老人ホームを探しはじめて入居が決まるまでは、だいたい1ヵ月くらいは必要だと言われています。「けっこうかかるな…」と感じる方も多いかもしれませんが、いくつか重要な手続きが含まれるため、このくらいの期間は考慮しておく必要があります。
この記事では、老人ホーム入居までを7つのステップにわけて解説します。入居にあたって必要な書類やチェックしておくポイントについてもまとめているので、ぜひ参考にしてください。
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老人ホームを選ぶにあたり、自分が希望する条件を洗い出しましょう。
まず第一の条件は予算でしょう。老人ホームに入居するにあたって経済的な計画は非常に重要です。有料老人ホームの場合、施設によって費用が違います。支払い可能な予算を決め、入居一時金、月額利用料がその範囲内に収まるように注意します。
料金によって居室の広さも変わってきます。「最低これくらいの広さが欲しい」という条件を入居費用を見比べて、だいたいの予算を算出してください。
自宅や家族が住んでいる場所との距離も大切なポイント。面会に訪れる家族の負担をなるべく軽減するためにも、通いやすい立地にあることは重要です。
また老人ホームには長期間入居することになるので、周囲の住環境や治安についても調べておくと良いでしょう。
施設によってレクリエーションの頻度や屋外活動の有無、入浴の頻度などが異なります。生活を営む上で自分なりに重視するポイントをまとめ、希望条件を決定しておきましょう。
老人ホームの情報収集はインターネットでおこなうのが便利です。希望条件を絞り込んだ上で老人ホームを探すことができます。
希望の条件にあう老人ホームを見つけたら、詳しい資料を取り寄せます。資料請求は電話やメール、ホームページからも可能です。資料請求は無料で何件でもすることができるので、予算や立地などの希望条件にあった施設をたくさん取り寄せておきましょう。
資料やパンフレットを比較して入居したい老人ホームが見つかったら、次は施設見学や体験入居という流れになります。
資料だけでは、実際の雰囲気やスタッフの様子まではわかりません。気に入った施設をいくつか絞り込んだら、施設見学を申し込みましょう。
見学できる時間帯や内容については施設ごとに異なります。また食事の試食ができたり、入居者とお話をする時間などがあれば、入居の決め手になるかもしれません。
見学時はメモやノートを持参して、確認したい点はしっかり聞くことが大切です。施設内の撮影は職員に許可をとってからにしましょう。自分だけでは気づかないこともあるので、家族も一緒に見学することをおすすめします。
施設の入居状況によりますが、一般的には見学から入居まで1~2ヵ月くらいはかかります。申し込んですぐに入居が決まるわけではありません。
見学が終了して、気に入ればその場ですぐ仮申し込みの受付をおこないます。仮申し込みなので正式な入居決定ではなく、あくまで仮押さえの状態です。
仮申し込み期間は一般的に1ヵ月程度なので、その間に必要書類をそろえたり、資金的な手続きをおこないます。
仮申し込みを済ませたら、本契約にむけて必要書類を準備しましょう。老人ホームに入居するためには、診療情報提供書や健康診断書の提出が必要です。
診療情報提供書とは一般的に「紹介状」と呼ばれるもので、かかりつけ医がほかの大学病院を紹介するときなどに書いてもらうものと同じです。入居者の現在の症状や傷病名などが書かれています。
健康診断書は一般的に老人ホーム側が書面を準備して、入居者のかかりつけ医に記載を依頼するものです。有効期間は3ヵ月なので、期限が過ぎてしまったものは受け付けてもらえません。
診断情報提供書と健康診断書はいずれも医師に依頼するものなので、有料です。また検査が必要な項目もあるので、取得するまでにだいたい3週間程度かかることも覚えておいて、スケジュールには余裕をもって動きましょう。
最後は本人との面談です。面談ではおもに施設側が入居希望者の健康状態を確認するためにおこないます。本人が気になる点を直接、施設の担当者に確認することもできます。
要介護認定を受けた方であれば、ケアマネジャーの同席も可能。本人が施設に行くことができない場合は、入居希望者がいる場所で面談をするといった対応もしてくれます。
入居する側も迎え入れる側も、どちらにとっても面談の場でしっかりと意識合わせをしておくことが大切です。
書類の提出と面談が終了後、施設側の入居審査があります。入居希望者の健康状態や経済状態を確認して問題がなければ本契約、そして入居という流れになります。
契約時は入居契約書の取り交わしや重要事項説明書や管理規定についての口頭の説明がおこなわれます。文章は文字が小さく、あらためて自分で読み返す時間もないので、契約時にしっかりと聞いて、大切なことはノートにメモをとっておくと良いでしょう。
契約が締結されたら、いよいよ入居です。老人ホームに持ち込む家具や身の回りの品の準備をはじめましょう。
老人ホームの契約時には契約書とは別に重要事項説明書の内容を確認しておきましょう。重要事項説明書には老人ホームのサービス内容やその他条件について詳細な記載があります。
重要事項説明書は各施設や自治体のホームページからダウンロードできます。どのような点を確認するべきか見ていきましょう。
「事業主体・施設概要」はおもに老人ホームを運営する事業者に関する項目です。事業者がどれくらいのサービス規模なのかも知ることができます。事業主体の信頼性をしっかり確認することで、入居してからのトラブルの防止にもつながります。
入居しようとしている施設の類型も記載されているので、提供されるサービス内容もだいたいの予想をつけることができます。
重要事項説明書には従業員に関する事項もあります。実際に勤務するスタッフの経験年数や人数によって、施設がどれくらいのサポート体制をつくっているのか推測することができます。
長く勤務する経験豊富なスタッフが多くいると、雰囲気の良い施設である可能性が高いでしょう。また夜勤をおこなう職員の人数から夜間の介護体制もわかります。従業員に関する事項もよく読んでおきましょう。
老人ホームで提供しているサービス内容について詳細な記載があります。チェックしたい項目は下記の通りです。
サービス内容の項目にかかりつけ医療機関と診療科目の記載があります。ここを確認すると入居者が日常的に診てもらえる科目がわかります。歯科口腔外科や眼科、整形外科などがあると安心です。
居室の住み替えに関する事項もチェックポイントです。住み替えが発生したときにどのような費用負担になるのか、仕様変更があるのかは確認しておきましょう。
契約解除における予告期間は約3ヵ月程度が一般的です。
現時点の入居者の年齢や要介護度や男女比について。入居する前に知っておくと良いでしょう。
施設内でなにか事故がおきたときのために損害賠償責任保険に加入しているかしていないかがわかります。特に万が一のトラブルや契約解除、賠償責任についても事前に確認しておくと安心です。
利用料についてチェックしておくポイントは、入居一時金の償却についての項目です。入居一時金は一定期間で償却され、償却率や償却年月日は「利用料」に記載されています。
償却期間は各老人ホームが1年から15年の間で自由に定めることができます。償却期間が長いほど、途中で退去したとき返還金は多く戻ってきます。
同じく「利用料」の項目には3ヵ月以内に施設を退去した場合に入居一時金の返金があるかないかについても記載があります。
また、月額費用の内訳についても知ることができます。水道光熱費や管理人は別に請求されることもあります。利用料の内訳は確認しておきましょう。
老人ホームを見学する前段階として情報収集をする必要があります。希望条件を絞り込んだ上で詳しい資料を取り寄せ、その中から気に入った施設をいくつかピックアップし見学するといった流れが一般的です。
まずは資料を取り寄せ、対象施設を絞り込みましょう。
面談では主に施設側が入居希望者の健康状態や入居後の希望について最終確認をおこないます。基本的に施設長やケアマネジャーと面談をおこなうことが多いので、不安に思っていることなどを遠慮なく伝えましょう。
申し込みから入居までにかかる期間は、一般的に書類の準備や入居の審査などが必要となるため約1カ月程度が最短です。事前に入居に必要な書類を揃えておくことで早めの入居が可能となる場合もあるので、見学の際は施設側にどんな書類が必要なのかを聞きましょう。
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