増しつつあるという背景があります。 介護難民にならないための対策 ここからは、「将来、介護難民にならないために今できること」にポイントを絞ってみます。主な対策を挙げてみましょう。 介護資金を貯めておく家族のサポートを確保しておく健康に気を使い日々予防する生活の拠点を地方に移す国からのサポートを受ける介護に関する情報を収集しておく 介護資金を貯めておく 介護難民になってしまうひとつの原因として金銭の問題が挙げられます。 介護に利用できる資金が少ないと、選択肢となる介護サービスや施設も限られてきます。また、安価なサービスに頼ろうとしても求める人が多くて利用できないのが現実です。 介護サービスや介護施設を利用するにはある程度の費用がかかることを理解し、将来に向けて介護資金はしっかりと貯めておくようにしましょう。 早めに準備をしておくことで、特別養護老人ホームのような費用の安い公的施設だけではなく、費用はかかりますが、サービスが豊富な民間施設も利用検討できるようになります。 家族のサポートを確保しておく 将来のためにしっかりと費用を貯めておくことも大切ですが、介護が必要な人が自宅で過ごせるよう、家族内で介護ができるような環境を整えておくことも大切です。 例えばデイサービスや訪問介護を利用しながら、家族でサポートをしながら生活を送れるような環境作りができれば入居施設がなくても安心です。 とはいえ、在宅介護は想像よりも負担がかかるのも事実。サポートをする側の家族のうち、だれか一人に介護をまかせきりにするといった環境を生み出さないように介護を分担して行うなど工夫をするようにしましょう。 健康に気を使い、日々予防する いつまでも健康的に過ごすことができれば、必然的に介護を必要とすることもなくなります。そのためには、体を動かすことを意識したり、できる家事は率先して行ったりするなど。日常生活の中で身体機能維持につながることは積極的に取り入れると良いでしょう。 また、デイサービスやデイケアといった通所サービスを介護予防のために利用することもできます。 家に引きこもりがちになることで社会との繋がりが薄れ、認知症が進行してしまうこともあります。人との関わりを持ち続け、おしゃべりを通して新しい情報を獲得するなど脳細胞が活発に活動できるような時間を設けることも大切です。 生活の拠点を地方に移す 東京などの都市圏では、高齢人口が多いのはもちろんのこと介護施設を作る土地も十分ではありません。そのため、すぐに介護施設を拡充して、すべての高齢者に必要なサービスを提供することは難しいのが現状です。 一方で都心部から少し離れた地域でならば介護職員、介護施設ともに余裕があり、受けたい介護サービスの費用も安い場合があります。 そのため一刻も早く施設への入居などを検討している場合は東京から地方へ移住するのも有効な方法と言えるでしょう。 国からのサポートを受ける 介護難民という社会問題について、国もさまざまな対策を打ち出しています。その中でも「地方包括ケアシステム」という地域全体で高齢者をサポートし、自宅にいながら安心して介護支援を受けることができる環境づくりを目指す取組みがあります。 地域包括支援センターでは、高齢者についての課題を解決するためのサポートをしてくれます。まずは一度、相談に行ってみると良いでしょう。 介護に関する情報を収集しておく 介護が必要になってから、「どのようなサービスがあるか」「費用はいくらかかるのか」「利用するにはどうしたら良いのか」などと調べていると、サービスの利用開始が遅くなってしまいます。 そのため、健康であるうちから、住んでいる地域にはどういった介護施設があるのか、どのような介護サービスを提供している事業所があるのかといった情報を収集しておくようにしましょう。 公的施設などの入居待ちを回避する方法 費用が安く、多くの人が入居を希望する公的施設。入居待ちを回避する方法はあるのでしょうか。以下で説明します。 新しい施設への申し込み スムーズに入居したいのであれば、これから新設される施設への入居を狙うのもおすすめです。 新設される施設には当然のことながら既存の入居者はいません。入居者を募集した段階で応募すれば、待機者の多い施設よりも審査が通りやすい状況にあります。 新規に開設される公的施設の情報は各市区町村のホームページや役所の担当窓口で尋ねることができます。 病院や介護サービスの利用 公的施設の中でも最も人気が高いのが特別養護老人ホームです。 特別養護老人ホームのほとんどは社会福祉法人や医療法人が運営しています。そのため同じ経営母体の病院や介護サービスを利用していると、その特別養護老人ホームに入りやすいという面もあります。 系列の病院や施設からその人の身体状況や家庭状況が共有されていると、入居審査において酌量されるといったことも期待できます。 一刻も早い入居を希望しているのであれば、そのように現状を伝えてもらえるような手段を作るというのもひとつの方法です。 民間施設の入居も検討する 特別養護老人ホームのような費用の安い公的施設は入居待ちの方が多くいるため、利用できるまでに時間が長くかかってしまうのが現状です。一方で、民間施設であれば入居待ちをすることはほとんどなく、必要な介護サービスを受けることができます。 公的施設と比べると費用が高いと言われる民間施設ですが、現在では公的施設と同じくらいの費用感で質の高い介護サービスを提供している施設もあります。民間施設は高いと思い込まずに、まずは資料などを集めてみるのも良いでしょう。 介護難民に対する今後の国の動き 適切な介護サービスや介護施設を利用することができない人がいるという介護難民問題について、国は以下のような対策を進めています。 介護施設や介護職員増加のサポート 介護職員が不足しているという現状を踏まえ、介護未経験者に対する入門研修を創設しています。研修が終了したあとには実際に働く施設を探す施設までを紹介したり、介護について理解を深めるための体験型イベントを実施したりしています。 また、介護職員の労働環境改善対策として介護職員処遇改善加算が創設され、給与への反映が期待されています。 介護ロボットや外国人介護職員を導入 国は介護業界の人手不足を受け、平成29年9月より介護福祉士の資格を在留資格とし、就労ビザとして正式に認定しました。それにあわせて介護福祉士の資格取得を目指す外国人労働者の支援や、実際に外国人が施設で働くことができるような環境を作るための支援も行われています。 また近年では介護ロボットの導入も積極的に進めており、専用ロボットの開発に力を注いでいます。 介護ロボットの現状 介護ロボットは移乗支援や移動支援、排せつ支援、見守り、入浴支援などの対応が可能です。慢性的な人手不足や介護に対する身体的・精神的負担の軽減に役立つことに加え、要介護者の心のケアができるロボットも登場。ロボットは介護現場において、今最も注目を浴びている存在と言えます。 しかしながら日本でも多くの介護ロボットが開発、発売されているものの、介護施設への普及スピードが遅く、あまり多く利用されていないのが現状です。今後は介護ロボットをどのように現場に普及させて活用していくかが課題になっています。 都心部の介護難民の地方移住サポート 介護難民が多い都心部では高齢者が希望する地域への移住サポートや、移住した地域で自立した生活ができるよう財政面、人材面で支援する制度作りに取り組んでいます。 中には魅力的な特典や手厚いサポートを用意して都会からの移住者を積極的に受け入れている自治体もあるようです。こうした体制を整え、都市部からの移住を受け入れることを通して、その地域の活性化を図っています。 介護難民問題は今後の動きがカギ 現在の日本において介護難民の問題は決して人ごとではありません。今後さらに高齢化が進み介護難民が増えていくことを考えると、政府や自治体だけではなくひとりひとりが将来についてきちんと考え、向き合っていかなくてはいけない問題だと言えます。 自分が介護難民にならないためにはどういった行動を取っておくべきなのか、知っておかなくてはいけないことは何があるのか。ぜひ今回の記事を参考に介護難民を身近な問題だと捉え、今できることについて考えてみてください。 介護難民に関するよくある質問 介護難民の現状はどうなっていますか? 現状は依然として増加傾向にあると言えるでしょう。首都圏では2025年に介護難民が約13万人と予想されており社会問題として深刻化しています。 また、2025年には団塊の世代にあたる約800万人が75歳以上の後期高齢者になるのに対し、介護施設の不足や人員不足が未だ解決できずにいるのが現状です。 どのぐらい介護スタッフが不足していますか? 介護労働安定センターの調査によると、約60%の事業所が介護スタッフが不足しているという回答をしています。 介護の仕事は業務が過酷なのにも関わらず、それに見合った給与が支払われていないのが現状です。介護スタッフが不足していることは介護難民問題にも大きな影響を与えているので、国が何らかの施策を打ち出し、早急に人材確保をすることが求められます。 特別養護老人ホームの入居待ちを回避する方法はありますか? 「新設される施設への入居を狙う」「民間施設の入居も検討する」といったことが挙げられます。 公的施設に入居待ちしている人は、民間施設も同時に検討しているケースが多いです。民間施設の中には、公的施設と同等の費用で介護サービスを提供している施設も増えてきており、公的施設の入居まで民間施設で生活していくという手段も珍しくはありません。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "介護難民の現状はどうなっていますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2022/01/04

仕事と介護を両立させる7つのポイント|現状と支援制度を解説

仕事と家族の介護を両立することはできるのでしょうか?自分のことは後回しにした結果、精神的や肉体的に追い詰められるケースは少なくありません。 この記事では仕事と介護の両立に役立つ7つのポイントをまとめています。是非参考にしてくださいね。 両立させるためのポイント 長く仕事と介護を両立させるには、介護に関わる外部サービスや制度を上手く組み合わせて活用したいところ。そのポイントは以下の7つです。 職場に理解をしてもらう 役所や地域包括センターを活用する ケアマネジャーに相談する 介護保険サービスを上手に活用する 家族と良好な関係を築く 自分の時間を確保する 介護施設への入居を検討する 職場に理解をしてもらう まずは、職場に家族を介護している現状を伝えましょう。 突然の休暇や遅刻が介護によるものだと上司や同僚がわかっていれば協力が得られやすくなり、仕事を他の人に任せやすくなります。 逆に伝えていなければ印象が悪くなり、両立がますます厳しくなるでしょう。職場に伝えることは職場全体にとってもメリットとなるのです。 役所や地域包括センターを活用する 介護事業者や介護サービスについて相談したい場合は役所や地域包括支援センター、保健所や社会福祉協議会などが窓口となります。 地域包括支援センターは高齢者の自立を目的に介護予防のケアプラン作成などをおこなっています。専門スタッフのアドバイスによって、介護に関わる負担軽減につなげることができます。 ケアマネジャーに相談する 要介護認定の申請をして判定を受けると、要介護者に担当ケアマネジャーがつきます。 ケアマネジャーの仕事は介護プランを作成するだけにとどまりません。介護する家族の仕事との両立方法や、精神的・体力的負担の悩みなどに関しても具体的な対策について相談することができます。できるだけケアマネジャーのアドバイスも参考にしましょう。 介護保険サービスを上手に活用する 介護は一人でおこなうものではありません。一人で抱え込み、社会から孤立しないように介護保険サービスを上手に利用しましょう。 在宅介護をしている場合は、ホームヘルパーに依頼して食事や入浴サポートを専門スタッフから受けることが可能です。送迎込みの通所サービスなどもあり介護者の負担軽減につながります。 介護保険外のサービスも検討 介護保険外のサービスも大変充実しています。全額自己負担なので費用的負担はありますが、民間企業ならではのきめ細かいサービスが好評です。例えば訪問理美容や洗車サービス、自宅で調理が難しい方のために宅食サービスが人気です。事業者により提供サービスが異なるので事業者に問い合わせたりクチコミを確認しておくと安心です。 家族と良好な関係を築く 介護は突然始まり、終わりが見えないのが大きな難点。介護が始まると家族の協力が必要不可欠です。認知症になるなどしてコミュニケーションが取りづらくなる前に、介護について話し合い、親の意向を確認しておくと後にスムーズです。 介護が必要になったらどんな施設に入りたいか、在宅介護を望むかなど。元気なうちに話して親の考えを尊重しつつ、家族も長く介護が続けられるプランをたてましょう。 自分の時間を確保する 長く介護をする秘訣は、まずは自分を労わること。自分を後回しに無理をし続けると疲れが溜まり、介護に仕事、日常生活のすべてにおいて悪影響が及びます。 共倒れを回避するためにも周りに現状を共有し、介護施設や介護サービス、制度を活用し負担軽減を心がけましょう。人生100年時代と言われています。長く見据えた無理のないケアプランを立てましょう。 介護施設への入居を検討する 介護を実際に始めると、予定通りにいかず難しさを実感せざるを得ないことがあります。認知症の進行に伴って思いもしない問題が起こることもあるでしょう。 自宅での介護が難しいと感じたときは、24時間365日のサポート対応がある介護施設や老人ホームの利用を考えてみましょう。緊急時に頼れる先があることは、この先続く介護生活において心強いですよ。 仕事と介護の両立における現状 高齢化が進む日本では、仕事と介護の両立は避けて通れない選択となっています。総務省統計局の2017年の調査によると、介護をしている15歳以上で仕事をしている人は約350万人、仕事をしていない人は約280万人でした。 介護者の約半数以上は仕事と介護を両立していますが、この年、介護離職をした人は9万9000人というデータもあります。介護に専念するため、勤め先の理解が得られないなどが離職理由として挙げられます。 ダブルケアも増加傾向 ダブルケアとは、育児と介護の両方をおこなうことです。2016年の内閣府のデータによるとダブルケアをおこなっている人は25万3000人。男女別にみると男性8万5000人、女性16万8000人。15歳以上のダブルケア人口は全体の0.2%となっています。 晩婚化に伴った出産年齢の高齢化、育児中ながらも介護の必要性が出てくるダブルケアも増加傾向にあります。 両立を助ける国の取り組み 高齢化に伴い介護離職者も増えています。国も介護と仕事を両立する労働者を救済するための制度を設けています。 介護休業制度 介護休業制度とは、家族が身体または精神上の障害などにより2週間にわたって介護を必要な場合、対象家族1人につき93日まで介護のために休みを取得できる制度です。 1年以上の雇用など一定の条件を満たしている労働者は国から「介護休業給付金」が支給されます。介護休業給付タイミングは復職後。介護休業を希望する場合は、原則事業主を経由して申請を行うので、早めに周知しておくことをおすすめします。 申し出を受けた事業者は、介護休業の開始日と終了予定日を厚生労働省に通知しなければいけません。 介護休暇制度 介護休暇制度は家族の介護のために休暇を取る制度で、介護休業制度よりも単発で利用できます。 対象家族が1人だと1年につき5日まで、半日だと10回まで取得可能。当日の申請が可能で1日か半日単位で取得できます。 6ヵ月以上の雇用、要介護状態にある家族を介護しているなどが条件にあります。この場合、食事や排泄サポートなどの直接の介護だけではなく、ケアマネジャーとの面談や福祉用具レンタルのための打合せ、介護保険の手続きなども対象となります。 勤務時間の制限 介護との両立をするため勤務時間を制限する制度もあります。労働者の請求により、1回につき所定外労働と時間外労働で1ヵ月以上1年以内の期間、深夜業は1ヵ月以上6ヵ月以内の期間残業を制限できます。 なお事業者は請求を拒むことができ、入社1年未満や1週間の所定労働日数が2日以下などは対象外となるケースもあります。労働者は請求をする際、事前に要件を確認しておくことが大切です。 企業における両立のための取り組み 職場の中心的存在の突然の退職は、本人だけでなく企業にとっても大きな損失です。ここでは一般的に企業で行っている介護離職防止策を紹介します。 介護休業制度の周知 企業が制度を設けていても、労働者に周知・活用されていなければ意味がありませんよね。 確かに以前では、育児・介護休業法の両立支援制度を知らないまま介護と仕事との両立に苦しむ労働者も少なくありませんでした。 しかし昨今では、介護に関わる制度についてしっかり周知し、支援制度によって労働者の負担軽減に繋げようという企業も増えてきました。 活用事例として過去に制度を取得した人がいるのか?など、お勤めの会社に確認してみても良いかもしれません。 勤務制度を見直す 育児・介護休業法では「所定労働時間短縮制度」「フレックスタイム制度」「時差出勤制度」「介護サービス費用助成、その他準ずる制度」のいずれかで対応措置を設ける必要があります。 育児・介護休業法の内容を理解することは、介護離職を防ぐために必要不可欠です。難しく思えるかもしれませんが、制度の内容をしっかりと理解することも大切です。 複数の制度を設け、介護しながら働く労働者に合った制度を選択して労働者が無理なく柔軟に働ける企業も増えてきていますよ。 リモートワークも活用しよう 新型コロナウイルスをきっかけに、リモートワークが普及しました。 リモートワークをすることで、通勤時間の削減をはじめとして日中の時間が柔軟に使えるように。介護と仕事のスケジュールを効率良く組むことで、両立の負担軽減に繋げられる可能性も高まったはず。リモートワークを実施したい方はまずは可能かどうか会社に相談してみましょう。 会社とは自ら情報を共有しよう 職場に対して、家族の介護で介護者本人が置かれている状況を伝え、事前準備をしておくことが大切です。そして必要に応じて介護支援制度を利用しましょう。日頃から職場に情報を共有しておくことで、周囲も声掛けがしやすくなるはず。その際、謝意を示すことも大切です。声掛けされることで介護者も一人で抱え込まずに済み、悩みを打ち明けやすい状況になるかもしれず、それがやがては介護離職を防ぐことにも繋がるはずです。 仕事と介護の両立に関するよくある質問 介護を理由に会社を休むことはできますか? 昨今では、介護休業制度を設けている企業が増えてきています。介護休業制度とは、労働者に認められている権利のひとつで、要介護状態にある家族の介護をおこなうために業務を休業できる制度を指します。 介護と仕事の両立ができず離職する人は多いですか? 総務省統計局の2017年の調査によると、この年、介護離職をした人は9万9000人というデータがあります。理由として勤め先の理解が得られないなどが挙げられます。また、今後も介護離職者が増えることが予想されており、介護離職は社会的問題です。 介護と仕事の両立について企業はどんな取り組みをしていますか? 「介護休業制度」「介護休暇制度」「勤務時間の制限」などを制度化している企業が増えています。 ただし、それぞれの制度には要件や書類の準備が必要です。まずは勤め先に介護に関しての制度があるかどうかを確認しましょう。 また、新型コロナウイルスをきっかけに、リモートワークが普及しました。すぐに制度が利用できないのであればリモートワークが可能であるかも確認した方が良いでしょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "介護を理由に会社を休むことはできますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2022/01/04

介護離職のメリットとデメリット|離職をおすすめできない3つの理由

身内に介護が必要になると、家族は仕事や生活に大きな影響を受けることになります。日々の仕事と介護生活の両立に疲弊して会社を辞める人もいるでしょう。しかし、収入が減ることで生活が苦しくなることも予想されます。 この記事では介護離職することのメリット・デメリットについてご説明します。介護離職する前に、介護離職によるメリット・デメリットをしっかり検討しましょう。 メリット 介護離職のメリットは以下の通り。 介護に集中でき、精神的に楽になる 介護にかかる費用を削減できる それでは詳しく説明していきます。 介護に集中でき、精神的に楽になる 仕事をしながら介護も並行していくには心身ともに疲弊し、落ち着かないことがほとんど。ときには仕事中に要介護者が行方不明になったり、仕事の合間に訪問系サービスの手配や配達弁当の不着の対応などに追われることもあるでしょう。 介護離職すれば、介護のみに集中することができるため、さまざまな負担が軽くなります。 遠方の要介護者であれば短期間泊まり込みも可能に。加えて、要介護者と一緒にいる安心感や親孝行しているという実感、コミュニケーションも深まるため、スムーズな介護に繋がると言えるでしょう。 介護にかかる費用を削減できる 仕事と介護を並行させるために、一般的な訪問介護やデイサービス、ショートステイや配達弁当サービス、有料の見守りサービスを利用されている方もいらっしゃるでしょう。介護のプロに任せれば、その分、出費も増えます。時には数百万円と高額になることも。 介護離職すれば、介護保険を利用しつつも家族中心の介護になるため、外部の介護サービスの金額は抑えられるメリットがあります。日中動きやすくなるため、余計な通信料や時間外のサービス費なども抑えられます。 デメリット 次に、介護離職のデメリットは3点です。 収入の減少が激しい 精神的なダメージが大きい 再就職が難しく生活が困窮 以下に詳しく説明していきます。 収入の減少が激しい 介護離職が多いのは40~50代。中堅社員としての安定した収入が途絶えるので、今までの生活を維持することは難しくなります。 収入がなくなるので、当然ですが貯蓄はできなくなります。また、再就職できたとしても年収は大幅にダウンするケースが多いのが実情。介護の必要がなくなった後のことを考え人生100年時代を見据えて準備をしましょう。 精神的なダメージが大きい 体力的・精神的・時間的負担の大きい介護と仕事の両立の負担から解放されると、介護にかかる費用を軽減し、落ち着いた介護生活を送れるように思えるのですが、それは少々ムシがよすぎるかもしれません。 離職すれば安定した収入源がなくなり、社会との交流も少なくなります。その結果、誰にも頼れず孤立することにより、精神的なダメージで不安定になる介護者も多いのが現状です。 再就職が難しく生活が困窮する 介護離職すると今までのキャリアを中断することになり、離職期間が長引くほど再就職は困難になります。収入源がないので貯金を切り崩したり、親の年金での生活が続くことも考えられます。 介護保険を利用しても紙おむつなどの消耗品や介護用品を揃えるための費用は発生し、介護費用は想像以上に家計を圧迫します。 介護はいつか終わりを迎えますが、唯一の収入源だった年金がなくなってから再就職をと思っても、再就職先を見つけるのは大変に困難です。 介護離職者数の推移 出典:「介護・看護を理由とした離職者数の推移」(内閣府 男女共同参画局) 高齢化が進み、2030年頃には3人に1人が後期高齢者になると予測されています。2010年~2015年頃は介護離職者数が一時的に下がりましたが、現在はおよそ10万人を横ばいに推移し続けています。 「介護をする人が自分しかいなかった」と仕方なく離職したケースがほとんどであり、女性が圧倒的に多いと言われていますが、近年では介護離職者の再雇用制度を導入している企業も増えた関係で社会復帰を果たした人もいます。 国が取り組む介護離職の防止策 国が取り組んでいる介護離職の防止策をご存じでしょうか?詳しくは市区町村の介護関連の相談窓口にお問合せください。 介護休業制度 介護休業制度とは、家族が身体または精神上の障害などにより2週間にわたって介護を必要な場合、対象家族1人につき93日まで介護のために休みを取得できる制度です。 1年以上の雇用など一定の条件を満たしている労働者は国から「介護休業給付金」が支給されます。介護休業給付タイミングは復職後。介護休業を希望する場合は、原則事業主を経由して申請を行うので、早めに周知しておくことをおすすめします。 申し出を受けた事業者は、介護休業の開始日と終了予定日を厚生労働省に通知しなければいけません。 介護休暇制度 介護休暇制度は家族の介護のために休暇を取る制度で、介護休業制度よりも単発で利用できます。 対象家族が1人だと1年につき5日まで、半日だと10回まで取得可能。当日の申請が可能で1日か半日単位で取得できます。 6ヵ月以上の雇用、要介護状態にある家族を介護しているなどが条件にあります。この場合、食事や排泄サポートなどの直接の介護だけではなく、ケアマネジャーとの面談や福祉用具レンタルのための打合せ、介護保険の手続きなども対象となります。 勤務時間の制限 介護との両立をするため勤務時間を制限する制度もあります。労働者の請求により、1回につき所定外労働と時間外労働で1ヵ月以上1年以内の期間、深夜業は1ヵ月以上6ヵ月以内の期間残業を制限できます。 なお事業者は請求を拒むことができ、入社1年未満や1週間の所定労働日数が2日以下などは対象外となるケースもあります。労働者は請求をする際、事前に要件を確認しておくことが大切です。 企業が取り組む防止策 企業における介護制度や自宅でのテレワークなどが整備されてきています。企業が取り組む介護離職の防止策を具体的にご説明していきます。 介護休業制度の周知 企業が制度を設けていても、労働者に周知・活用されていなければ意味がありませんよね。 確かに以前では、育児・介護休業法の両立支援制度を知らないまま介護と仕事との両立に苦しむ労働者も少なくありませんでした。 しかし昨今では、介護に関わる制度についてしっかり周知し、支援制度によって労働者の負担軽減に繋げようという企業も増えてきました。 活用事例として過去に制度を取得した人がいるのか?など、お勤めの会社に確認してみても良いかもしれません。 勤務制度を見直す 育児・介護休業法では「所定労働時間短縮制度」「フレックスタイム制度」「時差出勤制度」「介護サービス費用助成、その他準ずる制度」のいずれかで対応措置を設ける必要があります。 育児・介護休業法の内容を理解することは、介護離職を防ぐために必要不可欠です。難しく思えるかもしれませんが、制度の内容をしっかりと理解することも大切です。 複数の制度を設け、介護しながら働く労働者に合った制度を選択して労働者が無理なく柔軟に働ける企業も増えてきていますよ。 リモートワークも活用しよう 新型コロナウイルスをきっかけに、リモートワークが普及しました。 リモートワークをすることで、通勤時間の削減をはじめとして日中の時間が柔軟に使えるように。介護と仕事のスケジュールを効率良く組むことで、両立の負担軽減に繋げられる可能性も高まったはず。リモートワークを実施したい方はまずは可能かどうか会社に相談してみましょう。 会社とは自ら情報を共有しよう 職場に対して、家族の介護で介護者本人が置かれている状況を伝え、事前準備をしておくことが大切です。そして必要に応じて介護支援制度を利用しましょう。日頃から職場に情報を共有しておくことで、周囲も声掛けがしやすくなるはず。その際、謝意を示すことも大切です。声掛けされることで介護者も一人で抱え込まずに済み、悩みを打ち明けやすい状況になるかもしれず、それがやがては介護離職を防ぐことにも繋がるはずです。 介護離職する前に考えたいこと 身内の介護ももちろん大事ですが、自分の仕事や趣味といったライフワークを大切にしたいもの。それでは介護離職する前に検討することをご説明していきます。 介護と仕事の両立で無理をしていると感じたときは、早めに対策を講じましょう。ここでは介護離職をする前にできる軽減策を紹介します。 有料老人ホームへの入居 介護に関わる制度や介護サービスを使っても無理をしていると感じた場合は、介護離職をする前に、老人ホームへの入居を検討しましょう。 人気が高い施設は待機期間が発生するので早めに準備をすることが大切です。費用面で折り合いをつけるのが大切なのはもちろんですが、家族である介護者と要介護者が安心した生活が保障されなければ意味がありません。 仕事を辞めずに安定した収入を確保し、介護の専門スタッフに任せた方が、お互いの幸福度が上がるケースも多くあります。家族でよく話し合って判断して、気持ちを切り替えることも大切です。 在宅介護サービスの利用 在宅介護でも使える介護サービスがあります。 デイサービスやデイケアは送迎がついており、食事や排泄などのサポートを受けるだけでなく、レクリエーションに参加して交流を持ったり、リハビリテーションを受けることもできます。 もちろん、介護の専門スタッフに相談することもできます。介護者が息抜きをするためにも、在宅介護サービスをうまく活用しましょう。 レスパイトケアも重要 介護と仕事を長く続けるためのコツは、無理をしないことです。要介護者はもちろん、介護者の体調や精神が安定していることが必要で、そのためにもレスパイトケアを活用することが重要です。 レスパイトとは「小休止」という意味で、介護者が一時的に開放され休息をとることです。ショートステイが一般的で、介護保険の適用が可能です。 周りに相談をする 介護は一人で抱え込まないことが大切です。家族を相談相手とすることはもちろんですが、協力的であるとは限りません。 家族以外に社会の中でも相談ができる窓口があり、各市区町村に設置されている地域包括支援センターの介護相談窓口を利用することもできます。かかりつけの病院のソーシャルワーカーなどの専門スタッフやケアマネジャーも貴重な相談相手です。 特にケアマネジャーには守秘義務があり、介護生活の中でも身近な相談相手として考えることができます。ケアマネジャーは要介護者だけでなく介護者の心身の状況を配慮してケアプランを立てることが主な仕事です。 社会から孤立しないように余裕を持った介護生活を 介護離職のメリット・デメリットなど、おわかりになりましたか? 忙しい生活ではありますが、空いている時間を活用して介護に関する情報を自治体に問い合わせたり、親族同士での今後の要介護者の介護について話し合っておきましょう。また、自分が勤める会社に介護休業制度や介護休暇がある場合は、上手に活用したり介護施設の入居なども検討してみましょう。 介護生活を送る上で大切なのは、社会から孤立せず余裕を持った介護生活を送ること。決して無理はせず、あまり完璧を求めすぎないように心がけてください。 介護離職のメリット・デメリットに関するよくある質問 そもそも介護離職とは何ですか? 家族のために会社を退職や転職をすることを介護離職と言います。2017年の調査によると過去1年間に介護離職した人は約9.9万人もおり、今後も介護離職者が増えることが予想されています。 介護離職をする前にすべきことはありますか? まずは在宅介護サービスの利用や老人ホームへの入居も検討してみましょう。 老人ホームに関しては、満室のため待機期間が発生する施設もあるので早めに資料を取り寄せ、見学することをおすすめします。 また介護と仕事を長く続けるためには、一人で抱え込まず周りに相談をし、時には在宅介護サービスのショートステイを利用しながら一時的に介護から離れるといったことも重要です。 介護離職について企業はどんな取り組みをしていますか? 「介護休業制度」「介護休暇制度」「勤務時間の制限」などを制度化している企業が増えています。ただし、それぞれの制度には要件や書類の準備が必要です。まずは勤め先に介護に関しての制度があるかどうかを確認しましょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "そもそも介護離職とは何ですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2021/12/27

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

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