将来、5人に1人が認知症になるといわれ、年々認知症の方が増えている中、認知症の方々を支える大きな柱となる認知症サポーターが注目を集めています。
認知症サポーターとはどのような役割があるのか、具体的な活動事例とともに詳しく解説していきます。
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認知症サポーターとは、認知症に関する正しい知識と理解を持ち、地域の認知症の人やそのご家族に対して、自分のできる範囲で手助けを行う人のことをいいます。
認知症サポーターは、特別な資格や技術ではありません。認知症に関する理解を持ちたい、支援したいと行動できる方であれば、およそ90分の養成講座を受講するだけで、どなたでも認知症サポーターになれるのです。
近年、認知症の人は右肩上がりで増え続けているため、これからの社会においては、多くの人や地域による認知症支援が必要不可欠。現在では約1300万人以上の方が認知症サポーターとして活動に参加しています。
認知症サポーターに求められる3つの役割があります。
ここからは、それぞれの役割について詳しく説明していきます。
現在の日本においても、まだ認知症への偏見や誤解が少なからずあり、そのことで本人のみならず、支えるご家族も悩まれていることが多くあります。
認知症サポーターとして認知症の正しい知識と理解を得ることで、認知症の方とそのご家族などの心の負担を軽くできるだけでなく、後にサポーター本人が認知症になった場合にも、ご自身の状況を受け入れやすくなることが考えられます。
また、認知症サポーターとして、ご自身のまわりの人々に認知症の理解を広めることも、大きな役割となります。
認知症サポーターとして、専門的な技術はなくとも認知症の理解と知識があるだけで、できることは充分あります。認知症の方が道を歩いていたら見守ることができ、危険だなと感じた場合は、優しく話しかけ誘導することもできます。
また、認知症のご家族を支える人々に対し、介護の難しさや苦労話を聞いて共感することもできます。
そんな小さなことを、サポーター一人ひとりによって増やしていくことができれば、大きな支えになっていくのです。
認知症サポーターが認知症の正しい知識や理解をもったうえで、地域の方への手助けを率先的に行ったり、積極的に情報を発信するなど、地域に認知症への理解を広める行動をとることで、認知症の方が暮らしやすい社会をつくることも重要な役割のひとつです。
認知症の方々を支えられる社会は、地域に住む外国人や子供、または、社会的に弱い立場に人々にも優しくできる社会となるでしょう。
認知症サポーターの証であるオレンジリングを身に付け、あらゆる人が住みやすくなるためのまちづくりに参加すれば、地域のさまざまな人と認知症の知識を共有することもでき、優しい未来を築く手助けができるのです。
実際に、認知症サポーターはどのような活動をおこなっているのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
高齢者をターゲットにした悪徳商法を行う業者は、後を絶ちません。その中でも、相手が認知症であるとわかっている上で契約書にサインをさせたり、押し売りをする業者もいます。
あなたの回りの高齢者の方で、高額な商品をたくさん売りつけられていたり、振込を迫られているようなことがあると耳にしたら、すすんで悪徳商法に騙されていないか確認してあげましょう。
怪しいと思われた場合は、ご家族やご親族に連絡をしてください。連絡ができない場合は「消費者センター」に契約内容を確認しても良いでしょう。
高齢者などが、道に迷い困っている場面に遭遇した時には、認知症であることも疑い、手助けをしてみましょう。
認知症の症状ひとつに見当識障害があり、ご自身がいる場所を認識できなくなり、自分がどこへ向かっているかもわからず、ご自宅に帰れなくなってしまうことがあります。その場合はさりげなく話しかけ、身の安全を確保したうえで警察に連絡し、保護をお願いしてみましょう。
オレンジカフェとは、認知症のご本人やその家族、医療関係者や介護に携わる方々、地域の人々など、どなたでも自由に参加でき、交流できる集いの場のことです。
認知症を抱える当事者やご家族が、気軽に情報交換や介護相談をしたりレクリエーションを楽しみながら、住み慣れた地域で、引き続き安心して生活していくことを目的に活動します。認知症サポーターが参加することはもちろん、主催することも可能です。
ここでは、認知症サポーターになる方法を説明していきましょう。
認知症サポーターになるためには、自治体や全国の職域団体が主催する認知症サポーター養成講座の受講が必要です。
養成講座の講師はキャラバン・メイトが務め、講座の時間は90分程度で、テストなどはありません。受講料は原則無料で、講座終了後には、認知症サポーターカードとオレンジリングが配布されます。
認知症サポーター養成講座では、キャラバン・メイトと呼ばれる講師とともに、認知症の知識を学び、認知症の方と接する心がまえと介護をするご家族の気持ちを理解し、認知症サポーターの役割を考えていきます。
養成講座への参加を希望する場合は、各自治体の担当窓口に直接問い合わせてみましょう。開催の予定などは、広報誌でも確認することができます。
おおむね10名程度の参加が見込まれるようなら、企業や学校など個別の開催も可能です。また、全国キャラバンメイト連絡協議会が主催するキャラバン・メイト養成研修を受講し登録されれば、キャラバン・メイトとして養成講座の企画・開催し、講師として活動することもできます。
高齢化に伴い認知症の人が増加し、介護施設や家族だけでは支えることが困難になってきたため、2005年より厚生労働省により「サポーターキャラバン」と名付けられた「認知症を知り地域を作るキャンペーン」として、サポーターの養成が始まりました。
2015年の「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」では、認知症高齢者等に優しい地域づくりを加速させるためには、認知症サポーターの活躍が最も重要であるということを認識し、その活動を支援していくことを約束しています。
多くの人の理解とできる範囲の支援によって、認知症の人やそうでない人にとっても、安心して住みやすい地域がつくられるのです。
認知サポーターとなり、認知症の正しい知識と理解を広めることは、地域の認知症の方やそのご家族が安心して住み続けられるお手伝いができるだけでなく、将来、自分や家族が認知症になった場合でも、安心して暮らせるような地域づくりをも可能にします。
どなたでもなれる認知症サポーターは、地域にとって必要な存在。これからの地域やご家族のために、認知症の方と接する心構えを知りたいとお考えの方には、認知症サポーターの取得をおすすめします。
認知症に関する正しい知識と理解を持ち、地域の認知症の人やその家族に対して、自分のできる範囲で手助けをおこなう人のことを指します。現在では約1300万人以上の方が認知症サポーターとして活動に参加しています。
認知症サポーターは、特別な資格や技術は必要なく、認知症に対する理解を深めたい、認知症の人の支援をしたいと思う人であれば養成講座を受講するだけで認知症サポーターになれます。
「悪徳商法に騙されていないかを確認」「道に迷っているときの手助け」「オレンジカフェの開催・参加」などが挙げられます。認知症の人やその家族を見守り支援することが主な活動内容として挙げられ、オレンジカフェなどを通じて相談活動もおこなっています。
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