「親が食べ物を噛みづらそうにしている…」などと日々の食事に関して悩んでいる家族の方は多いでしょう。そんな悩みを解決できる食事形態のひとつとして挙げられるのが、きざみ食です。
この記事では、きざみ食とはどんなものか、メリット・デメリットや調理する際の注意点に関して解説しています。
「きざみ食は親に合っているのかな?」「つくる際にどんなことに注意したら良いのかな?」などと悩んでいる方は、是非、参考にしてみてください。
きざみ食は、食材を細かくきざみ食べやすくしたものを指します。一般的に、飲み込む力はあるが噛む力が低下している人に向けた食事形態と言えます。
きざみ食は食べる人の身体状況によって、きざむ大きさを調整します。大きいものであれば1cm角から、小さいものはみじん切り状までさまざまです。
きざみ食は、飲み込む力に問題がなく噛む力が低下している人に向いています。例として、歯が悪くなっていたり口が開けづらかったりする場合などが挙げられます。
ただし飲み込む力も低下してきた場合、細かくきざんだ食材は気管に詰まる可能性もあるので、慎重に食事形態を選択する必要があります。
さまざまな食事形態がある中で、介護食の第一段階と言えるのがきざみ食です。以下では、きざみ食のメリットに関してまとめています。
細かくきざむことで噛む作業を省けるのが、きざみ食の最大のメリットです。飲み込みに問題がなければ比較的食べやすい食事形態と言えるでしょう。
きざみ食は、通常の食事を細かくきざんだものなので、ミキサー食と比べ元の見た目に近く、彩りもあり食感を楽しむことができます。食事における見た目は食欲にも影響してくるので、きざみ食を作ることで噛む力が低下している人の食欲不振と低栄養状態を回避できます。
噛む力が低下している人にとってきざみ食は、比較的食べやすい食事形態だと言えます。一方で、そんなきざみ食にもデメリットは存在します。以下では、きざみ食のデメリットを見ていきましょう。
きざみ食は、食材を細かくきざんでいるため口の中でばらけやすく、気管にも入りやすい形状です。飲み込む力が問題ない場合は極端に慎重になる必要はありませんが、飲み込む力も低下してきた人にとっては誤嚥の危険性が高まります。
食中毒のリスクはどの食事形態においても起こりうることですが、きざみ食では包丁やまな板を繰り返し使用するため、衛生管理に関しては常に意識する必要があります。
食材を細かくきざんだことによって歯間に挟まり、口腔ケアを疎かにすると虫歯になる可能性があります。
また、最悪のケースとして口内で細菌が繁殖してしまい、飲み物や唾液と一緒に気管に入り、誤嚥性肺炎を引き起こす場合も考えられます。
きざみ食を調理する際は、誤嚥や食中毒、食欲低下を防ぐためにさまざまな点に注意しなければいけません。以下では、きざみ食を調理する際の注意点をまとめました。
きざみ食を調理する際は、細かくきざんで提供すれば良いというわけではありません。水分が少ない食材や固い食材に関しては、長時間煮てみたり必要に応じてとろみ剤を使用すると良いでしょう。
きざみ食では包丁やまな板を繰り返し使用するため、調理をする人の手洗いはもちろんのこと、使用後に消毒をするといった配慮も大切です。特に、免疫力の低下している高齢者に対しては食中毒にならないように細心の注意が必要です。
細かくきざんだ食材が口内に残っていると虫歯や肺炎の原因となり危険です。食後は必ず歯を磨き、口をすすぐことを習慣づけ、口内を清潔に保ちましょう。
きざみ食は、ミキサー食と異なり比較的原型を留めていることが多いですが、食材によっては形が崩れてしまい食欲の低下を招くことが考えられます。そのため、食材ごとにお皿を変えてみたり並べ方に気を配ることも重要です。
水分を多く含んでいたり、柔らかい食材であれば食べやすい大きさにきざむだけで良いでしょう。
ただし、水分が少ない食材や固い食材に関しては、長時間煮たり卵とじにしたり、適度にとろみを付けたりなどアレンジが必要です。
きざみ食は、食材を細かくきざんでいるため口の中でばらけやすく、気管にも入りやすい形状です。そのため、飲み込む力が極端に低下している場合は誤嚥の危険性があるため、ミキサー食などの食事形態に変更した方が良いでしょう。
ミキサー食は食材をミキサーにかけペースト状にした食事形態を指します。きざみ食よりもさらに食材が細かくなり、より飲み込みやすい形状です。
ただし、食材をすべてミキサーにかけてしまうので見た目が悪くなり、食欲が減退してしまう可能性があることを認識しておきましょう。
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