塩分の摂りすぎは、高血圧による血管への影響や心筋梗塞、脳卒中、腎臓病といった生活習慣病を患ってしまう可能性があります。とはいえ、極端に塩分を減らしてしまうと薄味になってしまい、食事を楽しめなくなる可能性もあります。
そこで、この記事では、1日の塩分量の目安と減塩食をつくるときの5つのポイントに関して解説していきます。
「病院で高血圧と言われてしまった…」「親の身体を気遣って減塩食を試してみたい」など減塩食に関して検討している方は、是非、参考にしてみてください。
減塩食とは、その名の通り塩分を減らした食事を指します。塩分には血圧を上げてしまう効果があるため、高血圧の人にとっては減らさなくてはいけない成分のひとつです。
塩分の摂取は、高血圧や腎臓病といった疾患と大きな因果関係があります。塩分を摂りすぎてしまうと、血液中の塩分濃度を下げるために血管内の水分が増加し、その後血量が多くなります。この状態を高血圧と言います。高血圧は、血管に負担がかかり心筋梗塞や動脈硬化を引き起こす可能性があります。
また、血液量が増加すると腎臓への負担も大きいです。腎機能の低下は放置しておくと、腎不全へと移行する可能性があり、透析が必要になるケースもあります。
このように塩分の摂りすぎはさまざまな疾患を引き起こす可能性があります。そのため、日頃から塩分に気をつけた減塩食が必要だと言えます。
では、1日に何gまでの塩分を摂取しても良いのでしょうか。厚生労働省は、1日の塩分摂取量を男性が7.5g、女性は6.5g未満と推奨しています。
また、日本高血圧学会では、高血圧の治療において塩分制限を重要としており、塩分の摂取量は1日6g未満を推奨しています。
令和元年の国民健康・栄養調査結果によると、日本人が1日に摂取する平均塩分量は男性が10.9g、女性が9.3gという数値が報告されており、厚生労働省が推奨する1日の塩分量の目安を遥かに超え、減らさなくてはいけないことがわかります。
一方で、塩分を極端に減らしすぎてしまうと倦怠感や頭痛、吐き気、食欲不振、筋肉の痙攣、意識障害など身体機能に悪影響を及ぼす可能性もあります。そのため、減塩をする際は適度におこなうことが望ましいです。
健康的な生活を送る上で適度な減塩は必要だと言えるでしょう。
ただ一方で、減塩してしまうと食事が味気なく感じてしまい、食べる気がなくなってしまうのではないかと考える人もいるでしょう。
そんな味気ない食事にしないために、以下では、減塩食をつくるときのポイントを5つにまとめました。
昆布・かつお節・きのこ類・干しえびなど、 旨みを多く含んだ食材やそれから出たダシを活用することで、塩分が控えめでも、美味しく食事ができます。
旬な食材は、旨みや風味が強く、塩分の少なさをフォローしてくれます。特にトマトや白菜、ブロッコリーにはグルタミン酸と呼ばれる旨み成分が豊富に入っているので、彩りを加えることも含めておすすめです。
また、賛否はありますが、味の素を直接使うのも方法のひとつです。
わさび・唐辛子・しょうが・みょうがなど、香りや風味を付けてくれる香辛料や香味野菜を使うことで、薄味でも満足のいく減塩食ができるでしょう。
ごま油や植物油などを使用し、料理に香りとコクを出すのも一案です。またごま油、植物油ともにコレステロールの上昇を抑える効果もあるため、薄味を気にさせることもなく、身体にも良いのがメリットと言えるでしょう。
また、調理方法として、少し焦げ目をつけると風味がつくので、こちらも減塩方法のひとつと言えます。
食事をする上で、しょうゆや味噌が欠かせないという人もいるでしょう。そんなときは、塩分が通常よりカットされている減塩の商品を活用しましょう。ただし、減塩とはいえ使いすぎは良くありません。使用する際はしっかりと計量することが望ましいです。
減塩食は毎日食べなければならないことはありません。減塩食ばかり続けていると、好きなものが食べられずストレスが溜まり、減塩食をやめてしまうことも考えられます。そのため、適度に好きなもの食べることが減塩食を続ける秘訣と言えます。
また、減塩するばかりではなく、野菜や果物を摂り、カリウムによる塩分排出の提案もあります。塩分を摂りすぎた翌日は、野菜や果物を摂りましょう。
基本的に老人ホームでは、入居者の身体状況に合わせた制限食が提供されている場合が多いです。ただし、施設によっては減塩食を提供していない場合もあるので、入居を検討している際は確認しましょう。
減塩食でも少量の塩分が入っているため、たくさん食べてしまうと意味がなくなってしまいます。そのため、適量を食べることが望ましいです。
また、1日に摂っても良い塩分量を把握し、減塩食であってもその中で調整するのが前提です。減塩食を食べるという認識ではなく、必要量を把握して、現状から塩分を減らす工夫をしましょう。
ラーメンや蕎麦など汁気のあるものを残したり、塩分の高い外食やコンビニ食を避けるといったことがポイントです。
基本的には自炊をおこない、どうしても外食やコンビニを利用しなくてはいけない場合は、塩分量の記載を見て計算するのもポイントのひとつと言えます。
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