介護保険サービスを利用した場合に、一定の条件により、サービスを受け支払った自己負担額から所得税の医療費控除を受けることができます。
今回は、介護保険サービスを利用した際に、医療費控除を受けるためのポイントを説明します。
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出典:「医療費を支払ったとき」(国税庁)
控除とは、納税額から条件により一定の金額を差し引くことを指します。その中で医療費控除とは、その年に自分または自分と生計を共にする配偶者や親族のために医療費を支払った場合に、確定申告時に負担した医療費の一部を所得から控除することを言います。
ここからは、所得の医療費控除の対象となる介護保険サービスについて説明します。
介護保険サービスの中で、居宅サービスはよく利用されていますが、そのうち多くは支払った額が医療費控除の対象となります。以下が医療控除対象のサービスです。
また、日常生活上に必要な世話に該当するような居宅サービスの中で、上記の居宅サービスと併用して利用することで、医療費控除の対象となる居宅サービスもあります。以下がその対象です。
介護施設に入所して利用した施設サービスのうち、介護サービス費、食費、住居費も医療費控除の対象となります。一方で、理美容代など日常生活でも通常必要となるものの費用は控除の対象外となるので注意が必要です。以下が医療費控除の対象となるサービスです。
条件によっては、自分で負担したおむつ代と交通費も、確定申告により所得の医療費控除の対象となります。
すでに医師により治療を受けていて、治療を受けるための費用という扱いで、自己負担したおむつ代も医療費控除の対象です。
医療費控除の条件は、疾病によりおおむね6か月にわたり寝たきりの状態であり、医師より「おむつ証明書」を発行してもらった場合に限ります。
医療控除を受けるためには、確定申告時に医療費控除の明細書とともに、「おむつ証明書」の添付もしくは提示が必要です。
介護保険サービスを利用するために施設に移動する際に負担した交通費も、医療費控除の対象となります。ただし、自家用車で移動した場合にかかる、ガソリン代や駐車場代には控除の対象にはならず、電車やバスなどの公共交通機関やタクシーを利用した場合のみ医療費控除の対象となります。
確定申告時には、公共交通機関利用の場合は施設への移動と交通費が照合できるもの、タクシー利用の場合は領収書が必要です。
介護保険の居宅サービスの中でも、医療を目的としていないサービスについては、基本的には医療費控除の対象外になりません。以下が控除の対象外となるサービスです。
介護保険サービスについて、医療費控除の対象になるもの、対象にならないものを説明してきましたが、ここでいくつか事例を紹介いたします。
以下のサービスを受けた場合は、医療を受けたとして自己負担した額が医療費控除の対象になります。
基本的に、これらのサービスで支払った金額を医療費控除をするためには、確定申告時に領収書が必要になります。領収書は失くさないように大切に保管しましょう。
一方で、以下のサービスを受けて、自己で支払った場合でも医療費控除の対象となりません。現状病気ではなく、健康の維持や予防のために支払った費用、美容整形や歯の矯正なども対象外です。以下は控除の対象外となります。
これらのサービスは、領収書をもらったとしても医療費控除の対象外となりますので注意が必要です。
介護保険サービスを利用した際に、医療費控除の対象となるのは、自分また自分と同じ生計で暮らしている配偶者や子ども、もしくは親族などのために費用を払った場合です。
その人が自分と同居していない場合でも、自分がその人の生活費をほぼ負担している場合には、同じ生計で暮らしているという扱いで医療費控除の対象になります。
医療費控除を受けるためには、確定申告時に医療費控除の対象となるサービスを受けたことの証明が必要です。
申請するために、確定申告書と一緒に提出する医療費の明細書を作成します。その際、「医療を受けた人」「病院や薬局などの名称と所在地」「治療内容」「支払った医療費」「保険で補填される額」などの記載が必要になるため、サービスを受けた際に、それを忘れないように記録を残しておくことが大切です。
また、支払った費用が証明できるレシートや領収書も必要になるので、これらも大切に保管しましょう。
医療費控除の対象となるのは、所得税の対象期間と同様、該当年度の1月1日から12月31日までの間に、実際に支払った医療費です。
確定申告の申請期間は、医療費を支払った翌年の2月16日から3月15日までとなります。例えば、忙しくて申請ができなかったというような場合でも、医療費を支払った翌年の1月1日から5年間は遡っての控除の申請が可能です。
その年に自分または自分と生計を共にする配偶者や親族のために医療費を支払った場合に、確定申告時に負担した医療費の一部を所得から控除することを指します。
医療費控除を受ける際、特別な書類は必要なく「医療費控除の明細書」「確定申告書」「医療通知書」「本人確認書類」などが挙げられます。
介護用品の購入、介護にかかった交通費、介護サービスの利用も医療費控除の対象です。
おむつ代などは、確定申告時に医療費控除の明細書とともに、「おむつ証明書」の添付もしくは提示が必要です。
また交通費については、自家用車で移動した場合にかかる、ガソリン代や駐車場代は控除の対象にはならず、電車やバスなどの公共交通機関やタクシーを利用した場合が医療費控除の対象です。
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