グループホームの薬の管理は大きく分けて2つ。「入居者本人が管理する場合」と「施設が管理する場合」です。
多くの施設で薬の管理は施設側がおこないますが、入居者本人が管理する場合もあります。
それは、「自分で管理できる」と自信を持っている方の場合です。
ただし、服薬ミスが生命に関わるような薬の場合は、やはり施設側が管理します。服薬ミスが生じた場合の責任の所在も考えなければなりません。
そうしたリスクも踏まえ、自己管理にこだわる方の場合は、施設だけでなくかかりつけ医や薬剤師に相談することも。そのうえで、薬の種類や数を減らしたり一包化するなどで、自己管理しやすくする手段もあります。
また、入居者が薬を管理する場合でも、服薬時は介護スタッフが見守ります。もしも飲み忘れがあった場合は、きちんと薬を飲んでもらうように声かけをするため、自己管理をしていても安心です。
施設側も薬袋に日付や飲む時間帯を記入したり、前から順番に取り出せば間違えずに飲めるようにしたり、服薬ミスのないよう工夫を施してくれます。
介護スタッフと相談して、最適な薬の管理方法を考えましょう。
前述の通り、薬の管理は施設側がおこなうことがほとんどです。
現状、入居者で自己管理ができていたとしても、今後はわかりません。そのような想定に基づき、施設が薬を管理し、服薬のサポートをおこなうことがほとんどです。
服薬介助とは、入居者が飲むべき薬の種類と量を適切なタイミングで服用できるようお手伝いすることです。
そのために、単なる声かけや薬を渡すだけではなく、介護スタッフはその方の疾患や症状、現在の状況を把握しています。薬ひとつで体調を左右される方もいるため、薬についての理解は必須です。
入居者の中には、下に落として気づかない方もいるため、介護スタッフは見逃さないように注意しています。
実際のグループホームでの薬の管理を見てみましょう!
うかがったのは、東京都世田谷区にある「ツクイ世田谷宇奈根グループホーム」。1階と2階それぞれにユニットがあるグループホームです。
「ツクイ世田谷宇奈根グループホーム」では、調剤薬局でお客さまが1回に飲む薬を1包にまとめてもらっています。施設ではお客さまごとにひとつの服薬ボックスを作り、そこにまとめられた薬を入れて管理をしています。
「ツクイ世田谷宇奈根グループホーム」では、服薬支援システム「服やっくん(R)」を使い、服薬をおこなっています。具体的には、スマートフォンでお客さまの座る椅子についた二次元コードと、薬袋にある二次元コード、スタッフの二次元コードの3つを読み取ることで、その薬を服用するお客さまの氏名と顔写真が表示されます。そして本人であることを確認してから薬を飲んでもらいます。
粉薬の飲み込みが苦手な方には、水ととろみ粉を混ぜて飲みやすい形にしています。
また、「どうしても薬を飲みたくない」と主張する方がいる場合、薬を飲んでもらう働きかけを続けます。「薬」ということで敬遠するのであれば、ゼリーに混ぜて出したりもするそうです。
「ツクイ世田谷宇奈根グループホーム」では、服薬の適正化へ取り組んでいることもあり、お客さまが「飲みたくない」と言う場合、その意思を尊重して医師やご家族と相談しつつ、薬を整理することもあります。
介護スタッフは以下の方への服薬介助はおこなうことができません。
医療機関へ入院して治療を受けている方や、服薬によって容態が急変する恐れがある方への服薬介助もできません。命に関わる危険性があるためです。
また、PTPシート(錠剤やカプセルをプラスチックとアルミで挟んだシート)から薬を取り出したり、複数の薬を一包にまとめる行為も介護スタッフではおこなえません。薬剤師、看護師に依頼するか、ご家族がおこなってください。
服薬介助のすべてを介護スタッフさんができるわけじゃないんだ…。家族としてもその辺りを理解しておく必要がありそうですね。
今回調査協力いただいたのは「ツクイ世田谷宇奈根グループホーム」。2019年2月に開所しました。暮らしに笑いを積極的に取り入れることを心掛けているそうで、いつもどこかから笑い声が聞こえます。そのためか、入居時よりも介護度が軽くなり、自分で出来ることが増えるお客様が多いそうです。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。