みなさんが毎日の食事を楽しみにしているのと同じように、老人ホームで暮らしている高齢者にとっても、食事は大きな楽しみのひとつ。QOLの向上にも大きく影響すると言われているほど、老人ホームでの食事は非常に重要な要素です。
そこでこの記事では、老人ホームではどのような食事が提供されているのか?を中心に、昨今の老人ホームでの食事事情についても解説していきます。
「質素な感じ」「美味しくなさそう」といった従来のイメージがひっくり返るかもしれませんよ!?
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いかがでしょう?和洋中のメニューをバランス良く取り入れていて、入居者に飽きさせない工夫を感じられますよね。
ちなみに、1日のカロリーはおよそ1500~1700kcal、塩分は約8g以下を目安としている老人ホームが多いようですよ。
“日々の食事に飽きさせない工夫”の一環として、イベント食を用意している老人ホームも多いです。
イベント食とはその名の通り、日々の食事の他に特別な食事として提供される食事のことです。老人ホームによって「特別食」「季節食」など呼び方はさまざまですが、つまりは「普段とは趣向が異なる、ちょっと特別な食事」という意味合いです。以下では、例を見ていきましょう。
また、老人ホームによっては、寿司職人に出張してもらって目の前でお寿司を握ってもらったり、ホテルやカフェのような気分で楽しめる、パンやデザートなどのバイキングを提供しているところもあります。
きざみ食やとろみ食など、いわゆる“介護食”に対応しているかどうかは、老人ホームによって異なるので事前のチェックが必要です。
要介護者が入居する老人ホームのほとんどでは、本人の嚥下機能や体調に合わせて、各種の介護食が用意されています。
とはいえ、すべての老人ホームが対応しているわけではないので、入居前に介護食への対応が可能かどうか、どのような種類の介護食に対応可能かを確認しておきましょう。
「介護食」と一言で言ってもいくつかタイプがあり、それぞれ用途が違います。以下が代表的な介護食の種類です。
細かく刻んだり、またすりつぶしたりしてペースト状にしたもの。
くず粉や片栗粉でとろみをつけたもの。
ミキサーなどにかけて液体に近い状態にしたもの。
細かく刻んだり、またすりつぶしたりしてペースト状にし舌で簡単につぶせるよう柔らかくしたもの。
飲み物などをゼリー状にして水分を補給しやすくしたもの
きざみ食やとろみ食の他に、昨今、人気なのが「ソフト食」。ソフト食とは、料理の色みや形状に似せつつ、高齢者が食べやすいように柔らかく仕上げた食事のことです。
他の介護食と比べても見た目が美味しそうで、それでいて口に含んだときに舌と上顎とですりつぶせるくらいの柔らかさ。一般食と比べても味・見た目ともに変わらないレベルです。
ソフト食を導入したところ高齢者の食欲が回復して、QOLの向上にもつながってケースもあるくらい。もしソフト食を導入している老人ホームであれば、ぜひ一度、試食させてもらうことをおすすめします。
老人ホームのパンフレットやWebサイトを見ると、設備情報に「厨房完備」などと書かれているのを目にします。これは、言葉通り施設内に厨房があるかないかということで、つまり施設内で調理した食事が提供されるということになります。
施設内の厨房で作られた料理であれば当然、できたての状態で提供されるので、温かいものは温かく、冷たいものは冷たい状態で食べることができます。
一方で施設内に厨房施設がない老人ホームであれば、提携先の外部の業者などから宅配される料理が提供されることになります。
「宅配」と聞くとマイナスイメージが浮かぶ方も多いかもしれませんが、昨今の宅配・配食サービスは非常に高クオリティで、施設内で作られた料理に勝るとも劣らないほど。どちらが良くてどちらが悪い、とは言い切れない時代になっているのです。
「老人ホームでの食事は入居者にとって大きな楽しみのひとつ」「食事は高齢者のQOLに大きく影響する」といった考え方が浸透してきた昨今では、老人ホームの運営会社が食事の充実に力を入れ始めています。
逆に言うと、食事に力を入れているかどうかで、入居者の生活・QOLをどのように捉えているかという、老人ホーム側の姿勢が見て取れる、とも考えられます。
だからこそ、老人ホームを選ぶ際には食事面をしっかりチェックしていただきたいのです。そのチェック項目は、主に以下の3つです。
なぜこの3つなのか、詳しく説明していきますね。
ほとんどの老人ホームでは、ひと月単位で提供する食事のメニュー・内容が決まっているものです。献立表も用意されているはずで(館内に掲示されている場合が多いです)、可能であればその献立表をいただいちゃいましょう。
献立表を見ると、食事の内容が入居予定者の嗜好に合うかといったイメージが湧くでしょう。また、「同じメニューが繰り返されていないか」「季節感に配慮した献立になっているか」といったこともわかってくるはずです。
可能であれば、施設の見学時には朝食の時間を合わせるのも一つの手です。朝食時というのはどの施設も忙しく、バタバタしているもの。「朝食の準備がきちんとできているか」「入居者にぞんざいに接していないか」「きちんと食事介助ができているか」といった点をチェックするのにうってつけの時間帯なのです。
食事の時間帯を通して、施設スタッフが食事をどのように捉えているのかがわかる。だからこそ“朝食時”の風景をチェックしてみてください。
献立や風景を見るだけでは当然、味はわかりません。そこで、実際に試食させてもらうことも忘れないようにしましょう。「味つけは入居予定者の好みに合っているか?」「嚥下に問題のない調理になっているか」といった点がわかるはずです。
また、温かいものは温かく、冷たいものは冷たい状態で提供されているかなど、実際に味わってみてわかることも多いでしょう。
さらには、「どんな食器を使っているか」「丁寧に盛り付けられているか」といった点も、試食時にチェックしておきたいポイント。施設の見学時にはぜひ試食させてもらって、いろいろな角度から食事を見ておきましょう。
基本的に老人ホームで出てくる食事は、和洋中とバランス良く提供されていて、入居者が日々の食事に飽きないように工夫もされています。また、1日のカロリーはおよそ1500~1700kcal、塩分は約8g以下を目安としている老人ホームが多く、食事制限がある人にも対応しています。
介護食には、「きざみ食」「とろみ食・ゼリー食」「ミキサー食」「ソフト食」「水分補給食」が挙げられます。どの種類の介護食が提供できるかは施設によって異なるので、入居の際は確認しましょう。
イベント食を用意している老人ホームは多いです。例として、おせち料理やちらし寿司、クリスマスディナーといった食事が挙げられます。各施設、日々の食事に飽きさせない工夫をしています。
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