高齢になると、複数の生活習慣病により治療や服薬を受ける機会が増加し、食事に関して制限がかかる場合があります。
この記事では、制限食の種類や制限食が必要になる病気に関して解説しています。
また、制限食を用意する方法として宅配サービスにも触れているので、是非、参考にしてみてください。
制限食は、健康状態や病気に合わせて塩分やカロリーなどを制限することを指します。また、医療機関で制限食が提供されるときは療養食や特別治療食と呼ばれたりします。
制限食には主に6つの種類が挙げられ、食べる人の健康状態や病気に合ったものを選ぶ必要があります。
以下では、制限食の種類に関して特徴を見ていきましょう。
塩分制限食とは、1日の塩分摂取量を6g未満に制限した食事です。塩分が少なくなると食事に関して物足りなさを感じることもあるでしょう。そんなときは、出汁の風味を活かしたり、薬味や香辛料を使用し、塩分以外の味を強くすると、塩分が少なくても満足感を得ることができます。
糖質制限食とは、食材に含まれる糖質の量を制限して提供する食事です。米やパン、麺類などを制限して、たんぱく質などを多く摂取すると良いでしょう。また、適切な糖質の摂取量にすることで、血糖値のコントロールにもつながります。
カロリー制限食とは、性別や活動量などに合わせて1日の摂取カロリーを制限する食事です。極端に食べる量を減らすのではなく、健康を維持するために必要な栄養素をバランスよく取り入れることが重要です。
脂質制限食とは、食材に含まれる脂質を制限する食事です。主に、脂身の少ない肉や魚、油を使っていない炭水化物などの低脂質の食品でメニューを組まれる場合が多いです。
カリウム制限食とは、1日のカリウム摂取量を1500mg以下に制限した食事です。カリウムは、肉類・魚介類・野菜類・果実類など多くの食材に含まれています。
カリウムは水溶性で水に溶けやすい性質のため、調理する際に、大量のお湯で茹でこぼすことや水にさらすことで、カリウムの量を少なくすることができます。
たんぱく質制限食とは、腎臓病などによりたんぱく質を多く摂取できない人に提供される食事です。たんぱく質はさまざまな食材に含まれるため、たんぱく質で摂取できないエネルギーに関しては、糖質や脂質で補うと良いでしょう。
制限食が必要となる病気は主に4種類です。
以下では、制限食が必要な病気に関して詳細を見ていきましょう。
高血圧とは、安静状態での血圧が正常値よりも慢性的に高い状態を指します。高血圧になると血管に負担がかかり、血管が破裂したり動脈硬化を起こす可能性があります。そのため、血圧を上げているひとつの要因でもある塩分を制限すると良いでしょう。
糖尿病とは、インスリンの作用が不十分なために、糖が上手に細胞に取り組めなくなり、血液中に糖が多くなってしまい、血糖値が高くなっている状態を指します。そのため、血糖値が増加しないように糖質制限食でコントロールする必要があります。
腎臓病とは、腎臓の働きが慢性的に低下していくことを指します。進行を抑えるためにはさまざまな方法がありますが、食事に関しては塩分制限、カリウム制限、たんぱく質制限をおこなうことで進行を緩やかにすることができます。
脂質異常症とは、中性脂肪やコレステロールなどの脂質代謝に異常がある状態を指します。脂質異常症を患うことによって動脈硬化が進行し、心疾患や脳血管疾患のリスクが高まります。そのため、食事から摂取する脂質などを制限する必要があります。
制限食は自宅でもつくることはできますが、手間や時間がかかり毎日続けるのは難しいです。そんなときに利用したいのが制限食の宅配サービスです。宅配サービスでは、塩分制限食やカロリー制限食など、食べる人に適した食事を定期的に届けてくれます。
独居で生活している高齢の人や毎日制限食をつくるのに疲れてしまった人などは、一度、サービスを利用してみることをおすすめします。
自宅で制限食をつくることはできます。レシピなどを参考にしたりミールキットを利用したりとさまざまな方法があります。しかし、食材の計量などの工程があるので時間と手間がかかります。
そのため、無理なく制限食を用意できて健康管理をおこなっていくためには、宅配サービスを利用する方が良いでしょう。
介護食は、細かくきざんだり、ミキサーにかけてペースト状にしたりと料理そのものの原型を保っていない場合が多いです。
一方で、制限食の場合は、料理の原型は保たれていて塩分やカロリーなどを減らしたものが提供されます。そのため、介護食と比べて食欲の減退は防げると言えます。
基本的に老人ホームでは、入居者の身体状況に合わせた制限食が提供されている場合が多いです。ただし、施設によっては対応していない制限食もあるので、入居を検討している際は確認しましょう。
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