加齢に伴い、徐々に飲み込む力や噛む力は低下していきます。これらの機能が弱くなると、気管に入って咳き込んでしまったり、最悪の場合は誤嚥を引き起こす可能性があります。
そんな状態にならないための食事形態としてミキサー食が挙げられます。
この記事では、ミキサー食のメリット・デメリット、調理する際の注意点を解説しています。
「親が食事の際によく咳き込んでいる…」「ご飯を食べづらそうにしている…」などの悩みを持っている人は、是非、参考にしてみてください。
ミキサー食は、食材をミキサーにかけ、ペースト状にした食事形態を指します。主に飲み込む力や噛む力が低下した人向けの料理で、スムーズに栄養を補給することができます。
ミキサー食は、飲み込む力や噛む力が低下した人に向いている食事形態です。例えば、歯がない人やあごの筋力が低下して口が開きづらい人、食事中にむせてしまう人などが挙げられます。
またミキサー食は、食道や胃腸といった消化器官が低下している人にとっても負担になりにくい食事形態と言えます。
食事をするための機能が低下していても食べやすいミキサー食にはどんなメリットがあるのでしょうか。以下では、ミキサー食のメリットに関してまとめました。
ミキサー食の最大のメリットは、やはり飲み込む力や噛む力が低下していても食べやすいというところでしょう。「上手く噛めないから食事をしたくない…」といった人に対してミキサー食は便利な食事形態と言えるでしょう。
ミキサー食はペースト状になっているため、消化の際に必要なエネルギーが少なく、消化器官への負担が減ります。そのため、スムーズに栄養を摂取することができ、エネルギーとして役立てることができます。
飲み込む力や噛む力が低下した人にとってミキサー食は、比較的食べやすい食事形態だと言えます。一方で、ミキサー食にもデメリットは存在します。以下では、ミキサー食のデメリットに関してまとめました。
ミキサー食は、食材をすべてミキサーにかけペースト状にした食事形態です。そのため、見た目が普通の料理より悪くなり、何を食べさせられているのかわからず、食欲減退につながるケースがあります。
ミキサー食をつくる際は、食材以外に水分を多く必要とし、水分を加えたことで食材の分量が増えます。高齢者にとって水分でかさ増しされたミキサー食では食べきれずに必要な栄養が摂取できない可能性があり、低栄養状態になるケースもあります。
ミキサー食の場合、粘度が強すぎると飲み込みの際に喉に張り付いてしまい、逆に飲み込みにくく、最悪の場合は誤嚥を引き起こす可能性があります。
ミキサー食は、食材をミキサーにかければ終わりというわけではありません。以下では、ミキサー食を調理する際の注意点をまとめました。
ミキサー食には、調理する際に不向きな食材があります。主に、繊維が多いものや粒が残りやすいもの、弾力があるものに関しては誤嚥につながる可能性もあり、ミキサー食には不向きです。
ミキサーにかけてしまうとどんな食材が入っているかわからず、香りも飛んでしまい、食べる人は食欲を失ってしまうこともあります。
そんな状態にならないために、ミキサーにかける前の料理を見せてあげると良いでしょう。ミキサーにかける前の料理を見せることで、自分が何を食べているのかをイメージでき、食欲の減退を防ぐことにつながります。
ミキサー食は水分量が多いため、とろみ剤を使用し粘り気を出す工夫が必要です。目安はポタージュ状ですが、食べる人の飲み込む力に合った粘度に調整するのが良いでしょう。
ただし、とろみ剤を入れすぎると必要以上に粘り気が出てしまい、咳き込んでしまうことも。とろみ剤を使用する際は、様子を見ながら少しずつ足していくことが誤嚥防止につながります。
ミキサー食は、すべての食材をミキサーにかけてしまうため、どうしても見た目が悪くなってしまい、食欲をそそりません。食欲の減退を防ぐためには、彩りを工夫することが効果的です。
見た目を良くする工夫としては、食材ごとにお皿を変えたり並べ方に気を配ることが重要です。また、すべての食材を一緒にミキサーにかけず、食材ごとにかけることでミキサーにかける前の色とほとんど変わらず、食べる人も何を食べているのかをイメージできます。
ミキサー食は、噛む力が必要なく、歯がない人や口が開けづらい人にとって食べやすい食事形態です。しかし、例え噛む動作が必要なかったとしても少なからず口内には食材が残るものです。口内に食材が残っていると虫歯や肺炎の原因となり危険です。食後は必ず歯を磨くことを習慣づけ、口内を清潔に保ちましょう。
きざみ食は、食材を細かくきざみ食べやすくしたものを指します。一般的に、飲み込む力はあるが噛む力が低下している人に向けた食事形態と言えます。
ただし、食材をすべて細かくきざんでいるため、飲み込む力が極端に低下している場合は誤嚥を起こす可能性があります。
基本的にミキサー食であれば飲み込む力、噛む力が弱くても食べることはできます。ただし、粘度が強い場合は喉にくっついてしまい誤嚥を起こす可能性もあります。そのため、とろみ剤を適度に使用することが重要です。
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