【管理栄養士監修】糖質制限食とは|気になるメリット・デメリット

【管理栄養士監修】糖質制限食とは|気になるメリット・デメリット

公開日 2022/10/17

糖質の摂りすぎは、糖尿病をはじめとしたさまざまな生活習慣病を患ってしまう可能性があります。そのため、糖質制限食は高齢者にとって必要な食事のひとつと言えるでしょう。

この記事では、糖質制限のメリット・デメリット、制限をおこなうときのポイントに関して解説しています。

「病院で糖質を気にするように言われてしまった…」「親が生活習慣病を患わないように糖質制限食を試してみたい」など糖質制限食を検討している方は、是非、参考にしてみてください。

糖質制限とは何だろう?

糖質制限とは、食材に含まれる糖質の量をコントロールする食事を指します。

糖質制限とは、食材に含まれる糖質の量をコントロールする食事を指します。主に気をつけたいもの、取り入れたいものを以下の表にまとめました。

△気をつけたいもの◎取り入れたいもの
主食白米、食パン、うどんなど玄米、雑穀米、ライ麦パン、蕎麦など
主菜加工肉(ソーセージ、ハム、ウィンナー)、加工食品(かまぼこ、ちくわ)など魚類、大豆製品、卵、鶏肉、豚肉、牛肉など
野菜じゃがいも、さつまいも、かぼちゃ、里芋などほうれん草、小松菜、ブロッコリー、白菜、トマトなど
果物バナナ、柿、ぶどうなどオレンジ、いちご、スイカ、りんごなど
間食せんべい、饅頭、クッキー、チョコレート、アイスクリームなどナッツ類、ヨーグルト、チーズなど
酒類ビール、ワイン、日本酒、梅酒、チューハイなど焼酎、ウイスキー、ブランデーなど
飲み物果物ジュース、野菜ジュース、炭酸ジュース、砂糖入りコーヒー水、お茶、無糖コーヒーなど

出典:「日本食品標準成分表 2020年版(八訂)」(文部科学省)

気をつけたいものは絶対に食べてはいけないものではありませんが、摂取頻度を調整することで、糖質の量を抑えることができます。

また、糖尿病などの疾患によって高齢者に糖質制限食を提供する際は、今まで食べていたものを極端に制限するのはやめましょう。厳しい制限は食べる楽しみを奪ってしまうため、緩やかにおこなうことが望ましいです。

糖質とは? 糖質は、3大栄養素である炭水化物から食物繊維を除いたものを指します。主に、主食と呼ばれるものに多く含まれており、白米や小麦粉を多く使用したパン、麺などが挙げられ、ビールやワインといった酒類にも含まれています。

糖質制限のメリット

糖質制限は、ダイエット効果や血糖値のコントロールに役立つ

糖質制限をおこなうとどのようなメリットがあるのでしょうか。以下では、糖質制限のメリットに関してまとめました。

ダイエット効果がある

糖質は体のエネルギー源であり、1日で摂取する割合の中で一番多いため、その糖質を制限することで、肥満体型の方はダイエットにつながります。ただし、高齢者の場合は、ダイエット目的で極端に糖質を制限してしまうと筋肉量が減りやすく、代謝が低下しやすいです。これにより、便秘や低血糖症など悪影響を及ぼすので、適度な制限が望ましいです。

血糖値のコントロールに役立つ

糖質を摂りすぎてしまうと血糖値が高まり、糖尿病のリスクが増加します。そんなときに役立つのが糖質制限です。白米や麺などを極端に減らす必要はありませんが、嗜好品(お菓子・お酒・ジュース)などを見直すとコントロールがしやすいでしょう。

糖質制限のデメリット

糖質制限をすることで、病気にかかりやすくなったり、筋肉量が落ちたことにより歩行困難になり、寝たきりのリスクがある

糖質制限は極端におこなってしまうとさまざまなリスクにつながる場合があります。以下では、糖質制限によるデメリットをまとめました。

病気にかかりやすくなる

糖質制限によって身体にエネルギーが行き渡らない状態が続くと、判断力が低下したり、体力の低下により病気にかかりやすくなったりします。高齢者の場合は、風邪でも重症化する可能性もあるため、体力の低下は避けたいところです。

寝たきりのリスクが高まる

糖質を極端に制限してしまうと、身体全体の筋肉量を減らしてしまうリスクがあります。歩くための筋肉が落ちてしまうと歩行困難につながる可能性があり、将来的に寝たきりになってしまうことも考えられます。

また、糖質が不足すると、タンパク質が身体を動かすためのエネルギーとして使われます。そのため、筋肉の材料としては使われず、筋肉を分解してエネルギーを確保するため、筋肉量が減ることも認識しておきましょう。

糖質制限をおこなうときのポイント

糖質を極端に制限してしまうと体調不良を引き起こす可能性があるので、主食を減らしすぎないことが重要。

病気や寝たきりのリスクを回避しつつ、高齢者に糖質制限をおこなうときはどのようなことに気をつければ良いのでしょうか。以下では、糖質制限をおこなうときのポイントに関してまとめました。

主食を減らしすぎない

白米やパン、麺類などは適度に食べると良いでしょう。主食を減らしすぎてしまうと糖質が不足してしまう上、主食がないことで食事に対しての楽しみを見出だせなくなる可能性があります。

そんな状態にならないために、白米であれば毎食小盛り1杯程度を食べるようにすると、糖質不足を防ぐこともでき、食事が楽しくないという状況にもなりにくいです。

嗜好品を見直す

菓子類や酒類にも糖質が多く含まれているものがあります。糖質制限をする際、菓子類や酒類が日常的に手放せないという方は、これらを見直す必要があります。

薄味を心がける

糖質を抑えるために味噌やみりんなどといった調味料を使用しないと、味に変化がなく物足りなさを感じることがあるでしょう。しかし、物足りなさを埋めるため、塩分で補うのは高血圧の原因につながるので、できるだけ薄味で食べることを心がけましょう。

また、糖質を控える分、タンパク質や野菜類、良質な脂質をしっかり摂ってバランスを取り、ただ糖質を減らしただけの食事にしないことも重要と言えます。

糖質制限食に関するよくある質問

糖質制限中はどんなものを食べれば良いですか?

白米やパン、麺類などの炭水化物は適度にし、魚類や大豆製品、加工をしていない肉類などを食べると良いでしょう。また、飲み物に関してはジュースは避け、水やお茶などを飲むのが望ましいです。

糖質制限をしていてもお酒は飲めますか?

ウイスキーや焼酎といった糖質がほぼゼロの蒸留酒であれば、糖質制限中でも飲酒は可能です。一方で、ビールや甘口のワインなどは糖質が多いため避けたほうが良いでしょう。

老人ホームでも糖質制限した食事は提供されますか?

基本的に老人ホームでは、入居者の身体状況に合わせた制限食が提供されている場合が多いです。ただし、施設によっては糖質制限食を提供していない場合もあるので、入居を検討している際は確認しましょう。

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