【チェックリスト付き】老人ホーム見学時に気を付けたい4つのポイント

【チェックリスト付き】老人ホーム見学時に気を付けたい4つのポイント

更新日 2024/03/19

老後を楽しく過ごすためにも、老人ホームを選ぶときはきちんと見学し、後悔なく入居を決定することが大切です。そこで今回は、老人ホームを見学するときに見るべき4つのポイントをご紹介します。

また見学の手順や、見学時に質問したい項目もあわせて解説。老人ホームを見学する際は、ぜひ参考にしてください。

施設入居をする際に何故見学が必要なのか?

老人ホームは資料請求をするとパンフレットを入手でき、施設の設備やサービスについて把握することが可能です。

しかし、パンフレットだけでは不明点が多いのも事実。居住スペースや設備がパンフレットの写真どおりか、サービスは行き届いているかどうかなど、実際に目で確かめてみなければわかりません。

入居者本人やその家族に合った施設かを知るためにも、老人ホームの見学は大切です。老人ホームに行って直接チェックすることで、入居前と入居後に生まれるギャップを防ぐことも。

また、施設全体の雰囲気や入居者の実際の生活はもちろん、ケアにあたる職員の様子を知ることもできます。

老人ホーム側としても、入居者がすぐに退去してしまうと大きな損失に。そのため、見学を正当な理由なく断ったり、見学をしないまま入居を勧めるということはありません。

施設選びで後悔をしないためにも、気になった老人ホームがあれば積極的に見学しましょう。

見学時に確実にチェックしておきたい4つのポイント

老人ホームを見学する際は「設備」「サービス」「医療的ケア」「生活の質」の4つを確実に見ておきましょう。それぞれどのような点をチェックするべきか、細かく解説していきます。

建物・設備について

老人ホーム見学の際にチェックしたい居室設備

まずチェックしたいのは居室や共用設備。日々暮らしていく場所のため、スペースの広さや清潔感など、しっかりと見ていきましょう。

また、建物の周辺環境も生活の質に大きく関わってくるので、より良い環境かどうか確認することが大切です。

施設までのアクセス、周辺環境

周辺環境では、安全面や便利さを重視。とくに自由に行動可能な自立した人の場合、「治安は良いか」「歩いていて危険な場所はないか」「買い物のできる場所があるか」などをチェックします。

また、線路沿いや大きな道路の近くは、音の敏感な人にとってストレスになるので注意が必要です。

さらに、家族が面会に訪れるときに通いやすいかどうかも視野にいれます。車や電車を利用してアクセスしやすいかも必ず確認しておきましょう。

居室

老人ホーム見学の際には居室の確認が必須

居室・収納スペースは充分に確保されているかを見ます。また、トイレや洗面所つきの居室を希望する場合は、その有無や使い勝手もチェックしましょう。

ほかにコンセントやナースコールの位置、日当たりなど、快適に過ごせるかどうかを基準に見るとおすすめです。

また、施設によっては家具・家電の持ち込みがOKの場合もあるので、持ち込みたいものが入るスペースがあるか見ておきましょう。

持ち込めない代わりに家具・家電のレンタルや、介護ベッド貸し出しがある場合、追加で料金がかかるかも事前に確認が必要です。

共有スペース

食事をしたり、テレビを見たり、ほかの入居者と交流したりと、非常に大切な役割を果たす共有スペース。居室はもちろん、共有スペースも過ごす時間の割合が多くなります。そのため、居心地の良さや雰囲気をしっかりと確かめておきましょう。

また、机の高さ、人や車椅子が通れるスペースを確保しているか、手すりがあるかなども細かくチェックしてくださいね。

入浴設備、機能訓練室

自立していてる人であれば、1人で入る可能性もあるお風呂。スタッフが声かけや安全確認をおこなっているか、事故を防ぐための工夫をしているかなどを確認しましょう。

要介護・要支援の方は、介護士が付き添います。機械浴が可能かどうかなど、設備の充実度も見るようにしてくださいね。

機能訓練室でも同様に、入居者へのスタッフの関わり方や、設備が充実しているかを重点的に見ます。

設備メンテナンス、清掃

介護用品・福祉用具などは入居者もスタッフも毎日使用するものです。清潔であるか、壊れているもの・経年劣化しているものをきちんと取り替えているかを見ましょう。

また、共有スペースや水回りをきちんと清掃しているかもチェック。見た目だけでなく、においまで確かめるのがポイントです。

設備のメンテナンスや清掃が細やかにおこなわれているのは、スタッフが足りているか、施設運営がうまく行っているかを知るための指標にもなります。

介護スタッフ・サービスについて

老人ホームのスタッフの人員体制について

施設選びの際に見落としがちなのは、老人ホーム側の運営体制や職場環境です。職員にとって働く環境が良いことは、丁寧でより良いサービスの提供に繋がります。

ここでは介護スタッフの働く環境やサービス方針を基準に、施設選びをする際のポイントをお伝えします。

人員体制

介護付き老人ホームでは、入居者3人に対して1人以上の介護スタッフか看護職員を配置することが義務づけられています。常勤の介護職員を1人以上配置することが基準のため、忙しい食事や入浴の時間はパートの人が対応していることも。

また、常に3:1の人員配置ではなく、時間帯によっては極端に職員の少ない施設もあるのが現状です。

日中・夜間の介護職員の人員配置や、勤務体制について不安がある場合、見学時に聞いておくと安心です。2.5:1などの職員体制の手厚い施設では、十分な介護サポートを受けることができます。

介護スタッフの勤続年数、離職率、教育体制

介護スタッフの勤続年数や離職率についてもチェックすると良いでしょう。

勤続年数が長く離職率の低い施設では、人手が充分で、運営体制が整っており、サポートが行き届きやすいというメリットがあります。また、同じスタッフが長期的に担当してくれるため、より良い関係性が築けます。

また、挨拶や見学の対応時の受け答えなど、教育がしっかり行き届いているかも確認を。職員が生き生きと働ける環境づくりをおこなっている施設は、自然と全体の雰囲気に表れています。

認知症ケア

老人ホーム見学の際にチェックしたい認知症ケア

認知症の方は環境の変化に敏感なため、しっかりとケアをおこなっていく必要があります。見学の際は、認知症ケアをどのように取り組んでいるか、入居者本人に適したケアがおこなわれるかをポイントに確かめます。

例えば、「入居者の話に寄り添う傾聴をおこなっているか」「徘徊防止策はしているか」「ほかの入居者や職員とのトラブルを防ぐ対策はあるか」などの視点からチェックしましょう。

リハビリ

有料老人ホームで主におこなわれるリハビリは「生活リハビリ」です。トイレや入浴、食事をリハビリの一環とし、日常生活を自力でできるように支援します。

またケガや病気などをきっかけに、理学療法士などの専門家がおこなうリハビリが必要になる場合もあります。生活リハビリ以外に対応しているかどうかは、施設によって異なるので確認を。

リハビリ設備は充実しているか、頻度はどのくらいか、リハビリを専門としているスタッフはいるかなどを中心に、判断すると良いでしょう。

医療的ケアについて

老人ホームにおける医療的ケアの内容

入居者が毎日を健康的に過ごしていくためには、医療機関の協力が欠かせません。そこで健康管理や協力医療機関について見ていくポイントを解説します。

また、身体的・精神的に苦痛の少ない状態で最期を迎えるために大切な「看取り」の対応について見るべきポイントも紹介します。

協力医療機関

老人ホームでは高度な医療行為が必要な場合、協力医療機関で治療をおこないます。病院名・診療科目・医療サービス内容・住所などを事前にチェックしておきましょう。

ほかにも救急対応や施設への往診が可能か、入院が必要になった場合の施設側の対応なども見ておくと安心です。

健康管理

定期健診や健康相談を親身におこなっているかどうか、頻度などを確認します。また夜間の緊急時の対応も確かめておきましょう。

看取り

老人ホームにおける看取りは、スタッフや家族に見守られながら、過ごしてきた施設で最期のときを迎えるケアです。

看取りに対応していない施設では、容態が悪化したときに、病院やほかの施設へ移らなければいけません。看取りを希望する場合は、必ず看取りに対応した施設を選びましょう。

施設を見学する際には、看取り介護の方針や対応・家族への連絡などの対応についてチェックします。

生活の質について

老人ホームにおける入居者の生活の質(QOL)について

老人ホームで楽しく過ごすために、生活の質を保つことは非常に大切です。ここでは食事やレクリエーション・イベントの工夫について、どのような視点で見ると良いかお伝えしていきます。

食事

食べやすい食事であるかを基準に判断します。噛む力が低下した人に対して、食材を柔らかくする工夫や食べやすい大きさかどうかをチェック。また盛り付けや香りなど、食欲をそそるような食事であるかを見ます。

さらに季節の食材を使ったメニューなど、献立に工夫があるとなお良いですね。見学のときには食事内容だけでなく、入居者の食事の様子も見ておきましょう。

レクリエーション

レクリエーションやイベントでは、実施される頻度を確認しましょう。あわせて、多くの人が参加できるか、ほかの居住者との交流や運動を兼ねた内容かを確かめます。

レクリエーションやイベント実施日に見学できるようであれば、スタッフの取り組み姿勢やイベント全体の雰囲気などを見ると良いでしょう。

老人ホーム見学までの手順

見学までの流れは下記のとおりです。

  1. 資料請求をして老人ホームの概要を確認する
  2. 見学候補を絞る
  3. 見学内容の希望をまとめる
  4. 老人ホームに連絡して見学予約をする
  5. 見学当日

資料の情報や費用、立地などの観点から、見学したい老人ホームを数ヵ所に絞ります。見学候補を絞ったら、「入居者の生活や食事中の様子」「レクリエーションやリハビリの様子」など、気になる点を挙げていきましょう。

老人ホームを見学する際は、必ず予約が必要です。予約の際に見学内容の希望を事前に伝えておくと、スムーズに見学できます。

また、見学を複数希望する場合や、面談をしたい場合は時間がかかるため、前後の時間に余裕を持って行動するとおすすめです。

見学のときにチェックしたいポイントや質問項目、持ち物は、あらかじめ準備しておきましょう。心配な場合は、チェックリストを作成しておくと安心して見学できますよ。

実際に見学する際は複数人で見学したり、可能であれば入居者本人を連れて行くと良いでしょう。1人での見学では気づけない視点を取り入れたり、入居者本人の希望を加味した施設選びをすることができます。

見学の時間帯と回数

老人ホームを見学する際の時間帯について

見学する施設が少ないと十分に比較ができず、誤った判断をしてしまう可能性が。反対に見学する場所が多すぎても、時間がかかってしまい大変です。最低でも2ヵ所はまわり、余裕があれば3~4ヵ所見学すると良いでしょう。

施設を絞るときは、費用や入居条件などが似ている施設を複数選び、比較するのがおすすめです。それぞれの施設の雰囲気や特徴を把握しやすくなります。

また、リハビリ・食事・レクリエーションなどの時間帯に訪問すると、スタッフの入居者との関わり方や、日常生活の様子をチェックすることができます。反対に、設備の広さや清潔感を確認したいときは、入居者の利用していない時間帯を選びましょう。

多くの老人ホームでは、食事の試食も受け付けています。見学を予約する際に、遠慮せずに尋ねてみてください。

一度の見学で老人ホームについてしっかりと理解するのは難しいことも。後悔のない施設選びをするためにも、再度見学を申し込みましょう。その際には、時間帯を変えてみると、新たな発見が見つかりやすくおすすめです。

全体的な雰囲気を確認しよう

静かで落ち着いた雰囲気が合っているか、にぎやかで楽しい雰囲気が合っているかなど、施設の好みは人それぞれ。見学の際には、入居者本人に合った施設かを見極めるために、全体の雰囲気を把握することが大切です。

  • ほかの入居者の表情はどうか
  • スタッフは挨拶や声かけをしているか
  • 清潔感はあるかどうか
  • 飾られた植物の手入れはされているか
  • 掲示物や飾り付けは季節に合っているか

上記のような視点を持って見学すると良いでしょう。

老人ホームは毎日を過ごす場所です。入居者本人や家族に合った施設を選べるよう、理想の雰囲気を事前にイメージしておけると良いですね。

見学時に必ず質問をしよう

見学のときには老人ホームへの疑問や不安を払拭するため、気になることはどんどん質問しましょう。とくに大切になってくるのは、入居条件や料金、施設の方針に関する質問です。具体的にどのような質問をしておくべきか解説していきます。

入居・退去条件

老人ホームでは入居条件が定められています。施設によっては、介護度の高い人や認知症のある人の受け入れをおこなっておらず、入居ができない可能性もあります。

また、持病がある人や病気による特別な医療ケアが必要な人も注意が必要です。このようなケースは、医師の診断書を提出したうえで、施設側が最終的に判断します。

これらの点をふまえて、入居条件に当てはまるかどうか、担当スタッフに相談してみてくださいね。

無事に入居できたとしても、介護度や持病が重くなったり、認知症の症状が現れはじめると退去を促されてしまう可能性があります。

施設側とトラブルにならないよう入居・退去条件はしっかりと確認し、納得のうえで入居しましょう。

料金プラン、費用

料金プランや費用は老人ホームのパンフレットや資料に記載されているため、確認しましょう。

しかし、家具・家電のレンタル料金や特別なケアが必要な場合の費用など、パンフレットに老人ホーム記載しきれない費用がかかることもあります。

別途費用が必要か、内訳はどのようになっているかなど、できるだけ細かく質問しましょう。

保証人の責任範囲

老人ホームの入居条件に、連帯保証人や身元引受人の有無も含まれます。連帯保証人は、利用料の保証、緊急時の連絡、治療方針やケアプランの承諾などの責任が伴います。

連帯保証人であると同時に身元引受人でもある場合、入院などの理由による退去や死亡時の身元引受の必要も生じます。

万が一利用料金が未納になった場合の保証や、病気や怪我・急変時の緊急連絡先として求められることがあります。

一般的に家族が連帯保証人・身元引受人となりますが、老人ホームによっては家族以外も保証人として認められる可能性も。こちらも入居する前に必ず、確かめておきましょう。

施設の介護方針

最後に、老人ホームを見学したときに、施設の介護方針についても質問します。

パンフレットやホームページなどに施設の介護方針を記載している老人ホームが多いですが、改めて担当スタッフから聞いておくのも非常に大切です。

聞いたうえで、実際の施設の印象と合わせて入居の判断をおこないましょう。

施設見学時のチェックリストのダウンロードはこちら

老人ホームの見学に関するよくある質問

老人ホームに入居する際、何故見学が必要なのでしょうか?

施設のパンフレットだけだと不明点が多すぎるのも事実です。居住スペースや設備がパンフレットの写真どおりか、サービスは行き届いているかどうかなど、実際に目で確かめてみなければわかりません。

特に、施設全体の雰囲気や介護スタッフの様子などは見学時にしかわかりません。入居者本人やその家族に不安が残らないように、入居前の見学は必要です。

見学する場合は何時頃に行けば良いですか?

主に入居者が共用スペースに集まっている「食事」「リハビリ」「レクリエーション」の時間帯に訪問すると、施設の雰囲気、介護スタッフや入居者の様子を確認できます。

また施設によっては食事の試食ができます。希望条件として食事を挙げているのであれば、事前に試食をおこない、味や食事形態について確認しましょう。

見学は何ヵ所した方が良いですか?

施設を比較するために最低でも2カ所、余裕があれば3~4カ所見学すると良いです。また、入居者本人が見学に同行する場合は、移動するだけで疲労を伴うので1日1施設がおすすめです。入居者本人が施設を比較したい場合は、複数日にわけて見学しましょう。

地域から老人ホーム・介護施設を探す

北海道・東北

北海道札幌市)|青森県岩手県宮城県仙台市)|秋田県山形県福島県

関東

東京都神奈川県横浜市 / 川崎市 / 相模原市)|埼玉県さいたま市)|千葉県千葉市)|茨城県栃木県群馬県

甲信越・北陸

新潟県新潟市)|富山県石川県福井県長野県山梨県

東海

愛知県名古屋市)|岐阜県三重県静岡県静岡市 / 浜松市

関西

大阪府大阪市 / 堺市)|京都府京都市)|兵庫県神戸市)|滋賀県奈良県和歌山県

中国・四国

岡山県岡山市)|広島県広島市)|鳥取県島根県山口県徳島県香川県愛媛県高知県

九州・沖縄

福岡県福岡市 / 北九州市)|熊本県熊本市)|佐賀県長崎県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

よく読まれている記事

よく読まれている記事

article-image

介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

article-image

グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

article-image

【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

介護の基礎知識

total support

介護の悩みを
トータルサポート

total support

介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。

鎌倉新書グループサイト