ホスピスケアとは│ケア内容・緩和ケアとの違い・ケアを受ける場所

ホスピスケアとは│ケア内容・緩和ケアとの違い・ケアを受ける場所

更新日 2024/03/25

長い闘病の末に、延命治療をおこなわずに穏やかな終末を迎えたいと望む人もいるでしょう。

そのような人が受けられる「ホスピスケア」というものがあります。ホスピスケアは、病気による苦痛を和らげ、患者と家族にとって穏やかで幸せな生活を送ることを目的としたケアです。

この記事では、ホスピスケアの具体的なケア内容を解説します。ぜひ参考にしてみてください。

ホスピスケアとは

ホスピスケアとは、末期がんなどで死期が近い患者が「人生の終末を穏やかに迎えたい」と考えた際に受けられるケアです。ケアの内容は、病気やその治療によって感じる苦痛を和らげたり、穏やかな最期を迎えるためのサポートが中心です。

ホスピスケアを受けられる施設を「ホスピス」といいます。ホスピスでは末期がんなどの病気治療を目的にしたり、延命のために治療はありません。ホスピスで受けられる治療は苦痛を和らげるためのもので、リハビリのような運動もありません。

ホスピスケアを受けることにより、これまで治療に伴っていた苦痛を最小限に抑えられ、人生の残りの時間を本人の思うままに過ごせるのが大きなメリットです。

ホスピスケアと緩和ケアの違い

ホスピスケアと似ているものに「緩和ケア」というものがあります。緩和ケアとは、病気で受ける痛みや、その他の苦痛を伴う症状を和らげるケアのことです。ホスピスケアはがんなどの治療を止めた方が受けるのに対し、緩和ケアはがんなどの治療と並行して受けられます。

緩和ケアを受けるのに適した人は、病気や症状に関わらず治療に伴う苦痛を和らげたい方です。がんなどで告知されたばかりの初期症状の方から、症状が進んでしまった方も受けられます。

「がんと宣告されてから日々の治療が辛い」「この先、本当に治るのか不安になってきた」と不安や辛さを感じる方は緩和ケアを受けるのがおすすめです。

ホスピスケアの内容

ホスピスケアは、患者に対して最大限の敬意を払い、患者と家族にとって穏やかで幸せな生活を送ることを目的にしています。しかしホスピスケアという言葉は知っていても、実際にどのような対応をするのか正しく理解している人は少ないでしょう。

実際に施されるホスピスケアとはどのようなものなのでしょうか。「身体的ケア」「精神ケア」「社会的ケア」の3つに分けて説明します。

身体的ケア

「身体的ケア」とは、身体面の苦痛を取り除くケアのこと。例えば、以下のような内容が挙げられます。

  • 投薬による鎮痛
  • 食事の介助
  • マッサージ

身体的ケアでは、入居者が穏やかで快適に過ごせるように、体を拭いたり、身だしなみを整えたりします。24時間、週7日間対応が基本です。

ホスピスでは治療による延命措置はおこなわれませんが、痛みをコントロールするための治療はおこなう場合があります。痛みの緩和をするか、延命措置をするか、という判断は難しいものですが、医師としっかり話し合って処置の方針を決めます。

精神的ケア

「精神的ケア」は、死に対する恐怖や不安感を緩和するケアです。重篤な病気による苦しみや、死への恐怖心を和らげるために、ホスピスケアでは精神的なケアも大切にしています。

例えば、施設の部屋を本人の住み慣れた住宅の空間に近づけるといった視覚的なサポート。思い出の品を本人の近くに置いておくだけでも安心感につながり、苦痛の緩和になるでしょう。

また、患者が信頼している人との会話による心理的サポートもあります。苦痛を感じている際は特に孤独感を抱きやすくなっています。家族など信頼する人が一緒にいるだけでも、患者は安心して過ごせます。

社会的ケア

「社会的ケア」とは、社会的な問題解決を援助するため、主にソーシャルワーカーや家族がおこなうケアのこと。例えば、入院費や医療費などの手続きや、遺品整理、遺品相続などをサポートします。

一般にホスピスの利用は保険の支払い対象になります。しかし、患者本人と家族だけでは、支払い手続きなどをおこなう余裕はなかなかありません。加えて、終活の一環として財産の整理や相続対策なども必要です。

そのため、入院患者の社会的な申請や手続き関係を代行するサービスもホスピスで用意しています。身体的・精神的と同時に社会的ケアもおこない、患者に無用な負担をかけないように適切な配慮がされているのです。

一部の医療ケアはしてもらえる

ホスピスケアで医師による医療行為は受けられますが、抗がん剤の投与など、がんそのものの治療は受けられない施設がほとんどです。 ホスピスで受けられる医療行為は、あくまで痛みを軽減するためのもの。がんの治療以外の通常の診療は患者や家族の希望に応じて、今までと同様に継続して受けられます。


ホスピスで受けられる医療行為の内容は、レントゲンや血液検査、輸血、点滴など全身状態を維持するために必要な検査や治療です。また、必要に応じて、症状緩和のための外科的治療や放射線治療がおこなわれることもあります。


ホスピスが病院と最も違うのは、病気治療・延命措置を目的としていない点です。ホスピスケアの目的は終末期を迎えた患者に幸せな時間を過ごしてもらうことです。

ホスピスケアを受けられる場所

ホスピスケアを受けられる場所は主に以下です。

  • ホスピス
  • 緩和ケア病棟
  • 介護施設
  • 自宅(在宅ホスピス・在宅緩和ケア)

それぞれ詳しく見てみましょう。

ホスピス

ホスピスとは、末期がんなどで死期が近い患者に対して、安らかな最期を迎えてもらうための治療やケアをおこなう施設のことをいいます。治療が困難な人や自らホスピスケアを希望した人がホスピスに移ります。

ホスピスでは、面会の制限が無かったり、居室に泊まることができたりと、家族と一緒に過ごす時間も多く取れます。

がんなどの治療を受ける中で、「最期は自分の好きなように過ごしたい」「苦痛から解放されて家族と心ゆくまま最期の時間を楽しみたい」と思う方は、ホスピスへの入居を検討してみましょう。

緩和ケア病棟

緩和ケア病棟とは病院内に併設されたホスピスのことです。がんなどの病気の治療を受けている病院の緩和ケア病棟に移った場合、患者の病状や治療法などについての情報伝達がスムーズで、家族も新たにホスピスを探す必要がなく、負担が少ないといえます。

緩和ケア病棟は、がんによる心身の苦痛を和らげることを目的とした病棟です。そのため、キッチン設備が整えられていたり、季節のイベントが開催されたりなど、できる限り日常に近い生活を送ることができるよう工夫されています。また、家族や友人などを招き、一緒に病棟内のイベントを楽しむこともできます。

緩和ケア病棟でのケアを通じて心身の苦痛が和らいだら、患者の希望に応じて退院し、帰宅も可能です。

介護施設

ホスピスケアは介護施設でも受けられる場合があります。最近では、ホスピスケアを提供する特別養護老人ホーム有料老人ホームサービス付き高齢者向け住宅などが少しずつ増えています。

入院期間に定めのある緩和ケア病棟と違い、入居期間に定めがないことが介護施設に入居するメリットのひとつ。生活の中で必要となる排泄介助などの身体介助に介護保険を利用するので、介護認定を持つ方が入居対象となる施設が多いです。

なかには介護認定がない方の入居が認められる場合もありますが、その場合には生活で必要となる介助に対し実費での支払いが必要なため、月額の支払い金額が高額になってしまいます。

自宅(在宅ホスピス・在宅緩和ケア)

自宅で受けるホスピスケアは「在宅ホスピス(在宅緩和ケア)」と呼ばれます。

在宅ホスピスとは、患者の自宅や専門の施設で、ホスピスケアを受けながら生活する方法です。住み慣れた家で家族と一緒に残された時間を過ごせることは、患者にとって一番幸せかもしれません。

在宅ホスピスでは、定期的に医師と看護師が訪問して、ケアや診察をおこないます。専門の施設なら、何かあったときにいつでも医師や看護師が駆けつけられるので安心です。自宅の場合でも家族のサポートを受けながら、緊急の時には医師や看護師に対応してもらえます。

もし、自宅で具合が悪くなった場合は病院に入院することも可能です。加えて、自宅で介護をする家族が身体的・精神的負担を感じ、十分な介護ができなくなると判断した場合は、レスパイト入院(一時的な入院)もできます。

緩和ケアなら通院でも受けられる

緩和ケアは、がんなどの病気の治療と平行して受けられるので、普段、治療で通っている外来でも緩和ケアを受けられる場合があります。

がんなどの治療で通院しながら緩和ケアを受ける場合、基本的には担当の医師または看護師からケアを受けます。しかし、必要に応じて他の医療専門職からのケアを受けることもあります。

緩和ケア外来のない病院に通院している方は、普段がん治療のために通っている外来で緩和ケアを受けるか、または他の病院の緩和ケア外来を受診します。

がんなどの治療を受けながら緩和ケアを受けたいと思った場合、まずは通院している外来に相談してみましょう。

よくある質問

ホスピスケアはどんなケアを受けられますか?

ホスピスケアは患者に対して最大限の敬意を払い、患者と家族にとって穏やかで幸せな生活を送ることを目的としています。主に、治療に伴う身体面の苦痛を取り除く「身体的ケア」、死に対する恐怖や不安感を緩和する「精神的ケア」、入院費や医療費などの手続きや、遺品整理、遺品相続などをおこなう「社会的ケア」の3つがあります。ホスピスケアでは、がんなどの病気そのものに対する治療はおこなわれませんが、全身状態を維持するために必要な検査や治療は受けられます。また、必要に応じて、症状緩和のための外科的治療や放射線治療がおこなわれることもあります。

ホスピスケアと緩和ケアは違うものですか?

ホスピスケアとは、末期がんなどで死期が近い患者が「穏やかに人生の終末を迎えたい」と考えた際に受けられるケアです。ケアの内容は、病気やその治療によって感じる苦痛を和らげたり、穏やかな最期を迎えるためのサポートが中心です。緩和ケアも苦痛な症状を和らげるケアのことです。しかし、緩和ケアはホスピスケアとは異なり、がんなどの治療と並行しておこなわれます。緩和ケアはがんなどを告知された初期症状の方から、症状が進んでしまった方も受けられます。

ホスピスケアはどこで受けられますか?

ホスピスケアは主に、緩和ケア病棟、介護施設、自宅で受けられます。緩和ケア病棟は、治療が困難な人や自らホスピスケアを希望した人が緩和ケア病棟に入院できます。緩和ケア病棟でのケアを通じて心身の苦痛が和らいだら、患者の希望に応じて退院し、帰宅も可能です。また、入居した介護施設や自宅へ医師と看護師が訪問してくれる「在宅ホスピス(在宅緩和ケア)」もあります。住み慣れた家で家族と一緒に残された時間を過ごせることは、患者にとって一番幸せかもしれません。

地域から老人ホーム・介護施設を探す

北海道・東北

北海道札幌市)|青森県岩手県宮城県仙台市)|秋田県山形県福島県

関東

東京都神奈川県横浜市 / 川崎市 / 相模原市)|埼玉県さいたま市)|千葉県千葉市)|茨城県栃木県群馬県

甲信越・北陸

新潟県新潟市)|富山県石川県福井県長野県山梨県

東海

愛知県名古屋市)|岐阜県三重県静岡県静岡市 / 浜松市

関西

大阪府大阪市 / 堺市)|京都府京都市)|兵庫県神戸市)|滋賀県奈良県和歌山県

中国・四国

岡山県岡山市)|広島県広島市)|鳥取県島根県山口県徳島県香川県愛媛県高知県

九州・沖縄

福岡県福岡市 / 北九州市)|熊本県熊本市)|佐賀県長崎県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

よく読まれている記事

よく読まれている記事

article-image

介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

article-image

グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

article-image

【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

介護の基礎知識

total support

介護の悩みを
トータルサポート

total support

介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。

鎌倉新書グループサイト