老人ホームや高齢者施設で積極的に取り入れられているレクリエーション。クイズやゲーム、季節のイベントなどをおこなうレクリエーションは、さまざまなメリットがあると言われています。
ここでは、レクリエーションの具体的な効果と種類を詳しく解説していきます。
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老人ホームや高齢者施設の多くは、レクリエーションの時間を設けています。レクリエーションは生活にメリハリをつけ、認知機能や身体機能を活性化する効果があります。
また同世代との交流が少ない高齢者も、他者と交流することで寂しさや孤独感を和らげ、穏やかな時間が過ごせます。
高齢者の健康維持と自立した生活の継続のためにレクリエーションは大事な役割を果たすと言えるでしょう。
レクリエーションは気持ちを盛り上げたり、リフレッシュするだけでなく、以下のような効果があるといわれています。
老人ホームに長い期間入居すると、家族と離れて孤独を感じる人もいます。いつも一人だったり、決まった人としか話さないというような状態は気持ちの面でよくありません。
イベントのような交流の場があれば、他の入居者と話すきっかけにもなります。また新しい入居者も自然と仲間に入りやすくなり、コミュニケーションの輪がひろがります。
老人ホームでの生活は屋内が中心なので、身体を動かす機会が多くありません。
簡単な動作でできる体操のようなレクリエーションがあると、健康維持や身体機能の強化につながります。ラジオ体操やパターゴルフなども人気があります。
身体だけではなく、レクリエーションによって脳の活性化も期待できます。
指先の機能を使う折り紙や工作や、しりとりやクイズ大会など。自分だけではなかなか面倒でできないことも、みんなでワイワイ楽しむことがさらなる脳への刺激につながります。
共同作業が必要なレクリエーションでは、高齢者が役割を担うことがあります。与えされた役割に取り組むことで、自分は必要な存在であると認識することができます。また、高齢者自身が主役になれるような企画も良いでしょう。
手芸や工作などレクレーションで作った作品は、プレゼントとして喜んでもらえるという楽しみも。レクレーションを通して承認欲求が満たされると、生きがいの創出や意欲の向上に繋がります。
レクリエーションの内容は介護施設によりさまざまです。ほとんどの施設では以下の5つを中心にレクリエーションがおこなわれています。
高齢者は身体を動かす機会が減っているため、楽しく運動できるレクリエーションは健康の維持に大事な役割を果たします。定期的な運動は身体機能や血流の改善に役立ち、疾患の予防や転倒を防ぐなど生活の質を維持するために必要です。
また、身体を動かすことはストレス発散や気分を安定させるため、高齢者にはおすすめのレクリエーションといえるでしょう。
短時間で、全身を使ったバランスのよい運動ができます。多くの高齢者が認知し、馴染みのある体操なので取り組みやすいでしょう。
うちわや折り畳んだ新聞紙などで風船を打ち合うゲームです。ボールとなるのは風船なので、安全性が高い競技です。
計算や漢字のクイズ、ゲーム、パズルなどを用いたレクリエーションです。複数人でゲームをおこなったり、一人でクロスワードパズルなどのプリントを解いたりします。
将棋、囲碁のような対戦を楽しむゲームも人気。いつもとは違った頭の使い方をすることで、認知症を予防したり、脳を活性化する効果が期待できます。
高齢者が楽しみながら解ける計算問題を使ったゲームです。日常的に使うお金や時間などの計算問題が出題されるので、抵抗感なく参加することができます。
また種類の異なる問題を出題するなど、楽しみながらゲームに取り組めるように工夫されています。計算ゲームでは、手や指を使う機会が多いのも特徴の1つです。
名物や観光名所をヒントに、どの都道府県を示しているかを当てるゲームです。頭を使うのはもちろんのこと、訪れたことのある場所を思い出すことで「回想法」としての役割も担えます。
また、同時に高齢者の方の故郷に触れるいい機会があるかもしれませんね。
懐メロや童謡の歌唱、歌や音楽を使ったリズム遊び、演奏会などをおこないます。懐かしい音楽は青春時代を思い出させ、気持ちを若返らせるとともに精神を安定させます。
また歌を唄うことは、心肺機能の向上や、嚥下防止、口腔内を整えるなどの効果も。みんなで一緒に演奏することで、一体感や達成感を感じることができるのも大きなメリットと言えるでしょう。
CDラジカセなどで懐メロや童謡といった高齢者に馴染みのある曲の冒頭部分(イントロ)を流し、タイトルがわかった参加者が挙手をして答えるシンプルなゲームです。
早く正解した人が勝ちとなるため、集中力が必要となります。また曲のタイトルを思い出す作業は、脳を活性化させます。
プロやアマチュアの演奏家を招待し、音楽コンサートを開くのも良いでしょう。歌を唄うことで身体機能の向上が見込めるのはもちろんのこと、リラックス効果も期待できます。
折り紙や塗り絵、手芸、ちぎり絵、工作、生け花(フラワーアレンジメント)、絵手紙など想像力と指先を使うレクリーションです。指先を使ったり工程を考えて作業することは脳に刺激を与え、認知症予防に役立ちます。
また、作品を作る楽しさや喜び、達成感を感じることも創作レクリエーションの特徴と言えるでしょう。
大人の趣味としても人気の高い折り紙や塗り絵は、指先を使うため脳に刺激を与えることができます。また、自己表現や集中力の向上、ストレス発散などのメリットもあります。
年齢や体力に関係なく取り組めるため、多くの施設で取り入れられています。作品は、施設内に飾ったり、プレゼントしたりと作った後も楽しむことができます。
紙コップを積み上げ、ピラミッドを早く完成させた方が勝者となるレクリエーションです。指先の器用さ・理解力・判断力が求められるので、脳の活性化にもつながります。
子どもたちとの交流やバザーなど、地域社会と関わるレクリエーションです。老人ホームは閉塞的になりがちなため、外部の人と交流は、入居者のリフレッシュにつながります。
老人ホームに幼稚園児を招く異世代交流は、お互いに良い影響を与え、元気な幼稚園児たちと過ごすことで、高齢者の笑顔が増えたり、活動量が増加することが期待できます。
バザーは入居者が手芸品や工芸品、絵画など得意なものを制作して販売します。訪れた人とのおしゃべりや交流で盛り上がることができ、自分がまだ社会にとって必要な存在であることを認識できます。
そのためには、施設自体が地域行事に参加するなど地域に溶け込む必要があるでしょう。
歌や手遊び、折り紙などを一緒におこなったり、子どもたちがダンスや合唱を披露したりします。また、高齢者は子どもたちに伝承遊びや昔のことを教えたりなど、地域にとっての存在意義を確認する機会にもなります。
地域のボランティア団体や専門の団体と連携し、動物と触れ合う時間を提供します。動物と触れ合うことで心が落ち着いたり、ストレスの軽減にもつながります。
高齢者にとって大切な役割を持つレクリエーションは、一般的にどの時間帯でおこなわわれているのでしょうか。また費用はどのくらいかかるのかも気になるところですよね。以下では、時間帯と費用に関して解説しています。
午前中はラジオ体操などのレクリエーションでゆったりと身体を動かします。朝は筋肉や神経が鈍くなりがちですが、身体を動かすことでそれらが活性化し、血行が良くなります。
昼食後の休憩が終わると、作品作りやゲームを使ったレクリエーションを行います。15時のおやつの後は、散歩に出たり、音楽を聴いたり、読書をして過ごします。
どのレクリエーションも、入居者が疲れないような所要時間を設定しています。
多くの場合、レクリエーションに参加するのに費用はかかりません。
料金設定は施設によって異なりますが、手芸や工作などでは一回につき100円~500円程度、生け花やフラワーアレンジメントでは一回につき1,000円~5,000円程度の材料費が必要です。また外部講師を呼んでおこなうレクリエーションの場合は、参加費がかかる場合もあります。
日帰り旅行や外出レクリエーションは、食事代や入園料、入館料、交通費などの費用がかかり高額となる場合もあります。ほとんどは任意参加のため、入居前に参加の意思を施設に伝えておきましょう。
レクリエーションは基本的に任意参加です。気分や体調、レクリエーションの内容によっては参加したくないこともあるはずです。そのような場合は本人の意思が尊重され、レクリエーションを休むことが可能です。
入居者にリフレッシュが必要と判断された場合は、スタッフが参加を誘導することもあります。
レクリエーションは、高齢者の生活の質が向上するよう考えられているため、できる範囲で参加することをおすすめします。
多くの老人ホームや高齢者施設では、認知機能や身体機能を活性化するなどさまざまな目的を持ってレクリエーションを行っています。
他者と一緒に行なうレクリエーションは社会活動の一種であり、孤立しがちな高齢者にポジティブな影響を与え、日々の生活にメリハリをつけますが、無理のない程度に参加することをおすすめします。
もし、体力や身体機能に不安があってレクリエーションへの参加を迷うような場合は、スタッフに相談するのが良いでしょう。
レクリエーションは生活にメリハリをつけ、認知機能や身体機能を活性化する効果があります。また、ほかの入居者とレクリエーションを通して交流を深めることで、寂しさや孤独感を軽減させ生活の質を向上させます。
主に「身体を使うレクリエーション」「頭を使うレクリエーション」「音楽を取り入れたレクリエーション」「創作レクリエーション」「地域交流を目的としたレクリエーション」の5つに分かれます。
施設によって内容はさまざまで、ラジオ体操や計算ゲーム、折り紙や塗り絵など種類は幅広いです。
地域との交流は多くの老人ホームでおこなわれています。園児を老人ホームに招待して折り紙やゲームなどをおこなったり、地域のボランティアの人が合唱やダンスを披露してくれたりと内容はさまざまです。
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