「親が食事の際によく咳き込むようになった…」「普通の食事を食べづらそうにしている…」などの悩みを持っている方は多いのではないでしょうか。加齢に伴い、徐々に飲み込む力や噛む力は低下していきます。
そんな不安な食生活を支えるのが介護食のひとつでもあるソフト食です。
この記事では、ソフト食の特徴やメリット・デメリット、調理をする際のポイントに関して解説しています。
「ソフト食を試してみたいけど親に合っているかわからない」「そもそもソフト食って何だろう?」といった疑問を持っている方は、是非、参考にしてみてください。
ソフト食は、食材や料理を柔らかくし、ペースト状のものを元の形状に戻すなどの工夫を加えています。介護食の中では、形を保ちつつ飲み込みやすい食事形態と言えるでしょう。
ソフト食は、主に飲み込む力や噛む力が低下している人に向いています。例として、歯が悪くなっていたり口が開けづらかったりする場合などが挙げられます。
介護食の中では、しっかりと形を保ちつつ飲み込みやすいソフト食ですが、どんなメリットがあるのでしょうか。以下では、ソフト食のメリットをまとめました。
ソフト食の最大のメリットは、形があり見た目が良く、香りを楽しめるところでしょう。ミキサー食の場合は、すべての食材を一度にミキサーにかけてしまうため、どんな料理が提供されているのか食べる人が理解できない場合が多いです。
一方で、ソフト食は、食材ごとにペースト状にし、その後形を整えています。そのため、見た目も良く、食材そのものの香りを楽しむことができます。
ソフト食は、食べやすいように舌で押しつぶせる固さに調整してあります。飲み込む力が極端に低下していなければ比較的食べやすい形態と言えるでしょう。
ソフト食はきざみ食とは異なり、滑らかな塊になっているため、口内で食材がばらけることはありません。そのため、喉に詰まったり気管に入ったりすることは少なく、誤嚥を防ぐことができます。
介護食の中でも比較的食べやすいソフト食にはどんなデメリットがあるのでしょうか。以下では、ソフト食のデメリットをまとめました。
たくさんのメリットがある反面、食材ごとにペースト状にしたり、元の料理の形を再現したりといった工程を踏むため、調理には手間と時間がかかります。
ソフト食では、食材を固めるためのゼラチンや寒天といったゲル化剤や必要に応じてとろみ剤を使用します。そのため、高価な商品ではないものの、費用面で負担が増えることが考えられます。
飲み込む力や噛む力が低下しても食べやすいソフト食。調理するときにはどんなポイントを押さえておくのが良いのでしょうか。以下では、ソフト食を調理するときの3つのポイントをまとめました。
筋のある肉や骨の多い魚など加工しにくいものは避け、豆腐や果物など元々柔らかく食べやすい食材を選びましょう。特に豆腐は、良質なタンパク質を摂取できる食材として知られていて、身体を動かすために必要な栄養素のひとつでもあります。
また、かぼちゃ、冬瓜、さつまいもといった野菜も調理しやすく高齢者に喜ばれます。さつまいもなどのいも類は、加熱して温かいうちにつぶすのがポイントです。
ソフト食は、舌や歯茎で押しつぶせる食事形態です。その状態に仕上げるには、ゆでたり煮込んだりする時間を長くする必要があり、場合によってはマッシャーやフードプロセッサー、すり鉢などで細かくすり潰す作業も重要です。
ソフト食は、ミキサー食と異なり比較的原型を留めていることが多いですが、食材によっては形が崩れてしまい食欲の低下を招くこともあります。そのため、食材ごとにお皿を変えてみたり並べ方に気を配ることも大切です。
きざみ食は、食材を細かくきざんでいるため、噛む力が低下している人にとって適した食事形態だと言えます。しかし、口内でまとまりにくく、飲み込む力が低下している場合は誤嚥を起こす可能性があります。
一方でソフト食は、滑らかにまとまっているため口内でばらけることはなく、飲み込む力が低下している人でもスムーズに食事をすることができます。
基本的に老人ホームでは、普通食・きざみ食・ミキサー食・ソフト食・ゼリー食といった介護食が入居者の身体状況に合わせて提供されています。ただし、施設によっては対応していない食事形態もあるので、入居を検討している際は確認しましょう。
基本的にソフト食であれば飲み込む力、噛む力が弱くても食べることはできます。ただし、飲み込む力が極端に弱まっていて、とろみ剤を使用するときは喉にくっついてしまわないように注意が必要です。とろみ剤は、食べる人のペースに合わせて適度に使用すると良いでしょう。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。