世帯分離とは、同じ住所に住んでいる状態で家族間の世帯を分けることを指します。世帯分離をすることで、介護費用や国民健康保険料を軽減できる可能性があるので介護が必要な家族がいる場合は、検討する価値が大いにあります。
この記事では、世帯分離のメリット・デメリットや申請方法などを解説しています。
介護の費用を少しでも軽減したいと考えている方は、是非、参考にしてみてください。
世帯分離をおこなうと経済的負担の面で大きな効果を発揮します。以下では、世帯分離をしたときのメリットをまとめました。
国民健康保険料は前年度の所得によって計算されるため、世帯分離によって世帯の所得を下げることができれば負担額を軽減できる可能性があります。ただし、すべての人が該当するわけではないので、軽減できる可能性があるということだけ認識しておきましょう。
介護サービスを利用する際は、1割~3割の費用を負担する必要があります。負担割合に関しては「本人の収入」「世帯の収入」で決まることがほとんどなので、世帯分離をおこない世帯の収入が減れば、自己負担額が減る可能性があります。
後期高齢者医療制度は、75歳以上のすべての高齢者、または前期高齢者にあたる65歳〜74歳の人のうち寝たきりなど一定の障害があると認定された方が加入する医療制度です。
保険料は世帯全体の所得によって決定するので、世帯分離をし総所得を減らすことで保険料を下げることができます。
たくさんのメリットが感じられる世帯分離ですが、一方でデメリットも存在します。以下では、世帯分離をしたときのデメリットをまとめました。
国民健康保険に加入している世帯が世帯分離した場合、それぞれの世帯主が国民健康保険料を納める必要があります。世帯主が2人になるので、両世帯の金額を合計すると以前よりも高くなってしまう可能性も。国民健康保険料が安くなるか高くなるかはケースバイケースと言えるでしょう。
会社員の方が親を扶養に入れている場合は、世帯分離をすることで扶養から外れることになるため、毎月支給されていた扶養手当や家族手当を受け取れなくなる可能性があります。例えば毎月扶養手当を1万円支給されていた場合は、年収が12万円減少してしまうので、家計に打撃を与えてしまうことも考えられます。
世帯分離をする際は、手続きに手間がかかります。例えば世帯変更届などの書類の取得や記入、世帯分離について調べる時間などが挙げられ、面倒と言えるでしょう。
また、世帯分離後に住民票などの書類が必要になる場合があります。その際、親が高齢で自力で手続きが難しい場合は子どもが手続きをおこなうことになり「委任状」を記入してもらう必要が出てきます。
世帯分離をするためにはどのように手続きをすれば良いのでしょうか。以下では、世帯分離の手続き方法をまとめました。
世帯分離を進めることになったら必要な書類を揃えましょう。以下は、必要な書類をまとめました。
上記の書類を準備しているとスムーズに手続きを進めることができるでしょう。ただし、書類に不備がある場合は手続きを進めることができないので、不安がある場合は事前に役所へ確認しましょう。
世帯分離の手続きは住んでいる市区町村の窓口で対応しています。訂正などがある場合は印鑑を押す機会もあるため忘れずに持参しましょう。
また、手続きを代理人がおこなう際は委任状と代理人の本人確認書類も必要となるため、こちらも忘れないようにしましょう。
生活保護受給を目的とした世帯分離は、申請が通らない可能性が高いです。生活保護の定義は「さまざまな理由により生活に困窮している人々に対して、生活保護法により、憲法が定める健康で文化的な最低限度の生活を保障し、積極的にそれらの人々の自立した生活ができるよう援助する」とあります。そのため、生活保護を受け介護費用を軽減したいという理由で世帯分離をおこなうことは難しいです。
世帯分離とは、同じ住所に住んでいる状態で家族間の世帯を分けることを指します。世帯分離をおこなうと住民票の世帯を分けることになるため、役所の窓口にて手続きをする必要があります。
世帯分離をした後でも元に戻すことは可能です。元に戻す祭は、「世帯合併」の手続きをする必要があります。世帯合併とは、同じ住所にある2つ以上の世帯を合わせて1つの世帯にすることを指します。
世帯分離の手続きは、基本的に世帯分離する世帯の世帯主がおこないます。ただし、やむを得ない事情で手続きができない場合は、委任された代理人でも可能です。
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