入居する老人ホームを探そうとして「何からしたら良いかわからない!」「一人で施設探しをするのは大変!」と、とまどっている人もいるかもしれません。
そこで、今回は老人ホーム探しの相談窓口を紹介。各施設の大まかな特徴や、相談窓口を訪ねる前にしておきたい準備についても解説しているので、施設探しに迷っている人は参考にしてください。
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「老人ホーム」と言っても、高齢者が入居できる施設にはさまざまな種類があります。なかでも民間企業が運営している「民間施設」と、自治体や社会福祉法人などが運営する「公的施設」では、大きな違いがあります。
民間施設と公的施設の特徴を大まかに押さえておくと、施設探しがスムーズに進みます。
民間施設には、以下の4つの種類があります。
施設の種類 | 入居時費用 | 月額利用料 | 入居条件 | 認知症の受け入れ |
---|---|---|---|---|
介護付き有料老人ホーム | 要介護1以上 | |||
住宅型有料老人ホーム | 自立~要介護3程度 | |||
サービス付き高齢者向け住宅 | 自立~要介護1程度 | |||
グループホーム | 要支援2以上 |
公的施設には、以下の5つの種類があります。
施設の種類 | 入居時費用 | 月額利用料 | 入居条件 | 認知症の受け入れ |
---|---|---|---|---|
特別養護老人ホーム(特養) | 要介護3以上 | |||
介護老人保健施設 (老健) | 要介護1以上 | |||
介護医療院 | 要介護1以上 | |||
養護老人ホーム | 自立 | |||
ケアハウス | 自立~要介護3程度 |
老人ホームと同様に、相談窓口にも民間のものと公共のものがあります。使いやすい窓口を活用しましょう。
老人ホームの相談窓口には以下のようなものがあります。
公的窓口
民間窓口
役所のなかには、「高齢者福祉課」「介護保険課」といった名称で、高齢者の生活を支援するための窓口が設置されています。この窓口に相談すれば、地域の老人ホームを紹介してくれるでしょう。
また、介護が必要な状態にも関わらず介護認定を受けていない場合、まずは住んでいる地域の役所の福祉課に相談しましょう。
地域包括支援センターは、老人ホーム探しに限らず高齢者やその家族の生活を支援する施設。医療や保険、成年後見制度の活用など、高齢者の困りごとを一手にサポートしています。
各分野の専門家が相談に乗り、さまざまな状況の高齢者を支援できる体制があります。
医療ソーシャルワーカーとは、病院から退院する際の問題を解決するために各機関と患者との間で調整をする専門家です。
具体的には、以下の内容を相談できます。
入院中の場合は、医療ソーシャルワーカーに相談するのが良いでしょう。
高齢者総合相談センターは、都道府県に1ヵ所ずつ設置されている高齢者の相談窓口。「シルバー110番」とも呼ばれ、「#8080」に電話すると、その地域の窓口につながります。
高齢者の健康や介護、年金、就労など、総合的な問題に対して情報提供などをおこないます。
ケアマネジャーは、介護サービスを利用する人にそれぞれ個別ケアプランを作成し、高齢者の生活を支援します。利用者の体調の変化や家庭の事情によって在宅介護が難しくなった場合にも、相談に乗ってくれます。
既に介護サービスを利用している場合は、利用者の普段の様子や利用している介護サービスを把握しているケアマネジャーに相談するのがスムーズです。
担当のケアマネジャーがいる場合は、まずはケアマネジャーに相談しましょう。
インターネット上には、老人ホームの料金やサービス内容、設備といった詳細な内容を記載している老人ホームの検索サイトがあります。
検索サイトでは、予算、地域、受け入れ可能な医療行為などの複数の条件を指定して、老人ホームの検索が可能。複数の施設を比較できるうえ、気になる施設の資料請求や見学予約を一括でできるサイトも多数あります。
老人ホーム紹介センターでは、さまざまな老人ホームの情報の提供や具体的な施設の提案を受けられます。
対面で相談できる窓口と、電話で相談できる窓口があります。どちらの場合も、「認知症でも入れる施設は?」「これくらいの予算で入れる施設を探してほしい」といった要望に合わせた老人ホームを紹介してもらえます。
多くの老人ホーム紹介センターでは相談料は無料ですが、なかには有料の場合もあるので、相談する前に確認しましょう。
「何からすれば良いかわからない!」と混乱してすぐに窓口に相談に行く前に、いくつか準備をしておきましょう。少し手間はかかりますが、その方がスムーズに老人ホーム探しが進みます。
入居する本人の健康状態によっては、老人ホームに入れない場合もあります。相談窓口でも確認されるので、以下の内容を確認しておきましょう。
特に確認しておきたいのが、認知症の症状と既往歴・服薬の有無です。
例えば、「認知症の影響で他人に暴力を振るう」「徘徊して建物から出ていく危険性がある」といった場合、受け入れられる老人ホームは限られます。
また、日常的に医療的なケアが必要だったり、特別な対応が必要な薬を飲んでいる場合も対応できる施設が限られます。
相談するときにスムーズに伝えられるように、メモに残しておきましょう。
老人ホームの費用は、「入居金」と「月額費用」に分けられます。入居金を設定していない施設もあるため、「入居金がある場合は、入居金◯万円まで。月額◯万円まで」「入居金がない場合は、月額◯万円まで」と上限額を考えておきましょう。
ただし、終身利用を考えている場合、長期間にわたって入居する可能性もあります。入居時の本人の年齢から大まかな入居期間を想定して、予算を決めてください。
本人が住み慣れた地域が良いのか、遠方に住む家族の近くが良いのかで選択できる老人ホームが大きく異なります。そのため、入居を希望する地域も事前に考えておきましょう。
また、希望する地域には他の希望条件に合う施設がないこともあります。その場合、どのくらいまで地域を広げられるのかも検討しておくと良いでしょう。
また、比較的に本人が元気なうちに老人ホームに入居する場合、周辺にスーパーや役所、駅などの施設がないと不便に感じることも。本人の活動状況によって希望する立地条件を考えましょう。
入居する本人の心身の状態や介護の状況によって、入居を希望するタイミングは異なります。
数年先を見越しての情報収集なのか、すぐにでも入居したいのかによって、選択できる老人ホームが異なるので、「2~3年後」「半年後」「すぐにでも」など、大まかに入居のタイミングを考えておきましょう。
なお、民間の老人ホームに入居するには、基本的に1ヵ月はかかります。さらに、特別養護老人ホームなどの公的施設は人気があるため、数年待つことも。そういった点も念頭に置いて施設探しを進めましょう。
老人ホームでは、基本的には食事、レクリエーション、介護サービスなどが提供されますが、なかには提供されない施設もあります。本人が快適に過ごせるように、どんなサービスが必要なのかを事前に決めておきましょう。
入居する本人ではなく、家族が中心となって施設探しをする場合、家族の誰が決定権を持つのかを明確にしておきましょう。明確にしておかないと、施設探しの際に時間がかかったり、入居後のサポートが上手くいかずにトラブルになることもあります。
そのため、入居する本人との関係性や入居後のサポートを主に誰がするのかを考慮に入れて決定権を持つ人を決めると、スムーズに施設探しができるでしょう。
老人ホームは、相談窓口に頼らなくても自分だけで探すことも可能です。しかし、以下のような理由から、相談窓口や専門家に老人ホーム探しを頼ることをおすすめします。
施設探しの相談窓口では、各施設の詳しい情報を持った専門家に相談できます。そのため、希望条件にぴったりの施設を提案してくれるでしょう。
また、老人ホームの受け入れ体制は各施設で異なりますが、それをいくつもの施設に直接確認するのは大変です。相談窓口であれば、そうした受け入れ状況の確認も一括でおこなえるので便利です。
老人ホームに入居するまでには、主に7つのステップがあります。入居の流れを把握して、スムーズに施設探しを進めましょう。
老人ホームを探すときは、相談窓口を活用しましょう。具体的には、役所の福祉課の窓口、 地域包括支援センター、医療ソーシャルワーカー、高齢者総合人材センター(シルバー110番)などの公的な窓口や、ケアマネジャー、インターネットの検索サイト、老人ホーム紹介センターなどの民間の窓口があります。
入居相談をする前に、いくつか決めておいた方が良いことがあります。それは、本人の健康状態、入居のタイミング、予算、地域、希望サービス、入居の決定権のある人です。これらを予め考えておくことで、老人ホーム探しがスムーズになり、後悔しない施設選びができるでしょう。
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