日常生活をほぼ自分でおこなうことができて元気だけれど、多少の支援を必要とする状態を「要支援」と呼びます。
では、介護保険サービスを受ける際の調査で「要支援1」と認定された場合、どのようなサービスが受けられるのでしょうか?
この記事では利用可能なサービスや費用を解説します。適切な予算組み、適切なサービスの活用ができるように、ぜひ参考にしてください!
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要支援1とは、介護保険サービスを受けるための要介護認定の区分で最も自立に近い状態を指します。
現時点で介護は必要としないが、将来的に要介護状態になる可能性があるので適切なサポートをするために、介護保健の介護予防・生活支援サービスを利用することが可能です。ここでは要支援1の状態、要支援2との違いを説明します。
要介護状態区分の中でも最も介護度が軽く、ほとんど自立的に生活ができる状態を指します。ただし自立と異なる点として、「日常生活の中で見守りや支援が必要」という挙げられます。
要支援1の場合、後述するような自立維持・介護予防を目的とした介護要予防サービスを受けられます。
介護予防訪問入浴とは、自宅に浴槽がない、自宅での入浴が難しい方に対して、浴槽を積んだ移動入浴車で利用者の自宅を訪問し、介護職員・看護職員が入浴介護・サポートをするサービスです。
要支援1又は2に認定された方を対象に、身体機能の維持回復を目的とした訪問リハビリです。
自宅でリハビリを続けたい方、専門スタッフのリハビリを受けたい方の自宅へ理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが訪問します。
要支援1又は2に認定された方を対象に、医師の指示に基づき、保健士、看護師、准看護師が訪問し診療の補助、療養上の支援をおこないます。
病状・障がいの観察、経管栄養や点滴等の医療機器管理、医師の指示による医療処置などをおこないます。
要支援1又は2に認定された方を対象に、医師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士などが通院が困難な要介護者の自宅を訪問し、介護予防を目的とした療養上の管理や指導をします。
ケアマネジャーに対してケアプランの作成に必要な情報共有をします。
軽度の認知症の高齢者がデイサービスセンターなどに通所し、食事や入浴、機能訓練、メディカルチェックなどを日帰りで受けられるサービスです。
「専門スタッフのリハビリを受けたい」「自立を目指したい」という方は、介護老人保健施設や病院・診療所、介護医療院などの施設へ通所します。
食事や入浴などの生活行為向上のために必要な動作訓練や機能の維持回復訓練が受けられる、リハビリ中心のサービスです。
要支援1の方は、介護保険を利用して工事不要の手すり・スロープ、歩行補助つえ、歩行器などをレンタルできます。介護保険を利用することで、基本のレンタル料金の1~3割負担の負担で済みます。
車椅子や介護用寝具のレンタルは、要介護2以上の方、自動排泄処理装置は要介護4以上の方を想定しているため、要支援1の段階では全額自己負担です。
自立支援・要介護状態を予防すること、要介護者の家族の負担を軽減することを目的に入浴や排泄などレンタルにそぐわないものの購入費の助成をするサービスです。
対象となるのは腰掛便座、自動排泄処理装置の交換可能部品・入浴補助用具、入浴用介助ベルト、簡易浴槽・移動用リフトのつり具の部分などです。福祉用具販売の指定を受けた事業者が販売します。
福祉施設に短期期間入所し、食事、入浴、排泄、そのほかの日常的な支援、機能訓練などをおこなうサービスです。
その間、要介護者家族自身の時間を持つことで介護負担軽減・病気療養・仕事など一時的に介護が困難な状況の時にも利用することができます。
介護老人保健施設、診療所、病院などに短期期間入所し理学療法士、看護士、医師などの専門員による機能訓練、日常生活支援などで自立を支援するサービスです。同時に要介護者家族の介護負担軽減を図ります。
通所サービスを中心に、利用者の選択に応じて訪問や泊まりのサービスを組み合わせ、食事の介護、入浴、排泄などの日常生活の支援から機能訓練などのリハビリまでの多機能なサービスを受けられます。
要介護者が住み慣れた自宅でも安心して生活できるように、住宅改修をする際に介護保険を受けられるサービスです。手すりを階段、玄関、廊下、浴室、トイレなど必要な場所につけたり、段差を除去するなどの住宅改修が対象となります。
住みやすい自宅に改修することで自立した生活を送り、介護者家族の負担を軽減することを目的としています。
介護サービス自己負担額は特定施設と在宅介護で異なります。
特定施設入居者生活介護 | 5,490円 |
---|---|
居宅介護サービス | 5,032円 |
出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省)
要支援1の方はサービス利用にかかる利用限度額は50,320円と定められています。
なお、実際の支給限度額は金額ではなく「単位」で決められており、1単位あたり10円で計算しています。(お住まいの地域区分により計算方法が変わります)在宅介護サービスの場合10%の5,032円が自己負担上限額となり、この限度額を超えると100%負担(全額自己負担)となるので、計画的にサービス利用をしましょう。
要支援1の方は公的施設である特別養護老人ホームや介護老人保健施設に入居することはできません。入居対象になるのは以下の4つの施設などがありますが、入居条件を事前にご確認ください。
ケアハウスは、入居に条件として「要支援1」の方が入居条件になっているタイプの施設を利用できます。
介護の必要性の有無に関わらず、自宅生活が環境面、経済負担の面で難しい方を入居対象とする養護老人ホームも入居対象として検討可能です。
また、有料老人ホームや軽費ケアハウス入居後に日常生活を送る上で介護が必要になった際、介護予防特定施設入居者生活介護のサービスを利用することが可能です。
要支援1と認定された方で介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームに入居した場合、月額費用は介護保険の1割負担額と月額費用の合算で計算します。おおよそ約20万円前半と考えておけば良いでしょう。
サービス付き高齢者向け住宅やグループホームの場合は、13〜15万円が目安です。
介護付き有料老人ホームなどの特定施設入居者生活介護サービス対象の施設は定額ですが、サービス付き高齢者向け住宅や住宅有料老人ホームのように特定施設入居者生活介護サービス対象外の施設では、個別に介護サービス事業者との契約をし、利用した分のサービス料金がかかります。
介護サービス費用 (1割負担の場合) |
月額費用相場 | 合計(目安) | |
---|---|---|---|
介護付き 有料老人ホーム |
5,490円 | 200,000円 | 205,490円 |
住宅型 有料老人ホーム |
5,032円 | 200,000円 | 205,032円 |
サービス付き 高齢者向け住宅 |
5,032円 | 150,000円 | 155,032円 |
出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省)
要支援で介護施設に入居することに抵抗を感じる方は少なくありません。しかし実情として、要支援と認定された施設入居者は多く、施設入居時期として早いわけではありません。
施設入居をして介護サービスを受けることで健康寿命を伸ばし、介護をする家族の負担が軽減できるなど、要支援者を取り巻く環境にも大きなメリットがあります。施設の入居のタイミングを悩む前に、実際施設を見学したり検討するのも良いでしょう。
要支援の方が多い入居施設の中でもサービス付き高齢者向け住宅は、要支援1の方が施設利用全体の約2割となっています。
サービス付き高齢者住宅は介護度が進んだの方にも対応できる環境が揃っており費用対効果に優れています。今後の介護状況が心配な方にとって安心できる施設だと言えます。
要支援1は、介護保険サービスを受けるための要介護認定の区分で最も自立に近い状態です。例として、食事や入浴などは自分でおこなうことができるが、料理や浴槽の掃除はできないといった一部支援が必要な状態を指します。
要支援1は、家事をする場合など生活するのために一部支援が必要な状態です。
一方で要支援2は、要支援1と同様にほぼ介護を必要とせず、食事、排泄は自身でできる状態ではあるものの、要支援1と比較してより支援が必要な状態のことを指します。主に、立ち上がるときの補助、移動時の支えなどが挙げられます。
主に「有料老人ホーム」「ケアハウス」「養護老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」が挙げられます。
ケアハウスは、入居条件として「要支援1」からのタイプの施設を利用できます。また、在宅生活が環境面、経済負担の面で難しい人を入居対象とする養護老人ホームも入居対象として検討可能です。どちらも公的施設にあたるので比較的リーズナブルに利用できます。
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