「最近、親が料理を残すようになった…」「飲み込むときに咳き込むことが多くなった…」などの悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、介護食のひとつでもある「とろみ食」に関して、つくり方やとろみ剤を使うときの注意点を解説しています。
「とろみ剤って何だろう?」「とろみ食はどのようにつくれば良いのかな?」といった悩みを持っている方は、是非、参考にしてみてください。
とろみ食は、飲み込みやすく噛みやすいように、食材にとろみ剤を加えた食事形態を指します。食材にとろみをつけたことで、口内でゆっくりと流れ、気管へ入ることを阻止する役割を持っています。
とろみ食は、飲み込む力や噛む力が低下している人や嚥下障害がある人に向いています。とろみをつけたことで比較的食べやすくなっていて、負担も少ないです。
介護食で使われるとろみは3つの種類に分けることができます。以下では、とろみの種類に関して特徴をまとめました。
薄いとろみはポタージュ状を指し、口内で素早く広がります。細いストローでも容易に吸うことができ、違和感も少なく、食べる人が受け入れやすいのが特徴です。
中間のとろみは、口内でゆっくりと広がり、明らかにとろみであると実感できます。薄いとろみとは異なり、細いストローでは飲み込みづらいため、飲み物に中間のとろみをつける際は、太いストローを用意しましょう。
濃いとろみは、口内でまとまりやすく、しっかりとろみを感じられます。主に重度の嚥下障害を対象にしています。飲むという感覚よりは食べるに近い形状なので、ストローで吸うのは危険です。
飲み込みがしづらい人や嚥下障害がある人へとろみ食を提供したいけど、つくり方がわからない人もいるでしょう。以下では、とろみ食のつくり方に関してまとめています。
市販のとろみ剤は、ドラッグストアなどで比較的簡単に手に入れることができます。とろみ剤は、使用量の目安を守れば料理の味を変えることもなく、形状も安定します。とろみが初めてでも安心して使用できることがメリットと言えます。
とろみをつける方法のひとつとして挙げられるのが、片栗粉を使うことです。片栗粉は、加熱により簡単にとろみがつけられることで知られています。ただし、料理が冷めてしまったり唾液で分解されたりするととろみが薄くなり水っぽくなってしまい、誤嚥を起こす可能性があることを理解しておきましょう。
唾液対策として、カトラリーは取り分け用と、直接、口に運ぶ用と分けるなどで工夫ができます。
実際にとろみ剤を使うときにはどのような点に注意しなければいけないのでしょうか。以下では、とろみ剤を使うときの3つの注意点をまとめました。
とろみ剤が溶けきっていないと料理に完全にとろみがつきません。また、溶けきらずダマになってしまうと喉に詰まらせ、誤嚥につながる可能性もあります。とろみ剤を使うときには、使用量の目安を守り、とろみが完全に溶けきったかを確認する必要があります。
また、とろみ剤を使用した際は、とろみがつくまで数分かかることも理解しておきましょう。
濃すぎるとろみは、喉にくっつきやすく、誤嚥につながる可能性があります。
とろみを付ける際は、食べる人の身体状況に合わせて適度につけることが重要です。どのくらいとろみをつければ良いかわからないという人は、専門家に相談しましょう。
服薬ゼリーのようにとろみ剤は使用できますが、対象者の嚥下機能によっては注意が必要です。できるだけ薄いとろみを使用し、長時間とろみ水に浸漬させないことが重要です。
とろみが必要な理由は、誤嚥を防ぐためです。ただし、とろみの強さは食べる人の飲み込む力に合わせないといけないため、たくさんつけて良いものではありません。食事の際にとろみをつけるときは、食べる人の様子を見ながらおこないましょう。
水やお茶、味噌汁にもとろみ剤を使うことは可能です。とろみ剤を使わない場合、水のような液体は、動きが早く、気管に入りやすく危険です。とろみ剤を使うことで、動きが遅くなり、液体もまとまりやすいため、スムーズに飲み込むことができます。
基本的に老人ホームでは、普通食・きざみ食・ミキサー食・ソフト食・とろみ食といった介護食が入居者の身体状況に合わせて提供されています。ただし、施設によっては対応していない食事形態もあるので、入居を検討している際は確認しましょう。
また、とろみ食に関してはどの程度の粘度をつければ良いのか施設スタッフに伝える必要があります。
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