【料金表あり】訪問介護サービスの利用方法・費用・選び方

【料金表あり】訪問介護サービスの利用方法・費用・選び方

更新日 2024/05/16

自宅で介護を受けることができる訪問介護。住み慣れた空間で質の高いサービスを受けることができるので、人気の介護サービスのひとつです。

訪問介護を利用して受けることのできるサービスや、逆に訪問介護だと対応できないサービスについて。また、どれくらいの費用がかかるのかなど、気になる訪問介護の中身について紹介します。

訪問介護とは?

訪問介護とは、ホームヘルパー(訪問介護員)が利用者の自宅(有料老人ホームなど、入居系サービスの居室も含む)を訪問。入浴や排泄といった身体介護から、洗濯、掃除といた生活援助までを提供してくれるサービスのことです。

誰が自宅に訪問してくれる?

訪問介護事業所から、主に下記の資格を取得しているホームヘルパーが自宅へ訪問します。

  • 介護福祉士
  • 介護福祉士実務者研修修了者
  • 介護職員初任者研修修了者

介護に対しての知識や技術が充分にあるので、安心してサービスを受けることができます。

訪問介護で受けられるサービス

では、実際に訪問介護サービスを利用すると、どのようなサービスを受けることができるのでしょうか。下記で具体的に見ていきましょう。

身体介護の具体例

訪問介護で受けられる介護サービス

身体介護とは、食事介助や入浴介助のような利用者の体に直接触れておこなうサービスのことです。また、訪問介護はあくまでも利用者の自立支援を目的としたサービスなので、見守りも身体介護のひとつとして捉えられています。

具体的に受けることのできる身体介護サービスは以下が挙げられます。

  • 食事介助
  • 入浴介助
  • 身体整容
  • 更衣介助
  • 外出介助
  • 体位変換
  • 排泄介助
  • 歩行介助
  • 清拭

食事介助

調理や食事補助、口腔ケアといった食事をする際の支援のことです。

入浴介助

入浴の準備から必要な方には洗髪、身体の清拭といった部分浴または入浴の際の支援をおこなってくれます。

排泄介助

おむつの交換や着脱、始末などの排泄支援や、トイレ介助など。

移乗・移動介助

ひとりでの歩行や椅子の座り立ちなどが難しい場合には歩行、車いすでの移動介助や移乗介助をおこなってくれます。

更衣介助

衣服の着脱の支援のことです。

外出介助

通院や散歩など外出をする際におこなう支援のことです。

服薬介助

日常的に薬を服薬している場合、どの薬を、いつ、何回飲むかといった薬の種類やタイミングなどを把握し服薬の支援をおこなってくれます。

体位変換

血行障害や床ずれを予防をするために、枕、タオル、クッションなどを使い寝返り介助をおこなってくれます。

生活援助の具体例

訪問介護で受けられる生活援助

生活援助とは、洗濯や掃除、買い物代行といった身の回りのことを利用者に代わっておこなってくれるサービスのことです。

利用者が1人暮らしであったり、同居している家族も身の回りの家事を行うことが困難であるなど何かしらの理由がある場合に、サービスを提供してもらえます。

生活援助の具体例としては以下が挙げられます。

  • 食事の準備
  • 掃除
  • 洗濯
  • 買い物代行
  • 薬の受け取り

食事の準備

調理から配膳、片付けまで食事全般のサポートをおこなってくれます。

掃除

利用している室内や浴槽、トイレなどの清掃やゴミ出しのサポートなどをおこなってくれます。

洗濯

利用者の着ていた衣服を洗濯し、干す、たたむといった一連の流れをサポートしてくれます。

買い物代行

買い物に出かけることが困難な場合には生活必需品や食材などの買い物を代行してくれます。

薬の受け取り

買い物と同様に出かけることが困難な場合には、本人に代わり薬の受け取りを代行してくれます。

訪問介護サービスを受けられる頻度

1日に2回以上サービスを利用する場合は、原則として2時間以上の間隔を空ける必要があります。

これは「2つの訪問介護サービスの間隔が2時間以上空いていない場合に、2つのサービスを一度のサービスとみなす」という規定があるからです。

地域から訪問介護の事業所を探す

北海道・東北

北海道札幌市)|青森県岩手県宮城県仙台市)|秋田県山形県福島県

関東

東京都神奈川県横浜市 / 川崎市 / 相模原市)|埼玉県さいたま市)|千葉県千葉市)|茨城県栃木県群馬県

甲信越・北陸

新潟県新潟市)|富山県石川県福井県長野県山梨県

東海

愛知県名古屋市)|岐阜県三重県静岡県静岡市 / 浜松市

関西

大阪府大阪市 / 堺市)|京都府京都市)|兵庫県神戸市)|滋賀県奈良県和歌山県

中国・四国

岡山県岡山市)|広島県広島市)|鳥取県島根県山口県徳島県香川県愛媛県高知県

九州・沖縄

福岡県福岡市 / 北九州市)|熊本県熊本市)|佐賀県長崎県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

訪問介護では受けられないサービス

訪問介護は、利用者が日常生活を送る上で必要な行為をホームヘルパーが援助し、自立支援をおこなうサービスです。そのため、援助をしなくても生活に差し支えないものは提供されません。

ホームヘルパーはあくまでも介護のスペシャリストであり、医師ではありません。医療資格を持っているわけではないので、医療行為もおこなうことができません。

また、あくまでも利用者に対してサービスを提供しているので、利用者以外を対象としたサービスなども提供することはできません。

このように訪問介護サービスでは提供できないサービスもいくつかあります。

しかし介護保険外のサービスを利用すると、介護保険では対象としていないサービスについても対応できる可能性があります。気になる方は一度チェックしてみると良いでしょう。

具体的には下記のようなサービスは訪問介護では受けることができません。

医療行為

  • 摘便
  • インスリン注射
  • たんの吸引
  • 床ずれの処置

日常生活支援に該当しないもの

  • 商品販売
  • 留守番
  • ペットの散歩・世話
  • 家具の修理
  • 家具の移動や電気器具の修理
  • 草むしり
  • 窓のガラス拭き など

本人以外に対する行為

  • 家族の分の食事を作る
  • 家族の部屋の掃除や衣類の洗濯などの家事代行
  • 家族の子供の面倒をみる など

訪問介護の費用

訪問介護に必要な費用

訪問介護の費用はどれくらいかかるのでしょうか。

訪問介護を利用する場合の費用は介護保険を利用する場合、原則1割負担ですが、所得によっては2割、3割となることもあります。

以下では、具体的な費用をまとめました。

自己負担額(円/回)
身体介護 20分未満 163円
20分以上30分未満 244円
30分以上1時間未満 387円
1時間以上 567円
生活援助 20分以上45分未満 179円
45分以上 220円
通院等乗降介助 97円

参考:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省)

1回あたりの料金は数百円から数千円程度で利用できます。サービス内容やそのサービスに対する所要時間で細かく設定されており、利用者の希望に応えやすい形が特徴です。

また、料金は要介護度の度合では変わりません。とはいえ、介護度が高くなると身体介護などのサービス提供に時間を要する場合があるため、要介護度が高い人の方が結果的に料金が高くなるケースが多いです。

その他料金(加算)

加算とは手厚いサービス内容や体制に対して上乗せされる料金のことで、金額は各事業所により異なります。

必ずかかる料金ではないですが、サービスを利用する前に事業所に確認するようにしておくと良いでしょう。

初回加算

新規利用者の居宅にサービス提供責任者が訪問し、サービスを提供した場合に初回、初月にかかる加算料金のことです。

また、サービス提供責任者がサービスを提供するホームヘルパーに同行した場合でも同様に加算料金がかかります。

緊急時訪問介護加算

利用者や家族から連絡を受けサービス提供責任者とケアマネージャーが連携して通常の居宅サービス計画にない訪問介護サービスを提供した場合にかかる加算料金のことです。

特定事業所加算

ホームヘルパーに対する研修実施や定期的な会議をおこなうことで、質の高い介護サービスの提供に向けた取組を実施している事業所に所属するホームヘルパーや、介護福祉士の割合などの人材要件に適合している場合にかかる加算料金のことです。

訪問介護を受けるまでの流れ

訪問介護を受けるまでの手続きの流れ

訪問介護サービスを受ける流れは以下の通りです。

  1. 要介護認定の申請
  2. 介護認定通知
  3. ケアマネジャーの決定
  4. ケアプランの作成
  5. 事業者の選定・契約
  6. 訪問介護サービス利用開始

それでは、具体的に見ていきましょう。

要介護認定の申請

訪問介護サービスを利用するには要介護認定が必要なので、まずは介護認定を申請しましょう。

要介護認定申請書に記入のうえ、市区町村の担当窓口に申請することで審査を受けることができます。現在の心身状況から介護度が決定します。

介護認定通知

申請日から30日以内に市区町村から介護サービスを利用する本人へ、郵送で介護認定通知と被保険証が届きます。

審査によって決定した介護区分が記載されているので、それぞれ内容を確認しておきましょう。また、認定は申請日にさかのぼって効力が生じます。

ケアマネジャーの決定

介護認定を受け、要介護1以上とされた場合には、居宅介護支援事業所にケアマネジャーの選任を依頼します。

なお居宅介護事業所は、居住している地域の地域包括支援センターや市区町村の担当窓口に相談をすると紹介をしてくれます。

ケアマネジャーが一度決定した後でも、本人や家族の意向により変更することもできるので、自分に合うケアマネジャーを選ぶようにしましょう。

ケアプランの作成

ケアマネージャーが決定すると実際にご自宅へ訪問し面談を行います。

その際に得られた心身の状態や希望費用などの情報をもとに、介護サービスを利用する方にとって最適な介護サービスを盛り込んだ「介護サービス計画書(ケアプラン)」を作成します。

事業者の選定・契約

ケアプランに基づき実際にサービスを利用する事業所を選定し、契約します。この際ケアマネージャーから事業所の提案を受けることもできるので、事業所選びで困ったことがあればアドバイスを求めると良いでしょう。

訪問介護サービス利用開始

契約を済ませたら実際に訪問介護サービスが開始されます。

訪問介護事業者を選ぶ時の3つのポイント

訪問介護サービスを利用したい場合に、どの事業所を選べば良いのかについては悩まれる方も多いのではないでしょうか。

以下に押さえておきたいポイントをまとめてみました。事業所選びの参考にしてください。

サービスの内容と費用について明確な説明があるか

事業所を選ぶにあたり、利用者にどれだけ丁寧に説明をしてくれるのかという点はとても大切な要素のひとつです。

費用やサービス内容、その他の注意点などを丁寧に説明し、疑問はしっかりと解決してくれる事業所であれば、安心してサービスを受けられます。逆に曖昧な説明ばかりする事業所だと不安が残ります。

少しでも対応に疑問を持った場合には、いくつかの事業所と比べてみても良いかもしれません。

適切なサービスが実行されているか

ケアプランに基づいて適切なサービスが行われているかどうかも大きなポイント。提供されるサービス内容については事前の説明だけでは伝えられる部分も限られているため、利用開始後に違いが発覚することもあります。

万が一そのような提供されるサービスに違和感を感じた場合には迷わずケアマネージャーに相談し、事業所を変更してもらいましょう。

適切なサービスが受けられないことに対して我慢する必要はなく、より良い事業所で利用者にとって適切なサービスが受けられるようにすることが大切です。

ヘルパーとの相性は大事

事業所選びにおいて、非常に重要になるのがホームヘルパーとの相性です。

人それぞれ“合う合わない”があるのは当然です。サービスを受ける側としてサービス内容に不満がある場合や、相性が合わないと感じる場合は担当のホームヘルパーを代えてもらうほうが良いでしょう。

また非常勤の方が多く勤務している事業所であれば、スタッフの数が多くいるので、利用者や家族と相性の良いホームヘルパーが見つかりやすくなります。

訪問介護のメリット、デメリット

では、訪問介護を利用するにあたりどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。以下でそれぞれご説明していきます。

メリット

  • 住み慣れた自宅で介護サービスを受けることができる
  • 費用の軽減
  • 家族にかかる負担の軽減
  • 個別対応が可能
  • サービスの柔軟性が高い
  • 施設の規則に縛られることがない

特に新しい環境下への適応が難しく、ストレスを抱えやすい高齢者にとって住み慣れた自宅で介護サービスを受けることができる点は、訪問介護サービスの大きなメリットと言えるでしょう。

そして、サービス内容についても利用者が必要なものだけを利用することができるという点で、柔軟性も高く、さまざまなニーズに応えることができます。

施設を利用するのと場合と比べ、費用を安く抑えることができる点もメリットのひとつです。

デメリット

  • 自宅に他人を入れるということに拒否反応を覚えることもある
  • 場合により、在宅介護に適応できるようなリフォームが必要

訪問介護サービスにはさまざまなメリットがあるのと同様に、デメリットがあるという点はしっかりと理解しておかなければなりません。

自宅でホームヘルパーに身の回りのことを行ってもらうことに対する拒否反応も考えられます。利用する際には、本当に利用しても良いかどうか、しっかりと話し合いをしておくことが重要です。

身体状況に合わせて適切なサービスを利用しよう

柔軟なサービス内容で、利用者にとって適切なサービスを提供してくれる訪問介護。訪問介護の利用を検討している方は、後悔しないためにも複数の事業所を比較して選ぶようにしましょう。

また、ホームページやパンフレットだけではわからない情報については、ケアマネジャーからのアドバイスやネットの口コミなどで調べることができます。

気になる事業所が見つかった場合には、厚生労働省が提供する「介護サービス情報公表システム」を利用してその事業所の離職率なども調べておくことをおすすめします。

事前に調べておくことで、相性の良いホームヘルパーさんと長いお付き合いをすることができるため、安心してサービスを利用することができます。

訪問介護に関するよくある質問

訪問介護ではどんなサービスが受けられますか?

介護の資格を保有したスタッフが自宅へ訪問し、食事介助や入浴介助といった身体介護、洗濯、掃除といった生活支援をサービスとして提供してくれます。

訪問介護の料金はどれぐらいですか?

訪問介護の1回あたりの料金は、数百円から数千円程度です。ただし、介護保険を利用する場合、個人で自己負担割合が異なるため、所得によっては2~3割負担になる可能性もあります。また、料金は要介護度の度合では変わりません。

訪問介護で医療行為はできますか?

訪問介護のスタッフは医療資格を持っていないため医療行為をおこなうことはできません。

医療行為も同時に受けたい場合は、訪問看護の利用も視野に入れると良いでしょう。また訪問介護スタッフは、利用者以外を対象としたサービスも提供できないので注意しましょう。

地域から老人ホーム・介護施設を探す

北海道・東北

北海道札幌市)|青森県岩手県宮城県仙台市)|秋田県山形県福島県

関東

東京都神奈川県横浜市 / 川崎市 / 相模原市)|埼玉県さいたま市)|千葉県千葉市)|茨城県栃木県群馬県

甲信越・北陸

新潟県新潟市)|富山県石川県福井県長野県山梨県

東海

愛知県名古屋市)|岐阜県三重県静岡県静岡市 / 浜松市

関西

大阪府大阪市 / 堺市)|京都府京都市)|兵庫県神戸市)|滋賀県奈良県和歌山県

中国・四国

岡山県岡山市)|広島県広島市)|鳥取県島根県山口県徳島県香川県愛媛県高知県

九州・沖縄

福岡県福岡市 / 北九州市)|熊本県熊本市)|佐賀県長崎県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

よく読まれている記事

よく読まれている記事

article-image

介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

article-image

グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

article-image

【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

介護の基礎知識

total support

介護の悩みを
トータルサポート

total support

介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。

鎌倉新書グループサイト