介護について考えたとき、在宅介護だけでなく施設への入居も視野に入れておく必要があります。
特に、介護をする人と介護される人が離れて住んでいる場合などは、早めに介護施設について調べておくといいでしょう。今回は特別養護老人ホームと有料老人ホームの違いについて説明します。
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介護が必要になったとき、在宅でなく施設に入居するという選択肢もあります。介護施設の中でも特別養護老人ホームと有料老人ホームについて、違いが分かりにくい入居条件や費用などについて簡単な表にまとめました。各項目ごとに見ていきましょう。
有料老人ホーム | 特別養護老人ホーム | |
---|---|---|
入居条件 | 自立・要支援1~要介護5 | (原則)要介護3以上 |
費用 | 入居一時金:0~数千万円 月額費用:15~40万円 | 入居一時金:0円 月額費用:8~14万円 |
居室タイプ | 個室 | 個室・多床室 |
居室面積 | 13㎡以上 (介護付き有料老人ホームの場合) | 10.65㎡以上 |
サービス | レクリエーションやイベントが充実 | 生活支援と介護サービスが中心 |
入居者と介護スタッフの比率 | 3:1以上 (介護付き有料老人ホームの場合) | 3:1以上 |
入居難易度 | 特養と比べると待機者は少なく比較的入居しやすい | 入居待機者が多く数ヶ月以上待つ場合がある |
まずは、特別養護老人ホームと有料老人ホームの入居条件の違いについて説明します。
特別養護老人ホームは、常時介護が必要で在宅での介護が困難な高齢者を対象とした高齢者介護施設です。もともと要介護1~5の方が入所対象でしたが、2015年からは要介護3以上の認定が入所の条件となりました。
基本的には65歳以上の高齢者が対象ですが、特定疾病に罹患している場合は40~64歳までの希望者にも入所が認められます。
有料老人ホームは、施設の種類によって入居条件が異なります。種類ごとの一般的な入居条件は次の通りです。
ただし、入居条件は施設ごとに決められています。施設のパンフレットやホームページで確認できるので、入居を検討する際はしっかりチェックしましょう。
特別養護老人ホームと有料老人ホームの費用の違いについて、比較しながら見ていきましょう。
有料老人ホームでは入居一時金が一般的ですが、特別養護老人ホームでは入居一時金は必要ありません。
居住費、食費、介護サービス費、医療費、理美容代、お菓子代、被服費、レクリエーション費という、国が定めた基準費用額に基づいて算定されている日常生活費のみを月々支払います。おむつ代やクリーニングのいらない私物の洗濯については負担する必要がありません。
施設の居室のタイプによって実際に毎月かかる費用は異なります。相部屋の多床室の場合は月額利用料は約8万円ほど、1人のユニット型個室なら約14万円が目安となります。
有料老人ホームの入居費用には、入居時に支払う「前払金」と、毎月支払う「月額利用料」があります。
前払金は「入居一時金」とも呼ばれ、多くの有料老人ホームでは入居時に前払金が必要です。
想定居住期間の家賃相当分の全額、または一部を前払いすることで、毎月の支払額を抑えることができます。想定居住期間は施設ごとに異なり、5年程度のこともあれば10年以上のこともあります。
月額利用料には、家賃や管理費といった居住費のほか、食費、水道光熱費などを含みます。
初期費用が0円の施設も増えつつありますが、前払金を払わない代わりに家賃の負担が増えるため、月々支払う金額は高くなります。
特別養護老人ホームと有料老人ホームのサービス内容にはどのような違いがあるのでしょうか。具体的に説明していきます。
特別養護老人ホームは、介護保険制度上では「介護老人福祉施設」と呼ばれる公的施設です。法令によってサービス内容が規定されているので、どこの施設に入居しても同じサービスを提供できるよう決められているのが特徴です。
例を挙げると、食事や入浴に関しては「家庭と同等の内容で提供すること」「利用者は最低週2回入浴できるようにすること」と規定されています。
入居者の部屋や共用部分の清掃については「施設スタッフもしくは施設から依頼を受けた外部の業者が定期的におこなうこと」と規定されています。また食事や入浴、排泄時の介助は、常駐する介護スタッフによっておこなわれます。
理学療法士や作業療法士によって本格的なリハビリを受けられる施設もありますので、必要な場合は入居前にチェックしましょう。
有料老人ホームには介護付き老人ホーム、住宅型老人ホーム、健康型老人ホームの3タイプに分類されます。一般的には入居年齢は65歳以上ですが、厚生労働省が特定疾病に指定している疾病を持っている人は40歳から入居できます。
介護認定に当たらない人でも入居できる有料老人ホームもあれば、入居条件に介護認定を設けている有料老人ホームもあります。
どのタイプでも食事の提供、清掃や洗濯などの家事のサポートはありますが、介護サービスについては施設のタイプごとに異なります。
各有料老人ホームのサービスの特徴について下記で見ていきましょう。
介護付き有料老人ホームは特定施設入居者生活介護の指定を受けているので、その施設の介護スタッフや看護スタッフが介護サービスをおこないます。
充実した介護設備と手厚い介護サービスや生活支援サービスを受けられ、介護度が高くなっても終身にわたって利用できるのが大きな特徴です。
住宅型有料老人ホームでは施設側が介護サービスを提供することはなく、入居者が個別に契約した介護事業者によって介護サービスを受けることになります。
施設によっては居宅介護支援事業所や訪問介護事業所が併設されていることもありますが、そうでない場合は外部の事業所を契約することになります。
健康型老人ホームは自立者向けの施設で、介護面や医療面でサポートを受けられます。掃除や洗濯などの日常的な家事を代行してもらえたり、提携している医療機関で定期的な検診が受けられたり、365日見守ってもらえる安心感があります。
一番の特徴は図書室やスポーツ設備、シアタールーム、温泉、麻雀などのレクリエーション施設が充実していることが多く、イベントも盛んなことです。健康な高齢者向けの有料老人ホームで、楽しくアクティブに過ごしたい人におすすめです。
特別養護老人ホームと有料老人ホームの居室や設備の違いについて紹介します。
特別養護老人ホームの居室は、大きくわけると個室と複数人で使用する定員2〜4名の多床室があります。個室化が国によって進められていますが、特別養護老人ホームの30%ほどが多床室となっています。
1人あたりの居室面積基準は10.65㎡以上と法律で定められていますが、洗面所やトイレは居室の外にある同フロアの共同設備を使用するところが多くなっているようです。
有料老人ホームの居室は一人で使える個室が主流になっていて、介護付き有料老人ホームの場合だと13㎡以上の居室面積基準となっており特別養護老人ホームよりも少し広めとなっています。
最近では18㎡ほどの広めの個室が主流で、洗面台とトイレが設置された居室も増えています。
ミニキッチンや入浴設備も設置された25㎡程度の広めの居室や、マンションタイプの有料老人ホームの場合は、1LDKや2DKなどの間取りで30㎡程度から90㎡以上といった居室もあり、施設によって様々な居室タイプがあるのも特徴です。
特別養護老人ホームと有料老人ホームでは、それぞれどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
特別養護老人ホームの1番のメリットは入居一時金が必要ないこと。そして所得に応じた利用料の減免制度が設けられていて、月々の利用料も民間の有料老人ホームと比べると安いところが多いです。
さらに月々の利用料の半分が医療費控除の対象となり、その点でも費用負担が少なく済むのがメリットです。
また、特別養護老人ホームでは介護度が上がったり認知症が進んでも看取りまで世話になれるので、途中で退居せず終身入居できるのもメリットのひとつです。
特別養護老人ホームの一番のデメリットは、入居待機者が多数いるということです。待機期間は地域や施設によって異なるが、入居を希望してもすぐに入居できないのは大きなデメリットではないでしょうか。
また2015年4月の制度改正で、入居待機者数を減らす目的で65歳以上の人の入居条件が要介護3以上になったことも難点として挙げられ、特別養護老人ホームへの即入居は厳しいのが現状です。
有料老人ホームの一番のメリットは施設によって提供するサービスに違いがあるということです。
入居する人のライフスタイルや希望する介護サービスに合わせて、様々な価格帯やサービスの中から希望する施設を選ぶことができます。
特別養護老人ホームと異なり、プライバシーを重視しながら快適に過ごせるよう基本的に個室を用意しているところが多いのも特徴です。
また、シアタールームなどの設備が充実していたり、月額利用料が安い有料老人ホーム、医療ケアに特化した有料老人ホームなど様々なニーズに対応する施設もあります。
それぞれ施設によって入居条件も異なるため、特別養護老人ホームに比べて入居しやすくなっています。
有料老人ホームの一番のデメリットは、特別養護老人ホームと比較するとどうしても費用が高額になることです。施設によっても異なりますが、一般的な月額利用料は約15〜40万円と言われています。
また入居一時金が必要な有料老人ホームも多く、数万円から数十万円といった施設から、数千万円必要な高額な施設もあります。要介護度が高かったり、24時間見守りが必要な場合など、状態によってはさらに月額の費用が高くなることもあります。
特別養護老人ホームは、介護保険制度上では「介護老人福祉施設」と呼ばれる公的施設です。法令によってサービス内容が規定されているので、どこの施設に入居しても同じサービスを提供できるよう決められています。
一方、有料老人ホームは「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」の3タイプに分類され、どのタイプでも食事の提供、清掃や洗濯などの家事のサポートがあります。介護サービスについては施設のタイプごとに異なるので注意が必要です。
特別養護老人ホームの居室は、1人あたり居室面積10.65㎡以上と法律で定められており、洗面所やトイレは居室の外にある同フロアの共同設備を使用するところが多いです。
一方、有料老人ホームの居室は一人で使える個室が主流になっており、居室面積は13㎡以上と決まりがあります。
ただし最近では18㎡ほどの広めの個室が一般的で、洗面台とトイレが設置された居室も増えてきており、ミニキッチンや入浴設備も設置された25㎡以上の居室も人気があります。
特別養護老人ホームでは入居一時金は必要なく、「居住費」「食費」「介護サービス費」など国が定めた基準費用額に基づいて算定されている日常生活費のみを月々支払います。
一方、有料老人ホームでは入居一時金が必要な場合が多く、想定居住期間の家賃相当分の全額、または一部を前払いすることで、毎月の支払額を抑えるというのが一般的です。
また月額利用料の相場は約15~40万円と施設や入居者の身体状況によって差が出ます。
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