老人ホームの中でも「高級」といわれる高級老人ホームとはどのような施設なのでしょうか。高級老人ホームの特徴や良い点、選ぶポイントについて説明します。
選ぶときのポイントは入居時の判断基準になります。ぜひ参考にしてください。
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「老後は施設が充実している高級老人ホームで悠々自適に暮らしたい」「資金に余裕があるため、高級老人ホームに入居して家族に負担をかけたくない」といった理由から、高級老人ホームの入居を検討されている方もいることでしょう。
高級老人ホームの特徴は、一般の介護施設に比べて豪華な設備や手厚いサービスが用意されていること。場所もアクセスがしやすい都市部や高級住宅地に建てられることが多く、今後も需要があると言われています。
サービスやロケーションなどにこだわっているため、一般の介護施設に比べて費用感も高く、富裕層向けと言えるでしょう。そのため、資金計画をしっかりおこなう必要があります。
それでは、高級老人ホームの特徴について詳しく説明していきましょう。
スタッフの丁寧な応対や言葉使いが行き届いた施設は高級感を感じるもの。高級な老人ホームでは「接遇」の教育をしっかりおこなうとともに、高級ホテルのようなコンシェルジュを配置しているところもあります。
高級な老人ホームへ見学に行った際、以下の4点をぜひチェックしてみてください。
高級な老人ホームは、アクセスが便利な都市部や人気のリゾート地に建てられることが多く、近隣にデパートといった商業施設や映画館、主要駅があったり、人気の観光地や温泉付きの施設などがあります。
入居を検討する際は、不動産の土地相場も参考にすると良いでしょう。入居者本人が交通の便が良い施設が良いのか、ベットタウンのような郊外か、のんびりと豊かな自然に囲まれた立地が良いのかなど、費用計画と照らし合わせて検討してください。
高級な老人ホームの中には、イタリア風の建築物や古城の外観をイメージしているなど、ハード面に趣向を凝らした施設が多く見受けられます。施設内の内装もラグジュアリーな家具などが使用されているため、豪華な入居生活が過ごせます。
また、一般的な老人ホームはバリアフリー設計されていることがほとんどですが、高級老人ホームはさらに、車椅子なども悠々と動かせるような広々とした空間設計がされていることが多いです。
高級な老人ホームの共用設備は、一般の老人ホームより充実した設備や備品が配置されている傾向があります。
例えば、フィットネスルーム、温泉、理美容室、図書館、ラウンジ、カフェ、カラオケ、シアタールーム、ダンスホール、ビリヤードルーム、囲碁・将棋ルーム、絵画や陶芸が作成できるアトリエや陶芸ルームなどが設置されています。
その他、ゲスト用の駐車場や豪華な宿泊ルームを用意している施設もあります。
高級な老人ホームは、以下の介護・医療体制が整っていて安心です。
ホーム内に医師や看護師などが24時間365日常駐している施設が多くあるとともに、介護スタッフの人数を基準より手厚く配置したり、充実したリハビリサービスを提供している施設もあります。
体調不良や緊急時にもすぐ診察してもらえるクリニックも併設されている場合もあり、入居者もその家族も安心して過ごせます。
老後の楽しみのひとつが食事。高級老人ホームの食事は栄養バランスはもちろん、良い食材、お味、見た目、バラエティ豊かな豪華なメニューを取り入れている施設が大半です。
イベントメニューも充実しており、有名シェフや寿司職人を招いたり各国のメニューや、選択制のメニューを提供していることもあります。
食器やカトラリーも高級なものを使ってテーブルセッティングされることもあるため、食事時間も満足したものになるでしょう。
高級な老人ホームは、アクティビティやレクリエーションが非常に充実しています。
例えば、趣味活動の専用の部屋で陶芸教室や華道、ダンスホールでの社交ダンスサークルなどが活発に開催されていたり、ときにはプロの演奏者や落語家などのコンサートが開かれることも。
その他、旅行ツアーを企画したり、外出または旅行への同行サポートサービスを提供する高級老人ホームもあります。
高級老人ホームを運営しているのは、多くが大手企業です。そのため、充実した設備やスタッフの教育がしっかりしており、安心感にもつながります。
高級な老人ホームの入居を検討するうえで重要な、費用計画について説明していきます。
入居一時金とは、老人ホームに入居するための権利を得るお金のこと。家賃を前払いするシステムであり、高級老人ホームになると数千万から1億円以上になることもあります。
この入居一時金は、高額ではあるものの、入居後に入居者が退居したり死亡した場合は、一時金の一部が返還される、「償却金制度」が採られています(償却期間内に限る)。
ただし、入居者が死亡して高額な返還金を遺族が受け取った場合は相続税などが発生する場合もあり注意が必要です。
介護施設によって入居一時金や返還金のシステムが異なるため、詳細は入居希望の施設に確認しましょう。
月額利用料は、高級老人ホームの家賃や管理費、食費、日用品、光熱費などが含まれます。介護サービスや医療サービスは含まれないためご注意ください。
費用感は20~50万円くらいと一般的な老人ホームに比べて高め。また、部屋のタイプや食事の対応サービス(アレルギーや選択制メニューなど)、嗜好品、レクリエーション費などによっても金額は変動します。
詳しい金額は入居希望の施設に問い合わせたり、料金パンフレットなどで確認すると良いでしょう。
費用感も高めな高級老人ホームの支払い方法も気になるところではないでしょうか。それでは支払い方法についてご説明します。
入居時に今後かかるであろう家賃を全額前払いする方法のこと。先に支払っておけば、費用面でも見通しが立てやすくなり費用面や気持ちに余裕が生まれます。
入居している施設の入居一時金や月額利用料の金額が下がったとしても返金対応などがないことが多いため、詳しくは施設にお問合せください。
毎月、家賃やサービス費用を支払う方法のこと。別の介護施設への入居待機など入所予定が短期期間の人が利用することが多いです。一括支払いに比べると費用感は高め。
月額利用料は、立地や内装やスタッフの配置人数、医師や看護師の常駐などサービスや設備が充実している分だけ料金も上乗せしていきます。
そのため、短期間利用であっても入所希望の施設のサービスが費用に見合っているか確認してください。
入居時に入居想定期間の家賃の一部を前払いして、入居後はその他の費用を毎月支払っていく方法です。一括支払いと比較すると月額利用料の費用感は高めですが、毎月支払う家賃が減額されるため、入居者の毎月の負担も軽めになります。
また、入居一時金の返還金制度も適用されることが多いですが、入居期間が長期になると返還金もその分減ります。詳しい金額は施設にお問合せください。
入居した年数に応じて入居一時金から家賃などを差し引いていくことを「償却」と言います。
入居一時金の一般的な償却方法は、入居時に入居想定期間の家賃などを「初期償却」して残りの費用を毎月償却していきます。一方、初期償却せず月単位で償却していくのを「均等償却」と呼びます。
入居後償却期間がまだ終わっていないうちに退去や死亡した場合は、未償却分が本人や家族に返還されます(返還金)。返還金の内訳はわかりづらいため、高級老人ホームに入居予定の方は担当の税理士などに相談してみると良いでしょう。
また、入居一時金はクーリングオフ制度も適用される場合があるため、契約書に必ず目を通すようにしましょう。
高級老人ホームに入居する際にはさまざまな条件があります。以下で詳しく見ていきましょう。
高級老人ホームでは、施設ごとに健康状態で入居の可否を設定している場合があります。例えば、入居条件を自立している方に限定していたり軽度の介護度であれば受け入れを可能にしていたり、施設によって条件は異なります。受け入れ状況に関しては、施設に詳細を確認しましょう。
高級老人ホームに限らず、ほとんどの老人ホームで入居時に身元引受人や保証人が必要です。基本的に身元引受人や保証人は家族の場合が多いですが、もし家族や親族がいない場合には保証会社や成年後見制度を利用することも一案です。
高級老人ホームへ入居する際は、入居者の支払い能力も入居条件のひとつです。そのため、入居時に入居希望者の収入や資産などを確認されることがあります。
高級老人ホームを選ぶ時には以下が大事なポイントです。
それでは詳しく解説していきましょう。
高級老人ホームを入居する際に大事なポイントは、高額な入居一時金の支払い後も毎月の月額利用料が無理なく支払えるかという点です。そのため、費用面はよく検討する必要があります。
80歳、85歳、90歳、100歳まで生きた場合、どのくらいの費用が必要なのかシミュレーションしてみましょう。終身まで同じ高級老人ホームに入居する予定の場合は、生活レベルに合った施設を選び預貯金もしっかりあったほうが安心です。
老人ホームを選ぶ時に大事なポイントは「自分が楽しんで生活できるか」ということ。都市部での買い物や外食を好む人もいれば、自然豊かな郊外やリゾート地に住みたい人もいるでしょう。趣味や習い事も豊かな老後生活を送れるため、入りたい高級老人ホームの趣味講座の内容も確認してみてください。
そして、家族が面会しやすい立地であることも大事ではありますが、自分が描いているライフスタイルに合った施設を選ぶと良いでしょう。
高級老人ホームは医療サービスや介護サービス、生活支援サービスが充実していると言われています。そのため、入居希望の施設のサービスの度合を実際に見学して、実際にそこで生活している自分をシミュレーションしてみると良いでしょう。
また、医師や看護師の365日24時間常駐や日常生活の介助、コンシェルジュサービス、家事代行、買い物や病院への付き添い、安否確認サービスなどさまざまな手厚いサービスが費用のどこに含まれているかを施設に確認するのも大事なポイントです。
この記事では、老後を豊かに過ごせる高級老人ホームについてご紹介してきました。
自分のライフスタイルと費用面が合致した施設を見つけるために、興味がある施設は実際確認したり見学会に行くことをおすすめします。施設によっては試食会をおこなうところもあります。
人によっては住み慣れた自宅を手放したり、賃貸に出したりとすることもあるでしょう。高級老人ホームへの入居を検討している場合は、費用計画をしっかり立てることが大切です。
高級老人ホームは、入居一時金として数千万~数億円に設定されているところが多いです。また、月額利用料に関しては20~50万円程と一般的な老人ホームに比べて高めに設定されています。
入居後償却期間がまだ終わっていないうちに退去や死亡した場合は、未償却分が本人や家族に返還されます。
入居一時金の一般的な償却方法は、入居時に入居想定期間の家賃などを「初期償却」して残りの費用を毎月償却していく方法をとっています。償却については施設ごとに内容がさまざまなので、入居を検討する際はしっかり確認しましょう。
高級老人ホームに入居する際に注意すべき点は、高額な入居一時金の支払い後も毎月の月額利用料が無理なく支払えるかという点です。
想定年数以上生きた場合を考え、生活レベルに合った施設を選びましょう。また、高齢になれば介護にかかる費用も増えてくるので、将来的にどの程度費用がかかるかシュミレーションを適宜おこないましょう。
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